最安・最短での取得方法も紹介 大卒の資格(学士号)を取得するには?

「気になる求人の応募条件が“大卒以上”だった」

「大卒出身者の部下が、自分よりも先に昇進した」

大卒資格を持っていないことについて悩む人は、少なくありません。

この記事では、今からでも遅くない、会社に勤めながら大卒資格が取れる方法を紹介します。

そもそも大卒資格って一体なに?

そもそも大卒資格とは、一体何を指すのでしょうか?

大卒資格とは学士の学位(学士号)のこと

大卒資格とは、大学で必要な単位を取得し卒業した時にもらえる称号のことです。「学士」の学位、もしくは学士号と言います。

大学に入学したものの中退してしまった人は、その時点では大卒資格をもらうことはできません。

会社に勤めながら大卒資格を取得するには?

社会人になってから大学に通い直すのは、なかなか難しいでしょう。

ここでは、会社に勤めながら大卒資格を取得する方法を3つ紹介します。

大卒資格を取る方法は通信・夜間・機構利用の3つ

会社に通いながら大卒資格を取得する方法には、以下の3つがあります。

  1. 通信教育を行う大学で単位を取得する
  2. 夜間の大学(大学二部)に通う
  3. 大学改革支援・学位授与機構を利用する(大学を中退した人、短大・高専を卒業した人のみ)

ここでは、大卒資格を取得する方法を、いくつかの大学を紹介しながら解説していきます。大卒資格を取得する方法のうち、どれが自分に最もあっているのか考えてみましょう。

大卒資格を取る方法1:通信教育を行う大学で単位を取得する

会社で働きながら大卒資格を取るために最も簡単なのが、通信教育を行う大学で単位を取得する方法です。

通信教育を行う大学の授業形式は、テキストやドリルなどの教材を使って自ら計画して学ぶ自己学習が中心で、補助的に教室での対面授業(スクーリング)が行われます。

最近では、対面授業に代わってインターネットを利用した授業を導入する大学も増えてきています。

通信教育を受けられる大学は、以下の2タイプに分けられます。

  • 通信課程のみ設けている通信制大学(放送大学、サイバー大学など)
  • 私立大学の通信教育課程(早稲田大学人間科学部eスクール、法政大学通信教育部など)

【学費】卒業までは安いところで約50~70万円

通信教育で大卒の資格を取るとなると、卒業までにかかる授業料は安いところで約50~70万円です。

例えば帝京平成大学の通信教育課程は、卒業までに必要な学費が51万円(スクーリング費別)と、全ての通信教育を行う大学の中で、最も安い学費となっています。

通信制大学で最も安いのは、東京通信大学にある情報マネジメント学部と人間福祉学部の2コースで、卒業までに必要な学費は62万円

放送大学は、放送授業のみで単位を取得した場合が最も安く、約70万円です。サイバー大学は比較的高く、卒業までに約280万円かかります。

私立大学の通信教育課程の学費は、昼間に大学に通う場合と同じく年100万円ほどのところがほとんど。4年間で400万円前後と、通信制大学に比べて学費が高い傾向にあります。

スクーリングの回数やコースにより変動があるので、ホームページで確認するようにしましょう。

【在籍年数】最短3年で卒業!2~12年と大学によって異なる

通信教育を受けられる大学も、一般の大学と同じように4年で卒業するのが一般的

しかし、大学によっては4年よりも短い期間で卒業できるところや、最長12年在籍可能で少しずつ単位を取得できるところもあります。

通信制大学の中ではサイバー大学が最も短く、3年間で卒業が可能です。

一方、慶應義塾大学の通信教育課程や日本大学通信教育部は、最長12年間在籍することができます。しかし、長く在籍するほど、学費もかさむことになるので気をつけましょう。

短大を卒業し「短期大学士」の学位を持つ人であれば、最短2年で大卒資格(「学士」の学位)を取得できます。

【入学】4月・10月がほとんど。入試はなく、書類審査が一般的

通信教育を行う大学に入学できるタイミングは、4月(春季)と10月(秋季)年2回としていることが多いです。

中には、入学時期が年度初めの4月のみの大学もあります。入学試験はなく、志望動機などを書いた志願書などを提出するのが一般的で、書類審査に合格すれば学び始めることができます。

ちなみに、早稲田大学人間科学部eスクールでは、書類審査のあと、二次試験として面接試験が設けられています。一方、放送大学には志願書がなく、個人情報のみを書いた出願書の提出だけでOKです。

【卒業】卒業単位は124。自己学習だけではなくレポートの提出などが必要

大卒資格を得るには、大学で124以上の単位を取る必要があります。

これは一般の大学でも、通信教育を行う大学でも同じです。学期ごとに履修できる単位数が決まっていることが多く、計画的に単位を取らないと4年間で卒業できない可能性があるので注意しましょう。

また、単位取得のためには、自己学習を行うだけではなく、レポートを提出したり試験を受けたりしなければなりません。試験は大学などに実際に足を運んで受けるもののほか、ネット上で受けるものもあります。

大卒資格を取る方法2:大学の夜間コース(大学二部)に通う

大卒資格を取得するには、大学の夜間コースで卒業を目指すのも1つの方法です。

大学の夜間コースは、講義が18:00以降にスタートするところが多いため、仕事終わりでも通うことができます。ただし、1回90分の講義を18時頃から毎日2.3個ずつ受ける必要があるため、毎日定時で帰れる人や会社の協力を得られる人でないと、夜間コースに通うのは難しいでしょう。

▼夜間コースだけで大卒資格の取得ができる首都圏の大学一覧

大学(都県) 学部学科
電気通信大学(東京都) 情報理工学部
國學院大学(東京都) 神道文化学部
駒澤大学(東京都) 法学部
専修大学(東京都) 経済学部・法学部・商学部
東京電機大学(東京都) 工学部
東洋大学(東京都) 文学部・経済学部・経営学部・法学部・社会学部・国際学部
日本大学(東京都) 法学部
埼玉大学(埼玉県) 経済学部
聖徳大学(千葉県) 児童学部
群馬大学(群馬県) 工学部
前橋工科大学(群馬県) 総合デザイン工学科
茨城大学(茨城県) 工学部

大卒資格を取る方法3:大学改革支援・学位授与機構を利用する

大学を中退した人(2年以上在籍・62単位以上を修得)や短大、高専を卒業した人は、大学改革支援・学位授与機構に申請すると、大卒資格を取得できる可能性があります。

大学などで124単位のうち足りていない単位を取得した後、必要書類を提出し授与機構で審査が通れば、大卒資格がもらえます。単位の取得には、1単位ずつ必要な数だけを履修することができる通信制大学が有効です。

※詳しくは→独立行政法人 大学改革支援・学位授与機構

コラム:大卒と高卒の月給はこんなに違う!30歳と50歳が同じ額?

大卒と高卒の平均月給の差のグラフ 【高卒】20~24歳:19.5万円 25~29歳:21.7万円 30~34歳:23.8万円 35~39歳:26.1万円 40~44歳:28.4万円 45~49万円:29.4万円 50~54歳:30.9万円 55~59歳:30.5万円 60~64歳:23.6万円 【大卒・院卒】20~24歳:22.4万円 25~29歳:25.6万円 30~34歳:30.6万円 35~39歳:35.3万円 40~44歳:40.7万円 45~49歳:46.5万円 50~54歳:50.9万円 55~59歳:49.6万円 60~64万円:37.1万円 

大卒・院卒の月給が、30歳を超えると50歳頃まで1年に1万円程度右肩上がりで増えていくのに対して、高卒の月給は上がり幅が小さく、高卒50歳の月給が大卒30歳の月給とほぼ変わりません

高卒の20~24歳時点の月給は約19万5千円、大卒・院卒は約22万4千円。この時点の差は月3万円程度ですが、10年後約7万円20年後は約12万円と更にその差は開いていきます。30年後の50歳の時には、その差は約20万円にもなります。この差は、大卒・院卒の人の方が高い賃金の仕事に就けること、出世コースに乗れることなどに起因していると考えられます。

※参考:平成29年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省

大卒資格にはどんなメリットがある?

すでに社会人として働く人が、大卒資格を持つことにどんな意味があるのでしょうか? ここでは、大卒資格を持つことによる具体的なメリットを紹介します。

募集条件が「大卒以上」の求人に応募することができる

大卒資格があれば募集条件が「大卒以上」の求人にも応募できるようになり、働き先の選択肢が増えます

また、「大卒程度以上」が受験資格の国会議員政策担当秘書や国家公務員総合職などの国家資格が受けられ、大卒以上しかなれない仕事に就くこともできます

大卒になると収入アップや昇進の可能性が広がる

大卒を求めている求人のほうが、条件として設定されている給与が高いことが多く、大卒資格があると、高卒よりも収入アップの可能性が広がります

また、企業によっては高卒では就くことができないポジションもあるため、大卒であることが昇進を後押ししてくれることもあります。前出のとおり、同じ仕事でも高卒と大卒では3万円以上の差が出ます。

大卒だと受験資格が緩和される国家資格がある

一部の国家資格では、大卒だと受験資格が緩和されます。

例えば、保育士の免許は、高卒であれば児童福祉施設での実務経験があること、専門・短大では専門課程を卒業していることなどが受験試験として必要ですが、大卒は学部学科問わず誰でも試験を受けられます。

専門課程を履修しないと取れない資格・免許

国家資格の中には、大卒資格は持っていても専門課程を履修していないと取得できない資格・免許があります。

以下のような職種は、高度なスキルと知識が必要なため、免許を取るには大学の専門課程を卒業している(あるいは卒業見込みである)必要があります。

  • 医師、歯科医師、薬剤師
  • 栄養士
  • 小学校教諭(一種免許状) など

まとめ

会社に勤めながら大卒資格を取るには、通信教育を受けられる大学を卒業する方法が最も安くて現実的ですが、大学によって学費や在籍可能年数に違いがあります。

数ある大学の中から、卒業までにかかる費用や卒業までの期間などを考慮し、自分にあったところを選ぶようにしましょう。

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