企業規模別の差も解説 企業の昇給額の平均は5,997円!
2022年の昇給額の平均は6,004円でした。
昇給額とは、その年の月給の平均が前年の月給の平均と比べてどれだけ増えたのかを示す金額です。月給とは、基本給に皆勤手当など一律支給される手当を含めた金額です。
この記事では、昇給額の平均の最新状況と、年齢や企業の規模によって昇給額の平均にどのくらい差があるのかについて解説します。
全企業の昇給額の平均はいくら?
2022年の全企業の昇給額の平均はいくらなのでしょうか?
2022年の昇給額の平均は6,004円(2.07%)
連合がまとめた2022春季生活闘争(春闘)のデータによると、調査対象となった4,944の労働組合の昇給額の平均は6,004円となっています。
2021年と2022年の昇給額の平均の違いは?
連合のデータによると、2022年の昇給額の平均は6,004円で、2021年の5,180円から824円上昇しました。
企業規模別に見ると、中小企業の昇給額の平均は2021年の4,288円から555円上昇して4,843円になり、大企業は2021年の5,321円から862円上昇して6,183円になりました。
これらのデータから、中小企業よりも大企業の方が昇給額の平均が上昇していることが分かります。
※参考:2022春季生活闘争まとめ 参考資料|日本労働組合総連合会
企業の規模による昇給額の平均の違いは?
企業の規模によって昇給額の平均にはどのような違いがあるのでしょうか?
2022年の中小企業の昇給額の平均は4,843円
- 2022年の中小企業の昇給率は1.94%
- 中小企業は将来の給与の予測が難しい
中小企業はその規模ゆえに、経営状態が景気の影響を受けやすく、特に製造業の場合には元請けの方針にも大きく左右されてしまいます。そのため、どうしても時期によって昇給率にばらつきが出てしまいます。
2022年の大企業の昇給額の平均は6,183円
- 2022年の大企業の昇給率は2.09%
- 大企業が中小企業よりも昇給額が高い理由は?
大企業は一般的に中小企業よりも基本給が高めに設定されているため、昇給率があまり変わらなかったとしても大企業の方が昇給額が高くなる傾向があります。
2022年の年齢別の昇給額の平均は?
年代別の昇給額の平均はどのような状況になっているのでしょうか?
大企業の年代別の昇給額の平均は公表されていませんが、東京都の中小企業については年代別の昇給額の平均が公表されています。
以下の表は、東京都産業労働局が東京都の中小企業(従業員数:10人~299人)を調査した結果をもとに、2021年7月と2022年7月の所定時間内賃金(月給から残業代などを除いた金額)を比較したものです。
これらのデータから、年齢によって昇給額の平均には大きな差があることが分かります。特に女性は、20代~30代は昇給しやすいものの、年齢が上がり賃金が増えることで昇給が難しくなる傾向にあります。
昇給の種類は?
昇給の種類は2つ。定期昇給とベースアップ
定期昇給とは、年齢や勤続年数を基準として毎年一定の時期に賃金を引き上げること。引き上げる金額や条件については就業規則などで規定されています。
ベースアップとは、年齢や勤続年数に関わらず、従業員全体の基本給が一律に引き上げられることです。
昇給の行われる時期は?
一般的に定期昇給やベースアップによる昇給は年度始めの4月に行われます。
ただし、昇進や昇格、諸手当、資格の取得などの様々な要因により昇給する場合は4月とは限りません。
まとめ
2022年の昇給額の平均は6,004円。そのうち、中小企業の昇給額の平均は4,843円、大企業の昇給額の平均は6,183円でした。
中小企業と大企業の昇給率はあまり変わらないのに、中小企業よりも大企業の方が昇給額が高くなるのは、一般的に大企業の方が基本給が高めに設定されているからです。