ボーナスが出ない会社の割合とその理由

「頑張ったのにボーナスが出ない」「ボーナスがないことを知らなかった」
そんな不満を抱えていませんか?

この記事では、ボーナスが出ない人の割合や法的な支払い義務、ボーナスが出ない場合の対処法などをご紹介します。

ボーナスが出ない会社の割合は?

10社中3社、ボーナスが出ない。

ボーナスが出ない会社は約3割

厚生労働省の調査によると、2019年度にボーナスが出なかった会社は夏・冬ともに約3割でした。夏のボーナスが支給された会社は67.9%、冬のボーナスが支給された会社は73.2%です。

ボーナスは通常、夏と冬に支給され、会社によって夏冬両方支給される場合もあれば、片方だけという場合もあります。

「2019年度、ボーナス支給割合」夏のボーナス:でる「67.9%」:でない「32.1%」。冬のボーナス:でる「73.2%」:でない「26.8%」

※出典→毎月勤労統計調査ー厚生労働省

企業規模が小さいほどボーナスが出にくい

同じ調査で「2019年度ボーナスの支給割合」を企業規模別に見ると、企業規模が小さいほどボーナスの支給割合が低い傾向にあることがわかります。

例えば、夏のボーナスを見ると支給割合は、500人以上の企業は96.4%とほぼ100%に近い数値ですが、5~29人の企業ではたった64.2%

冬のボーナスも同様の傾向となっています。

「企業規模別、ボーナスがでない割合」を表した棒グラフ。以下、企業規模:夏のボーナスが支給されない割合:冬のボーナスが支給されない割合。500人~:3.6%:2.2%。100~499人:6.6%:4.8%。30~99人:10.6%:8.7%。5~29人:35.8%:29.8%。※企業規模が小さいほど、ボーナスが出にくい傾向。

※出典→毎月勤労統計調査ー厚生労働省(2019年調査「夏季賞与」「年末賞与」より)

ボーナスが出ない主な理由とは

1業績が悪化した

ボーナスは、その年の利益や景気に応じて一時金として支給されるもの。業績が芳しくなければ、それに連動してボーナスの額も減少します。

2給与体系にボーナスが含まれない

そもそも給与体系にボーナスが含まれない場合もボーナスは出ません。

例えば、1年の給料を12ヶ月に分割して支給する年俸制」の場合、ボーナスがない場合が多いようです。また、派遣社員は実働時間に応じて給与が支払われる仕組みのため、ボーナスが支給されないケースも多いです。

ボーナスが出る会社の平均額

大手企業90万円前後、中小企業30万円前後

499人以下を中小企業、500人以上を大手企業としてざっくり二分すると、ボーナスの平均額は大手企業90万円前後、中小企業30万円前後となります。

以下のグラフは、2つのデータをわかりやすく企業規模別にまとめたものです。

「2019年度、企業規模別、ボーナス平均額」を表した棒グラフ。以下、大手企業の企業規模:金額。従業員500人以上の大手150社(※後述):95万円。500人~:64万円。以下、中小企業の企業規模:金額。100~499人:45万円。30~99人:35万円。5~29人:27万円。(※)「2019年度年末賞与・一時金_大手企業業種別妥結結果日本経済団体連合会(調査対象:従業員500人以上の大手150社)」

※出典:2019年年末賞与・一時金_大手企業業種別妥結結果(日本経済団体連合会)毎月勤労統計調査(厚生労働省)

大きな企業ほど生み出す利益も大きく、それと連動して支給されるボーナスの額も高くなるようです。とはいえ、ボーナスの額は会社ごとに異なり、個人の能力や経験年数にも左右されます。あくまでも上記の数値は参考程度に捉えてください。

※民間企業と公務員のボーナスの支給時期や支給額について詳しくは→夏・冬の賞与 ボーナスの支給時期は?【民間・公務員】

新卒1年目は出ても「寸志程度」のところも

新入社員の夏のボーナスは、出ても寸志程度となることが多いようです。

産労総合研究所の「2020年度決定初任給調査」によると、新入社員に夏のボーナスを「支給する」と回答した企業は約9割で、そのうち「一定額(寸志等)」を支給すると回答した企業は約6割でした。

夏の時点では、十分な査定期間がないことが、新卒1年目の支給額が低くなる原因として考えられます。入社1年目は仕事のスキルもまだまだ未熟なため、冬のボーナスにもあまり期待し過ぎない方が良いでしょう。

ボーナスが出ないのは法律違反?

ポイント:ボーナス支給は義務ではない。ボーナスは会社側に裁量があり、業績や景気に応じて支給額が決められる。支払われなかったとしても違法ではない。

ボーナスを出さなくても法律違反にはならない

法律には企業のボーナスの支払い義務は定められていません

また、告知義務も同様に定められていないため、事前の説明なしにボーナスがカットされることもあります。

もちろん人事の権利を超え、後に示すような不当な理由でボーナスを減らすことはできませんが、基本的には会社側に裁量権があり、その年の業績や景気に応じてボーナスの支給額が決められています。

【例外】ボーナスを請求できる2つのケース

例外として、以下の2つのケースではボーナスを請求できる可能性があります。

1就業規則や労働協約で定められている場合

就業規則や労働協約に賞与を支払う旨や支給基準を明記している場合、会社にボーナスを請求できる可能性があります。

ただし、下記のように「業績不振の場合は……」などと但し書きが入れられていれば、会社にボーナスの支払い義務は生じません。

▼就業規則

(賞与)

第48条  賞与は、原則として、下記の算定対象期間に在籍した労働者に対し、会社の業績等を勘案して下記の支給日に支給する。ただし、会社の業績の著しい低下その他やむを得ない事由により、支給時期を延期し、又は支給しないことがある。

※「モデル就業規則ー厚生労働省」より抜粋

2慣例として長年支給されていた場合

慣例としてボーナスが長年支給されていた場合、労働慣行(労使慣行)が成立し、事実上そのような労働契約を結んでいたと見なされる可能性があります(民法92条)。

その場合も企業にボーナスを請求する権利が生じます。

コラム:ボーナスの起源は江戸時代?

ボーナスは、江戸時代に商家の主人から丁稚に与えられた餅代やお仕着せが起源だといわれています。

10歳前後で丁稚は奉公入りし、無給で雑役に従事しました。休暇はお盆と正月のみで、お盆にはお仕着せや小遣いが、正月には餅代が支給されました。

また、一説には近代以降に初めてボーナスを支給したのは三菱財閥の創業者・岩崎彌太郎だといわれています。明治9(1876)年に、社員の働きをねぎらうために彌太郎が報奨金を与えたのが始まりで、明治21(1888)年からは毎年冬のボーナスが支給されるようになったそうです。

※出典→vol.20 日本初のボーナス-三菱グループ「三菱人物伝」

トラブルが生じたら人事か専門家に相談を

ボーナスにまつわるトラブルが生じた場合は、まず人事に理由説明を求め、合理的な回答を得られなければ、労働基準監督署や弁護士などに相談すると良いでしょう。

  • 有給休暇の取得を理由にボーナスカットされた
  • 育児休暇の取得や、妊娠・結婚を理由にボーナスカットされた
  • 嫌がらせ・差別目的で自分だけ大幅にボーナスカットされた

有給休暇や育児休暇は、法律で労働者に認められた権利です。有給休暇や育児休暇を取得したことを理由に「ボーナスを一切支給しない」とすることはできません(減額される可能性はあります)。

また、人事の好き嫌いなど感情的な理由でボーナスをカットすることは、人事権の範疇を超えた不当な行為にあたります。こういったトラブルが起きた場合は、人事や専門家に相談しましょう。

ボーナスが出ない会社は辞めるべき?

ボーナスがない会社の意外なメリット

ボーナスがない会社でも、年俸制などボーナスを含めた1年の報酬があらかじめ決められている場合は、突然の業績悪化や不景気に左右されにくいというメリットがあります。

理解を助ける例として、「同賃金だが賃金形態が異なる」2つの会社を比べてみましょう。

慣例として年2回ボーナスが出るA社と、年俸制でボーナスは出ないB者の「通常の給与額」を比較した図表。以下、A社の月収:年収:夏のボーナス:冬のボーナス:合計。20万円:240万円:10万円:20万円:270万円。以下、B社の月収:年収:夏のボーナス:冬のボーナス:合計。22万5千円:270万円:なし:なし:270万円。

仮に大きな不景気が訪れた場合、A社は業績不振を理由にボーナスを50%ずつカットするかもしれません。その場合、A社・B社それぞれの収入は以下のように変わります。

慣例として年2回ボーナスが出るA社と、年俸制でボーナスは出ないB者の「不景気や経営悪化時の給与額」を比較した図表。以下、A社の月収:年収:夏のボーナス:冬のボーナス:合計。20万円:240万円:5万円:10万円:255万円。以下、B社の月収:年収:夏のボーナス:冬のボーナス:合計。22万5千円:270万円:なし:なし:270万円。※A社はボーナスが50%ずつカットされたが、B社は変化なしという結果。

このように、業績不振や不景気の場合には、B社の方がトータル年収でA社を上回ります

また、ボーナスがなければ計画的に資金をやりくりし、貯蓄も地道にしていかなければならないでしょう。まとまったお金があるとつい浪費してしまう方やボーナスを頼りに暮らしている方の場合、逆にボーナスがないことで節約できるかもしれません。

【就活生向け】ボーナスが出ない会社を選ぶのはあり?

「ボーナスが出ない」と聞くとネガティブなイメージを持ちがちですが、「ボーナスがない会社は経営に苦しむ不安定な会社」と断言することはできません

上述のように年俸制でボーナスがない代わりに高めの月給にしている可能性も考えられるため、まずは会社の給与体系を確認しましょう

会社の将来性を見極めるには、会社四季報で「自己資本比率」や「営業利益率」をチェックするという方法もあります。

また、ボーナスが出たとしてもその会社でやりがいを感じられるとは限りません。会社選びの際は、給与やボーナスなど金銭的な条件だけでなく、社風や企業規模、事業内容など広い視点で考え、自分に合う会社を見つけましょう。

ボーナスがない・少ない状況を打破する対処法3つ

ボーナスが出るはずの会社で、ボーナスが出ない・少ないままでは仕事のモチベーションも上がらないかもしれません。

ここでは、そんな状況を打破する対処法を3つご紹介します。

1業績を上げる

業績を上げて自身の価値を高めることが結果として給与アップや評価の向上につながります。

パワハラや差別など不当な理由でボーナスカットされている場合は、自らの力ではどうしようもないため弁護士などに相談した方が良いでしょう。しかし、そうでない場合は次の査定までにスキルを磨き、支給額アップを目指してみてはいかがでしょうか。

2副業する

副業して収入を増やすのも1つの手です。

近年では、働き方改革の影響もあり、副業を解禁する会社が増えてきました(副業を認めていない会社もあるため、必ず就業規則を確認してください)。

本業と副業を同時にこなすことで時間管理能力が向上し、生活にメリハリが生まれるメリットもあるといわれています。本業がおろそかにならないように注意しながら、新しく副業を始めても良いかもしれません。

3転職する

最後の手段となるのは、成長中の企業や大手企業に転職することです。

業績が伸びている会社や利益率の高い会社に勤めれば、支給されるボーナスの額も増えることでしょう。

ただし、どんな会社も100%安定した状態が続くとは限りません。リスクを覚悟した上で転職活動に臨んでください。

また、求人情報を探す際はボーナスの有無だけではなく、職場の雰囲気や仕事内容、昇進の可能性なども含めて総合的に判断することが大切です。

まとめ

ボーナスはあくまでも特別手当。現在安定している会社も不景気などの原因で、ボーナスが出なくなる可能性はあります。

ボーナスに期待を抱きすぎず、地道に努力して好成績を積み重ね、支給額アップを目指してはいかがでしょうか。

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