自己都合でも損しない失業保険の受け取り方

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失業認定申告書

退職後の支えとなる失業保険。受け取るための条件や期間、金額はよくわからないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、失業保険の受け取り方や損をしないコツなど、自己都合退職時の失業保険について、知識・ノウハウをわかりやすく解説します。

【目次】
1.失業保険の基礎知識
失業保険は求職者を支えるための手当
自己都合退職とは?
「特定理由離職者」は優遇される
2.いくらもらえる?自己都合退職の失業保険
【年齢・給料別】失業保険の金額一覧
失業保険の給付日数は「90~330日」
失業保険を受け取るための3つの条件
自己都合は会社都合より不利?
3.自己都合退職で失業保険を受け取るための11ステップ
図でわかる!失業保険を受け取る方法
退職前に行うべき2ステップ
退職後に行うべき9ステップ
4.自己都合退職でも損せず失業保険をもらうポイント
「特定理由離職者」に該当するか確認
退職前6ヶ月間の給料を増やす
「公共職業訓練」を利用する
5.自己都合退職による失業保険のQ&A
6.まとめ

1.失業保険の前提知識

退職は、「自己都合退職」と「会社都合退職」の2種類に分けられます。どちらに該当するかで、受給できる失業保険の金額や期間は変わってきます。

まずは、失業保険の趣旨や、自己都合退職と会社都合退職との違いなど失業保険受給の前提となる基本事項を知っておきましょう。

失業保険は求職者を支えるための手当

失業保険とは、仕事をやめた人に対し政府から一定期間支給されるお金のことで、正式には「雇用保険の基本手当」と言います。その目的は、失業者が生活を心配しないで求職活動に専念できるよう支援すること。

原則、もう一度働くことを希望している人にだけ支給され、働く意思のない人や専業主婦になる人、起業を予定している人は対象外となります。

自己都合退職とは?

退職願を持つビジネスマン

自己都合退職とは、労働者が自ら希望して今まで勤めていた会社を辞めることです。

自己都合退職でよくある理由としては以下のようなものが挙げられます。

【自己都合退職でよくある理由】
・転職
・結婚やそれに伴う引っ越し
・妊娠・出産
・家族の介護や看病

上記のほかに、会社で問題を起こして懲戒免職になった場合も自己都合退職に含まれます。

ただし、懲戒免職が不当だと認められれば自己都合退職にはなりません。

自己都合退職に対し、会社の経営破綻や業績悪化に伴う人員整理(いわゆるリストラ)などにより、やむを得ず退職することを会社都合退職と言います

会社都合退職でよくある理由としては以下のようなものが挙げられます。

【会社都合退職でよくある理由】
・会社の経営破綻
・業績悪化に伴う人員整理
・労働条件が労働契約を結んだときと大きく異なる
・賃金の不払い・遅延
・セクハラ・パワハラがあったにもかかわらず対策が講じられなかった

自己都合退職か会社都合退職かによって、失業保険の金額や期間、受給開始日は大きく変わります。その違いについては、「2.いくらもらえる?自己都合退職の失業保険」で詳しく解説します。

※より詳しくはこちら→自己都合退職する前に知っておきたいポイント

「特定理由離職者」は優遇される

自己都合退職を行った退職者のことを総称して、一般受給資格者と言います。一般受給資格者は、政府が定めた正当な理由で自己都合退職を行ったと認められれば、「特定理由離職者」となり、いくつかの優遇措置を受けられるようになります。

特定理由離職者と認められる正当な理由としては、以下のものが挙げられます。

特定理由離職者と認められる正当な理由
<1>契約社員などで有期の雇用契約が満了し、希望しても更新されなかった

<2>病気や心身の障害など健康状態が悪化した

<3>妊娠・出産・育児などのために離職し、かつ受給期間延長措置(受給期間を最長3年間延長できる雇用保険法上の手続き)を受けた

<4>両親の死亡や介護等、家庭の事情が急変した

<5>配偶者や親族との別居を続けることが困難になった

<6>結婚や事業所の移転などの理由により通勤が困難になった

<7>会社からの勧奨があった場合には該当しないが、人員整理等による希望退職者の募集に応募した

上記の理由に自分が当てはまる場合は、ハローワークで「求職の申し込み」を行う際、その旨を担当者に伝えましょう。また、提出書類に正しい理由が記載されているか、確認しておくことも大切です。

2.いくらもらえる?自己都合退職の失業保険

封筒とお札

条件、金額、受給期間など、失業保険を受給するために知っておきたい基本知識を紹介します。自身のステータスと照らし合わせて、どれだけの期間どれだけの金額を受け取ることができるのか、確認してみましょう。

【年齢・給料別】失業保険の金額一覧

失業保険をもらうことになったら、とにかく受給できる金額ではないでしょうか。

厚生労働省の発表をもとに、受給できる基本手当日額・月額の一覧表を作りました。退職前6ヶ月間の給料と年齢と照らして、おおよその受給金額を確認してみてください

なお、こちらの金額は平成29年8月1日に変更される可能性があります。

【年齢と給料でわかる失業保険の金額一覧表】

年齢・給料別失業保険の金額一覧表

※参考:雇用保険の基本手当日額が変更になります~平成 28年 8 月 1 日から~/厚生労働省

【コラム】失業保険の計算方法は?

33歳、年収360万円のAさんが自己都合退職をしたときに受給できる基本手当日額(1日当たりの金額)は5,687円。1ヶ月(4週間)当たりでは15万9,237円、手当総額は勤続10年の場合、120日間の支給で68万2,446円となります。

計算の手順を手短に解説します。

自己都合退職で受け取れる失業保険の1日当たりの金額は、「退職日の年齢」と「賃金日額(退職日前6ヶ月間の給与を180で割った金額)」の2つの要素で決まります。

年収360万円のAさんの退職前6ヶ月間の給与を180万円とすると、賃金日額は、1万円(180万円÷180日)。ちなみにこの場合、給与に残業代と手当は含みますが、賞与は含みません。

基本手当日額の計算式は、年齢と賃金日額によって7種類に分かれます。退職日の年齢が30歳で賃金日額が1万円の場合、基本手当日額の計算式は以下の通りです。

基本手当日額={(-3×賃金日額×賃金日額)+(69,980×賃金日額)}÷70,300

先ほど算出した通り、Aさんの賃金日額は1万円です。これを代入しましょう。

基本手当日額
={(-3×10,000×10,000)+(69,980×10,000)÷70,300}
=5,687.05547653…

つまり、基本手当日額は5,687円と算出されます。

失業保険の受給金額は、このように複雑な手順と計算式を用いて導き出されます。正確な金額が知りたい場合は、ハローワークに直接問い合わせましょう。

失業保険の給付日数は「90~330日」

自己都合退職の場合、失業保険の給付日数は、雇用保険の加入期間と失業者の年齢によって決まります

自己都合退職をした場合の給付日数は、以下の通りです。

【一般受給資格者または通常の特定理由離職者】

失業保険の給付日数一覧

また、特定理由離職者のうち、以下のいずれかに当てはまる場合は日数が細かく変わります。

<1>被保険者期間が12ヶ月未満
<2>退職の理由が「契約社員などで有期の雇用契約が満了し、希望したにもかかわらず、更新されなかった」

【<1><2>のいずれかに当てはまる特定理由離職者】

特例 失業保険の給付日数一覧表

<1><2>のいずれかに当てはまる特定理由離職者の所定給付日数が上記の表の通りになるのは、退職をした日が平成21年3月31日~平成29年3月31日に該当する場合に限ります。それ以外の期間に退職した特定理由離職者が失業保険を受け取れる期間は、一般受給資格者と変わりません。

失業保険を受け取るための3つの条件

3本指を立てている女性

自己都合の場合、失業保険を受け取るためには、原則として以下の3つの条件を満たさなければなりません。

<1>本人に就職する意思と能力がある
<2>積極的に就職活動を行っているが就職できていない
<3>離職日からさかのぼった2年間に被保険者期間が12ヶ月以上ある

被保険者期間とは、働いた日数が11日以上ある月のことです。例えば退職した日が5/15であれば、そこからさかのぼった4/15までを1ヶ月とします。その間に11日以上働いた日があれば、被保険者期間は1ヶ月分カウントされます。下図では、3/15~4/15は出勤日数が10日しかないので、1ヶ月分とはカウントされません。

その被保険者期間が過去2年の間に12ヶ月分あれば「離職日からさかのぼった2年間に被保険者期間が12ヶ月以上ある」という条件を満たすことができます。

退職から失業手当受け取りのフロー

ただし、自己都合退職であっても、特定理由離職者の場合は、必要な被保険者期間が以下の条件に短縮されます。

・離職日からさかのぼった1年間に被保険者期間が6ヶ月以上ある

自己都合は会社都合より不利?

自己都合退職と会社都合退職では、受け取れる失業保険の内容に大きな違いがあります。

違いを以下の表にまとめました。

【自己都合退職・会社都合退職のときの失業保険の内容】

自己都合退職と会社都合退職の失業保険の内容

表のように、基本的には自己都合退職の方が会社都合退職よりも、受給できる失業保険の内容が不利になります。最大支給額・給付日数ともに少なく、支給開始日まで3ヶ月も長く待たなければなりません。そのため、失業保険受給という観点から見れば、会社都合で退職する方が有利でしょう。

ただし、会社都合退職にも、転職が不利になるかもしれないなどデメリットは存在します。

※詳しくはこちら→会社都合退職にまつわる正しい知識(長所・短所~条件など)

3.自己都合退職で失業保険を受け取るための11ステップ

11段の階段を登るイメージ

自己都合退職で失業保険を受け取るための具体的な条件と手順をまとめました。

事前に必要なものや当日の流れを知っておくことで、スムーズに手続きを済ませることができます。

図でわかる! 失業保険を受け取る方法

自己都合退職で失業保険を受け取るまでの11ステップを図にまとめました。まずは受給までの道のりを把握してみましょう。

【失業保険を受け取るための11ステップ】

失業保険を受け取るための11ステップ 1~6

失業保険を受け取るための11ステップ 7~11

上記の11ステップを経て、退職の約3ヶ月と7日後に失業保険を受け取ることができます。

退職前に行うべき2ステップ

失業保険を受け取るために必要な手順のうち、退職前に行うべき2ステップをご紹介します。

(1)雇用保険被保険者証を確認する

雇用保険被保険者証は、文字通り雇用保険の被保険者であることを証明する書類で、失業保険の受け取り手続きで必要な場合があります。

多くの場合は会社が預かっていますが、本人に配布されている場合もあります。なくしてしまった場合は、居住地を管轄するハローワークで再発行の申し込みを行いましょう。

会社で保管されている場合は、退職と同時に郵便などで自宅に送付してもらえます。

【雇用保険被保険者証の見本】

雇用保険被保険者証の見本

※出典:ハローワークインターネットサービス/厚生労働省職業安定局

(2)離職票をいつ受け取れるのか確認する

離職票を受け取る

離職票は、失業保険の受け取り手続きで必ず必要になります。受け取れるタイミングを、あらかじめ会社に問い合わせておきましょう。通常は、退職後10日以内に自宅に郵送されることになります。事前に確認することで、郵送の後回しや遅れを防ぐことができるでしょう。

離職票には2つの種類があり、離職票1には雇用保険の加入者情報と失業保険の振込先口座が記入されます。また、離職票2には退職する直前6ヶ月の給与や退職理由などが記入されます。いずれも失業保険受給の手続きや受給金額の算定に必要なため、確実に受け取れるよう注意しましょう。

退職後に行うべき9ステップ

次は、失業保険を受け取るために必要な手順のうち、退職後に行うべき9ステップをご紹介します。

(1)離職票を確認する

離職票が手に入ったら、記載されている内容が正しいかを確認しましょう。

前述の通り、離職票は「離職票1」と「離職票2」の2種類で構成されています。それぞれの見本を示しつつ、注意すべきポイントを解説します。

・離職票1で注意すべきポイント

【離職票1の見本】

離職票1の見本

※出典:ハローワークインターネットサービス/厚生労働省職業安定局

離職票1で注意すべきポイントは以下の3点です。

(A)資格取得年月日
(B)離職年月日
(C)喪失原因

(A)(B)は給付日数や受給金額などの受給内容を、(C)は自己都合か会社都合かを左右します。受給条件が不利にならないよう、間違っていないか必ず確認してください。

・離職票2で注意すべきポイント

【離職票2の見本】

離職票2の見本

※出典:ハローワークインターネットサービス/厚生労働省職業安定局

離職票2で注意すべきポイントは以下の3点です。

(A)離職日以前の賃金支払い状況
(B)離職理由
(C)具体的事情記入欄

こちらも受給内容や、退職の種別に大きく関わります。(A)では基礎日数(基本給が支払われた日数)と期間について、(B)(C)では退職理由が会社の都合の良いものにされていないかについて、特に気を付けましょう。

(2)ハローワークで「求職の申し込み」を行う

申し込み手続きのイメージ

居住地を管轄するハローワークで「求職の申し込み」を行います。申し込み日に合わせて今後定期的に訪れる失業認定日の曜日が決められるため、通いやすい曜日を選びましょう。

必要な書類は、以下の7点です。

ハローワークでの手続きの際、準備すべきもの
・雇用保険被保険者証
・離職票1
・離職票2
・身分証明書(運転免許証、マイナンバーカードなど)
・印鑑
・写真2枚(直近3ヶ月以内・縦3.0cm×横2.5cm)
・本人名義の普通預金通帳(郵便局も含む)

求職の申し込みの流れは以下の通り。

離職票を提出し、「求職申込書」を受け取る

求職申込書と離職票について質問を受ける

「ハローワークカード」と「雇用保険受給資格者のしおり」を受け取る

(3)7日間待機する

求職申込を済ませた後は、7日間待機しなければなりません。この7日間で本人が完全に失業状態にあるのかが国によって確認されます。そのため、この間にアルバイトや知人の手伝いも含め、働いて収入を得てはなりません。

(4)「雇用保険受給者初回説明会」に出席する

雇用保険受給者初回説明会では、失業保険の受給についての重要事項を聞きます。開催日時は、求職の申し込みの際に教えられます。日程は人によりますが、多くの場合、求職の申し込みの1~3週間後です。

以下の準備物を用意してハローワークに出向きましょう。

雇用保険受給者初回説明会の際、準備すべきもの
・ハローワークカード
・雇用保険受給資格者のしおり
・印鑑
・筆記用具

雇用保険受給者初回説明会の流れは以下の通り。

ハローワークカードを提出し、「雇用保険受給資格者証」を受け取る

1時間ほどの講義を受け、「失業認定申告書」を受け取る

「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」の2つは、いずれも失業保険の受給に欠かせない書類です。大切に保管しましょう。

(5)3回以上の就業活動実績を作る

ワイシャツと履歴書

失業認定を受けるためには、自己都合退職の場合、3回(2度目以降は2回)以上の就業活動実績を作らなければなりません。就業活動実績は、求職活動を行うことで作ることができます。

求職活動として認められるのは以下のような行動です。

求職活動として認められる行動
・雇用保険受給説明会への出席
・ハローワークで行われている講座やセミナーへの参加
・転職フェアなど民間の転職イベント・セミナーへの参加
・ハローワークでの職業相談
・企業の求人への応募
・資格試験の受験

雇用保険受給者初回説明会への参加も求職活動として認められます。そのため、実質的には初回の方は失業認定日までに2回以上の就業活動実績があればよいということになります。

(6)1回目の失業認定日に出席する

失業保険の受給者は、原則として4週間に1度、失業状態にあるという認定を受けなければなりません。雇用保険受給者初回説明会で知らされた日時に、最寄りのハローワークに行きましょう。

必要な持ち物は以下の通りです。

失業認定日に準備すべきもの
・雇用保険受給資格者証
・失業認定申告書
・印鑑
・筆記用具

失業認定日には、雇用保険受給資格者証と記入済みの失業認定申告書を提出します。それらに問題がなければ、雇用保険資格者証が返却され、新しい失業認定申告書が渡されます。

【コラム】失業認定申告書の書き方とは?

失業認定申告書は、提出日までの求職活動の実績や得た収入を報告するための書類です。

記入例は以下のようになります。

【失業認定申告書の見本】失業認定申告書の見本

※出典:ハローワークインターネットサービス/厚生労働省職業安定局

失業認定申告書の書き方には細かい規則があり、初めは戸惑ってしまうかもしれません。

そこで、失業認定申告書に書くべき事項とその注意点を、順を追って説明します。

(A)就職・就労・内職・手伝いについて
就職・就労もしくは内職・手伝いをしたかどうかと、した場合はその日程を記入します。

就職・就労は○で、内職・手伝いは×でカレンダーに記入するよう指定されています。

○を付けた日は失業中とはみなされないため、失業保険は支払われません。ただし、没収された訳ではなく、先送りされた形になります。

就職・就労に当てはまるシチュエーション
・1日に4時間以上働いた(パート、アルバイト、ボランティア、内職、自営業の準備、農業や商業など家業の手伝い、請負や委任による労務提供も含む)
・上記の条件で1日に働いた時間は4時間未満だが、それによりほかの求職活動を行わなかった
・夫や妻、親などの雇用保険の被保険者となった
・会社の役員になった(名義だけの場合も含む)
内職・手伝いに当てはまるシチュエーション
・働いたが、1日に4時間未満だった(パート、アルバイト、ボランティア、内職、自営業の準備、農業や商業など家業の手伝い、請負や委任による労務提供も含む)
・上記の条件で1日に4時間以上働いたが、1日当たりの収入額が賃金日額の最低額(※)未満だった。
※賃金日額の最低額は2,290円(平成28年8月1日時点)。ただし、毎年8月1日に変わる可能性がある。

×を付けた日程については、収入があった日とその金額を下に記入してください。その金額によって支給される失業保険の金額が変化します。

(B)求職活動について
失業認定日までに行った就業活動実績を報告してください。詳しい内容は前述の「(5)3回以上の就業活動実績を作る」で説明しています。

(C)仕事を紹介された場合すぐに応じられるかどうか
やむを得ない事情がなければ「応じられる」と回答しましょう。「応じられない」と回答すると受給できない可能性があります。

(D)就職もしくは自営の有無または予定について
これも失業保険を受け取る場合は、基本的には必要ありません。当てはまる場合のみ、きちんと申告しましょう。

(E)本人確認
提出日、支給番号を記入の上、書名・捺印してください。この際、シャチハタは無効です。

(7)2回以上の就業活動実績を作る

1回目の失業認定日以降は、次の失業認定日までの間に2回以上の就業活動実績を作らなければなりません。これは、失業保険の給付日数が終了するまで続きます。

(8)2回目の失業認定日に出席する

特定理由離職者と認められない一般受給資格者の場合は、3ヶ月の給付制限がかけられます。そのため、失業保険の給付を受けるまでに、もう一度失業認定日に出席しなければなりません。

持ち物や手続きの流れは1回目と同様です。

(9)失業保険の給付を受ける

求職の申し込みをしてから3ヶ月と約7日後に、失業手当が指定の口座に振り込まれます。これからは、(9)~(11)の手順を給付の終了まで繰り返すことになります。失業認定日に出席するたびに、失業保険が5~7日後に振り込まれます。

【コラム】不正受給をするとどうなる?

暗がりの札束

「失業認定報告書に実際には行っていない求職活動を書く」「就職・就労・内職・手伝いに該当する行為をしたのに報告しない」などの行為は、不正受給とみなされます。

不正受給が発覚した場合、以下のペナルティが課せられます。

不正受給が発覚した場合のペナルティ
・失業保険の支給が一切停止される
・不正に受給した金額に相当する額の返還が命じられる
・上記の返還が命じられた額とは別に、不正に受給した額の2倍に相当する額以下の金額の納付が命じられる(いわゆる3倍返し)

上記のペナルティ以外に、悪質だと判断された場合は刑事処罰が下される可能性もあります。失業認定報告書への記載は、必ず正直に行いましょう。

4.自己都合退職で損せず失業保険をもらうポイント

自己都合退職で損せず失業保険を受け取るために注意しておくべきポイントをご紹介します。

「特定理由離職者」に該当するか確認

「特定理由離職者」は優遇される」で紹介した通り、一般受給資格者に比べて特定理由離職者は雇用保険の恩恵を受けられるポイントが多くあります。失業保険で損することのないよう、自分が特定離職者に該当しそうな場合は「求職の申し込み」の際しっかりとその旨を主張しましょう。

退職前6ヶ月間の給料を増やす

失業保険の支給金額は退職前6ヶ月間の給与を基に決められます。

そのため、退職前6ヶ月の間は残業を増やすなどして給与を上積みすることで、支給金額を増加させられる可能性があります。

「公共職業訓練」を利用する

受講室の女性

公共職業訓練とは、独立行政法人や自治体が主催する職業訓練のことで、求職者に就職に必要なノウハウを提供するために無料で行われています

地域にもよりますが、経理事務・福祉関連・コンピューター・CADなどさまざまな講座が用意されており、日額500円の受講手当に加え、遠方から通う場合は交通費も受け取ることができます。

このようにメリットの多い公共職業訓練ですが、失業保険の受給においても以下の3つのメリットがあります。

<1>失業保険の支給期間が延長される

公共職業訓練を受講する場合は、訓練が終了する日まで失業保険を受給できるようになります。公共職業訓練には1ヶ月~2年までさまざまな期間のコースがありますが、いずれの場合でも訓練の最終日までは給付日数が延長されます。

ただし、この延長措置を受けるには、原則として訓練開始時点で給付日数の3分の2以上の給付額が支給されずに残っている必要があります。

<2>給付制限がなくなる

本来、一般受給資格者には3ヶ月の給付制限がありますが、公共職業訓練を受講することで給付制限が解除され、すぐに給付を受けられるようになります

多くの場合、受講の申し込みは退職前から可能なため、受講開始日を求職の申し込み直後に設定することも可能です。そうすれば、会社都合退職と同じく、7日ほど待機するだけで失業保険を受け取ることもできます。

<3>給付申請の手続きが楽になる

公共職業訓練を受講すると、毎月末が失業認定日となり、訓練校側が手続きを一括して代行してくれるようになります。そのため、失業認定日のたびに記入を済ませた失業認定申告書を持って、ハローワークに通う手間をなくすことができます。

公共職業訓練を受講するには?

公共職業訓練を受講したいと思ったら、ハローワークに行きましょう。パンフレットの閲覧や受講したいコースの相談ができます。受講したいコースが決まればそのまま窓口を通して申し込むことも可能です。

ただし、人気の講座では筆記試験や面接などの選考を受けなければ受講できない場合もあります。自分の能力や選びたいキャリアに合わせて最適な講座を選びましょう。

5.自己都合退職による失業保険のQアンドA

自己都合退職で失業保険を受け取る際、疑問に思う人が多いポイントを紹介します。

雇用保険に半年しか加入していない場合は?

雇用保険に半年しか加入していない場合、基本的には失業保険は給付されません

自己都合退職の場合、雇用保険に1年以上加入していなければ失業保険の給付は認められないからです。

ただし、特定理由離職者は「失業保険を受け取るための3条件」で説明した通り、半年(6ヶ月)以上の加入で需給が認められます。

まずは自分が特定理由離職者に該当しないか確かめてみましょう。

うつ病で自主退職した場合は?

ビジネスマンのイメージ

うつ病を発症した原因によります。

上司・同僚からのハラスメントや法定労働時間を超過する残業によりうつ病を発症した場合は、会社都合退職に該当します

しかし、個人的な悩みなどからうつ病になった場合は、自己都合退職(特定理由離職者)となります。

派遣先での契約更新がない場合は?

多くの場合、自己都合退職となります

ただし、以下の条件を全て満たした場合には、会社都合退職に該当します。

<1>派遣先に3年以上在籍している(1回以上契約を更新した)
<2>契約更新を希望しているが派遣先から更新しないと通告された
<3>同じ派遣会社からの仕事を希望しているにもかかわらず、退職から一定期間(1ヶ月程度)たっても新たな派遣先が見つからない

<3>の条件についてはうっかり破ってしまうことが多いため特に注意してください。

退職してから一定期間が経っていないのに離職票を要求すると、派遣元による仕事の紹介を拒否しているとみなされ、自己都合退職となってしまうのです。

また、希望しているにもかかわらず派遣先から契約が更新されなかった場合は、特定理由離職者に当てはまります。

6.まとめ

失業保険を損せず受け取るために知っておくべき基礎知識とノウハウを、まとめてご紹介しました。

自己都合退職を考えている方や損せず失業保険を受け取りたい方は、この記事を参考にしてみてください。