計算方法と目安 自己資本比率とは? わかりやすく解説

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転職先・就職先の安定性が判断できる自己資本比率。ですが、正確な意味合いや計算方法はわかっていないという方も多いのではないでしょうか。

自己資本比率の定義や計算方法、安定企業を見極める方法をわかりやすくご紹介します。

 自己資本比率とは?計算方法も紹介

そもそも自己資本比率とは、何を意味する言葉なのでしょうか。

自己資本比率は総資本に占める自己資本の割合

自己資本比率とは、会社の全ての資本(総資本)のうち自己資本が占める割合を指します。

総資本は、「自己資本」と「他人資本」で成り立っています。

自己資本比率で転職先の安定性が測れる

自己資本比率は会社の安定性が測れるため、転職・就職先を決めるときの判断軸になるでしょう。

自己資本比率が高いほど、借りているお金が少なく、会社の純資産(企業の純粋な資産のこと、自己資本と同義)が多いことを示します。

また、自己資本比率が低いほど返済できないリスクが大きくなり、信用できないという理由で資金調達が難しくなります。 

自己資本比率の計算方法

自己資本比率は、自己資本÷資産(他人資本+自己資本)×100で求めることができます。

例えば自己資本が500万円、他人資本が700万円の場合、自己資本比率は41.7%です。

※小数点第二位以下四捨五入

<計算式>自己資本比率

=自己資本÷資産(他人資本+自己資本)×100
=500万円÷(700万円+500万円)×100
=500万円÷1200万円×100
=0.41666666…×100
=41.6666666…
≒41.7%

 自己資本比率を求める際は、「貸借対照表」を活用するのが一般的です。

賃借対照表は、「資産」と「負債」と「純資産」の3つで構成されており、企業の財政状態を確認できるシートです。

貸借対照表(例)。表の左には資産、右には負債と純資産が記載されている。資産は会社の全財産である資産、負債は借金、純資産には自己資本が記載されている。なお、資産=負債+純資産なので、左右の合計額は必ず一致する。

※詳しくは→貸借対照表とは? 読み方をポイントごとにわかりやすく解説

自己資本比率を求めるときに必要になる項目は、「負債の部」と「純資産の部」です。

負債が「他人資本」、純資産が「自己資本」にあたります。

自己資本比率を簡単に調べる方法

自己資本比率は、計算をしなくても、「会社四季報」「会社四季報オンライン」で簡単に調べることが可能です。

ただ、すべての会社の自己資本比率について掲載されているわけではないので、目当ての企業の自己資本比率が含まれているか購入前に確認することをおすすめします。

自己資本比率から安定企業を見分ける方法

安定企業を見極める材料になる自己資本比率。

自己資本比率が何%なら、安定企業といえるのでしょうか。

比率によって変わる企業の評価

自己資本比率によって、企業の評価は異なります。ここでは、自己資本比率から安定企業を見極める方法をご紹介します。

30~40%以上なら安定した企業

自己資本比率が30~40%以上であれば、倒産しにくい企業と考えられています。

中小企業庁によると、2016年度の中小企業全体の自己資本比率は、40.08%。産業によって状況は異なるため一概にはいえませんが、自己資本比率がこの数値を上回っていれば平均以上の安定性は期待できるといえるでしょう。

※参考→平成29年中小企業実態基本調査速報(要旨)|中小企業庁

10%以下なら経営が危ない可能性がある企業

自己資本比率が10%以下の場合は、経営が危ない可能性があります。

自己資本比率が大きいということは会社が抱える負債の割合が大きいということであり、赤字や借金などが膨らんでいることを示しているからです。

特に自己資本比率が10%以下の場合は、自己資本比率を低下させている原因を探り解決しなければ、倒産する可能性が高いといえます。

ただ、企業を成長させるために借り入れをしたことで、自己資本比率が低くなる場合もあるため一概に自己資本比率が低い企業に問題があるとは言い切れません。

マイナスなら赤字になった

自己資本比率がマイナスの場合は、赤字企業です。

これは会社の負債が資産の総額を上回る債務超過の状態であり、全ての資産を手放しても会社の借金を返しきれないということを示しています。倒産のリスクは大きいといえるでしょう。

自己資本比率が100%だと安心経営から遠ざかる?

自己資本比率は高ければ高いほど良いもの、100%なら安心経営と勘違いされがちですが、必ずしも自己資本比率が高いほど安定しているとは言い切れません

自己資本比率が100%ということは銀行からの借り入れや外部から調達した資金が全くないということです。

すなわち、信用が薄く借り入れや資金調達が全くできないがために自己資本比率が100%になるというケースもあるのです。そのような企業は自己資本が枯渇したりより大きな成長が必要になった際に借金ができないことで危機を迎えるかもしれません。

安定企業を見極めるためには、自己資本比率のほかに、預金残高と金融機関との取引実績を調べてみることをおすすめします。

預金残高、金融機関との取引実績ともに十分にあったうえで自己資本比率が高い企業は安定した企業だといえるでしょう。

産業によって自己資本比率の平均は異なる

ここでは、産業ごとに異なる自己資本比率をご紹介します。

製造業、電気・ガス業、卸売業など産業によって、自己資本比率の平均は異なります。あなたが就職・転職したい会社はどの産業に属するのかを確認した上で、表を確認してみてください。

産業別一企業当たりの自己資本比率(2014年度)

鉱業、採石業、砂利採取業 64.2%
情報通信業 49%
製造業 48.7%
学術研究、専門・技術サービス業 47%
サービス業 45.5%
小売業 40.8%
飲食サービス業 40.6%
卸売業 34.7%
生活関連サービス業、娯楽業 34%
個人教授所 30.9%
電気・ガス業 18.1%
物品賃貸業 14.2%
クレジットカード業、割賦金融業 11.6%

産業別に自己資本比率を見たところ、最も高いのは、鉱業、採石業、砂利採取業の64.2%。最も低いのはクレジットカード業、割賦金融業の11.6%でした。

割賦金融業とは、分割して代金を受け取る形で販売を行う店に資金を供給する企業の業態を指します。

産業ごとの自己資本比率には違いがあり、少ない資本でもある程度経営が成り立つ産業では低くなる傾向にあるようです。

※参考→平成27年企業活動基本調査速報-平成26年度実績-|経済産業省

まとめ

就職先・転職先が安定した企業かを確認する一つの材料として、自己資本比率は役立ちます。

企業の安定性を客観的に把握することで、入社後、安心して仕事に取り組めるようにしましょう。

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