就活やバイトの場合は? 交通費支給の距離や基準

交通費支給の有無は何を基準に決まるのでしょうか?普段の通勤や就活、インターンでは、交通費がもらえる場合もあれば、もらえない場合もあります。支給されなくても違法ではないのでしょうか?

 この記事では身近な交通費の疑問についてお答えします。

通勤時の交通費支給の基準と仕組み

まずは、交通費の基本的な仕組みについて解説します。

支給の基準は企業によって異なる

交通費支給の基準は、企業によって異なります。

支給日や支払い方法、上限の金額などは全て、それぞれの企業の給与規定や就業規則によって決められています。

正社員やアルバイトなど、雇用形態によって変わることもあります。

また、残念ながら交通費支給のない企業もあります。実は企業が交通費支給をしなければならないという法律はありません。交通費の支給はあくまで福利厚生の一つであり、必ずしも全ての企業が行っているとは限らないのです。

※詳しくは→就業規則とは?閲覧方法やない場合の対処法も

勤務先までの最短ルートで支給されることが多い

交通費は、一般的に家から勤務先までの最短ルートの費用が支給されます。遠回りして交通費をたくさんもらおう!という考えは、基本的には通用しません。

また、徒歩で行ける距離に勤務先がある場合は、交通費は支給されません。

支給条件は「全額」「規定内」「一部」などがある

交通費の支払い条件には、「全額」「規定内」「一部」などがあります。

「交通費全額支給」となっている場合は、通勤にかかった費用全てが支給されます。

「規定内支給」「一部支給」となっている場合は、かかった費用は「月〇〇円まで」や「週〇日以上勤務で支給」など、定められた範囲でしか支給されません。

どのような条件になっているかは企業によって異なるため、給与規定や就業規則を確認しましょう。

就活・インターンの場合、交通費支給はある?

就活やインターンの場合、交通費は支給されるのでしょうか?

大手では交通費がもらえることもある

ほとんどの企業では、面接・インターンでの交通費は支払われません。

しかし、大手の企業では、就活・インターンの際に交通費が支給されることもあります。この場合は、採用・不採用にかかわらず、当日のうちに支給されることがほとんどです。また、企業説明会の際に交通費が支給されることもあります。

なお、面接の際に「交通費支給はありますか」と尋ねるのは面接官に対して失礼です。気になる場合は、事前にインターネット上の口コミなどで確認するか、人事担当者に日程確認などと併せて質問してみましょう。

距離や期間、面接の段階によって異なることが多い

就活・インターンの際の交通費は、「地方から来る学生にのみ支給する」「最終面接のみ交通費を支給する」など、条件付きで支給されることが多くあります。

長期のインターンでは、距離にかかわらず交通費を支給する企業がポピュラーなようです。

また、通常の労働者と同じく、全額支給されるか部分支給されるかは企業ごとに異なります。

交通費支給に関するQ&A

最後に、交通費支給に関するよくある質問をまとめました。交通費支給に関する疑問をここで解決しておきましょう。

会社が交通費支給をしないのは違法?

交通費支給がないのは、違法ではありません。

企業が交通費支給をしなければならないという決まりや法律はないからです。交通費支給は福利厚生の一つであり、あくまで支給の有無は企業の裁量に任されています。

なお、通勤手当がない理由には、「交通費がかからない範囲での通勤圏で働ける者のみを採用しているから」「交通費は基本給に含められており、通勤手当として支給していないから」「自動車通勤が主であるため交通費の算定が困難だから」などがあります。

※参考:企業の諸手当等の人事処遇制度に関する調査|独立行政法人 労働政策研究・研修機構

通学用の定期券があってもバイト先から交通費をもらえる?

通学用の定期券を持っている学生アルバイトに交通費を出すかどうかは、雇い主の判断やその企業の就業規則によって異なります。

定期券を持っている人は面接の時に申告しましょう。その上で、交通費が出るかどうかは企業次第です。

自転車通勤の場合交通費はどうなる?

多くの企業では自転車通勤の場合、交通費は支給していません。

自転車通勤にはお金がかからないため、交通費を支給する必要はないと考えられているからです。ただし、会社の福利厚生の手厚さによっては通勤手当てが出る場合も稀にあります。

なお、実際は自転車通勤をしているのに電車通勤と申告して交通費をもらうことは、会社に虚偽の申告をしているとみなされ、なんらかの処分を受ける恐れがあるのでやめましょう。

派遣社員の場合ももらえる?

派遣社員は交通費が支給されないことが多いです。

時給の中に交通費が含まれていることが多いからです。例えば一般事務の派遣社員では、交通費が支給される割合は2割にとどまっています。

しかし、最近は交通費が支給される企業も増えてきています。ただし、交通費支給がある企業=給与待遇の良い企業とは限りません。交通費がなくても時給が良い企業の方が、結果として手取りが多くなる場合もある点に注意しましょう。

正社員やパート・アルバイトの場合と同じく、交通費支給の基準・支払い方法・金額などは企業によって異なります。

※参考:派遣社員にも交通費 大手各社、無期雇用の待遇改善 【イブニングスクープ】|日本経済新聞

まとめ

正社員・派遣社員・アルバイトを問わず、交通費の支給基準・支払い方法などは企業によって異なります。交通費支給は義務ではないので、企業によっては支給されない場合や、支給されても一部のみという場合もあります。

自分が働く企業の就業規則をしっかり確認するようにしましょう。