費用・検査項目・診断結果の影響 転職で必要な健康診断書のすべて

【転職時の健康診断について】場所:多くの病院・クリニック、費用:5,000~1万円、所要時間:30分~2時間、診断書発行までの日数:1週間程度

転職活動では、内定や最終選考のタイミングで、健康診断書の提出を求められることが少なくありません。

この記事では、健康診断にかかる費用・時間・検査項目、健康診断書の提出が間に合わない場合の対処法、合否に与える影響など、健康診断に関するあらゆることを解説します。

厚生労働省発行のリーフレット「公正な採用選考を目指して」の9~10ページに採用と健康診断について記載がありますので、こちらも確認してみてください。

※参考:公正な採用選考を目指して|厚生労働省

3カ月以内であれば、前職の健康診断書を提出してもOK

健康診断書の有効期限は3カ月です。定期健康診断などを3カ月以内に受診している場合、その健康診断書を提出してもかまいません。

健康診断を受けた日から3カ月以上が経っていても、会社によっては「半年以内に受診したものであれば可」など独自の対応をしているところもあります。3カ月以上経っている場合は、会社の採用担当者に相談しましょう。再度健康診断が必要であれば、会社が手配してくれることもあります。

期限内でも、未検査の項目があれば要注意

有効期限内の健康診断書でも、検査項目に漏れがあれば受理されない可能性があります。

前回の受診で血液検査や胸部エックス線検査などをスキップした人は要注意。「Q.健康診断書に必要な項目は?」を参考に、手元にある健康診断書が11項目を満たしているかチェックしてみてください。

Q.健康診断を受診できる病院・かかる費用・時間は?

転職先から健康診断の案内がなかった方は、自分で手配する必要があります。

場所|多くの総合病院やクリニック

健康診断は多くの病院やクリニックで受診できます。

施設によっては完全予約制のところや、特定の曜日しか実施していないところ、そもそも健康診断を行っていないところもあるので、ホームページや電話で確認しておくのが無難。「雇入れ時の健康診断を受診したい」と伝えるとスムーズです。

費用|1万円程度

健康診断にかかる費用は5,000~1万円ほど。健康診断は健康保険の適用外のため、費用は病院によって異なります。明確な費用を確認したい方は、事前に問い合わせてみてください。

入社後に会社が精算してくれる可能性もあるので、念のため領収書をもらっておくようにしましょう。

所要時間|30分~2時間

所要時間は30分~2時間です。終了時間は混み具合によって変動するので、余裕を持ってスケジュールを立てるようにしてください。

Q.健康診断書に必要な検査項目は?

転職時に必要な健康診断は「雇入れ時健康診断」と呼ばれ、必要な検査項目は定期健康診断と同じ11項目。予約時に「雇入れ時の健康診断を受診したい」と伝えれば、これらすべての項目を受診できるので、自分で検査項目を選ぶ必要はありません。

手元に健康診断書がある方は、この11項目を満たしているか確認してみてください。

【受診が必要な11項目】1既往歴、業務歴の調査 2自覚症状及び他覚症状の有無の検査 3身長・体重・腹囲・視力・聴力 4胸部エックス線検査 5血圧 6貧血検査 7肝機能検査 8血中脂質検査 9血糖検査 10尿検査 11心電図検査

Q.診断書は何日後に受け取れる? 間に合わないときは?

健康診断の診断書を受け取るまでには、受診日から1週間ほどかかることもあります。予約から受診までにかかる日数や、診断書を会社に郵送する日数も頭に入れて、早めに受診するようにしましょう。

提出期限に間に合わない場合は、できるだけ早い段階で会社の採用担当者に提出日の目安を伝えましょう。「会社に悪印象を与えたくない…」という方は、診断書の即日・翌日発行に対応している病院を探して受診するのも手段のひとつです。

Q.健康診断書を紛失した… どうすればいい?

健康診断書を紛失してしまった場合は、受診した病院で再発行ができます。

費用は2000円前後で、本人が直接受け取りに行く必要があります。病院によっては再発行までに数日かかる場合もあるので、注意してください。

Q.診断結果が悪いと不採用になる可能性はある?

基本的に、健康診断の診断結果が採用の合否や配属先の判断に影響することはありません

会社が健康診断書の提出を求めるのは、労働安全衛生規則(第43条)で「事業者は、常時使用する労働者を雇い入れるときは、当該労働者に対し、医師による健康診断を行わなければならない」と定められているためです。

会社には従業員に健康診断を受診させる義務がありますが、診断結果を合否の判断材料にしようとしているわけではありません。仕事に大きな支障をきたさない限り、悪影響を及ぼすことはないでしょう。

もし「要再検査の結果を隠したい」「既往歴を知られたくない」と嘘の申告をしてしまった場合は、「虚偽申告」として解雇される可能性もあります。診断結果に不安があっても、正直に伝えてください。

まとめ

転職活動が終わっても、退職前は引き継ぎ準備や各種手続きでバタバタするものです。

提出期限の直前になってあわてることがないよう、余裕を持ったスケジュールで受診するようにしましょう。

この記事の監修者

社会保険労務士

三角 達郎

三角社会保険労務士事務所

1972年福岡県生まれ。東京外国語大学卒業。総合電気メーカーにて海外営業、ベンチャー企業にて事業推進を経験後、外資系企業で採用・教育・制度企画・労務などを経験。人事責任者として「働きがいのある企業」(Great Place to Work)に5年連続ランクインさせる。
現在は社会保険労務士として、約20年の人事キャリアで培った経験を活かして、スタートアップ企業や外資系企業の人事課題の達成から労務管理面まで、きめ細やかにサポートを行っている。
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