相談先と解消法 内定ブルーになってしまったら
内定をもらって就職先が決まったにもかかわらず、さまざまな不安要素が湧いてきて、あれこれ思い悩んでしまう「内定ブルー」。
そんな内定ブルーの原因や解消法について解説します。
内定ブルーとはどんな状態?
内定ブルーとは、どのような状態を指すのでしょうか。
内定後に不安になり落ち込む状態
内定ブルーとは、就職・転職活動で企業から内定をもらったものの「本当にその会社に就職してよいのか?」と不安を感じて気分が沈む状態を指します。
2017年のリクナビの調査によると、新卒時に内定ブルーになった人は約7割もいたことがわかりました。
※参考:
【キャリアアドバイザーに聞く】この不安は内定ブルー?内定ブルーの原因と対処法|リクナビ
転職でも内定ブルーになる?
内定ブルーは転職の場合でも起こります。新卒同様「本当にその会社に決めていいのか?」といった不安に加え、これまでの勤務先から離れることへの未練や寂しさなどが原因となることもあるようです。
内定ブルーの原因については、次の章で詳しく紹介します。
内定ブルーを引き起こす3つの理由
内定ブルーになる理由は、主に下記の3つが挙げられます。
- 自分のスキルや適正に不安がある
- 給料・勤務地などの労働条件に納得できていない
- 就職先のネガティブな情報を見てしまった
自分のスキルや適性に不安がある
内定ブルーになるもっともありがちな理由は「自分のスキルでやっていけるのだろうか」「本当にこの会社に自分は向いているのだろうか」などと、スキルや適性に不安を抱いてしまうこと。
実際、リクナビの調査によると、内定ブルー経験者233人のうち、半数以上がスキルや能力に自信が持てず「本当にこの会社でやっていけるのか?」という不安から内定ブルーに陥っていることがわかりました。
仕事内容や社風が自分に合うのかという不安の他、仕事をこなせるのかという体力面の心配なども含まれるようです。
※参考:
【キャリアアドバイザーに聞く】この不安は内定ブルー?内定ブルーの原因と対処法|リクナビ
給料、勤務地などの労働条件に納得できていない
内定を承諾したものの、心のどこかで就職先の給料や勤務地などの労働条件に納得できていないために、内定ブルーに陥るケースもあります。
「通勤時間が長いのが気になる」「この給料では生活が苦しくなるかもしれない」「第一希望の企業なら◯◯が勤務地だったのに……」といった不満や心残りを感じ、内定ブルーになることが多いようです。
就職先のネガティブな情報を見てしまった
SNSや就職・転職関連の口コミサイトなどで、内定をもらった企業や業界のネガティブな情報を見てしまったことが原因で、内定ブルーになる人も多いようです。
特に社会人経験のない新卒の学生や、未経験の業種・職種にキャリアチェンジをする転職者は、予備知識が少ない分、そうしたウワサに影響を受けやすい傾向があります。
不確かな情報に惑わされず、不安があれば就職先の人事担当者に問い合わせたり、同業種で働いている人に話を聞いてみたりするといいでしょう。
コラム:公務員や中小企業の内定ブルー事情
公務員や中小企業の内定者の場合、それぞれならではの理由で内定ブルーになることもあるようです。
公務員の場合、民間企業が気になりはじめ「公務員という自分の選択は正しかったのか?」と思い悩み、内定ブルーになってしまうことも。また、転職したくなったときに公務員の経験が民間企業で通用するか不安になるケースもあるようです。
中小企業の内定者では、大手企業内定者と自分を比較し、コンプレックスを抱いたり、うらやましいと強く感じたりすることから、内定ブルーになる例も少なくありません。
内定ブルーはどうやったら解消できる?
ここでは、内定ブルーの解消法を紹介します。
同じ悩みを持つ人と情報共有
内定ブルーに陥った場合、同じ悩みを持つ人と情報や気持ちを共有することで楽になるケースも多いようです。
例えば、内定後に開催される内定者懇親会は、同期と直接交流ができる貴重な機会です。情報交換をしたり不安な気持ちを打ち明けたりすることで、内定ブルーが軽減されることもあるでしょう。
実際リクナビの調査でも、入社後にしっかり働けるのか自信が持てない時の解決策として、74 %もの人が「内定先企業の同期と話してモチベーションを上げた」と回答しています。
また、内定者懇親会では先輩社員の話を詳しく聞けるという利点もあります。実際に働いている人の生の声を聞くことで就職後の自分がイメージできれば、内定ブルーの解消につながるかもしれません。
また、直接会って話す以外にも、楽天が運営する「みんしゅう」などのネット掲示板やSNSで同じ悩みを抱えた人と情報交換し、内定ブルーを解消している人もいます。
※参考:
【キャリアアドバイザーに聞く】この不安は内定ブルー?内定ブルーの原因と対処法|リクナビ
信頼できる親しい相手・同業者に相談
家族、友人など身近な人に相談することも、内定ブルーの解消に効果的です。
学生の場合、相談相手にはなるべく社会人経験のある先輩を選んだほうが良いでしょう。身近に相談できる人がいなければ、大学のキャリアセンターの担当者に相談するという方法もあります。
転職の場合は、転職予定の業種や職種で働く友人や知人に相談することで、内定ブルーが解消されるケースも多いようです。
学生ならではの活動をやりきることに集中
新卒の場合、残り少ない学生生活を楽しむことに集中すると、内定ブルーから抜け出せることもあります。
サークル活動や学内のイベントなど、今しかできないことに集中しつつ、社会人になるための心の準備を整えていくのもひとつの方法です。
コラム:不安が長引く場合は鬱の可能性も
内定ブルーによる不安感や気分の落ち込みが長期間続く場合、鬱の可能性もないとは言い切れません。
どうしても不安が消えず、心身ともに弱っていると感じた場合は、専門機関の受診を検討してみましょう。
不安が消えないなら内定辞退も検討
さまざまな不安から内定ブルーになることは誰にでもあります。しかし「その会社が自分に合っているかどうか」は、実際に働いてみないとわからないため、あれこれ思い悩みすぎないようにしましょう。
ただし、内定先の対応に不信感を抱いた、他にどうしてもやりたいことを見つけたという場合には、内定を辞退することを検討してもいいでしょう。
▼内定辞退の方法について詳しくは…