不動産鑑定士
資格内容
不動産鑑定士の職務は、不動産の鑑定業務と、顧客に対する不動産活用方法や税務対策についてのアドバイスをするコンサルティング業務の2つに分けられます。不動産鑑定とは、土地や建物の価値を評価することで、不動産の売買、賃貸、担保の設定、相続税や固定資産税の算定などにあたっての不動産の利用価値に加えて経済環境、政策面の影響の分析など、幅広く専門知識を身につける必要があり、業務独占資格に定められています。
不動産鑑定士試験は、司法試験、公認会計士試験と並ぶ三大国家試験の一つで、難関試験とされています。不動産・金融業界での活躍が見込め、民間・公共団体の双方からの需要があるため、取得することができれば就転職に有利になる上、独立開業の道も開けます。
資格概要
■ 受験資格
第一段階の短答式試験に関しては、特に制限はありませんが、第二段階になる論文式試験は短答式試験に合格された方のみ、受験が認められます。
■ 試験方法・内容
・短答式
不動産に関する行政法規及び不動産鑑定評価理論の2科目
・論文式
民法、会計学、経済学、不動産鑑定評価理論(演習問題)及び不動産鑑定評価理論(論文問題)の5科目
・実務修習
国土交通大臣の登録を受けた実務修習機関において「実務修習」を受けます。
■ 試験日程
・短答式:毎年1回、5月実施
・論文式:毎年1回、8月上旬頃実施(3日間)
(いずれも試験会場の確保の関係等で前後する場合があります)
■ 受験料
・書面申請:13,000円
・電子申請:12,800円
■ 問い合わせ先
・国土交通省 土地・水資源局地価調査課
〒100-8198
東京都千代田区霞ヶ関2-1-3 中央合同庁舎3号館
東京都千代田区霞ヶ関2-1-2 中央合同庁舎2号館(分館)
TEL 03-5253-8111
URL http://www.mlit.go.jp/
・社団法人 日本不動産鑑定協会
〒105-0000
東京都港区虎ノ門3-11-15 SVAX TTビル9F
TEL 03-3434-2301
URL http://www.fudousan-kanteishi.or.jp/
転職アドバイス
この資格は難易度もさることながら、ここ数年では突如として脚光を浴びた資格のうちの1つではなかったでしょうか。その理由としては、各金融機関がJREITに代表されるような不動産投資事業に乗り出したことが挙げられます。今後数年はこの傾向が続くと予想されますので、不動産業界を希望される方や、金融機関にて不動産投資事業をされたい方等にはお勧めのできる資格です。 もっとも、実務面においては従来の鑑定方法からDCF法など都心部を中心とした鑑定方法への変化もあり、たとえ不動産鑑定士の資格取得者であっても、その資格にあぐらをかいていられない状況もあります。