厚生労働省のデータをもとに計算 年間休日の平均は?

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求人広告で目にする「年間休日」の項目は、働きやすい会社かどうかを見極めるひとつの目安です。

ここでは、厚生労働省のデータをもとに日本の年間休日の平均を算出し、年間休日の最低ラインや年間休日が多い業種についてもご紹介します。

年間休日の平均は何日?

日本の年間休日の平均は約108日

厚生労働省の調査によると、2018年の年間休日総数の1企業平均は 107.9 日。この数字は、企業において最も多くの労働者に適用される年間休日数を平均したものです。

なお、その日数を調査対象企業それぞれの労働者数を考慮に入れて算出した労働者1人の平均日数は113.7日となっています。

ちなみに1企業平均と労働者1人の平均の違いは、下記のように計算方法の違いによって生まれます。

1企業平均と労働者1人の平均の違い・計算例

この計算例における大企業・中小企業モデル

この計算例での大企業と中小企業モデル:大企業…労働者数1000人、年間休日120日。中小企業…労働者数200人、年間休日96日。

▼1企業平均
=企業において最も多くの労働者に適用される年間休日数を平均したもの

=(大企業の年間休日数+中小企業の年間休日数)÷2
=(120日+96日)÷2
108日

▼労働者1人の平均
=調査対象企業それぞれの労働者数を考慮に入れて平均したもの

=(大企業の労働者数×大企業の年間休日数+中小企業の労働者数×中小企業の年間休日数)÷(全体の労働者数)
=(1,000人×120日+200人×96日)÷(1,000人+200人)
=139,200÷1,200
116日

→計算方法によって、年間休日数には8日の差が出ます。

求人票に多い年間休日は『120日』『105日』『72日』

求人に記載されている企業の年間休日の多くは、『120日』『105日』『72日』です。それぞれ、日数が多いのか、実際のところどのような働き方になるかを紹介します。

年間休日120日の場合

年間休日『120日』は、完全週休2日制で祝日休みを意味します。ポピュラーな働き方ではありますが、平均の107.9日と比較するとやや多いといえるでしょう。

『120日』の算出方法

・週休2日制×(1年間<52週間>)=通常の休日は104日間
・年間の祝日の平均は16日間

104日間+16日間=年間休日は120日間

年間休日105日の場合

年間休日『105日』は、平均して1ヶ月に8日間の休日となりますので、完全週休2日制ではありますが、祝日は仕事です。

平均である107.9日と近い日数ではありますが、やや少なめではあります。

『105日』の算出方法

週休2日制×(1年間<52週間>)=年間休日は104日

(年によって変わります)

年間休日72日の場合

『72日』の年間休日では、1ヶ月に6日間の休日となりますので、週休1日と2日が交互に繰り返されることになります。

平均と比べると、明らかに休日数は少ないといえます。

年間休日の最低ラインは何日?

年間休日の平均は約108日だとわかりましたが、年間休日に最低ラインはあるのでしょうか? ここでは労働基準法から見た最低ラインをご紹介します。

法律上の最低ラインは52日

法律上、勤務日数からみた年間休日の最低ラインは52日間です。

労働基準法第35条

  1.  使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない。
  2. 前項の規定は、4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者については適用しない。

労働基準法35条では、1週間に1日の休日があれば良いとされています。1年間は52週間なので、年間休日は52日間あれば法律上問題はないということになります。

ただし、この日数は1日の勤務時間が法定基準以下の場合のみに適応できる日数です。

週40時間労働の最低ラインは105日

一般的なフルタイムの労働時間である1日8時間・週40時間(法定労働時間)で働く場合、休日の最低ラインは105日間となります。この数字は「年間休日=1年の日数-年間の労働日数の上限」という計算式で割り出せます。

具体的な計算式は以下の通りです。

1日8時間・週40時間労働の場合の計算式

年間休日の最低ライン
=1年の日数-年間の労働日数の上限
=365日-(1年の労働時間の上限÷1日の労働時間の上限)
=365日-(1年の週数×1週の労働時間の上限÷8時間)
=365日-(52週×40時間÷8時間)
=365日-260日
=105日

労働時間によって最低ラインは変化する

1日8時間労働の場合、年間休日数の最低ラインは105日ですが、1日の労働時間が7時間、6時間30分と少なくなれば、それに伴って最低ラインも変わります。

1日の労働時間と年間休日日数の最低ラインを、15分刻みでまとめた表は以下の通りです。

1日の労働時間と年間休日日数の最低ライン一覧表。以下、1日の労働時間:年間休日数の最低ライン(実際の勤務形態例)。6時間30分:52日(週6勤務・週休1日)。6時間45分:57日(週6勤務が基本で、2ヶ月に1度、2日休みの週がある)。7時間:68日(週6日勤務が基本で、3~4週間に1度、2日休みの週がある)7時間15分:78日	隔週2日休みで、2ヶ月のみ2日休みが3週間ある)。7時間30分:87日	1週間1日休みの週があり、3ヶ月のみ週休2日制)。7時間45分:96日	1週間1日休みの週があり、4ヶ月のみ週休2日制)。8時間:105日(完全週休2日制)。

労働時間によって年間休日は変化するため、求人票をチェックする前には、上記の表を活用し、最低ラインを下回っていないか、どのような勤務形態になるのかを確かめてみましょう。

年間休日が消化できなかった場合は休日手当が支払われる

業務上の都合などで休日出勤があり、設定されていた年間休日よりも実際に取れた休日が少なかった場合、通常の賃金の35%以上の休日手当が支給されます。

休日手当がきちんと支給されるならば、年間休日の最低ラインを上回っても問題ないとされています。

年間休日が多い会社規模、業種とは?

会社の規模や業種によって、年間休日の多さには違いはあるのでしょうか? 各種データを元に見てみましょう。

大企業ほど年間休日が多い

年間休日日数を企業規模で比べると、1,000人以上の大企業が114.9日で最多。それに比べ「300~999 人」 が 112.5 日、「100~299 人」が 110.3 日、「30~99 人」が 106.4 日と、企業規模が大きいほど年間休日も多くなることがわかります。

企業規模別による年間休日の平均を表したグラフ

※参考:平成29年就労条件総合調査|厚生労働省

企業規模が大きいほど祝日も休める企業が多く、年間休日は120日に近づき、中小企業になるにつれて週休2日以下の企業が増えるようです。これは、人数が多い企業ほど誰かが休んでもカバーできる体制が整っていることが関係しているのかもしれません。

年間休日が多い業界・少ない業界

厚生労働省のデータを元に、年間休日が多い業界・少ない業界をランキング形式でまとめました。

年間休日が多い業界は、情報通信業、学術研究専門・技術サービス業で、いずれも年間休日は118.8日。

一方、年間休日が少ない業界は運輸業・郵便業(100.3日)や、宿泊業・飲食サービス業(97.1日)です。

※参考:平成30年就労条件総合調査|厚生労働省

各業界について、年間休日が多い・少ない背景を見ていきましょう。

【多い】情報通信業

情報通信業界(118.8日)は比較的新しい業界で働き方改革が進んでいることもあり、部署によっては残業も少なく、長期休暇も取りやすいようです。

ただし、実際にエンジニアやプログラマーとして働く人に聞いてみると、システムエラーやクライアントの要望によって、予期せぬ休日出勤が発生することもあるそうです。

【多い】学術研究,専門・技術サービス業

学術研究,専門・技術サービス業(118.8日)は大学などの研究機関の他、法律相談所や著作家や芸術家、広告業など幅広い業種が分類されます。

企業勤めのサラリーマンではなく、個人事業主として働く職種が多いためか、休日も自分の裁量で調整しやすいようです。ただし、仕事とプライベートの線引きが難しく、人によってはメリハリがつきにくく休日も気が休まらないといった声もあります。

【少ない】運輸業・郵便業

運輸業・郵便業(100.3日)は、昨今のネット通販サービスの普及から仕事量が増えており、一人ひとりの労働時間が長くなる傾向にあります。そのため、雇用者が定着しにくく、人手不足が慢性化しているので、今後も休日に関する待遇の改善は難しいようです。

【少ない】宿泊業・飲食サービス業

宿泊業・飲食サービス業(97.1日)も離職率が高く、人手不足に悩まされている業界です。その上、ほかの業種に比べて営業時間が長い傾向にあるため、一人あたりの労働日数が増やされることが多いようです。

まとめ

日本の年間休日の平均は、107.9日間。これよりも少ない企業だからといって違法とはかぎりませんし、給与面などを考慮すると年間休日が多ければ良いとも言い切れません。また、企業規模や業界によっても、年間休日には差が出ます。

重要なのは、理想とする働き方と年間休日が合っているかどうか。就職先を選ぶ際には、ご自身のライフスタイルと年間休日を照らし合わせてみてください。

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