【調査】書類選考~内定の確率も 20代の転職経験者の「平均応募数」は?
いざ転職活動を始めようと思っても、どういった企業にどのくらい応募すればよいのか分からない人も多いはず。
転職Hacksでは、20代で初めて転職した人にアンケートを実施。回答があった560人の求人応募数や内定数のデータを紹介します。
※本調査の対象者(人数):全国の20代の正社員2,000人のうち、1度でも転職経験があり「紹介・縁故採用」以外で就職した人。転職経験が複数回の場合は、直近のものについて回答(662人)
※有効数(回答数):560人(613人)
※調査期間:2022年9月16日~20日
※調査方法:ネットリサーチ
20代の「平均応募数」は?
20代の平均応募数は「6.41社」
転職経験のある20代に「転職活動中に何社の求人に応募しましたか?」と聞いたところ、560人の平均は6.41社。
20代の転職経験者は平均して約6社に応募していることが分かりました。
20代後半が前半よりわずかに少ない
平均応募数を20代の前半と後半で比較してみると、6.96社と6.04社で20代後半の求人応募数の方がわずかに少ないことが分かりました。
※20代前半(20~24歳)が223人、20代後半(25~29歳)が337人
推測の域を出ませんが、20代後半は20代前半に比べてある程度の経歴があるため、より自分にマッチした求人に絞って応募している可能性があります。その一方、年齢が上がることで間口が狭まり、応募できる求人が少なくなったと見ることもできるでしょう。
20代前半は「第二新卒」や「未経験OK」などの求人にも応募できるため、応募数が比較的多くなっていると考えられるかもしれません。
20代の約65%が「1~4社応募」
20代の求人応募数の全体平均は6.41社でしたが、割合として最も多かったのは「1~4社」で、全体の約65%を占めています。
応募者数「5~9社」を選んだ人もあわせると、全体の8割以上の人が10社未満の応募数に留まっていることになります。
また、全体のおよそ4人に1人が1社しか応募していないという結果に。気になる企業にピンポイントで応募して、そのままその会社に内定をもらう人も一定数存在することが分かりました。
【男女別データ】男性の方がやや多い
20代の平均応募数を男女別に見ると、男性はおよそ7社(6.95社)、女性はおよそ6社(5.87社)で、男性の方が1社ほど多いことが分かりました。
また、最も多くの企業に応募していたのは「20代前半の男性」で7.32社でした。
【16業種+その他データ】出版・情報系が比較的多い
20代の平均応募数を現在従事している業種別で見てみると、平均応募数が10社を超えるのは「出版・印刷業」「情報通信業」「その他」でした。
「出版・印刷業」「情報通信業」は地域が限定的な企業が含まれ、それゆえ倍率が高くなりやすいことが、多くの企業に応募している要因となっている可能性があります。
※ただし業種ごとのサンプル数に偏りがあるため、統計的に有意とは言い切れません
そのほかの業種は、5社前後が平均でした。
業種(人数) | 平均応募数 |
サービス業(110) | 5.12 |
製造業(84) | 5.71 |
医療・福祉(73) | 5.87 |
情報通信業(39) | 10.89 |
建設業(36) | 6.61 |
商社・卸売り・小売業(33) | 6.81 |
運送・輸送業(33) | 5.39 |
農業・林業・漁業・鉱業(21) | 3.28 |
金融・証券・保険業(20) | 4.45 |
不動産業(17) | 4.05 |
教育業(13) | 4.23 |
メディア・マスコミ・広告(11) | 8.54 |
電気・ガス・水道(8) | 6.25 |
非営利団体(4) | 3.25 |
出版・印刷業(3) | 24.33 |
調査業・シンクタンク(0) | – |
その他(55) | 10.09 |
20代の「書類選考通過率」は?
書類選考通過率は6割
転職経験のある20代・560人の調査では、書類選考を通過した平均社数は3.50社。最終面接通過は2.50社、内定獲得は1.81社という結果になりました。
応募数の平均が6.41社なので、書類選考通過率はおよそ6割と言えます。
コラム:転職活動にかかった期間は?
転職経験のある20代・560人に「転職活動にかかった期間」について質問したところ、4人に3人は1カ月以上かかっていることが分かりました。
割合でみると、最も多かったのが「3カ月以上」(26.96%)。次いで「1カ月以上2カ月未満」(24.29%)「2カ月以上3カ月未満」(23.57%)と、それぞれの差はかなり小さくなっています。
その一方で「2週間未満」(13.21%)「2週間以上1カ月未満」(11.96%)となっており、4人に1人が1カ月未満で転職活動を終えています。
上記より、転職活動に3カ月以上かかった人が比較的多いものの、転職活動にかかる期間は人それぞれであると分かりました。
転職のプロがQ&Aで回答「何社、応募すべき?」
ここからは、初めて転職活動を行うときに気になる疑問について、キャリアアドバイザーの大熊氏にお聞きします。
転職エージェントを頼るメリットも解説してもらいました。
Q.何社を目安に応募すればいい?
応募するなら10社前後がおすすめ
大熊氏:転職市場における書類選考の通過率は、業界によって多少異なりますが、一般的には約20~30%です。そのため個人的には、5~15社程度を目安に応募するのが良いと考えます。
私は実際に、書類応募は基本的に3社程度、比較検討したい人であれば10社程度をすすめています。
転職エージェントの中には20~30社程度の応募をすすめるところもありますが、多すぎると企業研究が不足したり、面接のスケジュール調整などが困難になったりすることがあるため、あまりおすすめしません。
Q.転職活動にかかる期間はどれくらい?
最短2カ月・最長5カ月をひとつの目安に
大熊氏:転職活動を行う場合、一般的には内定獲得の前後で下記の期間がかかると考えておきましょう。
▼
内定~入社まで:約1~3ヶ月程度
大熊氏:ただし、中には面接前に適性検査が入ったり、面接回数が1回だけだったりするところもあり、選考過程は企業によってさまざまです。
転職活動をいちから始める場合はおよそ2カ月、最大で5カ月かかるというのを一つの目安にすると良いでしょう。
Q.志望度が高くない企業にも応募していい?
目的をもって応募するのであれば問題ない
大熊氏:全員が全員、志望度の高い企業にのみ応募するわけではありません。
実際に私が担当する求職者の中には、主に2つの理由から志望度の高くない企業にも応募する方が一定数以上います。
- 本命の企業で内定を獲得するための「面接練習」の一環として
- 「自身の転職軸」を明確にするための戦略として
大熊氏:まず1つ目のパターンは「面接の場に慣れること」を目的としたものです。そもそも日常的に面接を受ける機会はそう多くありません。
企業の面接を受けてみることで「どんな質問をされるのか」といった面接の傾向や、「どこが上手く伝えられなかったか」といった自分の弱みが分かり、本命の企業の選考に向けてより精度の高い準備を進められるようになります。
2つ目は、面接を受けることで会社の雰囲気を感じたり、逆質問でその会社の特性を知ったりすることで、自分が転職する際に重視したい点を明らかにしていくパターンです。
いくつかの企業に応募して選考を受け、それぞれの企業の特徴や自分に合う点・合わない点が分かることで、転職で叶えたいことや譲れない条件が明確になることもあるでしょう。
このように明確な目的があれば、志望度が高くない企業に応募しても問題ありません。逆に志望度の高い企業だけに固執しすぎると、機会損失になる可能性もあります。始めは志望度が低かったが、選考が進む中で「入社したい」と思える企業になることもあるでしょう。
転職エージェントでは、企業の採用担当者はもちろん、実際に入社した方や元在籍者から、リアルな企業の内部情報を得ています。個人的な応募では知り得ない情報を得ることができるため、転職活動を進める上での一つの選択肢として考えていただければと思います。
(文:転職Hacks編集部)