内定が取れない理由と対策も紹介 売り手市場とは?いつまで?

近年、新卒採用で耳にすることの多い売り手市場という言葉。求人倍率が高いのに、「内定がない」と悩む人は少なくないようです。

この記事では、売り手市場という言葉の意味と、実際に売り手市場である業界・業種について説明します。また、売り手市場と言われているのに内定がないという人が陥っている状況と、その解決策も解説していきます。

売り手市場の意味は?いつまで続く?

ここでは、新卒採用における売り手市場という言葉の意味と、売り手市場がいつまで続くのかを解説します。

 売り手市場=就活生の数に対して採用枠が多い

売り手市場とは、企業の採用数が就職活動を行う学生の数より多く、学生側が有利とされる状況を表す言葉です。

逆に、就職活動を行う学生が企業の採用枠より多い状態を、買い手市場と言います。

15卒以降から求人倍率1.7倍前後をキープ

リクルートワークスの調査によると、新卒採用の求人倍率(採用枠数÷就活生の数)は、2015年以降、1.7倍前後で推移しており、売り手市場の傾向が続いています。

2020年3月卒業予定の求人倍率は1.83倍で、昨年の前年よりも低くなっていますが、依然として高水準をキープしています。

過去30年で最も求人倍率が低かったのは、2000年の0.99倍。逆に最も高かったのは1991年で2.86倍でした。

1992年以降はバブル経済の崩壊とともに求人倍率は低下しましたが、リーマンショック翌年の2009年3月まで再び上昇。リーマンショックで一旦落ち込んだものの、2015年以降は高い水準が続いています。

売り手市場はいつまで続くか分からない

売り手市場がいつまで続くのかは、景気の変動に大きく左右されます。

過去には、バブル崩壊(1992年)や金融機関の破綻(1998年)、リーマンショック(2008年)の翌年に、求人倍率が大きく低下しています。2020年の東京オリンピックが終わると景気が冷え込み、売り手市場が終わる可能性も指摘されていますが、実際どうなるかはその時になってみないと分からないでしょう。

売り手市場は嘘?内定が取れない理由と対策

就活生の中には、売り手市場なのに内定が取れず、「売り手市場なのは嘘ではないか」と疑問に思っている人もいるかもしれません。

ここでは、売り手市場であるにもかかわらず、「就職先が決まらない」「いまだに内定がない」という人が陥っている状況と、解決策を紹介します。

大手・有名企業の求人倍率は低く買い手市場

売り手市場というのは、あくまで新卒採用全体の話。大手企業や有名企業に限ってみると、多くの学生が応募するので、「超買い手市場」なのが現実です。

大手企業や有名企業ばかりを受けている人は、「売り手市場なのに内定がない」という状況に陥りやすくなってしまいます。

リクルートワークスの調査によると、2020年3月卒業予定の大学生の求人倍率は、従業員数5000人以上の企業では0.42倍にとどまります。大手企業は安定しているというイメージがある上、ネームバリューもあり、多くの学生が応募するので求人倍率は低くなる傾向があります。

従業員規模が小さいほど売り手市場

実際、売り手市場となっているのは、従業員規模が小さい企業です。

前出の調査によると、従業員300人未満の企業の求人倍率は8.62倍で、圧倒的な売り手市場。300〜999人は1.22倍、1000〜4999人が1.08倍で、会社の規模が小さい企業ほど求人倍率が高くなっています。

売り手市場なのに「内定がない」の2つの解決策

ここでは、大手や有名企業ばかり受けているせいで「売り手市場なのに内定が取れない」という人に、2つの解決策を紹介します。

中小企業やベンチャーにも応募する

求人倍率が高い傾向にある中小企業やベンチャーなども意識的にチェックし、少しでも興味を引かれた企業があればひとまず応募しましょう。

中小企業でも安定した経営を続けているところもあります。ベンチャーは大手・中小企業と比べて安定性では劣りますが、意見が通りやすかったり、大きな裁量権も持って仕事ができたりといったメリットがあります。

業界を絞りすぎず、幅広く見てみる

志望業界だけではなく、他の業界にも目を向けてみましょう。

やりたい仕事がある場合、それが特定の業界・企業しか叶えることができないのかは、よく考える必要があります。

例えば、「食を通じて社会に貢献したい」と考えて食品メーカーを志望している人なら、飲食やサービスなど他の業界でも夢が叶えられるかもしれません。

売り手市場の業界・業種って?

実際には、どんな業界が売り手市場なのでしょうか。ここでは、売り手市場の業界・業種を紹介します。

流通・建設・製造・IT業界は売り手市場

リクルートワークスの調査によると、「流通」「建設」「製造」の3つの業界は、企業の採用数に対して就活生の数が少ない売り手市場です。

逆に、「金融」や「サービス・情報」は買い手市場で、求人倍率は1倍を下回っています。

流通業界の2020年3月に卒業予定の大学生の求人倍率は11.04倍で、最も求人倍率の高い「超売り手市場」です。インバウンドの影響で、中でも外国語が堪能な人材の需要が高まっています。

建設業界は求人倍率6.21倍で、2020年の東京オリンピック関連の施設の新設・改修や老朽化したインフラの更新、都市部の再開発などで需要が拡大しています。

製造業界も1.97倍で全体の求人倍率(1.83倍)を上回っており、技術者に対する需要は高い状態が続いています。

IT業界も人材が不足しているとされ、エンジニアやプログラマーは超売り手市場です。

税理士・保育士など資格職も売り手市場

保育士や税理士など、一部の資格職も売り手市場です。

保育士や税理士は、資格を取得する人が年々減少している一方、幼稚園・保育園や税理士法人の数は増加しており、求人倍率が高くなっています。

厚労省のデータによると、保育士の有効求人倍率は、全職種の有効求人倍率が1.69倍なのに対して3.20倍とかなり高く、中でも東京都は全国で最も高い6.44倍となっています。

※参考→【プレスリリース】保育士確保キャンペーン|厚生労働省

まとめ

  • 売り手市場とは、企業の採用数が就活生の数より多いため、学生側が有利とされる状況のことです。
  • 就職市場は、景気の変動に左右される傾向があります。2020年の東京オリンピックが終わると景気が冷え込み、それに伴い売り手市場ではなくなるとの指摘もありますが、実際どうなるかはその時にならないと分かりません。
  • 大手や有名企業ばかりを受けている人は、売り手市場であるにもかかわらず「内定が取れない」という状態に陥りやすいでしょう。大手・有名企業だけではなく、中小企業やベンチャーの選考を受け、業界も幅広くみるようにしましょう。
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