職種別の事例あり 新人研修の内容とは?きついって本当?

入社後に行われる新人研修。「一体何をするの?」「きついの?」などと新人研修の内容について気になっている方も少なくないでしょう。

この記事では、新人研修とはどのようなものなのか、きついと感じるのはどういうときか、について解説します。

新人研修の内容とは?

新人研修の内容とはどういったものでしょうか?

まずは、新人研修の目的や形式、期間などの概要を解説します。

基本的な社会人マナーから業務に必要な知識まで

新人研修とは企業が新入社員に対して行う、基本的なビジネスマナーや企業・事業理解、業務に必要な専門的知識・スキルなどの一連の研修を指します。

研修のやり方は座学やワークショップ、ロールプレイング、読書など、研修内容によって異なります。

また、新人研修の期間は企業や部署によって大きく異なり、数ヶ月~1年の長期に渡る場合もあれば、ほとんど研修をせずに現場に配属される場合もあります。

新人研修については、入社初日に、事業の内容や勤怠のルールなどが説明されるオリエンテーションが行われ、そこで研修の内容やカリキュラムについても説明されるのが一般的です。

研修の流れとしては、入社後まもなくはビジネスマナーの習得や自社の理解などを目的としたOff-JT研修を、後半になるにつれて実務の中で業務内容に関する知識や技術を習得するOJT研修を行っていきます。

Off-JTで基本のビジネススキルを習得

Off-JTとはOff the Job Trainingを省略したもので、業務を行う現場の外で実施される研修を指します。

座学を中心にしたものが多く見られ、社外セミナーや社内の講義を通してビジネスの基本となる知識やスキルを学びつつ、企業理解を深めます。

企業によってはビジネススキルに加えて、人事担当者や経営者が経営理念や自社の事業、社員に求める精神などを説明してくれることもあります。

Off-JT研修では具体的に以下のようなスキル・知識を身に付けることができます。

  • ITリテラシー
  • ビジネスマナー
  • コミュニケーション能力
  • プレゼンテーション力
  • チームビルディング
  • 論理的思考力

OJTで実務スキルを習得

OJTとはOn the Job Trainingを省略したもので、実際の職務現場で業務を通して実施される研修です。

OJT研修では、実践的なスキルや知識を習得することが目標です。

Off-JTで学んだ業務の手順やマナーを実践しつつ、先輩社員(OJT担当者)に指導を受けながら業務を行っていきます。わからないことをすぐに質問したり、間違ったやり方をその場で指摘してもらったりできるため、新入社員個人の理解度に合わせて指導してもらいやすいといえます。

ただ、OJT担当者の業務時間を使って指導することから現場の負担が大きくなるため、一斉に新人を教育できる0ff-JT研修に力を入れる会社もあります。

※OJTについて詳しくは→OJTとは?Off-JTとの違いから研修のやり方まで

また、Off-JT研修とOJT研修のほかに、実施後に振り返りを行う「フォローアップ研修」が組み込まれることもあります。

新卒社員の研修期間は1~3ヶ月の会社が多い

新卒社員の研修期間は1~3ヶ月と設定している会社が多いようです。

一般職の1~3年目の若手社員150名を対象にしたアンケート調査(※)によれば、「研修期間が1ヶ月以内」だった人が53.9%、「3ヶ月以内」だった人が75.7%。技術系の職種の方が研修期間が長くなる傾向にあるようです。

ただし、新卒社員の場合は入社後3ヶ月で独り立ちして業務を行っていくことは難しく、研修期間終了後も実質的にOJT研修が1年ほど続くケースが一般的です。

※参考→新社会人の研修期間は平均2.9カ月。一般職種の59.0%が1カ月以内で通常業務へ|fabcross for エンジニア

コラム:新卒と中途で研修内容は違う?

中途入社の場合は社会人としての基礎スキルや担当業務のノウハウを既に持っていることが多いため、事業の目標や業務内容、社内ルールを簡単に学んだら、早速、実務に取り掛かることがほとんどです

Off-JTは企業理解の研修以外はほとんどなく、すでに身につけているやり方をOJTで企業に合わせてチューニングしながら仕事をこなすケースが一般的です。

一方で新卒の多くは社会人経験がないことから、ビジネスマンとして必要なスキルを習得する研修が必要になります。

よって、中途より新卒の方が、研修で幅広い内容をじっくりと学びます。すぐに現場に配属されることはめったにありません。

新人研修の内容例【職種別】

ここでは営業、保育士、看護師など職種別に新人研修の内容を紹介します。

営業

営業向けのOff-JT研修では先輩社員とのロールプレイングを通して、顧客との話し方やヒアリング力といった営業スキルを磨きます。

また、自社の商材理解やプレゼンテーションのやり方など、顧客に対して説得力のある提案をするために必要なスキルも学んでいきます。

OJTの段階に入ったら、先輩の営業に同行したり、先輩に横についてもらってテレアポを行ったりします。

保育士

保育士の場合は、子どもとの遊び、童謡、ダンス、絵本の読み聞かせ、食育、児童福祉、保護者対応、安全管理などを学ぶ研修があります。

子どもは年齢によって、運動能力や興味・関心がある対象などが異なるため、年齢に応じた適切な接し方を学習します。

研修期間は園によって異なりますが、数日から数週間程度と比較的短い期間の場合が多いようです。4月から働く場合、3月の卒園式後から研修が始まるケースもあります。

看護師

看護師の場合、新人研修では看護学校で経験、学習したことを実務の中で適切に実践できるよう訓練を積んでいきます。

例えば、患者の食事援助、トイレの援助、急変対応、採血などの看護技術や、患者の個人情報や病状などの医療情報、薬剤などの管理といった管理知識です。

予め定められた到達目標に沿った研修プログラムで学習し、1名の患者を担当することから始め、徐々に担当患者の人数を増やして一人前の看護師を目指します。

銀行員

銀行員の場合、2週間~1ヶ月程度、集合研修でビジネスマナーや銀行員としての心得を学びます。その後、各支店に配属され、実務を通したOJT研修で預金業務融資業務などの銀行業務を習得します。

他にも、Off-JT研修で法務・税務・財務などの基礎知識を勉強します。業務上、金融の専門知識が必要なので、自己学習も欠かせません。

プログラマ

プログラマの場合、経験がない人は研修で「Java」「PHP」といったプログラミング言語やプログラムを構築する仕組みなどの基礎から学習します。

基礎学習と並行して、コーディングなどの実務を通したOJT研修を行います。

ただし、プログラマの業界は日々、技術が進歩しているため、新人研修後も常に最新の技術や動向について勉強する姿勢が求められます。

新人研修ってきつい?

新しい環境で覚えることも多い新人研修について、「きつい」と感じる新入社員もいます。

では、どのくらいの人が、どのような場面で「きつい」と感じているのでしょうか。

「新人研修がつらい」と感じる新卒は約2割

2017年にマイナビが調査した「新人研修がつらかったか、そうでなかったか」というアンケートに対して「研修がつらかった」と答えた人が2割との結果が出ました。

一方で「研修の雰囲気が良かった」「同期と仲良くなった」などが理由で、約8割の人が「つらくなかった」と答えています。

「つらくない」の回答が8割を占めていますが、ここで注目したいのは「つらい」と感じた理由です。以下、新人研修で「きつい」と感じやすい場面を紹介します。

※参考→新社会人の登竜門! 新人研修を「つらい」と感じた社会人は約2割 |フレッシャーズ マイナビ 学生の窓口

研修内容が覚えられない

名刺交換や電話対応、事業理解などと初めて習うことが多いため、なかなか覚えられず、苦労するケースです。

自分と同期の出来を比較してしまい、「どうして自分だけできていないのだろう」と落ち込み、つらいと感じることがあります。

人間関係がうまく築けない

新しい環境ということもあり、不安や悩みなどを相談できる相手がいない、同期の話についていけないなど、人間関係づくりで悩むケースです。

苦手な上司とどのようにコミュニケーションを取ると良いのか、頭を抱えることもあるようです。

長時間の強制拘束

数日~1週間程度、施設に泊まり込みで研修を行う会社の場合に、朝から夜まで拘束されるため、体力・精神的につらいと感じるケースです。

息を抜くタイミングがほとんどなく、ストレスを感じる新人もいるようです。

新人研修の悩みは先輩社員に相談しよう

新人研修がきついと感じたら先輩社員に遠慮なく相談しましょう。

Off-JT研修であれば研修担当者、OJT研修であればOJT担当者、OJT担当者について悩んでいるならば同じ部署の上司などに、不安や悩みなどを話してみてください。

メンター・フォロワー制度(※1)やブラザー・シスター制度(※2)がある場合は、ぜひその制度を活用しましょう。

また、直接関わっている担当者や先輩などに相談するのが難しい場合は、さらに立場が上の上司や話しやすい同期、会社のコンプライアンス窓口などに相談してもOKです。

社内で相談しにくい場合には、「労働相談情報センター(NPO法人)」「こころの耳」など外部の相談先を利用する方法もあります。

「我慢すべき?」「仕事をしている手を止めるのは申し訳ない」と躊躇せず、メールでも口頭でも話しやすい方法で、ぜひ打ち明けてみてくださいね。

※1:メンター・フォロワー制度…違う部署の先輩が特定の新人の相談役を担当する制度。主にメンタル面のサポートを目的としている。

※2:ブラザー・シスター制度…同じ部署の先輩社員が新人の指導役を担当する制度。メンタル面、業務面で新人をサポートする。

コラム:新人研修を合宿で行う企業はブラック?

合宿型の新人研修を行うことは、同期の親睦を深める、集中しやすい環境をつくることが目的であることから、合宿研修=ブラック研修だとは言い切れません。

例えば合宿の中で上司や指導者から事あるごとに人格を否定する発言がある、携帯を没収されて家族や友人との連絡を完全に遮断されるなど極端な内容の場合はブラック研修と捉えていいでしょう。

ただし、警察官や自衛隊などの研修では、危険な職務を遂行するための教育として、一般的な新人研修より厳しいルールが設けられている場合があります。自分を規律する力が必要な職業においては、過酷な環境で研修が行われる可能性があることを理解しておきましょう。

まとめ

新卒社員にとっての新人研修は、新しいことばかりで不安だったり「きつい」と感じたりするものです。新人研修の内容や研修終了後に求められる姿を把握することで不安をできるだけ減らしましょう。

また、「新しい人間関係を築くことができた」「働くことが楽しみになった」などとポジティブな気持ちが生まれることもあるので、思い切って取り組んでみてください。

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