業務内容やブルーカラーとの違いを紹介 ホワイトカラーとは?
あなたは「ホワイトカラー」「ブルーカラー」という言葉を聞いたことはありますか? これらは労働者の区分に使われる用語です。
それぞれどのような業務を行っているのか、この記事で詳しく説明していきます
ホワイトカラーとは? ブルーカラーとの違いは?
ホワイトカラーはオフィスで机に向かって働く人、ブルーカラーは生産現場で肉体労働をする人を指します。
ホワイトカラーはオフィスで机に向かって働く人
ホワイトカラーとは、オフィスで机に向かって働く人のことです。
これは英語のWhite collar-worker(白い襟の労働者)という言葉が元になっており、オフィスで働く人々が白いワイシャツを着ていることに由来しています。
具体的には以下のような職業を指します。
- 事務職
- 営業職
- ライター、記者
- 医師
- 弁護士
- 税理士
- 公務員
- 設計士
- プログラマー
- 研究者
ブルーカラーは生産現場で働く人
ブルーカラーとは、工場などの生産現場で肉体労働に従事したり、手を動かして作業したりする人のことです。
ホワイトカラーと同じく、英語のblue collar-worker(青い襟の労働者)という言葉が元になっています。これは、生産現場で働く人々が青い作業着を着ていることに由来しています。
具体的には以下のような職業を指します。
- 土木作業員
- 建築作業員
- 工事スタッフ
- 修理工
- 整備工
コラム:グリーンカラー・グレーカラーとは?
グリーンカラーとは、環境保護や環境保全に関わる業務を行う労働者のことをいいます。具体的にはハイブリッドカーやソーラーパネルなどの環境に優しい製品の開発・生産、風力発電事業、植林業、リサイクル業などです。
過去にはアメリカの大統領選でヒラリー・クリントン氏がグリーンカラーに関する政策を述べたことで話題になりました。
グレーカラーとは、ホワイトカラーともブルーカラーとも言えない職業に就いている人たちのことです。具体的には飲食業や宿泊業など、オフィスでの労働を行わないサービス業がグレーカラーに当たります。
ホワイトカラー・ブルーカラー徹底比較【年収・休日・将来性】
次は、ホワイトカラーとブルーカラーを年収や将来性の面から比較してみましょう。
収入はホワイトカラーのほうが高い傾向
収入はホワイトカラーの方がブルーカラーよりも高い傾向にあります。
2018年の厚生労働省の調査によると、ホワイトカラーとして働く人の多い業界の平均月収は、47.0万円(金融・保険業)、41.5万円(学術研究・専門・技術サービス業)、39.9万円(情報通信業)と約40~50万円程度でした。
それに対して、ブルーカラーとして働く人の多い業界の平均月収は34.9万円(建設業)、32万円(製造業)と30~35万円の間におさまっています。
休日はホワイトカラーの方が若干多い
休日はホワイトカラーの方がブルーカラーよりも若干多い傾向にあります。2017年の厚生労働省の調査で労働者一人当たりの平均年間休日総数を比較しました。
ホワイトカラーとして働く人の多い業界では、119.1日(金融・保険業)、119.6日(学術研究・専門・技術サービス業)、119.8日(情報通信業)と約120日でした。
それに対して、ブルーカラーとして働く人の多い業界では112.2日(建設業)、117.6日(製造業)と110日程度になっています。すなわち、ホワイトカラーの方が年間で2日〜7日ほど休日が多い計算になります。
仕事がAIに奪われる?
「将来、人間はAIに仕事を奪われる」という説が最近よく取り上げられます。
例えば今までホワイトカラーが担ってきたデータ分析や経費の打ち込みなどの数学的な処理は、AIの得意分野。将来的に代替される可能性が否めません。
一方で、ブルーカラーの仕事も同様にAIに奪われるとの指摘もあります。
主にブルーカラーの人が働く製造の現場において、近い未来に無人工場の実現も可能であると言われています。
しかし、例えば「手で触って物を識別する」「適当な力で掴む」といった複雑な作業については、今のAI技術にとって難易度が高く、すぐに代替されることはないようです。
ただし、今後のAI技術の発展によっては、こうした傾向が変わる可能性も十分にあります。
ブルーカラーの仕事は外国人労働者が請け負う?
一部では、ブルーカラーの仕事は将来的に外国人労働者が担うことになるといわれています。
政府は2019年春から「建設」「農業」「宿泊」「造船」「介護」などの分野で外国人労働者を受け入れる法律(改正出入国管理及び難民認定法)を制定しました。
これらの業界は慢性的な人材不足に陥っており、外国人労働者の受け入れによって安定した労働力が確保できるといわれています。
外国人労働者は一般的に日本人よりも安い給与で働くことが多いとされているため、不当な条件での外国人労働者の雇用が生じる、日本人の若者の就労が難しくなるといった問題点も指摘されています。
外国人労働者の就労は日本の労働市場に大きな影響を及ぼすと考えられており、今後の動向に注目が集まっています。
コラム:ホワイトカラーは差別用語?
ホワイトカラー・ブルーカラーは本来差別用語として使われるものではありません。
しかし、なかには「ブルーカラーはホワイトカラーに比べて学歴が劣っている」といった差別的なニュアンスで使う人もおり、言葉そのものを不快に感じる人もいるのは事実です。もしこういった言葉を使う際には、注意をする必要があります。
まとめ
ホワイトカラーとブルーカラーの違いは、大きくはオフィスワークか肉体労働かということです。
どちらの職種にもそれぞれの強みがあり、人によって向き・不向きがあります。就職・転職活動の際には、ブルーカラーやホワイトカラーといった枠組みだけを重視するのではなく、本当に自分に合った仕事は何なのかを考えることが大切です。