平均年収&年収ランキング システムエンジニアの年収は高い?実態は?

技術を身に付け、手堅く稼げるイメージがあるシステムエンジニア(SE)。

さまざまな企業で必要とされる職種であるため働き口には困らなさそうですが、年収が高いのか低いのかは気になるところです。SEの年収事情についてご紹介します。

システムエンジニアの平均年収は?

厚生労働省の調査をもとに計算すると、約3万7千人のシステムエンジニア(SE)の平均年収は、547万円

「システムエンジニアの平均年収」男女平均:547万円。男性平均:560万円。女性平均:482万円。

男性では560万円、女性では482万円となっています。男女で78万円の開きがありますが、労働者全体では平均156万円の男女差があるため、システムエンジニアは比較的格差の少ない職種といえます。

※出典:賃金構造基本統計調査(2016年) 以下、断りがなければこのデータを使用。年収は「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与」で算出。千円以下は四捨五入し、万単位で統一。

サラリーマン全体との差は93万円

SEの平均年収である547万円は、全職種の平均年収454万円よりも93万円高くなっています。企業の規模別(従業員数)で見ても全職種平均より高くなっており、「SEは普通のサラリーマンより年収が高い」というイメージに違わぬ結果となっています。

SEとサラリーマン全体の平均年収を比較した表。以下、会社規模:全職種の平均年収/SEの平均年収。大規模(1,000人以上):506万円/605万円。中規模(100~999人):439万円/527万円。小規模(10~99人):409万円/511万円。なお、全体では、454万円/547万円。

SEの年収は、勤め先の規模が小さくても低くなりにくい傾向があるようです。10~99人(小規模)同士で比較すると、SEの年収は全職種の年収を102万円上回っています。

さらに、「全職種の大規模(1,000人以上)」と「SEの小規模」の比較でも、後者のほうが平均年収が高くなっています。SEであれば、大企業でなくても比較的高い年収をもらっているという結果となりました。SEの年収は、勤め先の規模が小さくても低くなりにくい傾向があるようです。10~99人(小規模)同士で比較すると、SEの年収は全職種の年収を102万円上回っています。

システムエンジニア職種別平均年収 

サラリーマン全体より年収が高めのシステムエンジニアですが、どのような仕事でも同じような収入なのでしょうか。

マイナビ転職の「モデル年収平均ランキング(2018年版)」によると、エンジニアに分類される40職種中、最も年収が高いのは「システムアナリスト」の1,100万円です。システムアナリストは顧客にヒアリングを行い、システムのスペックを決定していく高い能力が求められるため、待遇にも反映されているようです。

続いて年収が高いのは、DB・ミドルウェア設計(汎用機系)の821万円。続く業務系のシステムコンサルタントでは740万円となっています。700万円を切っているのは、ERP・SCM・CRM等のパッケージ導入コンサルタント(650万円)、プリセールス・セールスエンジニア(648万円)などです。

エンジニアの仕事で転職先を探すときは、汎用機系と呼ばれる大規模・高性能な情報システムを構築できる企業かどうか、チェックしてみてもいいかもしれません。

年代別システムエンジニアの年収比較

SEの給料は、年代によっても変化します。以下のグラフは、システムエンジニアと全職種の年収を5年区切りで比較したものです。

システムエンジニア・全職種の年代別年収を比較している折れ線グラフ。以下、年齢(歳):SE男性(万円):全職種男性:SE女性:全職種女性。	~19:226:264:202:229。20~24:336:339:342:306。25~29:457:430:447:372。30~34:528:506:523:404。35~39:595:561:486:427。40~44:608:616:493:453。45~49:657:677:569:473。50~54:689:727:603:477。55~59:674:701:626:461。60~64:528:497:445:395。

SEの年収は、20代では男女ともに300~450万円、30代で女性が500万円前後で男性が500~600万円、40代で女性が500~600万円で男性が600~700万円です。

男女ともに55~59歳でピークとなり、それまでは年齢とともにほぼ順調に収入が上昇しています。

全職種平均のグラフと比べてみると、SEの男性は、40代から全職種の平均を下回っています。一方、女性は一貫してSEが全職種の平均を上回っています。また、男女差も全職種に比べてSEのほうが少ないことがわかります。しっかりと稼ぎたい女性には、SEは適した仕事と言えるかもしれません。

システムエンジニアの初任給は高いのか

一般的なサラリーマンより若い頃の年収が高い傾向にあるSEですが、初任給は特別高いとはいいきれません新卒初任給は企業により21万円ほど~50万円ほど、外資系の場合はさらに高額になることがあり、同じ年齢でも幅があります。最近では企業間の人材の奪い合いが激しく、より高額な報酬で就活生を惹きつけている求人も。

一方、全職種の平均初任給は、大学卒で20万3,400円(うち技術系では20万4,400円)、大学院修士課程修了では23万1,400円です。

エンジニアの初任給は大卒平均程度が最低ラインで、企業によってはもっと高い可能性がある職種だといえるでしょう。

コラム:SEの年収が高い企業ランキング

就活生に人気がある情報・通信系の企業の中でも、特に年収が高い企業トップ5をご紹介します。表で示している年収はSE以外の職種も含んだ平均ですので、あくまで参考としてチェックしてみてください。

SEの年収が高い企業のランキング表。以下、順位:会社名:平均年齢:平均年収。1位:バンダイナムコホールディングス:46.2歳:1,354万円。2位:ソフトバンクグループ:40.5歳:1,165万円。3位:野村総合研究所位:39.9歳:1,151万円。4位:NTTグループ:41.2歳:895万円。5位:NTTドコモ:40歳:874万円。

参考:キャリタス就活2018「業種別ランキング<通信・情報サービス>

※年収データは各社の有価証券報告書より

まとめ

システムエンジニアの年収は、環境によって大きく違ってくることがわかりました。高いスキルを持っていれば、年齢や性別に関係なく、グローバルに活躍できる可能性も秘めている仕事です。就職・転職活動をする際には、この記事を参考にしてみてください。