【悩み別】5つのケースと解決法を紹介 「社風が合わない」ときはどうする?

会社独自の気風や雰囲気を意味する「社風」。

今の会社の社風が合わないと感じる場合は、転職すべきなのでしょうか?

10人に1人が社風を理由に転職している

「社風が合わない」と感じて会社を辞める人は、決して少なくありません。

【転職者の10人に1人が社風が合わず退職しているという図】

エン・ジャパンの調査によると、「社風や風土」を理由に退職したと答えた人の割合は全体の11%で、10人に1人が社風を理由に退職を決めています。調査をもとにした退職理由のランキングでは、社風は3位となっています。

1位は「人間関係」で25%、2位は「評価・人事制度」で12%です。この2つの理由も会社特有の原因が絡んでいる可能性があるため、社風が合うかどうか退職を考える際の理由に影響しています

「社風が合わない」ってどういう状況?事例5選と解決策

社風が合わないとはどういう状態かを考え直してみると、「飲み会のノリが合わない」「会社の制度のせいで働きづらい」など具体的なポイントが思い当たるという人は多いでしょう。

ここでは、社風が合わないと感じるときの悩み別に、転職したほうが良いのか、それとも今はまだ我慢して続けたほうが良いのかを解説していきます。

1:普段の会話・飲み会などの雰囲気が合わない

社内での会話や飲み会などのノリが合わず、ついていけないと感じる人は少なくありません。

転職OKなケース

効率的に働いて定時で帰ろうとすると、「〇〇さんは真面目ですね」と少し馬鹿にされたようなことを言われました。聞いた話では社内恋愛も多いようで、休憩時間もなにかと他人の噂話ばかり。興味が持てず蚊帳の外にいます。

仕事ができなくても、課長のお気に入りになると評価が上がるとかいう噂も……。それを良しとする社風についていけません。

会社のノリについていけないことがストレスだという人は多いでしょう。仕事以外の面が自分の評価に響くようであれば、転職を考えても良いかもしれません。

転職NGなケース

飲み会に初めて参加した際、盛り上がり方が大学の体育会系の飲み会のようで引いてしまいました。

職場自体は仕事を淡々とこなしていく優秀な人が多いので、仕事と飲み会のギャップについていけません。飲み会自体の参加は強制ではありませんが、来月の中頃に再び開かれるようなので、参加すべきかどうか迷っています。

一緒に働く人たちが真摯に仕事に向き合っている環境であれば、飲み会での立ち居振る舞いを理由に辞めるのはもったいないかもしれません。参加が強制されないのであれば、プライベートでは距離を取るなど、仕事とそれ以外のバランスを取ってみましょう。

2:上司や同僚とそりが合わない

上司や同僚とそりが合わないことも、社風が合わないと感じてしまう原因の一つになります。

転職OKなケース

セクハラが問題視されていない会社の空気に馴染めません。たまにスカートを履いたり髪の毛を巻いたりして出勤すると、直属の上司から「スカート短いんじゃないの、俺は好きだけど」などと言ってきます。

相談をしにデスクに言っても、毎回容姿に関して一言コメントしてくるので、仕事もやりづらい状況です。一度、チームをまとめている女性の上司に相談しましたが、「それくらい軽くかわせるようにならないとね」と、取り合ってもらえませんでした。

セクハラやパワハラなどをされ、現時点で不快な思いをしているのなら、いますぐに転職しても良いでしょう。その状況が当たり前になっている環境でストレスを抱えながら働くのは、精神的にも良くありません

転職NGなケース

入社2年目ですが、同じ部署の同期と仲が良くないことに悩んでいます。

学生時代のノリとは少し違うなと思って過ごしていましたが、自分以外のメンバー同士は仲が良いようで、旅行に行っているのをSNSの投稿で見てしまい……。

自分だけ部署が違うことも関係しているかもしれません。入社時に仲が良かった同期は、すっかり会社に馴染んでいるようです。

直接的に利害関係のない同僚であれば、特に気にしすぎないほうが◎。「会社の同期」という存在に固執する必要はありません。悩んでいるのであれば、まずは社内で話しやすい同期や先輩に相談してみるといいでしょう。

3:仕事への向き合い方や進め方が合わない

仕事の向き合い方や進め方には会社の色が出るもの。仕事中に「自分には社風が合っていないかも」と感じることは多そうです。

転職OKなケース

会社全体が顧客よりも売上を重視しすぎています。

前職では、売上目標はありますが「お客様のためになることを優先する」という文化だったので、顧客にデメリットになる事実は隠して良い部分しか伝えないという姿勢のやり方は、騙しているような気持ちになります。

今の会社の成長スピードはすごいと思いますが、売上第一主義の社風に馴染めません。

転職先でせっかく培ったスキルを生かせないのはストレスになるでしょう。また、仕事への向き合い方を180度変えるというのは、なかなか難しいことです。誠実に仕事をしていない雰囲気に心を病むようであれば、転職を考えてもいいでしょう。

転職NGなケース

前職は議論が活発な職場だったので、今の勤め先でも会議中は分からないことがあればどんどん質問するようにしています。

しかし、最近は直属の上司が「あとで個別に話すね」と言って、会議を進めようとします。

前の勤め先では、納得いくまで話し合うために1時間弱延びることは当たり前でした。今の会社の社風は自分に合わないなと感じています。

転職してきたら、まずはその会社の仕事のやり方に合わせるほうが、スムーズに仕事を進めることができるでしょう。その上で、業務を効率化するための新しい取り組みなど、前職の仕事のやり方で良い影響が与えられそうなことを提案していくと◎です。

4:労働時間や働き方が合わない

労働時間や働き方が、前に勤めていた会社や他の会社と異なる場合、社風が合わないと感じる原因になりやすいでしょう。

転職OKなケース

今の会社の制度では、営業成績をあげている社員は、1年も経たないうちにマネージャーにさせられてしまいます。

営業マンとしてさらなるスキルアップを目指して転職しましたが、早くも管理職候補などと言われてしまって……。マネージャーにならないように、良い成績を取りすぎないように調整している人もたくさんいます。仕事は頑張りたいのに将来の目標とズレが生じると思うと、モチベーションが下がっています。

会社の仕組みのせいで、自分のスキルを最大限発揮できないのは辛いもの。ある程度実績を積んで自分の希望が叶う会社に転職しても良いでしょう。その際、まずは次の転職先では自分の希望をしっかりと伝えた上で、それを実現させながら働くことができるのか確認してみましょう。

転職NGなケース

業務は早めに終わった日は、残業せずに帰るようにしています。先輩に嫌味を言われたこともありますが、そもそも残業代が出ない会社なのにダラダラ仕事をしている人が多い印象。

一方、大学時代の友人が勤める会社は、22時までの残業は当たり前でも、その分かなり給与が良いところとのこと。稼げるのであれば、そのような働き方ができる会社に転職してもいいのかなと悩んでしまいます。

業務で成果を上げているのであれば、会社の雰囲気に合わせる必要はありません。残業が当たり前という会社は、人手が足りずに一人あたりの業務量が多かったり、基本給が安い分残業しないと稼げなかったりするところの可能性もあります。ワークライフバランスを考えた上で、自分が最も重視したいことはなにかを考えましょう

5:企業理念や会社方針に共感できない

ほかの社員が特に疑問を持っていないのに、自分だけが会社の理念や経営の方針に違和感があり、「自分は社風に合っていないのかも」と感じてしまう人も少なくありません。

転職OKなケース

従業員数30人の中小企業に勤めています。ここ2年ほど赤字が続いていますが、経営を立て直すような戦略を共有されることがありません。幹部も今後どうしていくのか考えていないのでしょうか……。

他の社員からは特に焦りを感じず、ただただ毎日が過ぎさっていくので、今後どうなってしまうのか不安です。

経営方針は経営や組織の軸となる大切なもの。将来性を感じられないのであれば、転職してもよいでしょう。だたし、会社側が今はまだ共有できない段階にいたり、共有したつもりになっている可能性もあるので、まずは一度上司に話を聞いてもよいかもしれません。

転職NGなケース

毎日社訓を読み上げる文化があり、自分にはそのブラックな飲食店のような社風が合わないなと感じています。

中途入社の社員も、初めは驚くようですが、少しずつ当たり前に社訓を読み上げるようになっていきます。友人に話を聞いても、今どきそのような会社は珍しいようで、心配になってしまいます。

毎朝の社訓の読み上げが、社員が一丸となって仕事をするために必要な場合もあります。逆に、深い意味はなく形骸化しているだけの可能性もあるので、業務に支障がないのであれば気にしすぎなくてよいかもしれません。

ただし、社訓の読み上げを皮切りに、別の“ブラック体質”を感じるようならば、転職を検討してもいいでしょう。

後悔しないために、これだけは考えておくべきこと

ここまで見てきたように、社風が合わないのなら転職するのはOKです。

ただし、一時の感情に引っ張られて会社を辞めてしまうと「こんなはずじゃなかった」と後悔することになりかねません。

下記の記事では、社風を理由に会社を辞める前に「これだけは考えておくべき」という3つの点についてまとめています。

まとめ

ここまで見てきたように、社風が合わないのであれば転職を考えてもいいでしょう。ただし、実際に転職活動を行う際には次の2点について留意してください。転職はくれぐれも慎重に判断することをおすすめします。

注意点1:「社風が合わなかった」はそのまま伝えない方がよい

転職活動をする場合、選考中の会社に「社風が合わないから転職を決めました」とありのまま伝えるのは避けましょう

採用担当者側にとっては、前の会社への具体的な不満が分からず、「転職先の候補として自分の会社が選ばれた理由」も不明確なため、採用しても問題ない人材かどうかを判断することができません。

そのため、退職理由を尋ねられたら、社風が合わないと感じた原因とともに、「どのような業務に携わりたいのか」「どんな働き方を望んでいるのか」を考え直した上で、転職を決意したと伝えるようにしましょう。

注意点2:転職先の社風が合うかは入社しないと分からない

社風を理由に転職したとしても、転職先の社風が必ず合うとは限りません

一般的に「社風」と表現される社内の雰囲気は、実際に入社して働いてみないと分からないことも多いので、面接の段階で判断するのはなかなか難しいでしょう。

「今勤めている会社のなにが原因で退職したいと思っているのか」「次に転職する会社でその原因は解消できそうなのか」をしっかり考えた上で、転職活動を始めるようにしましょう。

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