30代で約300万円は少なすぎ? 女性の平均年収 徹底解説
何でも話せる女友達でも、年収のこととなると意外と聞きづらいもの。
「同世代のみんなはどのくらい稼いでいるの?」「自分の年収は妥当なの?」女性たちの気になる懐事情を探り、さまざまな角度から女性の年収を検証してみました。
30代で340万円未満! 年代別にみる女性の平均年収
男女問わず、働いている限り年収は気になるもの。男女の年収格差が依然として存在していることはもちろん、近頃では女性同士の間でも年収に大きな差ができているという話題を見かけるようになりました。
実際のところはどうなのでしょうか?
30代女性の平均年収は約330万円台
2022年の国税庁の調査では、女性全体の平均年収は314万円となっています。20代後半に349万円まで上がり、その後は下がっていきますが、40代後半に再び346万円まで上昇。その後は年齢があがるほど下がっていくことがわかります。
※出典:国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査」(公表:2023年9月27日、参照:2023年10月10日
日本の会社での給料システムはほとんどの場合、勤続年数に伴って役職がつき賃金が上がる年功序列制。
結婚・出産などで離職や休職を選ばざるをえない女性は継続したキャリアを構築しにくく、年功序列で給料が上がっていく男性と同じように出世していけないことが年収増を阻む一つの大きな壁になっていると言えるでしょう。
女性の年収は半分以下?!20代後半でも70万円の差
上記の通り、全世代の女性の平均年収は314万円ですが、男性は563万円。
249万円もの差がついており、女性は男性の半分程度しか給料をもらっていないことがわかります。
※出典:国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査」(公表:2023年9月27日、参照:2023年10月10日
20代後半で既に男女間に71万円近い年収差が生まれています。日本では昔から男性と女性の間に年収の差がありますが、男女雇用機会均等法が生まれて35年以上経った今もその溝は埋まっていません。
年収差は年齢を重ねれば重ねるほど開いていき、最大差は50代後半の373万円。この年代の男性は会社員なら最高役職や役員に就くことが多く、人生で最も高い年収を得られる人も多いことが数字に表れています。
また男性は定年を迎える60代を迎える前までぐんぐんと年収が伸びています。対する女性はというと、20代後半から大きな伸びは見られずほぼ横ばい状態。
この原因は先にも述べたように、世代ごとに訪れる女性のライフスタイルの変化が働き方にも関係し、収入に大きく影響をおよぼしているためと推測できます。
いずれにしても女性にとって非常に厳しい年収の現実が浮き彫りとなっています。
1位東京は483.2万円、最下位山形は312.3万円…地域格差も大きい
首都圏で働く人と地方で働く人との間にも大きな年収格差があります。
厚生労働省の調査から年収を試算してみると、トップは東京都で483.2万円。最下位は山形県で312.3万円となり、その差は170.9万円。かなりの開きがあります。
年収400万円台は東京都・大阪府・神奈川県・奈良県のみで、ほとんどが年収300万円台です。
なお、前述の「30代女性の平均年収は約330万円台」とは違う統計を使っているため、結果に差が出ています。
※出典:国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査」(公表:2023年9月27日、参照:2023年10月10日
「性、都道府県別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(男女別)」より、年収=「きまって支給する現金給与額」×12(カ月)+「年間賞与その他特別給与額」として試算。
ワークスタイルの多様化で広がる女性の年収格差
女性たちの活躍できる場が増えて喜ばしい反面、個々の事情や時代の流れにより生まれるワークスタイルの多様化により、女性の年収格差が広がってきているとも言われています。
社会における女性たちの活躍がますます目覚ましい昨今。シングルや子どもを持たず夫婦共働きでバリバリ仕事をこなし、男性と競い合って出世を目指す女性が珍しくなくなりました。
昔に比べると産休・育休後の社会復帰に寛容な会社や、女性が家庭と両立しながら働くことができるポジションを用意する会社も増えています。
とはいえ、男性に比べると女性は何かとライフスタイルに変化が生じやすいもの。その都度キャリアに影響が出たり、働き方の見直しを余儀なくされたりすることもあり、正社員からパートや契約社員に変わる人も少なくありません。
また、正社員より非正規社員の求人数が上回る今、継続して安定した収入を得ることが難しくなってきています。短期間のパートやアルバイトで生計を立てている女性も多く、こうしたケースではがんばっても月々の収入に限界があります。
年収に差がつく女性の働き方
女性の平均年収は、業種や職種によってもちろん違いが有ります。これから就職や転職を考えている方は、どうせなら年収アップが期待できる仕事に就きたいですよね。
女性たちが活躍している業種・職業の年収について見ていきましょう。
長年働いても女性の年収アップは厳しい?
厚生労働省の調査から男女の平均賃金(月給)の推移を見ていくと、徐々に格差は改善してきているものの、依然として男女間には大きな差があります。
最新のデータでは、女性の平均賃金(月給)は男性の75%程度です。
※出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」(公表:2023年3月17日、参照:2023年10月10日)
女性の能力が認められるようになってきたとはいえ、日本はまだまだ男性社会。女性の管理職も全体の10%ほどです。
男性以上に結果を出さなければ女性は認められにくい日本の社会システムでは、女性がたとえ同じ会社で定年まで勤め上げたところで、要職に就きステップアップしていくことは難しいのが現実。要職に就かなければ大幅な年収アップも望めません。
しかし近年は、女性の社会的地位をより向上させようと追い風が吹いています。政府が働き方改革に乗り出し、女性リーダーの活躍を推進。ますます風が強くなれば現状が良い方向に動くのではと期待する声もあります。
高年収が見込めない業種は「宿泊業・飲食サービス業・卸売・小売業」
宿泊業・飲食サービス業・卸売業・小売業はベースの賃金が安く、なかなか高い年収が見込めない業種です。
たとえばサービスのスペシャリストであるホテルウーマンは優れた接客能力や語学力を要し、採用も難関とされる憧れの職業です。華やかな世界のように見えますが、一流有名ホテルでも初任給は20万円に満たないほど。ビジネスホテルでは30代の男性社員でも年収300万円に届くか届かないかで、一般職の女性会社員と大差がありません。
実際に働いてみると不規則な勤務時間で休みが少なく、忍耐力が必要な職場。過重労働を強いられるわりに、給料が安い理由の一つに利益率があります。宿泊業はかなり経費がかかり利益率が低いため、なかなか人件費に反映されにくいのです。
一方、飲食サービス業や卸売・小売業のデメリットは業績が景気に左右されやすいこと。業界大手であっても利益が出なければ突然規模を縮小することもまれではありません。
すぐに人材を調整できるよう、ほとんどが非正規社員での採用なので、安定した収入やボーナス、大幅な昇給も難しいのです。
IT系クリエイティブ職の年収は20代でも500万円が可能
先述の業種とは反対に、高収入が得られる今最も勢いのある分野がIT系のクリエイティブ職です。Webプランナー、ゲームプランナー、動画プロデューサーといった専門職はソーシャルメディアの急速な伸びとともに採用ニーズが高まっており、優秀な人材は引く手あまた。業界に勢いがあるので軒並み高い給与水準になっています。
大手求人サイトでは、たとえばWebプランナーなら年収の上限は500~600万円あたりが平均値。こうした会社で一番活躍している世代は20~30代で、能力に応じて給与を設定していることが多く、実力次第では社歴の短い社員でも大幅な年収アップが実現可能です。
性別に関係なく仕事をした分だけ認められ、20代後半で肩書きを持つ人もいます。若手に高収入のチャンスが広がっている数少ない業種でしょう。
国家資格は裏切らない! 女性医師は年収1,000万円越え
安定した高年収を誇る女性に共通しているのは、国家資格を持つ職業に就いていること。その代表格が医師です。
医師の転職専門サイトをチェックしてみると、標準年収として掲げられているのはおおむね1,000万円超え。病院の規模や所有資格、経験年数によっては2,000万円超えも珍しくありません。
ただでさえ医師不足が深刻な今日、女性医師はさらに貴重な存在。婦人科や美容皮膚科、小児科など、女性医師を熱望する領域ではとくに高い年収が約束されていることも多いようです。
厚生労働省の調査によると、女性医師の平均年収は1,138万円。医師には及びませんが、女性の歯科医師は878万円、薬剤師は540万円、看護師は506万円です。医療に携わる女性たちの高給待遇は今後も続くと予想されます。
また、医師と並ぶ高収入の職業といえば公認会計士や税理士です。男女差はあるようですが、40代半ばの女性公認会計士や女性税理士の平均年収は595万円。45~49歳の女性の平均年収(346万円)の約1.7倍です。
※出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」(公表:2023年3月17日、参照:2023年10月10日)
ジリ貧はイヤ!年収アップのためにできること
これまでさまざまな職種・職業の年収を見てきました。では、実際に自分の年収をアップさせるにはどうすればよいのでしょうか。
その気になれば取り組めそうなことをいくつか挙げてみます。
「営業職」や「専門職」への異動を申し出る
年収に多少の不満があっても、会社や人間関係には満足していて今すぐ転職する気はない人。あるいは年齢が若く、キャリアを重ねる意味でもまだまだ今の会社で働き続けたい人。
こうしたケースは職場で部署異動を希望してみてはどうでしょうか。
まずは自分の勤める会社の給与体系を振り返ってみます。部署や職種によって給与設定が違うことはどの会社にもありがちです。営業職は基本給にプラスして歩合給を取り入れているところもあり、ノルマ達成時には特別ボーナスがついたりすることも。
また、専門職や技術職も能力給がプラスされていることがあるはずです。より年収アップが見込めそうな部署に異動できるチャンスが巡ってくれば、上司に申し出てみましょう。
ただし異動希望は現職に不満があると捉えられ評価が下がるリスクもあるので、理由は慎重に伝えること。
スムーズに希望の部署に異動が叶い月々の給料が少しでも上がれば、仕事のモチベーションも高まりそうです。
経験を活かし上手にキャリアチェンジをする
今の会社ではどうがんばっても年収アップが見込めない場合は、やはり転職の道を選ぶことが最善策でしょう。とはいえやみくもに転職活動を行うのではなく、平均年収が高い会社を狙いたいところです。
東洋経済オンラインでは有価証券報告書の公開データをもとに集計し、平均年収が高い500社をランキングにしています。トップはM&Aキャピタルパートナーズで2,688万円。2位はキーエンスの2,182万円、3位にヒューリックの1,803万円と続きます。トップ10までは以下の通りです。
※出典:東洋経済オンライン「平均年収が高い会社ランキング全国トップ500」(公表:2023年3月18日/参照:2023年10月10日)
やはり総合商社大手は高給。M&A仲介も勢いは良いようです。500位までにランクインしている業種で目立つのは、医薬品、不動産、建設、証券、銀行など。中には地方に本社を置く身近な企業の名前も挙がっています。
トップ10までの会社に転職するにはかなり難易度が高く、これらのデータはあくまで参考資料の一つに過ぎません。しかし景気の良い会社の傾向を読み、転職活動の指針にはできそうです。
転職活動の前に自分の中でおおまかな目標年収を定めることも重要でしょう。そこでチェックしておきたいのが30歳年収ランキング全国トップ500社です。
1位はM&Aキャピタルパートナーズで2,184万円と驚愕の金額。。2位はキーエンスで1,505万円、3位はヒューリックで1,386万円と続き、499位はコスモイニシアや三洋化成工業などで576万円となっています。
実際に30歳で年収2,000万円超えの会社に転職することは現実味が薄くても、自分はだいたいこのラインの年収がもらえる会社を目指そうと、転職活動の励みにしてみてはどうでしょうか。
年収アップが叶えられそうな転職エージェントを活用する
転職活動を行うときに、大きな力を貸してくれるのが転職エージェントです。
転職エージェントは登録するとコンサルタントなどが個別面談を行い、適性検査の結果なども踏まえた上で個々のキャラクターや希望に応じた求人を紹介してくれます。大手企業とつながりを持つエージェントもあるので、うまく活用すれば理想の転職も叶うでしょう。面接日程の調整や面接でのポイントを伝授してくれるなど、手厚いサポートは心細いときの支えにもなります。
高年収につながる資格を取得する
転職する際に持っていると自分の価値を高められるのが難関資格です。合格するのは至難の業ですが、年収の高い仕事に就ける可能性が高まります。
年収600万円以上が実現できそうな高収入資格をピックアップしてみました。
行政書士
仕事内容…行政書類を代筆・代行する専門家
主な転職先…行政書士事務所、建築会社、不動産関連企業など
社会保険労務士
仕事内容…企業の労務管理を請け負う人材のプロ
主な転職先…社会保険労務士事務所、法律事務所、企業の総務部・人事部、コンサルタント会社など
ファイナンシャルプランナー
仕事内容…金融にまつわる知識を網羅し、ライフプランを提案する。女性人気が高めな資格
主な転職先…保険会社、銀行、証券会社など
行政書士は扱う書類の種類が多岐にわたるので、現在事務職に就き、特に書類作成能力に長けた人におすすめの資格です。また、社会保険労務士は人事職の人、ファイナンシャルプランナーは経理に携わっている人が資格取得を目指すと、現職で培った知識や技術を生かしやすいのではないでしょうか。
ここで明確にしておきたいのは、難関資格を取得できた人すべてが必ず即高収入につながるわけではないということ。資格はあくまで武器であって、どう使いこなすかは自分次第です。狙った企業に就職できても、仕事に対する努力を怠っては高い報酬を得ることはできません。
コラム:副業という選択肢
以前からロート製薬、ヤフー(現:LINEヤフー)、リクルートなど大手企業で従業員の副業を認める動きがありましたが、厚生労働省が2018年に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定したことに伴い、その流れはさらに加速しています。
背景には、終身雇用制の崩壊や、残業時間の削減による収入の減少などがあるとみられており、近い将来には本業+副業が働き方のスタンダードになっていく可能性も否定できなくなっています。
副業を始めるなら在宅でできる仕事が便利。データ入力業務やアンケートモニターはパソコンがあれば始められ、効率よく働けば毎月十数万もの収入を手にする人もいるそう。どちらも女性でも気軽に始められると人気です。
年収300万台で毎月確実に貯蓄するには?
年収アップを狙うには地道に努力を重ねていく必要がありますが、それと同時に取り組みたいのが貯蓄です。年収300万円台でも、効率的な方法を知っておけば毎月しっかり貯蓄することができます。
お金の専門家に聞いた、「年収300万円で上手に貯蓄する方法」を下記の記事にまとめました。やり方次第では1年で100万円貯金することも可能です。ぜひ参考にしてください。