働き方の選択肢3つと体験談も紹介 結婚したら仕事を辞めてもいい?
「結婚しても働かないといけないのかな……」「できれば結婚を機に仕事を辞めたいけど、実際に辞めたらどうなるんだろう」といった不安を持っている女性は多いでしょう。
この記事では、結婚後に仕事を辞める場合と、結婚後も仕事を続ける場合のメリットや注意点を解説します。正社員からパートにジョブチェンジした人や時短勤務で働く人など、4人の働き方体験談も紹介します。
結婚したら仕事を辞めてもいい?続けるメリットは?
ここでは、「結婚後に仕事を辞めたらどうなるのか」「結婚後も仕事を続けたらどうなるのか」を、それぞれのメリットや気をつけるべきポイントとともに解説します。
仕事を辞めると「家事や育児に専念できる」
結婚後に仕事を辞めて専業主婦になると、家事や育児など家庭のことに専念できます。
朝ごはんや晩ごはんの準備に時間をかけたり、日中に掃除や洗濯をして過ごせるのが専業主婦になるメリットでしょう。
妊娠した場合でも、家事をこなしながらゆったりと過ごすことができますし、出産後も仕事の心配をせずに育児に専念できます。
自由にお金を使えなくなる
仕事を辞めると自分の収入がなくなるため、働いていたときよりもお金を自由に使うことが難しくなります。
自分が稼いでないことを「後ろめたい」と思う人や、趣味や好きなことにお金をたくさん使えないことを「不自由だ」と感じる人もいるでしょう。
また、働いていたときは、なにかを購入する際に自分一人の意思で決めることができたのに、専業主婦になると、夫婦で相談する必要が出てくるかもしれません。
再就職が難しい場合がある
結婚を理由に仕事を辞めて職歴にブランクができてしまうと、正社員での再就職が難しい傾向があります。
また、一度リタイアしてしまうと、辞める前と同じ水準の給与をもらえる就職先を見つけることも大変になるでしょう。技術の進歩が早い業界では、専門的なスキルを持っていても、復帰するときには時代遅れとなってしまうケースもあります。
今の仕事を続けると「お金に関する不安を感じにくい」
結婚後も今の仕事を続け、なおかつ相手も働いていると共働き世帯となるため、夫だけが働くよりも世帯収入が多くなります。
夫が病気や怪我で仕事を続けられなくなったり、一時的に休まないといけなくなったりしたときでも安心です。
お金に関する不安を感じにくいのが、結婚後も仕事を続けるメリットでしょう。
結婚・出産の際に手当や給付金が出る
仕事を辞めてしまうと、結婚や出産の際に手当をもらうことはできませんが、正社員で働き続けていれば、結婚や出産に関わる「お祝い金」や、結婚休暇などの「特別な有給休暇」がもらえます。
また、出産して8週間経った後には、加入している健康保険から育児休業給付金をもらうこともできます。
結婚しても働く場合は?今の仕事以外の選択肢
「会社は辞めたけど、働かないといけない」という場合には、どんな仕事の選択肢があるのでしょうか。
ここでは、以下の3つの働き方の選択肢を注意点とともに紹介します。
【1】ほかの会社に転職する
正社員としてのキャリアを維持したいが働き方は見直したいという人は、「悩んでいるポイントを解消できそうな職場」への転職を考えても良いでしょう。
結婚を機に、残業が少なくて定時で帰りやすい仕事や、自分のペースで仕事を進められて休みが取りやすい職場に転職する女性も多いようです。
結婚するタイミングでの転職は、今の仕事の休みが不定期なので夫と合わせたい人や、残業する日が多くて働き方に悩んでいる人にもおすすめ。遠距離恋愛などで相手と離れたところに住んでいる人は、結婚を機に引っ越し先の近くの会社に転職することもあるようです。
▼「ほかの会社に転職する」際の注意点
結婚した直後の転職となると、妊娠・出産への懸念から採用されにくい場合があります。
転職できたとしても残業や休日出勤をする可能性があり、また、子どもをもうける予定でも、会社によっては入社1年以内の人は産休・育休が取れないことがあります。
【2】派遣社員として働く
パートなどよりも良い給料で働け、比較的残業も少ない派遣社員になる人は多いでしょう。
派遣社員であれば、様々な職種の中から仕事を選ぶことができ、今までとは違ったキャリアを積んでいくことも可能になります。夕方早めに帰る仕事を選ぶこともできるので、通勤ラッシュを避けて帰宅したり、子どもを迎えに行ったりすることが可能です。
▼「派遣社員として働く」際の注意点
派遣社員だと責任ある仕事を任せてもらいにくい傾向があるため、中には仕事に対するモチベーションを保ちづらいという人もいるでしょう。
また、派遣社員は契約期間が決まっているため、同じ職場で長く働いてキャリアを積むことが難しい場合があります。
【3】パート・アルバイトをする
パート・アルバイトは、家庭にウエイトを置きながら働くことができるので、家庭と仕事を両立しやすい働き方です。複数の職場の掛け持ちが可能なのもポイントです。
シフト制なところが多いため、ある程度は出勤日の融通が効きます。気軽に始めることができるのも特徴です。
▼「パート・アルバイトをする」際の注意点
一日の仕事内容が決まっているため、自分のペースで仕事を進めることが難しいでしょう。
また、夫の扶養に入る場合、上限を超えないようにシフトを調整しなければなりません。
家庭と仕事を両立させるコツは?働き方別体験談
ここでは、結婚後にそれぞれ異なる働き方をしている4名の体験談を紹介します。
働き方別に、良い点と不満点を見ていきましょう。
「正社員で仕事を続ける」Aさん(29歳)
結婚後も、機械メーカーで営業の仕事を続けるAさん。食品系メーカーの営業をしている夫とは同い年で、27歳のときに結婚しました。
今の働き方に決断した際、重要視したこと
結婚式費用などのために今までの収入をキープすること
正社員という働き方の良い点
金銭的な余裕があるのは嬉しいですね。私も彼も美味しいものを食べることが好きで、土日は外食に行くことも多いです。生活費とは別に、美味しいものを食べたり共通の趣味に使ったりするためのお金を、共同のお財布にそれぞれ毎月2万円ずつ入れるようにしています。
結婚式を挙げていないので、そのために共同の銀行口座も作りました。毎月増える貯金残高を見るのが楽しみになっています。
働き始めて感じる悩みや不満点
相手も自分も正社員で働いているので、家事をどのように分担するか決めるまでは大変でした。「女の私が家事も頑張らなくちゃいけない」と思い込んでいたせいで、結婚後3ヶ月を過ぎたあたりで体調を崩してしまって。それをきっかけに、「できることはそれぞれがやろう」と家事を分担することに決めました。
彼は帰りの遅い日が多いので、料理や洗濯は私の担当です。食器洗いや、休日のお風呂掃除などは彼に任せています。
「パートタイム」で働くBさん(31歳)
新卒入社した旅行会社で働いていたBさん。結婚後も1年間勤めたのちに退職し、現在はカフェでパートとして働いています。夫は3歳年上で、不動産関係の会社で働いています。
今の働き方に決断した際、重要視したこと
休みを合わせて二人で過ごす時間を作ること
パートタイムという働き方の良い点
それぞれの固定の休みが私は火曜日で、彼は木曜日でした。彼と休みを合わせて、いろんなところに行けるようになったのが、一番よかったことです。
自分が休みで、なおかつ彼も仕事の日が週1日あるので、家の掃除や片づけはこの日にやることにしています。
働き始めて感じる悩みや不満点
自分の収入は、正社員時代に比べると半分以下に減ってしまいました。共通の趣味もありますが、お金がかかることも考えると贅沢できないときもあります。
いずれは子どもも欲しいと思っているので、貯金もしないといけないなと思っています。
「専業主婦」になったCさん(27歳)
経営コンサルタントとして働いていたCさん。結婚は今から2年前の25歳のときです。夫のアメリカへの海外転勤を機に、専業主婦になりました。
今の働き方に決断した際、重要視したこと
海外転勤に行く夫をサポートすること
専業主婦という働き方の良い点
夫の海外転勤が決まったときは、ついていくか悩みましたが、今は近くでサポートできることにとてもやりがいを感じています。実家暮らしで、掃除や洗濯などの家事をほぼしたことがなかったので、良い機会だなとも思っています。
今では節約する力も身につきました。料理も「美味しい」と言ってもらえることも多く、昔に比べて上達したと思います。
働き始めて感じる悩みや不満点
夫の海外転勤が決まったのが、丁度仕事が楽しくなってきたタイミングでした。一時帰国時に会社員時代の同僚と近況報告会をすると、「バリバリ仕事をしていて羨ましいな」と思うこともあります。
今は資格を取るための勉強をしていて、日本に帰国後は資格を取得する予定です。ブランクがあると再就職はなかなか難しいと思うので、その資格を生かして働くことができたらいいなと思っています。
「時短勤務」をしているDさん(33歳)
第一子を出産後に育休を取得し、現在は結婚する前から働いている教育系の会社で時短勤務をしているDさん。2歳年上の夫もDさんと同じ職場で働いています。
今の働き方に決断した際、重要視したこと
天職だと感じる「仕事」と家庭の両立
時短勤務という働き方の良い点
キャリア的には今の職場で働いて経験を積みたいと思っていましたが、妊娠が分かった時点では、このまま働き続けるのは難しいのかなと半ば諦め状態でした。
でも、上司に相談したところ「辞めるのはもったいない」「働くママのモデルケースになって」と言ってくれて……。
復帰後は、社員研修などを担当する仕事に異動になりましたが、子どもが大きくなった将来のキャリアも想像することができて、辞めなくて良かったなと思います。
働き始めて感じる悩みや不満点
復帰してしばらくの間は、毎日こなすのに一生懸命でした。
そして、とにかく時間が足りないです。現在は時短勤務で16時までですが、子どもを保育園にお迎えに行って、ご飯作って、掃除と洗濯とせわしなく動いていると、いつの間にか23時でびっくりします。
子どもの急な熱などに対応して、休まないといけない日が多いのも悩みです。復帰して1年間の間に、有給休暇はあっと言う間になくなりました。
※転職Hacks編集部が独自にインタビューした内容をもとに、加筆修正・再構成しています。
コラム:10世帯に7世帯が共働き【2018年版】
政府のデータによると、全国の共働き世帯は1825万世帯のうち1219万世帯(全体の67%)で、約10世帯に7世帯です。
専業主婦世帯は、データを収集し始めた1980年から1990年にかけて急激に減少。共働き世帯が専業主婦世帯に比べて少数派でしたが、1990年代に逆転しました。2000年以降に共働き世帯と専業主婦世帯の差が少しずつ開いていき、2017年を境にして1980年の割合のよりも差が大きくなっています。
まとめ
仕事と家庭の両立の仕方や、将来的なキャリアプランは十人十色。同じ状況の人がいないからこそ、迷うことも多くなるでしょう。
だからこそ、これからの将来のことは夫婦2人で話し合うことが何よりも大切です。「仕事」「お金」「子ども」「家事」「住まい」などについて、自分自身がどうしていきたいのかを考え、2人で将来について話し合う時間を取るようにしましょう。