給料はいくら?英語は必須? 空港で働ける、12種類の仕事ガイド

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国や地域の玄関口となる空港では、どのような種類の仕事があり、どんなスキルが必要なのでしょうか?

この記事では、空港で働く人たちのお仕事の実情や収入に迫りました。

空港は業務の幅が広い! 仕事の種類一覧表

空港の仕事は、地上勤務、空の上で働く職種、旅客に接する仕事や裏方ともいえる役割など多岐にわたります。

まずは気になる職種がないか、一覧表でチェックしてみましょう。

空港での仕事の種類一覧表。以下職種名:必要な資格・勤め先。  グランドスタッフ: TOEIC550点以上、英検2級以上・航空会社、 旅客ハンドリング会社、空港運営会社。運航管理者(ディスパッチャー): 就職後に国家資格を取得・航空会社、旅客ハンドリング会社。警備スタッフ(手荷物検査):特になし(入社後に適宜資格取得) 、警備会社。インフォメーション:TOEIC600点以上・空港運営会社。グランドハンドリング:普通自動車免許・グランドハンドリング会社、空港運営会社。ケータリングスタッフ: 語学力をアピールできると有利・ケータリング会社。入国審査官、税関職員: 国家公務員の受験に必要な条件・法務省(入国審査官)、財務省(税関職員)。航空管制官:資格ではないが一定の視力・色覚・聴覚が必要(視力は矯正可)・国土交通省。パイロット:事業用操縦士(自社養成の場合は不要)、TOEIC700点以上・航空会社、自衛隊。 CA(キャビンアテンダント): TOEIC600点程度以上※外資系なら700点以上・航空会社。航空整備士:TOEIC600点以上、二等航空整備士(入社時必要な資格は会社により異なる) ・整備会社、航空会社(技術系総合職)。航空貨物スタッフ:普通自動車免許・日本貨物航空株式会社、グランドハンドリング会社。

CAやパイロットのような花形で狭き門の職種がある一方、体力があれば学歴は問われず、未経験でも就職可能な場合もあります。語学力はいずれも最低ラインの目安で、より高い方が有利です。

また、航空会社やグループ会社ならではの利点は、福利厚生の一環として空港・飛行機を(安く)利用できること。激務をこなす傍ら、休暇には気軽に旅行を楽しむ人が多いようです。

空港関係の勤め先

空港の業務に関わる会社はいくつもあります。空港の仕事の主な勤め先となる会社の種類をご紹介します。

  • 航空会社
    エアラインとも呼ばれる、航空機を運航して旅客や貨物を運ぶ事業を行う会社。JALやANAといった大手、LCCのピーチ航空などが有名です。
  • 空港運営会社
    旅客サービスや空港のターミナルビルの管理、各種案内など空港でのさまざまなサービスを扱う会社です。拠点となる空港によって担当する業務が異なります。
  • 旅客ハンドリング会社
    空港の利用者にサービスを提供する会社です。グランドスタッフやディスパッチャーの仕事内容になります。
  • グランドハンドリング会社
    航空機に合図を出す誘導や、貨物の積み下ろしを扱う会社です。
  • 航空整備会社
    航空機の整備を取り扱う会社です。

旅客ハンドリング会社、グランドハンドリング会社の業務は航空会社のグループ会社や空港運営会社でも、まとめて行っていることがあります。また、航空整備会社の業務は航空会社の技術職が行うこともあり、会社ごとに完全な分業をするのではなく、空港に関連する会社が協力しあってサービスを提供する形になっています。

空港の仕事を完全解説

ここからは、地上勤務、航空勤務、整備・貨物地区に分け、仕事の内容やなるためのポイントを詳しく解説していきます。

地上勤務

空港で働く仕事の多くを占めるのが地上勤務です。旅客と直接関わる仕事、旅客からは見えない管理や検査を行う仕事があります。

1グランドスタッフ

学歴:大学、短大、専門学校
資格: TOEIC550点、英検2級以上
勤め先:航空会社、旅客ハンドリング会社、空港運営会社

空港の顔となる、旅客のサポート・接客を行うスタッフです。

カウンターやロビーで搭乗手続き、チェックインのサポートをします。ラウンジがある大きな空港では、そこでの接客も担当。搭乗ゲートでは、乗り降りする旅客を誘導します。

搭乗に間に合わない旅客を探したり、ほかのスタッフに連絡を取ったりするのもグランドスタッフの役目です。

さまざまな地域の人が行き交いトラブルも発生する現場のため、笑顔とコミュニケーション力、体力が求められます。国際線では高い語学力も必須です。

グランドスタッフになるには、航空会社などの求人に応募しなければなりません。JALやANAのグループ会社であれば、採用情報はグループのサイトで確認できます。外資系エアラインでは「外資系の航空会社の求人を探す」「派遣会社に登録して外資系エアラインの仕事に就く」などの方法があります。

学歴は、専門学校や短大卒でも挑戦可能ですが、高倍率の大手航空会社では大卒以上です。英検2級程度の力は最低限必要で、国際空港ではTOEIC700~800点以上のスタッフもいます。中国語や韓国語のスキルは、アジア路線のある空港で有利に。働き方は早朝~午後、午後~夜中のシフト制で、不規則な早朝深夜勤務もあります。

2運航管理者(ディスパッチャー)

学歴:大学、短大、専門学校
資格:就職後に国家資格を取得
勤め先:航空会社、旅客ハンドリング会社

運行管理者は、フライトプランの作成や気象状況の伝達を行い、パイロットを支える仕事です。

飛行機の重量や燃料の計算、気象情報を読みこなす数字の強さが必要です。就職してからも勉強が必要で、航空工学や関連する法律の知識を学びながら運航管理者技能検定(国家資格)合格を目指します。

大学(院)卒で理系の人が挑戦しやすい職種です。

パイロットのサポートを行うため、悪天候や緊急事態でも、安全を守り適切な連携を図れる即時の判断力が求められます。地上勤務ながらフライトを支えるプレッシャーが大きく、使命感や責任感、冷静さを保つ精神力が要る職種です。

3警備スタッフ(手荷物検査)

学歴:高専、専門学校卒以上
資格:入社後に適宜資格取得
勤め先:警備会社

積荷の検査を通じて、飛行機の安全を守る仕事です。

X線検査機や金属探知機を使用し、ボディチェックや手荷物検査を行う、一般にも広く知られているスタッフです。爆発物などが持ち込まれないよう、水際の危機管理を担う「番人」です。

航空会社ではなく警備会社に就職し、各地の空港や整備中の航空機、関連工場など幅広い現場で働きます。未経験でも応募可能で、日本の代表的な空港警備会社としてはJSSがあります。

4インフォメーション

学歴:大学、専門学校、短大
資格:TOEIC600点程度~
勤め先:空港運営会社

空港内のインフォメーションコーナーで、旅客への案内を行う仕事です。

館内放送や巡回、落とし物の管理など各種困り事の対応をします。そのため空港の設備や出入国の規則、周辺の主な観光地など、幅広い情報を頭に入れておく必要があります。

学歴は短大・専門学校以上で、英語力も求められます。国際線では旅客の質問に滞りなく対応できる、より高い語学力が必須です。正社員でなく契約社員での募集もあります。

5グランドハンドリング

学歴:高卒以上
資格:普通自動車免許
勤め先:グランドハンドリング会社、空港運営会社

グランドハンドリングは、滑走路で働く飛行機の誘導役です。

滑走路で飛行機に向かって大きく手を振り合図を出す誘導、搭乗用階段の着脱、荷物の積み下ろしなど、フライト直前・直後の業務を行います。

グランドハンドリング会社では前述のような作業を行ったり、清掃や整備も担当したりと仕事の範囲はそれぞれ異なります。自分が働きたい空港の求人内容をよく確認しましょう。

学歴のハードルは高卒以上と厳しくありませんが、悪天候でも屋外で働くため体力が必要な職種です。また、フォークリフトを運転することもあり、応募時には普通自動車免許は必須。入社後に免許や資格を取得し業務範囲を広げていきます。大型特殊自動車免許やけん引免許を持っていると、採用で有利になることも。

6ケータリングスタッフ

勤め先:ケータリング会社

機内食を取り扱う仕事です。

調理、機内への運搬と利用後の片付けや洗浄を行います。雑誌や免税品、医療器具を機内に運び込むのもケータリングスタッフの役目です。メニューの企画や食材の調達に関わることもあります。

7入国審査官・税関職員

学歴:大学、大学院
資格:国家公務員の受験資格を満たすこと
勤め先:法務省(入国審査官)、財務省(税関職員)

国際線が就航している空港に欠かせないのが、入国審査官や税関職員です。

入国審査官は法務省、税関職員は財務省の職員です。

入国審査官はパスポートやビザのチェックを行い、不正がないかを審査します。不法滞在者が嘘をついても見抜けるような観察力が必要です。国際指名手配犯の渡航を阻止することもあります。

税関職員は空港に持ち込まれた物品に麻薬や密輸商品が含まれないか、厳しく検査を行います。空港で麻薬探知犬を連れているのは税関職員です。国をまたいだ脱税が行われないよう、物品の税務処理や徴収も行います。

いずれも、関連法規や密輸の最新の手口などの情報を把握し、常に専門的な知識と経験を蓄積していくことが重要です。

コラム:空港にいる公務員と航空会社社員

空港には、飛行機を飛ばしている航空会社の社員以外にも、関連サービスの会社員や契約社員、出入国に関わる国家公務員がいます。多職種のスタッフが協力し、安全なフライトを支えています。

航空会社のスタッフは実はあまり多くなく、大手航空会社の制服を着たグランドスタッフが旅客ハンドリング会社の社員、ということも。航空会社の総合職では、基幹社員として経営に関わるルートがあり、空港では勤務しない場合があります。

就職後「空港で働きたかったのにオフィス勤務だった」とならないよう、地上勤務か、事務系か技術系なのか、同じ仕事でも会社によって名称が異なっていないか、詳細をよく確かめましょう

税関職員や入国審査官は国家公務員なので、民間企業や専門学校からの就職ルートはなく、大卒(院卒)で公務員試験を受験します。配属は空港以外にも国際港、本省や出向機関になることもあります。どうしても空港で働きたいなら、航空管制官やディスパッチャーを目指すべきかもしれません。

航空勤務

ここでは飛行機に関わって働く3職種をご紹介します。空港の仕事といえば、この3つを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

8航空管制官

学歴:大学、短大、高専
資格:視力、色覚、聴力の基準を満たす必要がある
勤め先:国土交通省

航空機の離着陸や、安全な運航のためにパイロットに指示をする地上のスタッフが、航空管制官です。

窓が大きく取られた管制塔から空を見渡し、飛行機の航路を整理する役目で、飛行機事故のニュースや、映画のワンシーンでもクローズアップされることの多い仕事です。

航空管制官も国家公務員なので、航空管制官採用試験に合格しなければ就職することができません。試験は適性試験や外国語試験、面接など3段階で実施されます。21歳~29歳まで受験可能で、合格すると航空保安大学校に入って8ヶ月の研修を受け、空港で働きます(在学中、給料がもらえます)。

空の状況を目視で確認したり、片耳のイヤホンでパイロットと会話しながらもう片方で管制塔の情報を把握したりすることから、視力・聴覚に基準があります。通話は原則英語で、聞き間違いを防ぐための世界共通の言い回しを覚え、仕事に臨みます。

9パイロット

学歴:航空大学校、大学、専門学校
資格:事業用操縦士
勤め先:航空会社、自衛隊

乗客の命を預かる、飛行機の操縦士です。

旅客機は機長と副操縦士の2人で操縦します。航空管制官と同様、身体検査も課されます。勉強と訓練、身体検査をパスして仕事を続けていく、厳しくもやりがいのある仕事です。

資格としては、国土交通大臣が認める操縦のライセンス(国家資格)と、無線従事者の2つが必要です。操縦のライセンスは自家用操縦士、事業用操縦士、定期運送用操縦士の3種類に分けられ、パイロットとして仕事をするには事業用操縦士以上の資格が必須になります。

それぞれのライセンスは受験難易度の低いものから段階的に取得していく必要があり、総飛行時間や年齢など受験条件も細かく定められています。

実際にパイロットになるルートは複数ありますが、航空大大学校、パイロット養成過程のある大学、航空学科のある専門学校に入学して事業用操縦士合格を目指し、航空会社パイロット訓練生の採用に備えるのが一般的です。航空大学校からの受験が、採用の可能性が高いといわれています。

学費は航空大学校(4年制の操縦科)で卒業までに2000万円程度となっています。航空会社の中途採用で、パイロットの未経験での挑戦は不可能です。パイロットに少しでも関心がある方は、挑戦できる方法について早めに調べておきましょう。

10CA(キャビンアテンダント)

学歴:大学、専門学校、高卒以上
資格:TOEIC600点~
勤め先:航空会社

機内での接客、危機管理を行う仕事です。

日本では女性の憧れの職業として人気ですが、募集条件上では女性限定ではなく、外資系エアラインでは数人に1人が男性CAの場合も。フライトに合わせた勤務時間となり体力が必要な職種ですが、産休や育休は取りやすく、復帰する社員も多いようです。

CAの場合、募集要項には明記されていませんが、身長は160cm程度以上ある人の採用が多くなっています

座席の頭上にある棚に荷物を出し入れしなければいけないため、必然的に背丈が必要になります。ジャンボ機が就航する会社や外資系は高め、国内線やアジア線はそれより少し低めでも採用が可能なことがあります。

学歴は専門学校以上ですが、国際線であれば当然英語力が求められます。国内線でも、外国からの旅客に対応するためには不可欠でしょう。TOEIC600点以上、ほかの外国語ができるなどのスキルはアピールポイントになります。

整備、貨物地区勤務

飛行機の安全を、旅客から見えないところで支えている仕事をご紹介します。

11航空整備士

学歴:大学、専門学校
勤め先:整備会社、航空会社(技術系総合職)、官公庁、航空機関連メーカー、その他

飛行機の機体を点検・修理し、フライトの安全を守ります。

着陸からフライトまでの短時間に行うライン整備と、格納庫で時間をかけて行うドック整備、工場で航空機の部品の点検・整備を行うショップ整備が主な仕事です。

一等/二等航空整備士、一等/二等航空運航整備士の国家資格が必要です。一等・二等の違いは扱える機体の大きさで、一等は大型のヘリコプター、二等は小型の飛行機やヘリコプターを整備できます。航空整備士は、航空運航整備士より幅広い業務を扱えます。

航空整備士になるには、就職実績のある専門学校で資格を取得し、航空会社に入るのが一般的。専門学校によって二等航空整備士、一等航空運航整備士など取得できる資格が異なります。一等航空整備士は4年以上の実務経験が必要なため、入社後の取得を目指します。

航空会社の技術職採用で整備士になるルートもありますが、受験資格として大学卒以上の学歴が必要になることも。また、職人として整備の仕事を続けるのではなく、後々基幹社員として経営や管理を行う可能性が高くなるでしょう。

12航空貨物スタッフ

資格:普通自動車
勤め先:日本貨物航空株式会社、グランドハンドリング会社

飛行機の貨物の運搬や計量を行い、無事に目的地まで届ける仕事です。

力仕事のイメージですが、リストとの照合や貨物の種類に合わせて梱包を変えるなど、細かいチェック能力も重要です。貨物の計量はフライトの安全に関わる重要事項。几帳面さと体力を兼ね備えている人が向いています。

新卒・既卒ともに募集があり、主な就職先は航空貨物専門の会社であるNCA(日本貨物航空)です。ほかにも、グランドハンドリング会社などで貨物を扱う求人もあります。

コラム:年収が高い空港の仕事

空港の仕事はおおむね体力と英語力、コミュニケーション力が必要なところは共通しているものの、学歴や資格は多種多様です。年収が高いのはどの職種なのでしょうか。

空港の仕事で収入が飛び抜けているのはパイロットで、年収2,000万円程度です。

大手航空会社勤務、機長昇進などの状況次第で、より高くなる可能性があります。乗客を運ぶ責任の重大さが、この報酬からもわかります。

ほかに国家公務員である航空管制官、入国審査官、税関職員などは、法律で給与が決まっています。年収600~700万円程度は目指せると考えていいでしょう。

CAは年収500万円前後で、(ほぼ)女性の職業としては、全体の平均(200万円台)を大きく超える収入です。仕事をこなせる体力があれば、女性にとってキャリアと収入UPを考えやすいという良さがあります。

他職種の給料は会社によりますが、大手航空会社であれば高く、子会社になるほど低くなる傾向にあります。また、同じ名前の職種でも正社員か契約社員かで、差が出てくるかもしれません。

まとめ

空港の仕事に就くのに必要なのは、心身の「タフさ」。同時に、人と接するのが好き、語学に長けているなどの適性も評価されます。

空港の仕事は、スキルを発揮し、より深い知識を身に付けていくことができる魅力的な仕事ばかりです。

この記事を活用して、転職活動の一歩を踏み出してみて下さい。

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