4つの注意点とは ベンチャー企業への転職で後悔しない!

新しい事業に取り組み急成長していて、一人ひとりの裁量が大きい――そんなベンチャー企業で、自分の実力を発揮して働いてみたい、という方は多いのではないでしょうか。

この記事では、ベンチャー企業への転職で、後悔しないための注意点や成功のポイントをご紹介します。

ベンチャーへの転職で失敗しないための注意点

ベンチャー企業への転職で失敗しないためには、その特徴やほかの企業との違いを知っておくことが大切です。4つの主な特徴をご紹介します。

1経費など会社の仕組みが未整備の可能性がある

設立から間もないベンチャー企業は、会社の仕組みが未整備なことがあります。具体的には、経費として認められる項目や家賃補助などの福利厚生、ボーナスの評価基準などです。

利益が少ない会社では、書籍代などが実費になることも。大企業では当たり前のように支給されていた費用も、ベンチャー企業では受け取れるとは限りません

出張の交通手段ひとつとっても「安価かつ効率よく移動できるルートはどれか」と考える必要があり、コスト意識が強化されやすい環境といえるでしょう。

2一人で何役もこなす必要がある

ベンチャー企業では、特定の職種で入社しても、一人でさまざまな業務をこなす必要に迫られることがあります。

社員が少ない、部署がないといった要因で、専門外の仕事も兼務するケースがあるためです。

例えば営業職で入社し、営業事務の仕事もカバーすることや、「総務部」の社員が人事や労務管理、経理などの業務内容も担当するといった具合です。

ベンチャー企業への転職を考えるなら、「役職の範囲を超えた仕事を任されることもある」と頭に入れておきましょう。

3企業のブランド名に頼れない

駆け出しのベンチャー企業では、大手のような知名度・ブランド力には頼れません

事業を成長させることで、これから知名度を上げていく段階にあるためです。

有名な商品を扱っていれば、会社名や商品名を伝えるだけで相手が理解してくれたり、取材や営業活動をさせてもらえたりすることも多いでしょう。

しかし無名企業の商品やサービスを売り込むためには、会社やサービス内容の紹介をゼロから始める必要があります。

裏を返せば、商品開発や客層の拡大に主体的に取り組み、開拓できる楽しさを経験できるのがベンチャー企業です。 

年収が下がる可能性もある

ベンチャー企業への転職では、前職より年収が下がる可能性もあります。

年功序列ではなく成果主義で給料が決まるため年齢が高くても給料が高くなる確約がない、企業の利益が少ないため会社全体の給与水準が低いといった理由があります。

企業規模でみると、小~中規模企業(999人以下)の社員の年収は、大規模企業(1,000人以上)の8割前後にとどまっています。

急成長を遂げ、実力さえあれば高い給与を手にできるベンチャー企業がある一方、前職を下回る待遇・環境で働くことも大いにあり得るのです。

※参考→平成29年度賃金構造基本統計調査|厚生労働省(企業規模の分類は、統計上の従業員数による区分)

このような違いに戸惑わないよう、企業研究をしっかり行って転職活動に臨みましょう。

ベンチャー企業の定義と大企業・中小企業との違い

転職における注意点を述べてきましたが、ここからは「そもそもベンチャー企業とはどのような企業なのか」「大企業や中小企業との違い」について解説します。

ベンチャー企業の定義

実は、ベンチャー企業の明確な定義はありません

主に新しいサービスや事業を展開していて、あまり規模が大きくなく設立から年数が浅い企業を指すことが多くなっています。

<「ベンチャー企業」といわれる企業の特徴>

  • 新しい機能や、今まで市場に出回らなかった商品を取り扱っている
  • 歴史が浅い
  • ITなど新しい技術や商材を取り扱っている
  • 上場を目指している

※ベンチャー企業について詳しくは→ベンチャーとは?わかりやすく解説

一方で中小企業は、中小企業基本法で明確に定義されています

業種によって資本金や人数の基準が異なり、詳しい内容は以下の通りです。

ベンチャー・中小企業・大企業の線引き。以下、業種分類:定義。製造業その他:資本金または出資の総額が3億円以下。もしくは従業員の数が300人以下。卸売業:資本金または出資の総額が1億円以下。もしくは従業員の数が100人以下。小売業:資本金または出資の総額が5000万円以下。もしくは従業員の数が50人以下。サービス業:資本金または出資の総額が5000万円以下。もしくは従業員の数が100人以下。

つまり「ベンチャー企業」でも業種や資金規模が該当していれば統計などで中小企業に分類されている可能性があります。

※参考→中小企業・小規模企業者の定義|中小企業庁

ベンチャー企業と大企業・中小企業との違い

まずはベンチャー企業ならではの特徴、メリットをおさらいしてみましょう。

ベンチャー企業の良さとしては、社長や上司との距離の近さがあります。

経営者は雲の上の存在ではなく、普段から会社の方針などを直接聞くことができ、自分の意見や提案を伝えやすい環境にあります。

業務面では、任される仕事の裁量が大きく、若手でも活躍しやすい特徴があります。

1人の社員が企画から販促まで携わるなど幅広い仕事をこなす場合が多く、若いうちからスキル向上が期待できます。

大企業との違い

ベンチャー企業は、大企業では難しいスピーディーな意思決定が可能です。

1つの物事を決定するにしても、経営者の決済を得るまでに会議や役職者の承認など多くの段階があります。

意思決定までの時間が短い環境で、スピーディーに仕事を進めたい方は、ベンチャー企業の社風が合っているかもしれません。

中小企業との違い

ベンチャー企業と中小企業の一番の違いは、新しい事業を展開し急成長を目指す「ベンチャー精神」を掲げているかどうかです。

創造的で新しいビジネスを開拓し、上場を目指しているような企業であれば、会社規模としては中小企業でも、「ベンチャー企業」と呼ばれることが多いでしょう。

一定以下の規模で急成長を目指さず、ものづくりなど今までも展開されているビジネスモデルで安定的に事業に取り組む企業は、いわゆる中小企業です。

コラム:ベンチャーキャピタルとストックオプション

ベンチャーキャピタルとは、成長性のある企業に投資する企業(投資ファンド)のこと。

将来性があるものの資金が少ないベンチャー企業に対して、出資やコンサルティングを通して事業を後押しし、上場した際に株式を売却することで投資のリターン獲得を目指します。

ストックオプションとは、会社(自社)の株式を一定価格で購入する権利のこと。

企業が成長すれば、将来的に従業員に利益を与えられる仕組みになっています。

ベンチャー企業への転職成功のカギ

ここでは、ベンチャー企業への転職に成功するためのカギをご紹介します。

志望動機は具体的に熱意を持って

ベンチャー企業への転職では、いかに熱意を持って具体的な志望動機を伝えられるかがポイントです。

ベンチャー企業は知名度が高くないことが多く、待遇や労働環境が好条件とは限りません。その企業独自のカラーを理解し、現職(前職)とのギャップも理解したうえで、「なぜその会社に入社したいのか」を具体的に説明する必要があります。

ビジネスの成長を目指すベンチャー企業では、成長に貢献できる自分のスキルや思いを、熱意を持ってアピールすることも大切です。前向きな姿勢を見せることで、社風に合っていることを伝えられます。

また「大企業では〇〇だったと思うけれど、うちの会社だと〇〇だが、問題ないか」などと聞かれても動じないよう、質問をいくつか想定しておきましょう。

30代、40代で転職できる?

人手不足や売り手市場という背景から、採用されるチャンスはあります

しかし、若手が多い中で会社から期待される資質にマッチしなければ、転職活動がうまくいかないかもしれません。30代、40代の転職で注意しておくべき事項は何でしょうか。

30代は即戦力をアピール

求められるのは、即戦力だとアピールできる実績です。売上実績や順位など、客観的な数字を盛り込みましょう。ポテンシャルや人柄で採用されることもある20代と異なり、具体的な成果がないと評価されにくいでしょう。

成長途上の企業では組織を引っ張る人物が重宝されるため、プロジェクトやチームをまとめたリーダー経験があればなお良いです。

40代はマネジメントスキルが求められる

40代の転職者は、マネジメントスキルを求められます。

20~30代の社員ではカバーできない、組織の中で長年働いた経験が重宝され、管理職のポスト前提で募集があることも。

管理職としての経歴や、業務改善に取り組んだ実績をアピールし、応募先の企業に大きなメリットがあることを伝えましょう。

同時に、転職先で年下の上司ができたり、年収が下がったりする可能性は否定できません。

デメリットがあったとしてもその企業で事業に取り組みたいという熱意を持つことが大切です。

まとめ

ベンチャー企業への転職では、メリット・デメリットの理解と、応募先に合った実力のアピールが欠かせません。

特徴をしっかりつかんで、転職活動の判断材料にしてくださいね。

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