男女・地域・学歴別 40歳代の平均年収、徹底分析!2021
40歳にもなると、人によって年収に大きな差が出てきます。男女別・学歴別など、40歳代の平均年収データをさまざまな角度からまとめてみました。
また、転職で年収アップを目指す方に向けて、狙い目の転職先も紹介します。
40歳代の平均年収、徹底分析
40代の平均年収は前半491万円、後半521万円
「40歳」というピンポイントの平均年収データはありませんが、2022年の国税庁の調査によると、40代前半の平均年収は491万円、40代後半521万円(ボーナス・残業代などの手当含む)。
男女で比較すると、40代前半は男性が602万円、女性が335万円、40代後半は男性が643万円、女性が346万円です。いずれの年代でも男女では300万円近くの差があります。
また、男性は40代前半~後半で41万円年収がアップするのに対して、女性は4万円しか伸びていないことがわかります。
ただしこのデータはあくまでも全雇用形態、全学歴、全企業規模をすべて含んだ平均値。そのため、大卒で長年同じ会社に勤めている、といった人にとっては「低いな」と感じられる数字かもしれません。
※出典:国税庁『令和4年度民間給与実態統計調査』(公表:2023年9月27日、2024年4月22日)
【平均年収の推移】リーマンショックで30万円減…いまだ回復せず
直近14年の平均年収の推移を見てみると、リーマンショックのあった2008年が40代前半で494万円あったのに対し、翌2009年は466万円と30万円近く年収が下がっていることがわかります。
その後は上下を繰り返しながら徐々に回復しているものの、40代前半はいまだリーマンショック前の水準には戻っていません。また、リーマンショック前と比較して、40代前半と後半の年収格差も広がっています。
※出典:国税庁『令和4年度民間給与実態統計調査』(公表:2023年9月27日、2024年4月22日)
【年代別】40歳以降、年収は上がりにくくなる
年代別平均年収のデータを見てみると、30代後半~40代前半は6.28%、40代前半~後半にかけては6.11%、平均年収がアップしています。
20代では、前半~後半にかけて42.49%も平均年収が伸びていましたが、年代が上がるに連れて徐々にアップ率は低下していきます。
もちろん企業によっては、管理職が増える40代で大きく年収アップする場合もありますが、高齢になるほど転職で年収アップを狙うことが難しくなる可能性が高いでしょう。
また、20代で初任給をもらっていた頃は企業間の年収差が少なかったものの、年代が上がるにつれて人によって年収のばらつきが大きくなることも、このアップ率の低さに影響していると考えられます。
※出典:国税庁『令和4年度民間給与実態統計調査』(公表:2023年9月27日、2024年4月22日)
【学歴別】高学歴が年収・アップ率ともに高い
厚生労働省のデータを見ると、大学卒と高校卒では男女ともに200万円近く差があります。「学歴が高いほど年収も高い」というのは40歳代でも同じだと言えるでしょう。
また、40代前半~後半にかけての年収の増減額を見ると、男性での場合、中学卒だと+20万円、高校卒だと+30万円であることに比べ、高専・短大卒だと+70万円、大学卒だと+60万円、大学院卒だと+100万円。このことから、学歴が低いほど、若いうちに年収が頭打ちになってしまうと考えられます。
女性も同様に、中学卒だと+30万円、高校卒だと+20万円、高専・短大卒では+20万円、大学卒だと+30万円、大学院卒では+40万円となっています。
ただし、男性に比べて、学歴が高くなることによる年収の増加額は少なめ。これは管理職における女性比率がまだまだ低いことが影響していると考えられます。
ちなみに2023年度の厚生労働省の調査によると、民間企業において女性が役員になっている割合は32.4%、係長級は22.9%、課長級は22.3%、部長級は12.0%と依然として低い状態です。
※参考:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」(公表日:2024年3月27日、参照日:2024年4月22日)
※平均年収の計算方法:きまって支給する現金給与額賃金×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額(1万円以下は四捨五入)
※参考:厚生労働省「令和4年度雇用均等基本調査」(公表日:2023年7月31日、参照日:2024年4月22日)
【企業規模別】やっぱり大企業ほど高年収
企業規模別に40代の平均年収を見ると、1,000人以上が働く「大企業」では40代前半で男性が710万円、女性が465万円と高水準であることがわかります。
一方、100人未満の「小企業」では40代前半の男性が512万円、女性が375万円と、それぞれ大企業と比べると7割程度の金額となっています。
また、年代が上がるにつれて大企業と中小企業の年収格差が広がっていくことも特徴です。管理職になり昇給する人が増える40代では、大企業と中小企業の年収格差も大きくなると考えられます。
※参考:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」(公表日:2024年3月27日、参照日:2024年4月22日)
※計算方法:きまって支給する現金給与額賃金×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額(1万円以下は四捨五入)
40代で高い年収をもらえるパターンとは?
40代の転職で年収をアップさせるには、以下の3つのポイントをおさえると良いでしょう。
詳しく見ていきましょう。
年収の高い大企業へは、早めの転職が吉
40代で年収アップを目指すのであれば、少しでも規模の大きい会社へ転職するのが近道と言えます。
企業規模が大きい方がベースの賃金が高く、同じ仕事でも高い年収が得られる可能性があるからです。
しかし、40代になってからの転職にはマッチングの難しさがつきものです。自分の経験を活かせる求人が少ないことに加え、高度な専門性や管理職としてのマネジメント経験、これから社風に合わせて柔軟に働いてくれるかなど、要求が多くなる傾向があるからです。
そのため、給与アップを目指して転職するのであれば、早めのタイミングが吉。また、自分に合う求人を自力で見つけるのが難しい場合は、経歴を聞いた上でぴったりの求人を紹介してくれる転職エージェントを使用するのもオススメです。
40代の平均年収が高いのは金融・保険業界
業界によっても40歳代の平均年収は異なります。年収アップを狙うなら、より平均年収の高い業界に転職するのも良いでしょう。
例えば40代前半の男性であれば、1位の金融業・保険業では1034万円、2位の電気・ガス・熱供給・水道業で793万円、3位の学術研究,専門・技術サービス業で766万円という結果です。
※ランキングは40代「前半」の順位を元に並べています。
一方、40代前半の女性では鉱業,採石業,砂利採取業が624万円で1位。2位は情報通信業の574万円、3位は電気・ガス・熱供給・水道業の568万円です。
女性は男性に比べて正規・非正規、総合職・一般職など職種や働き方が多様なことから、金融・保険業界など、業界によっては男性との年収差が大きくなることもあるようです。
※ランキングは40代「前半」の順位を元に並べています。
業界をまたいだ転職は高齢になるほど難しい傾向にありますが、例えば経理、財務、広報、人事といったバックオフィス系の仕事であれば業界をまたいでも転職しやすい傾向にあります。
また、技術職としてのバックグラウンドを活かした工場のコンサルタント業や、培った経験を他人に教える仕事など、意外な形で転職できる可能性もあります。
※参考:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」(公表日:2024年3月27日、参照日:2024年4月22日)
※計算方法:きまって支給する現金給与額賃金×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額(1万円以下は四捨五入)
高収入なら東京都!少なくとも大都市圏を狙うべし
※ランキングは40代「前半」の順位を元に並べています。
※年収金額は、1万円未満の金額を四捨五入しています。
東京都の平均年収は高く、40代前半の男性で684万円、女性で501万円。東京以外にも上位にランクインしているのは企業の集まる大都市圏で、求人の数も地方と比べれば多い地域です。
こういった地域は家賃や物価なども高いため、自由に使えるお金が多いとは一概には言えませんが、高収入を目指すなら東京で働くのが近道でしょう。
しかし、上京して東京などの都市部で働いている人も、40代になると親の介護などを理由に地元に帰りたいと考えることがあるかもしれません。
年収だけのことを考えるなら、できるだけ都市部で働くほうがよいですが、転居を伴う転職を考えている場合は、家庭の事情や家族の意見も考慮し、年収以外の要素もじっくりと検討しましょう。
※参考:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」(公表日:2024年3月27日、参照日:2024年4月22日)
※計算方法:きまって支給する現金給与額賃金×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額(1万円以下は四捨五入)
まとめ
同じ40歳でも、男女や学歴、企業規模や業界、地域によって平均年収に大きな差があることがわかりました。40代以降、年収アップを狙うなら、平均年収が高い業界・地域の大企業に早めに転職するのが良いでしょう。
しかし、40歳という年齢でこれからまったく異業種の転職することはあまりおすすめできません。あくまでも、これまで自分が積み重ねてきた経験の延長線上に、年収アップの可能性を見出すことが大切です。
40歳代の平均年収を知り、自分の状況と比較した上で、転職すべきかどうかを一度考えてみてはいかがでしょうか。