半年空いても大丈夫! 転職のブランクを乗り切る方法
退職後、失業期間がある人は、ブランクのせいで次の職場が決まりづらいのでは…と心配になりますよね。
ここではどのように対処すればブランクを不利にしない転職活動ができるのか、解説していきます。
ブランクを不利にしない履歴書・面接対策
前職を辞めてから働いていない時期がある場合、ブランクの理由を説明する必要があります。
採用担当者にブランクをマイナスに受け取られない、しっかりした理由が必要です。
【ケース別】ブランク理由の説明方法
ここではブランクの理由別に、履歴書や面接での伝え方とポイントを紹介します。自分にあてはまるものを確認してください。
病気やケガで長期療養していた場合
ブランクによくある理由のひとつが、病気やケガによる入院や自宅療養です。すでに完治しているときは以下のように伝えましょう。
◇ポイント◇
すでに完治しているか、今後病気やケガによる影響が仕事にどの程度及ぶのかをきちんと伝えましょう。
病気やケガの内容は、会社側から求められなければ詳細に話す必要はありません。
ただし、後遺症があったり通院を続けていたりする場合は、仕事への影響があるかどうかを説明しましょう。
採用担当者が心配しているのは、「急に会社を休んだり、早退が続いたりして仕事に支障が出るのでは」ということです。現状を正直に伝え、判断や対応は会社側に委ねましょう。
産休や子育てをしていた場合
年単位のブランクになりやすい産休や子育ては転職時の不利になるケースも少なくありません。なぜなら、長らくキャリアが中断され、即戦力としての活躍が期待できないとみなされることも多いからです。
子育てに忙しい毎日でも社会とつながり、自分を磨く努力をしていたことを理解してもらいましょう。
◇ポイント◇
ママとしての長期ブランクがなければ取り組めなかったことの中から、社会復帰の際に実務に生かせそうなことを選んで伝えましょう。
ブランク期間中は子育てに手いっぱいで社会との積極的なつながりがなかったという人も多いでしょう。
しかし子育てもキャリアに生かせる部分もあるはず。子どもと向き合う時間で得たことや学んだことを、自信をもってアピールしましょう。
資格を取得していた場合
資格はただ単に取ったというだけでは採用担当者は納得しません。
前職を辞めてまで取得した必要性や、どんな意図で資格を取得したのかを含め、しっかりと説明することが大事です。
◇ポイント◇
取得した資格が再就職先での仕事にどのように生かせるかを具体的に盛り込むことができればベストでしょう。
資格によっては取得まで2年、3年と長期間を要してしまうこともあります。ブランクは短いに越したことはないので、その資格がなければ目標とする職に就けないケース以外は、早めに転職活動を始めるほうが無難です。
資格取得の勉強を続けながら転職活動を続けるときは、その旨を採用担当者に伝え、キャリアアップへの熱意を見せましょう。
留学をしていた場合
資格取得のケースと同じく、留学によるブランクも目的をどれくらい明確に説明できるかがカギ。一定のレベルまで語学力を上げるには時間をかけて経験を重ねることが必要です。
グローバルな人材が欲しい会社なら、留学による1~2年のブランクは転職の足かせにはなりません。
◇ポイント◇
留学先で何を学んだか、積んだ経験をどう仕事に生かせるのかを、面接時などに希望の仕事内容と照らし合わせながら話すと、採用担当者の関心を引くことができるでしょう。
将来的なビジョンが見えてこない留学は、単に海外に行ってみたかっただけのブランド志向な人と思われてしまうことも。
楽しかった思い出のみを話すだけでなく、苦労から学んだことや努力で身につけたことをアピールすることが大事です。
リストラに遭い再就職先が決まらなかった
リストラによる予期せぬ退職では、退職前に満足に転職の準備ができず、かといって退職後も心構えができずにブランクが長くなってしまうことも。
リストラという言葉の響きにはマイナスイメージがつきまとうため、採用担当者には違った言い回しで伝えるほうがベターです。
◇ポイント◇
ネガティブなことを引きずらない人材と思われることが大事です。ブランク期間をどのように無駄にしなかったかを伝え、仕事への積極的な姿勢を見せましょう。
リストラに遭うのは大半が中高年。若年層と比べれば転職先の候補も狭まります。
焦りは禁物ですが、できるだけブランクが短いうちにリスタートを切ることが、スムーズな転職への近道です。また面接時に前の会社の批判は禁物です。
特に理由もなく離職期間が長引いた場合
これといった理由がないのにブランクができてしまったという人もいるでしょう。
前職を退職してから転職活動を行う場合は、採用が決まるまでかかる時間もふまえて3ヵ月くらいなら不自然ではありません。
◇ポイント◇
仕事への前向きな姿勢を表す言葉を加え、ブランク期間をぼんやりと過ごしていたわけではなかったことをきちんと伝えましょう。
何もせずただ単にブランク期間が長いだけと「仕事に対するやる気がないのでは」などマイナスにつながりがち。
たとえばパソコンのスクールに1週間だけ通っていたなど、わずかな日数でもその間何か転職につながるような活動に取り組んでいたのであればアピール材料としましょう。
本当に何もなければ、今現在の就労に対する強い意欲を示すのが最善です。
ブランク期間のごまかしやウソはダメ!
ブランク期間が長いときは、何となく後ろめたさを感じてしまうもの。少しでも印象を良く見せようと、実際より期間を短く伝えてしまったり、ウソの理由を並べてしまったりするかもしれません。
その場を繕うごまかしやウソは、どこかでほころびが出ます。
また、期間をごまかすと保険の手続きなどで齟齬が出て自分の首を締めることにもなりかねません。「自分に正直になること」が一番です。
ブランクと転職の関係
転職のダメージになるブランクとならないブランクの差って?
ここまで見てきたように、ブランクには不利になるケースと不利にならないケースがあります。それぞれをまとめると以下の通りです。
不利になるケース
- 特に理由がない3ヵ月以上のブランク
- 年単位に及ぶ主婦のブランク
- 中高年での長期ブランク
不利になりにくいケース
- 病気やケガの療養によるブランク
- 1ヵ月~3ヵ月までの短めのブランク
- しっかりとした理由や目的があることで生じたブランク
不利になるブランクに当てはまっていた場合でも、どうにかして「しっかりとした理由や目的があることで生じたブランク」にこじつけてしまえば、不利にならないよう軌道修正することが可能です。
期間のボーダーラインは「前職を辞めてから6ヵ月」
前職を辞めてぼんやりしていると、あっという間に時間は過ぎます。
採用時の不安材料にならないブランクの許容範囲は最大で「前の会社を退職してから6ヵ月」という見方が一般的。
留学などスキルアップのため転職前に時間をかけてしたいことがあれば別ですが、6ヵ月を超えると「長すぎる」と思われるボーダーラインと心得て、転職活動を行いましょう。
ブランクが長いほど印象が悪くなるワケ
ブランク期間が6ヵ月以上になると、いかなる理由があるにせよ「働くことに対する意欲が低下していないか」と採用担当者は心配になるものです。
また、「そうは言っても転職活動をさぼっていたのではないか」「実は転職活動をしていたけれど、どこの会社にも採用されなかったのではないか」などと疑いを持たれてしまう可能性もあります。
やはり採用担当者に納得してもらえるだけの正当な言い分を準備しておくことが大事なのです。
長期ブランクで転職へのやる気と希望を失うことも
ブランクが長くなるとことは、自分にとってもマイナスを及ぼしかねません。仕事から遠ざかった分だけ履歴書を書いたり面接に行ったりすることがどんどんおっくうになります。
働くことへのやる気が損なわれたり、身につけたはずの仕事の勘が鈍ったりと、取り戻すのは一苦労。前職を辞めてすぐはのんびりしたい気持ちが勝っても、ズルズルと長引かないようにしておくのが得策です。
転職ブランク時に必要な各種手続き
転職のブランク時に忘れてはいけないのが失職中の社会保険や税金の手続きです。
退職後に急いで行うべきものもあるので、なるべく早めに済ませることをおすすめします。
健康保険の切り替え
会社を退職した翌日から社会保険の健康保険は失効されます。
日本では国民皆保険制度により健康保険の加入が義務付けられているので、退職日から14日以内に手続きを行いましょう。
もし手続きをしなかった場合でも自動的に退職日の翌日から自動的に切り替わり、国民健康保険の加入者になります。
社会保険の健康保険を任意継続したいときや被扶養者を選択したいときは、退職日の翌日付で手続きを行いましょう。
※健康保険の切り替え手続きについて、詳しくはこちら
国民年金への加入
前職で厚生年金に加入していた人で、次の会社に入社するまでに1日でもブランクができる場合は国民年金に切り替える、もしくは配偶者など家族が加入している厚生年金の扶養に入る必要があります。
手続き期間は退職した日から14日以内。
日本に在住する20歳から60歳までは年金に加入することが義務付けられているため、手続きを行わなかったときは強制的に国民年金に変更されます。保険料の支払いが滞ると納付通知が届き、さかのぼって支払うことに。
なお、失業によって支払いが難しい人は免除や猶予も可能です。
住民税の支払い
会社員時代は給与から天引きされる住民税についても納付方法に変更が必要です。
住民税の納付方法には、給与天引きでの特別徴収と自分で直接納付する普通徴収の2種類があります。
ブランク期間中は給与所得者ではないので、普通徴収で納付することになります。
普通徴収の場合は前職場が切り替えの手続きを行い、その後役所から納付書が送られてくるので、期日までに納めることを忘れないでください。
※転職後の住民税の切り替えや、給与から天引きを続ける方法について詳しくはこちら
コラム:退職後、年末まで無職なら確定申告を
年の途中で退職し、年内中(12月31日まで)に次の就職先が決まらなかったときは年末調整が行われないので、自分で確定申告をしなければなりません。
手続きを忘れると、戻ってくるはずの払いすぎた税金がそのままになったり、翌年の税金の支払額が上がったりすることもあるので注意しましょう。
確定申告に必要な書類は自宅のパソコンを使って作成することができます。
※退職後の確定申告について詳しくはこちら
まとめ
いかがでしたか。転職のブランクが吉と出るか凶と出るかは自分のとらえ方次第でもあります。
次のステップに進むために必要な時間だったと前向きに考え、自信をもって転職活動に励みましょう。