手元にないとき、どうする? 雇用保険被保険者証の再発行方法

この記事では、雇用保険被保険者証を再発行する方法をご紹介します。

雇用保険被保険者証は、ハローワークで再発行できる

雇用保険被保険者証は、紛失してもハローワークで再発行が可能です。

雇用保険被保険者証は、ハローワークで即日再発行ができます。紛失した場合や、そもそも退職時に受け取ったかわからない場合、この記事を参考にして手続きしてください。

※ただし、手続き可能なのは平日のみです。土日・祝日・年末年始なども再発行手続きを行えません。

被保険者証を再発行できないケースもある

雇用保険被保険者証が手元に無い理由の一つに、そもそも雇用保険に加入できていないケースがあります。

短期のアルバイトや、所定労働時間が短いパートとして働く場合、雇用保険の加入条件を満たしていないことがあります。そうした場合は、雇用保険被保険者証も発行されていないので、ハローワークに行っても再発行はできません。

〈雇用保険に入れないケース〉

  1. 雇用期間が、31日未満
  2. 1週間の所定労働時間が20時間未満

転職先の企業から被保険者証の提出を求められている場合、雇用保険に加入していなかった旨を伝えるようにしましょう。

再発行手続きのやり方

雇用保険被保険者証の再発行は、3つのステップに沿って行いましょう。ここでは、一般的な「ハローワークに行って申請する」場合の流れをご紹介します。

雇用保険被保険者証の再発行は3ステップで行えます。1、手続きできるハローワークを探す。2、必要なものを揃える。3、ハローワークに行き、申請書に記入する。

ステップ1:手続きできるハローワークを探す

雇用保険被保険者証の再発行を含め、雇用保険関連の手続きは、住居地を管轄するハローワークで対応してもらえます。

まずは全国ハローワーク所在案内から、自分の住居地を管轄しているハローワークを探しましょう。Webページ内の「管轄一覧表」から確認できます。

居住地を管轄するハローワークの探し方

1全国ハローワーク所在案内」から、自分の都道府県を選択する。

まずは、全国ハローワークの所在案内の一覧から、自分の居住地がある都道府県をクリックしましょう。

2公共職業安定所の項目の右側にある「管轄一覧表」をクリックする。

公共職業安定所の項目の右側にある、管轄一覧表のリンクをクリックしましょう。

3公共職業安定所管轄一覧の「管轄区域」から、自分の居住地を探す。

「公共職業安定書管轄一覧」の表の右列から、自分の居住地を探しましょう。その左列に書かれているのが、居住地を管轄するハローワークの名前です。

なお、一部のハローワークでは雇用保険関係の手続きを行っていない場合があります。

庁舎によっては、求人情報コーナーなど一部の機能しかないところも。不安な場合は、事前に電話で確認を入れるといいでしょう。

ステップ2:必要なものを揃える

再発行の手続きには、下記の2つが必要です。忘れず持参するようにしましょう。

1.退職した会社の正式名称・本社所在地・電話番号

  • 「株式会社」など、省略しない形の正式名称
  • 前株・後株もしっかり確認
  • 会社のHPで確認するのが楽なので、おすすめ

2.本人確認書類

次のいずれか1種類

  • マイナンバーカード
  • 運転免許証
  • 官公庁が発行した身分証明書(写真付き)

上記の書類を用意できない場合は、次のうち異なる2種類

  • 住民票(住民票記載事項証明書)
  • 個人番号通知カード
  • 公的医療保険の被保険者証など

※本人が手続きする場合は「原本」を持参する
※申請を誰かに代行してもらう場合は「写し」を渡す

申請を代行する場合は、印鑑も忘れずに持参しましょう。

本人が直接申請する場合は、直筆の署名があれば印鑑は不要です。

ステップ3:ハローワークに行き、申請書を記入する

申請書の入手方法

必要なものを揃えたらハローワークへ行き、雇用保険手続きの窓口で「雇用保険被保険者証再交付申請書」を入手・記入します。

窓口が分からない場合は、総合受付で「雇用保険被保険者証がないため、再発行したい」旨を伝え、担当窓口を教えてもらうといいでしょう。

なお、申請書はハローワークのHPからもダウンロード・印刷可能です。事前に記入したい場合や郵送で手続きする場合、代理人に申請してもらう場合は、ダウンロードして記入しましょう。

※ハローワークに行けない場合の手続き方法は、こちら

申請書の記入方法

申請書に必要事項を記入していきます。サンプルを見ながら、4種類の情報を記入していきましょう。

1申請者の情報

  • 氏名(ふりがな)、性別、生年月日、住所を記載する

2退職した会社の情報

  • 会社の正式名称、住所、電話番号を記載する

3被保険者証の滅失または損傷理由

  • 「紛失したため」などとシンプルに記載すればOK

4申請者の署名

  • 申請日、申請者氏名(署名)を記載する
  • 手続きするハローワークの場所も記載する(「◯◯公共職業安定所長 殿」の頭に記載)

ハローワークに行けないときは?

仕事等の都合上、平日の日中にハローワークに行く時間が取れない場合は、郵送や電子申請などの手段が使えます。

ハローワークに行けないときには、電子申請、郵送での申請、代理人による申請が可能です。

電子申請

総務省が運営しているWebサイト「e-Govポータル」で、再発行の手続きを行えます。

営業日・時間関係なく申請できますが「郵送受け取りなので即日再発行が難しい」「利用登録が必要」「アプリのインストールが必要」など、ハローワークで直接手続きするより時間がかかるので注意しましょう。

郵送での申請

郵送での申請を受け付けているハローワークもあります。通常、手続きには1週間ほどかかるようです。

なお、郵送で申請する場合、3つの書類を郵送することになります。

  1. 本人記入済みの「雇用保険被保険者証再交付申請書」
  2. 本人確認書類のコピー(運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど※)
  3. 長型3号の返信用封筒(切手貼付/書類2枚・3つ折りの場合、切手代の目安は84円

※本人確認書類は基本的に表面のコピーでOK。住所変更などがあれば裏面もコピーする。

※雇用保険被保険者証再交付申請書のダウンロードは、こちら

代理人による申請

家族や友人、後見人、介助者など、代理人がハローワークに行って申請することもできます

代理人申請の場合は、4つの持ち物を準備して代理人に渡しましょう。

  1. 本人記入済みの「雇用保険被保険者証再交付申請書」
  2. 本人確認書類のコピー(運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど)
  3. 代理人の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど)
  4. 委任状

※念のため、申請書を記入する際に揃えた情報(退職した会社の正式名称、住所、電話番号など)を書いたメモも代理人に渡しておくと親切です。

委任状の書き方

代理申請用の委任状は、自作でも市販のものでもOKです。

フォーマットを用意したので、こちらを印刷して使うと便利でしょう。見本画像の赤字部分が記入箇所です。黒のボールペンを使って、自分の情報を記入しましょう。

委任状をダウンロードする

委任状には、提出先のハローワークの名前、代理人の住所・氏名・委任者との間柄、記入日、委任者の住所・名前を書きましょう。

※委任状は、必ず本人の直筆で記入してください。
※有効期限は、作成してから3ヶ月以内です。

なお、自分で委任状を一から作成する場合は、6つの必要事項を必ず記載するようにしてください。

<委任状の6つの必要事項>

  1. 委任年月日
  2. 委任者の氏名・住所
  3. 委任者の押印
  4. 代理人の氏名・住所
  5. 本人と代理人の続柄
  6. 委任内容

被保険者番号は、被保険者証なしでもわかる?

そもそも転職時に「雇用保険被保険者証」が必要なのは、そこに記載されている「被保険者番号」を確認するため、というケースも多いでしょう。

被保険者番号を確認するだけなら「離職票」を見る手もあります。ただし、失業給付の手続きでハローワークに提出すると返却されないため、注意してください。

離職票での被保険者番号の記載位置(様式の左上)

まとめ

雇用保険被保険者証が手元にない場合、ハローワークで即日再発行が可能です。

必要なものは以下の2点。これらをを揃えたら、ハローワークで再発行申請を行いましょう。

  • 退職した会社の正式名称・住所・電話番号
  • 本人確認書類

また、ハローワークに行けない場合は「電子申請・郵送による申請・代理人による申請」が可能です。ただし、新しい被保険者証が届くまで時間がかかるので、すぐに必要な場合は注意してください。

この記事の監修者

社会保険労務士

三角 達郎

三角社会保険労務士事務所

1972年福岡県生まれ。東京外国語大学卒業。総合電気メーカーにて海外営業、ベンチャー企業にて事業推進を経験後、外資系企業で採用・教育・制度企画・労務などを経験。人事責任者として「働きがいのある企業」(Great Place to Work)に5年連続ランクインさせる。
現在は社会保険労務士として、約20年の人事キャリアで培った経験を活かして、スタートアップ企業や外資系企業の人事課題の達成から労務管理面まで、きめ細やかにサポートを行っている。