発行方法、費用を解説 転職時、健康診断書を求められたら?

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入社前に健康診断書の提出を求められた場合、どうすればいいかわからない方もいるのではないでしょうか。

ここでは、転職者の方に向けて、転職時における健康診断書の発行方法や、合否への影響についてわかりやすく説明します。

健康診断書の取得方法と注意点

転職活動中、内定が決まったタイミングで企業から健康診断書の提出を求められることがあります。前職の診断結果を使いまわせるのか、自己負担の場合はどこで受診すればいいのかなどについて説明します。

前職の診断結果は3ヶ月以内なら使用できる

健康診断書の有効期限は3ヶ月です。

前回の受診から3ヶ月以上経過していない場合は前職の診断結果を提出しても構いません。

ただし、企業によっては「半年前のものでも可」とする場合もあるため、前回の受診から3ヶ月以上経っている方はどうすべきか転職先の採用担当者に相談しましょう。

また、期限が切れている、そもそも健康診断を受けていない、健康診断書を紛失したなどの場合は、健康診断書の提出を求められた時点で転職先に相談しましょう。

場合によっては会社が健康診断を手配してくれたり、自分で受診することになっても「費用は負担するので領収書をもらってください」などの指示をもらえることがあります。

健康診断書は原本を提出する

コピー可の企業もありますが、健康診断書は基本的に原本を提出します。

3ヶ月以内に健康診断を受信しているにも関わらず診断書を紛失してしまった人は、医療機関に再発行を依頼すると良いでしょう。

※再発行手数料は医療機関により異なります。詳細は医療機関に確認してください。

最低限必要な11項目

「労働安全衛生規則(第43条)」では、雇入時健康診断において以下の11項目の検査を義務づけています。

前職の診断結果を使用する際は、これらを満たしているか確認しましょう。

【労働安全衛生規則で定められている受診項目】

  • 既往歴、業務歴の調査
  • 自覚症状や他覚症状の有無について問診
  • 身長・体重・腹囲、視力・聴力などの測定
  • 胸部エックス線検査
  • 血圧
  • 貧血検査
  • 肝機能検査
  • 血中脂質検査
  • 血糖検査
  • 尿検査
  • 心電図検査

※条件を満たせば省略できる項目もあります。詳しくは診断時に病院に確認してください。

近くの病院や検診センターで受診できる

雇入時健康診断(入社前の健康診断)は、近くの病院や検診センター、保健所、クリニックで受けられます。

会社から指定があった場合はその医療機関で受診しましょう。

自分で病院を探す場合は、全ての医療機関で雇入時健康診断を実施しているとは限らないため、事前に実施しているかどうかホームページや電話で確認する必要があります。

受診費用・所要時間・発行期間について

受診費用は5,000~1万円程度

一般的に費用は会社負担ですが、自己負担の場合は5,000~1万円程度かかります。

「費用は会社持ちか自分持ちか」については会社によってまちまちですが、法律上、通常は会社負担にすべきと考えられています。

また、雇入時健康診断が保険適用外であるため、費用は医療機関によってまちまちです。

所要時間は30分~2時間

健康診断の所要時間は30分~2時間程度です。

病院が混雑していたり、検査項目が多かったりすると3時間ほどかかる場合もあります。時間に余裕を持って受診しましょう。

発行期間は1~2週間程度

一般的に健康診断書の発行期間は1~2週間程度です。即日・翌日発行してくれる病院も地域によってはあります。

提出が遅れそうな場合は、採用担当者に提出可能な時期を伝えておきましょう。

健康診断の結果は採用に影響する?

「健康上の理由で不採用にされるのではないか?」と不安に思っている転職者の方もいるのではないでしょうか。

ここでは、健康診断の結果が合否に関わるかどうかについて説明します。

基本的には採用に関係ない

結論から言うと、健康診断の結果は基本的には採用の合否には影響しません

そもそも雇入時健康診断は採用選考時に行うことを義務づけたものではなく、あくまでも入社後の健康管理と適切な人員配置に役立てるためのものです。

つまり、診断結果は「採用の可否を決める判断材料」ではないため、それを理由に内定が取り消される可能性は低いといえるでしょう。

もちろん、持病による業務への影響をわかっていていながら隠して応募するのは好ましくありません。仮に就職できたとしても著しく業務に支障が生じれば「虚偽申告」として解雇される可能性があります。

また、最悪の場合、取り返しのつかない事故を起こしてしまう可能性も考えられます。

採用担当者に健康状態について尋ねられた際は、病気を隠さず、薬の服用などにより業務に支障のない働き方ができることをアピールしましょう。

入社前に健康診断を行うのはなぜ?

「労働安全衛生規則(第43条)」で「事業者は、常時使用する労働者を雇い入れるときは、当該労働者に対し、医師による健康診断を行わなければならない」と定められているためです。

入社前の健康診断は「雇入時健康診断」と呼ばれ、年に1度行う会社の健康診断とは区別されています。

健康診断の結果で不採用となるケース

内定が決まった後に不採用となる可能性は非常に低いですが、職種・業種によっては健康状態が採用基準のひとつである場合があります。例えば、以下のようなケースです。

ケース1:鉄道運転士やパイロット
…輸送業務を行うにあたって、事故につながりうる失神症状があると判断された場合

ケース2:食品系の会社
…製造過程で使用している食品でアレルギーを引き起こすと判断された場合

※これに加えて、症状の程度や薬の服用などによるコントロールが可能かなども考慮されます。

とはいえ、なかにはルールをわきまえず十分な説明なしに健康状態を把握しようとしたり、偏見で合否を決めたりする採用担当者もいます。

万が一、不当な扱いを受けた場合は弁護士や法務省の人権相談窓口に相談しましょう。

コラム:年1回の健康診断は企業の義務

入社後も、年1回健康診断を受けることになります。

なぜなら、「労働安全衛生法(第66条)」で「事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断(中略)を行わなければならない」として実施が義務づけられているためです。

そのため、転職のタイミングによっては年に2回健康診断を受けることもあれば、定期健康診断の日と入社日が近ければ兼ねたものとみなして年に1度だけ行うこともあります。

 

まとめ

最後に、転職時に必要な健康診断書についてQ&A形式でまとめます。

3ヶ月を過ぎたら絶対ダメ?

企業により判断が異なるため転職先に相談を

 

健康診断書を紛失してしまった

3ヶ月以内なら再発行、3ヶ月を過ぎていたら再受信

 

11個の基本項目を満たしていない

転職先に相談して改めて受診

 

自費で受ける場合、いくらかかる?

5,000~1万円

 

健康診断の所要時間は?

30分~2時間程度

 

診断書はどのくらいで発行される?

1~2週間程度

 

いつまでに提出すればいい?

入手次第、できるだけ早く

 

健康診断の結果は合否に関わる?

基本的には関係ない

 

手元に3ヶ月以内に発行された健康診断書がない場合、いったん転職先に相談してみるのがスムーズです。転職時の心配ごとを減らして新しい仕事に臨みましょう。

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