夜勤手当とは|割増賃金との違い・計算方法

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深夜に働く人のねぎらいとなる夜勤手当。

「職場によって額が全然違う」「夜勤手当はないと言われたけど違法じゃないの?」など、さまざまな疑問に答えます。

夜勤手当とは?

Q:夜勤手当とは?。A:任意に設けられている夜間働く人に支給する手当。※夜勤手当がなくても、法律上の問題はありません。

夜勤手当は必須ではない

夜勤手当とは、会社によって任意に設けられている、夜間働く人に支給する手当です。

「夜勤手当」は会社が規則によって設定するかしないかを選べるため、なしでも法律上の問題はありません

看護師や介護職など夜勤が前提となっている職種では1回いくらと設定されていることが多く、夜勤手当の額は待遇の良し悪しを決める重要な要素となります。

法律で決まっているのは「深夜割増賃金」

夜勤手当と混同されやすい「深夜割増賃金」は労働基準法で定められた割増の給料です。残業代のように、普段の給料より多く払われる賃金と捉えると、理解しやすいのではないでしょうか。

法律に定められている賃金なので、不払いは労働基準法違反となります。

夜勤手当と深夜割増賃金の比較表。以下、法律:金額:課税:時間。「夜勤手当」規定なし:任意:対象:企業によって異なる。「深夜割増賃金」労働基準法による規定あり:日中の1.25倍:対象:午後10時~翌朝5時。

給料が日勤のみの場合より多く、深夜割増賃金もきちんと支払われている場合は、夜勤手当分が考慮されていると考えていいでしょう。

また、職場によっては、夜勤手当に相当する金額が時給や基本給に含まれており、給与明細の項目に「夜勤手当」がないことも。

「深夜割増賃金」は法律で支払うことが義務付けられている。深夜割増賃金だけある会社は、普段の給料と深夜割増賃金のみ支給。夜勤手当もある会社は、普段の給料と深夜割増賃金と夜勤手当が支給される。

夜勤手当が出る時間帯は?

夜勤手当は法律に定められたものではないため、何時から何時まで働けばもらえるのかは企業によって異なります。1回ごとの支給額が決まっているパターンや、夜勤のみのシフトの場合は、夜勤手当込みという意味で基本給の額が高く設定されていることもあります。

一方、深夜割増賃金は対象となる時間帯が決まっており、午後10時から翌朝5時です。

夜勤手当の金額は?

夜勤手当の金額は、企業によって異なります。例えば介護職や看護師の夜勤では、割増賃金のほかに「夜勤手当」が設定され、1回当たり数千円~2万円ほどの場合が多いようです。

一方、深夜割増手当は、日中の場合の25%増し(1.25倍)以上になります。会社によってはさらに高い割合が設定されているかもしれませんが、25%を下回ることは禁止されています。

夜勤手当は非課税って本当?

夜勤手当は非課税ではありませんが、夜勤手当と性質の似た「当直(宿直・日直)」に対する手当のうち、4,000円までは非課税です。

宿直勤務の間に食事が提供される場合には、食費が差し引かれます。非課税は通常の労働のほかに宿直・日直を行う人が対象で、例えばアルバイトで月2回病院の宿直業務に従事しているといったパターンでは適用されません。

夜勤と宿直、当直の違いは、通常と異なる労動(巡回や待機など)をするかどうかです。当直は「時間外」が前提なので、週40時間の勤務+宿直1回(8時間)のような勤務が可能です。

  • 当直…通常の労働時間外に、巡回や待機など通常と異なる労働をすること
  • 宿直…宿泊を伴う当直業務
  • 日直…日中に行う当直業務

コラム:夜勤で効率よく稼ぎたい場合は?

深夜割増賃金や残業代で日勤より多くの給料はもらえますが、労働時間の長さや体力的な負担を考えると、十分とは感じにくいかもしれません。早朝の出勤や夕方~夜にかかる出勤(早番・遅番など)では深夜割増賃金の対象となる時間も少なめです。

夜勤メインの働き方を考えている人は、日勤の給料よりも夜勤手当を重視する方が、効率が良い可能性があります。

夜勤手当が多い、非常勤でも夜勤手当の分を考慮した高めの時給に設定されているといったメリットから、生活リズムが不規則にならないよう、昼間の勤務と混在させず夜勤のみで働く「夜勤専従」をする人もいます

深夜割増賃金の計算方法

深夜労働は時間給の25%増し

1回の金額が決まっている夜勤手当とは違い、深夜割増賃金は「午後10時~午前5時に働く場合、働いた時間分の時間給×1.25倍の金額」を計算して支払われます。

深夜割増賃金のイメージ。通常の賃金に、割増分(+0.25倍)が加算され、通常の1.25倍となる。

働いた分の時間給は、基本給や役職手当など普段から決まって支払われる給与から割り出され、残業代や臨時の手当などイレギュラーなものは含まれません。

【計算例】「日勤の時間給2,000円の人が、16時~翌朝9時までの夜勤をした場合(休憩1時間)」・16~22時(休憩1時間)、翌朝5時~9時…2,000円×9時間=1万8,000円・22時~翌朝5時…(2,000円×1.25)×7時間=1万7,500円。合計:3万5,500円。

深夜まで残業した場合は

22時~翌朝5時の労働が、所定労働時間内の夜勤ではなく残業だった場合は、残業手当と深夜割増賃金の両方が加算されます。

残業手当も通常の賃金の1.25倍となりますので、「深夜の残業」は通常の賃金の1.5倍になります。

コラム:夜勤が多い仕事と手当の相場

一般的に夜勤があるのが普通と考えられている職場・職種は「24時間体制が必要」となっているものです。

代表的なのが看護師・介護職の夜勤です。

医療、福祉の現場で患者や利用者を預かる場で働くため、24時間常に人手が必要です。

夜勤では昼間のようなルーチンワークは多くこなしませんが、日勤より少ない人数で不測の事態に対応する可能性があるため、経験者で体力のある人が向いています。勤務時間は3交代制で8時間以上、2交代制で16時間以上のシフトになっていることが多いようです。

ほかには工場や建設現場など、24時間稼働している職場が挙げられます。

コンビニや飲食店などのアルバイトでは、22時までのシフトと22時以降のシフトで、深夜割増賃金が考慮された時給の設定になっていることが一般的です。しかしこれらの職種では夜勤手当はあまり支給されないでしょう。

夜勤手当の相場の例を見てみると、看護師では3交代制の準夜勤(夜まで働くが翌朝までは及ばない程度)で4,076円、3交代制の深夜勤で5,023円、2交代制の夜勤で1万772円です。

夜勤手当が少なくないか気になっている方は参考にしてください。

※参考:日本看護協会「2016年 病院看護実態調査」

まとめ

看護師や介護職など、夜勤の多い仕事で働く方や、興味がある方にとって気になる夜勤手当。

深夜割増賃金と紛らわしい点もありますが、夜勤手当のある仕事に就きたい人は、この記事の情報を参考にしてみてください。

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