職種やメリット・デメリットを解説 在宅勤務とは?
通勤にストレスを感じている人や育児・介護と仕事の両立に悩んでいる人の中には、在宅勤務に興味を持っている人も多いのではないでしょうか。
また近年は、新型コロナウィルスなどの感染リスクを抑えながら事業の継続が可能な点や、優秀な人材の確保や雇用継続に繋がる点から、政府も在宅勤務を推進しており、導入する企業が増えています。
ここでは、在宅勤務が、主にどんな職種で採用されているのか、どんなメリットやデメリットがあるのかなどを解説します。
在宅勤務とは?
在宅勤務とは会社に出勤しない働き方
在宅勤務とは、基本的に会社員が出勤せず自宅で働く勤務形態です。正社員だけでなく、契約社員やパート・アルバイトが自宅で働く場合を指すこともあります。
フリーランスとして会社に雇用されずに自宅で業務委託の仕事を行う場合は「在宅勤務」と区別して「在宅ワーク」といわれることもあります。
勤務時間や勤務上のルールは会社や職種によって大きく変わり、まったく出社しないケースや必要に応じて時々出社するケースがあります。
在宅勤務のモデルケースには、以下のようなものがあります。
- 企業でライターとして働いていたが、出産を機に在宅勤務へと切り替え、月1~2回のミーティングがある日のみ出社している
- 地方在住だが、都内にある企業の契約社員として在宅でカスタマーサポートの仕事をしており、出社することがない
- 企業でデザイナーとして働き、週2回は出社し、週3回は在宅勤務をしている
一日の就業時間が決まっており、自宅のパソコンからウェブ上の勤怠システムで始業・終業時間を記録するケースなどがあります。
パソコンや専用ソフトなど、業務に必要なものを自前で用意する場合もあれば、企業が貸与してくれる場合もあります。
在宅勤務とテレワーク、リモートワークの違いは?
在宅勤務、テレワーク、リモートワークはほぼ同義で使われることが多いようですが、厳密にいえば働く場所の範囲に違いがあります。
テレワークは、パソコンやスマートフォンなどを使った、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のこと。会社員やアルバイト、フリーランス(個人事業主)などの雇用形態は関係なく、自宅やレンタルオフィス、カフェなど企業のオフィス以外の場所で働くこと全般を意味します。
リモートワークもテレワークと同じ意味です。そのほか、テレワークの一種として、モバイル端末を利用した働き方を「モバイルワーク」、サテライトオフィスを利用した働き方を「サテライトオフィスワーク」ともいいます。
在宅勤務も、出社せずに自宅で働くことを指すので、テレワークやリモートワークの一種といえます。
在宅勤務に多い職種は?仕事内容・給料も解説
在宅勤務に多い職種を、それぞれモデルケースを基にした働き方や給与額の目安とともに紹介します。
ITエンジニア
在宅勤務のITエンジニア(エンジニア、コーダー、プロジェクトマネージャーなど)の場合、基本的には出社し、業務内容に合わせて在宅で働くケースや、在宅のみで仕事をするケースがあります。
クリエイティブ職
在宅勤務のクリエイティブ職(デザイナー、ライターなど)は、ITエンジニアと同じく、基本的には出社し、業務内容に合わせて在宅で働くケースや、在宅のみで仕事をするケースがあります。
事務職
在宅勤務の事務職は、ほぼ出社する必要がなく、完全に在宅勤務のみのケースが多いようです。
他の部署とチャットツールなどでやりとりしたり、状況に応じてウェブ会議をしたりする場合もあります。
データ入力
在宅勤務のデータ入力は、在宅勤務のみのケースが多いようです。
そのため、出社するのが難しい他県の企業と雇用契約を結んだり、海外在住で日本の企業と雇用契約を結んだりするパターンもあります。
カスタマーサポート
在宅勤務のカスタマーサポートは、完全に在宅勤務のみのケースが多いようです。
こちらもデータ入力と同様、出社不要であることから遠方の企業に所属している場合もあります。
在宅勤務のメリット・デメリット
在宅勤務には以下のようなメリットやデメリットがあります。
在宅勤務のメリット
通勤の負担が軽減できる
ラッシュ時に満員電車で通勤する必要がないため、身体的・精神的な負担が少なくなることが期待できます。また、これまで通勤にあてていた時間を業務や趣味などに有効活用できます。
さらに、悪天候や事故などで交通機関が止まり、出社できなくなって業務全体に遅れが出るということもありません。
業務効率が上がる
会議や打ち合わせなどで作業が中断される心配がなく仕事に集中できるため、業務効率が上がります。
また、自宅で仕事をすることから、室温やBGMなどを自由に設定して自分が集中しやすい環境を整えることができるため、より仕事がはかどるようになります。
育児・介護と仕事を両立しやすい
子どもや介護が必要な家族のそばで仕事ができるので、育児・介護と仕事の両立がスムーズに進みます。
家族の急病や子どもの学級閉鎖といった予測が難しい事態が起きた場合でも、病院への付き添いや子どもの世話の合間に仕事を進めることができます。
どこに住んでいても同じ仕事ができる
在宅勤務で出社する必要がまったくない場合、どこでも自分の好きな場所に住みながら仕事ができます。
そのため、海外や遠方に引っ越した場合でも、退職せずに仕事が続けられるケースが多いようです。
在宅勤務のデメリット
仕事とプライベートの線引きが曖昧になる
在宅勤務により自宅が職場になることで、人によっては仕事とプライベートの切り替えが難しくなることもあります。仕事の進捗が気になってしまい、自宅にいても気が休まらない場合もあるようです。
逆に自宅にいることで家事や子どもの世話ばかりに気を取られてしまい、思うように仕事が進まない場合も珍しくありません。
時間管理が難しい
特に子育てや介護をしながら在宅勤務をする場合、子どもや介護が必要な家族にかかりきりになり、思うように仕事が進まないこともあります。そうなった場合に備えて、余裕を持ったスケジュールを組むことが必要です。
また、社内で仕事をしていればできるだけ残業をしないような呼びかけがある場合も多いですが、在宅勤務では仕事に集中しやすい人ほど没頭してしまい、労働時間が長くなりやすい傾向があります。
セキュリティ上の問題で仕事内容が限られる
在宅勤務は、社内で仕事をするのに比べて情報漏えいなどのリスクが高くなりやすいため、個人情報や会社の機密情報を扱う職種などはできない場合もあります。
また、在宅勤務に向いているといわれるITエンジニアやクリエイティブ職であっても、セキュリティ上の問題から作業方法が変更になったり、一部の業務ができなかったりすることもあります。
コミュニケーションが不足しがち
会社とは違って周りに上司や同僚がいないため、コミュニケーション不足により仕事の趣旨や進め方について誤解が生じる可能性もあります。
また、自宅にこもって一人で仕事をすることで誰かと会話する時間が極端に減り、孤独感を覚える人もいるようです。
コラム:在宅勤務でも子どもを保育園に入れられる?
在宅勤務でも子どもを保育園に入れることは可能です。
ただし、地域によっては出社する人や営業・配送業務など、外で働く保護者よりも優先度が低いとみなされ、子どもが待機児童になってしまうケースもあるようです。
その場合は、勤務形態に関係なく入園できる認可外保育園などの利用を検討するのも選択肢の一つです。
まとめ
在宅勤務は通勤のストレスがなく、子育てや介護と両立しやすい働き方ですが、一方で時間管理が難しく、仕事とプライベートのメリハリがつきにくくなることもあります。
在宅勤務の求人に応募する際は、自分の求める生活スタイルや仕事の進め方が在宅勤務に合っているかどうかを確認しましょう。
この記事の執筆者
「転職Hacks」編集部
株式会社クイック
株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。