一生困らない・女性・理系 おすすめ国家資格一覧
国家資格は国が認定機関となっており、数ある資格のなかでも信用度が高い資格と言えます。資格があるからといって必ずしも収入アップにつながるわけではありませんが、スキルアップや転職の際に有利に働くケースは多いでしょう。
この記事ではさまざまな分野のおすすめ国家資格を、難易度付きでご紹介します。
独立開業も目指せる! 司法・行政、経営系国家資格
まずは司法・行政系、経営系の国家資格を中心に紹介します。
一般に難易度が高いものばかりですが「取得すれば一生困らない」と言われることも多く、高収入を期待することができます。
また、独立開業している方が多いことも特徴です。
中には学歴や年齢・実務経験の有無などに関係なく、誰でも受験できるものもあります。
行政書士とは、法律の専門知識に基づいて官公庁への提出書類作成や書類作成に関する相談業務などを行う職業です。
年収は300万円〜1,000万円以上と幅があります。責任感の強い人、コミュニケーションに自信のある人、勉強熱心な人におすすめです。
受験資格はとくに定められていません。試験は筆記試験(11月)のみで合格率は13.9%(2023年度)です。
社会保険労務士は、労働・社会保険の手続き、年金や労務管理の相談など労働者の権利や義務に関する業務を行う職業です。
年収は個人差もありますが平均で約500万円と高めです。経済や経営に興味のある人、地道な作業が好きな人、数字に強い人におすすめです。
受験資格として4年制大学での一般教養課程を終えていること、短大もしくは高専卒であることなどが定められています。試験の合格率は6.4%(2023年度)です。
合格後は健康保険や労働保険、人事労務関連の実務経験を2年以上積んだ後、または厚生労働大臣が指定した講習を修了後に、社会保険労務士名簿に登録します。
※詳しくは→※参考:社会保険労務士試験オフィシャルサイト
税理士とは、確定申告の承認申請や税務署への提出書類の作成など、税に関する業務を行う職業です。
業務形態にもよりますが、年収は平均で約800万円と高い水準が望めます。数字が得意な人、正義感のある人、コミュニケーションに自信のある人におすすめです。
受験資格として、大学・短大・高等専門学校を卒業し、社会科学に属する科目を1科目以上履修したこと、日商簿記検定1級合格者であることなどが定められています。合格率は21.7%(2023年度)です。
合格後は2年以上の実務経験を経て税理士会へ登録します。
※参考:税理士試験|国税庁
公認会計士とは、企業などの監査・コンサルティング・税務の3つを行う職業です。
年収は平均で1,000万円程度であり、高い水準が望めます。経済や経営に興味のある人、思考力のある人、勉強熱心な人におすすめです。
受験資格はとくに定められていません。短答式試験(12月、5月)を受け、合格したら論文式試験(8月)に挑戦できます。この2つに合格したのち、3年以上の実務経験(業務補助等)と3年間の補習所通学、修了考査を経て公認会計士名簿に登録すると業務を行うことができます。合格率は7.6%(2023年度)となっており、難易度の高い資格です。
司法書士とは、法律の専門知識に基づいて不動産登記・商業登記の申請や裁判所・法務局への提出書類作成などを行う職業です。
年収は300万円〜1,000万円以上と幅があり、責任感の強い人、コミュニケーションに自信のある人、勉強熱心な人におすすめです。
受験資格はとくに定められていません。筆記試験(7月)を受け、合格したら口述試験(10月)に挑戦できます。合格率は5.2%(2023年度)です。
合格後は日本司法書士会連合会の司法書士名簿に登録しないと、司法書士としての業務は行なえません。ただ、すぐに登録する必要はなく、合格後に日本司法書士会連合会が行う研修を受け、事務所に就職して実務経験を積んだ後、登録するパターンが多いです。
※参考:司法書士試験|法務省
女性が多く活躍!医療・福祉系国家資格
医療・福祉系の職業は女性の就職率が高く、出産後も育児と両立させながら仕事を続けやすい環境が整っています。
もちろん、高齢化などを背景に需要が高まっている業界なので、男性にもおすすめです。
ここでは比較的難易度の低い資格を中心にご紹介します。
看護師は病院だけでなく介護施設や保育施設、訪問看護ステーション、企業内の医務室・保健管理室などへと活躍の場が広がっており、需要の高い職業です。
年収は平均で500万円程度と女性の多い職業の中では高い水準が見込めます。心身共にタフな人、共感力のある人、学び続ける姿勢のある人におすすめです。
3年制もしくは4年制の看護師養成学校(専門学校・短期大学・大学)を卒業すると受験資格を得ることができます。内容は筆記試験(2月)で合格率は90.8%(2023年)です。
ステップアップを考えている人は、病院などで働きながら認定看護師や専門看護師などを目指すこともできます。
※参考:看護師国家試験の施行|厚生労働省
保健師は自治体の保健所や保健センターで乳幼児健診や健康相談などを行い、地域住民の健康管理に携わる職業です。企業において保健指導や感染症予防活動などを行う産業保健師として活躍する方もいます。
求人は決して多くないですが、看護師と比べて夜勤などのハードな業務が少なく、人気が高い職業です。観察力のある人、共感力のある人、学び続ける姿勢のある人におすすめです。
看護師養成学校などの指定学校で1年以上の専門課程を修了すると受験資格を得ることができます。内容は筆記試験(2月)で合格率は93.7%(2023年)です。
※参考:保健師国家試験の施行|厚生労働省
介護福祉士は身体上または精神上の障害がある人の介護を行い、介護に関する指導をする職業です。
年収は約340万円と決して高くはありませんが、人の役に立つことができ、やりがいを感じられる仕事です。心身共にタフな人、冷静に状況判断ができる人におすすめです。
受験資格は厚生労働大臣が指定した養成施設を卒業していること、3年以上介護などの業務に従事していることなどです。試験には筆記試験(1月)と実技試験(3月)があり、合格率は84.3%(2023年)となっています。
歯科衛生士は歯垢除去などの歯科予防処置や歯科医の補助、歯科保健指導を行う職業です。
歯科診療所や病院だけでなく、介護施設や保育施設など活躍の場が広がっており、求人も徐々に増加しています。協調性がある人、細かい作業が好きな人、向上心のある人におすすめです。
3年制もしくは4年制の歯科衛生士養成学校(専門学校・短期大学・大学)を卒業すると受験資格を得ることができます。内容は筆記試験(3月)で合格率は93.0%(2023年)です。
登録販売者は、かぜ薬や鎮痛剤などの一般用医薬品(処方箋がなくても購入可能な医薬品)の販売を行うための専門資格です。
薬剤師が不在でも一般用医薬品販売ができるため、地域医療のサポート役として需要が拡大しています。責任感の強い人、コミュニケーション力に自信のある人におすすめです。
受験資格としての学歴・実務経験は不要。詳しい募集要項や試験日程は都道府県によって異なります。合格率は東京都で43.9%(2023年)です。
※参考:登録販売者.com
※登録販売者は厚生労働省の手引きに沿って、都道府県が試験を実施する公的な資格になります。
社会福祉士は身体上または精神上の障害がある人の福祉に関する相談に応じ、行政・病院・介護施設との連絡・調整を行う職業です。
介護老人施設や児童養護施設などの福祉施設で、ソーシャルワーカーや児童相談員などの幅広い職種で活躍します。コミュニケーションに自信のある人、社会の変化に対応できる人におすすめです。
受験資格には福祉系大学で指定の単位を履修したこと、指定施設での実務経験があることなどが挙げられています。試験は筆記試験(1月もしくは2月)のみで、合格率は58.1%(2024年)です。
理系の方におすすめ!建築系・IT系国家資格
理系の方におすすめしたいのが建築系・IT系の国家資格です。
理系の資格と聞くと一見難しそうですが、比較的難易度が高くないものや誰でも受験できるものも多いので、働きながらでもチャレンジしやすい傾向にあります。
建築設備士とは、建築士に対して建築設備の設計・工事監理に関する適切なアドバイスを行う資格者です。
建築関連のキャリアを積むために、建築設備士と建築士の資格を両方取得している人も多いです。物理や地学が好きな人、探究心のある人、責任感のある人に向いています。
受験資格として、学歴と建築設備の実務経験(学歴により必要年数が異なる)、一級建築士などの資格と2年以上の建築設備の実務経験、9年以上の建築設備の実務経験のいずれかを積むことが求められます。試験は学科試験と設計製図試験があり、合格率は19.1%(2023年)です。
宅地建物取引士は宅建士とも呼ばれており、不動産の売買や賃貸物件のあっせんをする際に土地や建物について専門知識に基づいた説明をする職業です。
不動産事務所では従業員の5人に1人以上の宅建士を置くことが義務付けられており、不動産業界では欠かせない存在です。コミュニケーションに自信のある人、論理的な説明が得意な人におすすめです。
受験資格はとくに定められていません。試験は筆記試験(10月※)のみで、合格率は17.2%(2023年度)です。
建築士とは、建築物の設計及び工事管理等の業務を行う職業です。一級建築士はすべての建築物、二級建築士は比較的小規模な建築物、木造建築士は小規模な木造建築物についての業務を行います。
一級建築士になると年収は平均で約700万円と高い水準が望めます。クリエイティブなことが好きな人、建築学科や設備工業科などで学んだ経験がある人におすすめです。
受験資格として実務経験が必要ですが、建築に関する学歴や持っている資格によって求められる年数は異なります。試験は学科試験と設計製図試験の2つがあります。合格率は一級建築士で9.9%、二級建築士で22.3%、木造建築士で44.5%です(2023年)。
建築物環境衛生管理技術者とは、ビルやホールなどの人が多く出入りする建築物において環境衛生の維持管理に関する業務を行う資格です。
ビル管理技術者とも呼ばれています。ビルの設備管理業務や工事管理全般、マンション管理コンサルタントなどの職業に就くことが多く、細かい部分まで気がつく人、建物の環境衛生に関する知識がある人におすすめです。
受験資格としてビルメンテナンスの2年以上の実務経験が定められています。試験は筆記試験(10月)のみで、合格率は21.9%(2023年)です。
また、条件を満たせば厚生労働省指定の講習を3週間程度受けて取得することもできます。受講資格として学歴に応じて実務経験が必要となりますが、一級建築士などの資格がある場合は実務経験なしでも受講可能です。
ITパスポートとは、IT系の国家資格でもっとも基礎的なものです。あらゆる分野の基盤となるITの普遍的な知識があることを証明します。ITの基本的な知識を身につけたい人におすすめです。
転職活動や業務上で有利になるというよりは、ITの基礎を学んで上級資格を取得する際の足がかりにしたり、転職・就職活動の自己PRに用いたりすることができます。
受験資格はとくに定められていません。試験内容は筆記試験(日程は各自治体によって異なる)のみで、合格率は50.5%(2024年1月度)です。
基本情報技術者とは、ITエンジニアの登竜門とされる資格です。プログラマーだけでなく、システムエンジニアやWebデザイナーなどIT業界で働くすべての人に必要とされる普遍的な知識・技能があることを証明します。
高専・大学・専門学校などのカリキュラムに組み込まれていることもあり、転職・就職活動での自己PRにも使える資格です。プログラミングが好きな人、論理的な思考力がある人におすすめです。
受験資格はとくに定められていません。試験はCBT方式(通年)で行われ、合格率は44.8%(2024年2月)です。
情報処理安全確保支援士(RISS)とは、政府機関や企業における情報セキュリティ機能の企画・開発・運用・整備などを行うスキルがあることを証明する資格です。
独立して高収入を狙えるようなものではありませんが、情報セキュリティの需要は高まっており、ITエンジニアに求められるスキルとして今後の認知度や重要性が高まる可能性があります。論理的な思考力がある人、責任感の強い人におすすめです。
受験資格はとくに定められていません。試験内容は筆記試験(4月と10月の年2回)のみで、合格率は21.9%(2023年度秋期)です。
まとめ
一口に国家資格といっても、人と関わる仕事から理系の技術を活かせる仕事までジャンルはさまざまで、難易度も異なってきます。
自分に合った国家資格を選んでチャレンジしてみましょう。
この記事の執筆者
「転職Hacks」編集部
株式会社クイック
株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。