稼げる?昇給見込みは? 理学療法師の年収は31歳で◯◯万円

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この記事の概要まとめ画像。理学療法士の平均年収のは408.5万円(平均年齢32.9歳)。男性417万円・女性398.9万円(給与所得者全体の平均は432.2万円で平均年齢は46歳)※いずれも残業代などの各種手当や残業代を含む景気に影響されない医療職として、安定して働けるイメージの強い理学療法士。実際のところ、年収はどのくらいなのでしょうか。

「医療系資格職の中でどれだけ年収が高いの?」「年齢による昇給率は?」「年収アップする方法は?」など、気になるポイントについてもご紹介します。

理学療法士の平均年収ってどれくらい?

理学療法士とは?どんな仕事?

理学療法士(Physical Therapist=PT)は、国家資格を持つリハビリの専門職です。ケガや病気による後遺症や障害のある方が、基本的動作(座る、立つ、歩く)を回復できるよう運動やマッサージでリハビリをサポートします。

理学療法士と並ぶリハビリ専門職には、心身に障害がある人の生活動作(着替え、料理など)の回復をサポートする作業療法士(Occupational Therapist=OT)や、話す、聞く、食べることが困難な人にリハビリを行う言語聴覚士があります。
(Speech-language-hearing Therapist=ST)

理学療法士の平均年収は409万円(33歳)

理学療法士(作業療法士含む)の平均年収は、平均年齢32.9歳で約408.5万円です(残業代やボーナス含む)。男女別だと男性が417万円女性が398.9万円となっています。

※参考:厚生労働省『平成30年 賃金構造基本統計調査(職種・性、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額)』(e-Stat)
※平均年収の計算方法:「きまって支給する現金給与額」×12ヶ月+「年間賞与 その他特別給与額」

この金額は、給与所得者全体の平均年収432.2万円(平均年齢46歳)よりやや低め。これは理学療法者は平均年齢が若く、勤続年数が浅いことが原因でしょう。

その背景には、1999年の制度改革によって養成校が急増し、有資格者が急激に増えたことが影響しています。詳しくは後のコラム『将来的には理学療法士が飽和状態になるかも』をご覧ください。

また、理学療法士の年収は医師・看護師など他の医療・介護職の中でも平均よりやや低めです。

※データ引用元
・厚生労働省『平成30年 賃金構造基本統計調査(職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額)』(e-Stat)
・厚生労働省『平成29年 民間給与実態統計調査』
※平均年収の計算方法:「きまって支給する現金給与額」×12ヶ月+「年間賞与 その他特別給与額」

理学療法士の初年度の年収は280万円程度

理学療法士の初任給は、施設の種類や地域格差などにより多少の変動がありますが、男性が276.4万円、女性が285.5万円。初年度の年収は男性よりも女性の方が高い傾向があるようです。

また、この金額は残業代が含まれていないため、実際の平均年収はもう少し高くなると思われます。

※参考:厚生労働省『平成30年 賃金構造基本統計調査(職種・性、年齢階級、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額)』(e-Stat)
※平均年収の計算方法:「所定内給与額」×12ヶ月分+「年間賞与 その他特別給与額」(勤続0年)

理学療法士の平均年収の推移は?

理学療法士の平均年収の推移を、作業療法士と比較しながら見ていきます(このデータではボーナスが含まれていないため、実際の年収はもう少し高くなるでしょう)。

理学療法士は年功序列の傾向があり、年齢が上がるにつれ平均年収も比例して高くなる傾向があります。

よく似た国家資格である作業療法士と比べると、理学療法士の方がやや年収が高いようです。

また、理学療法士は国家資格となるため収入面での男女差はそれほど大きくないようです。

※参考:厚生労働省『平成30年 職種別民間給与実態調査(表7 職種別、年齢階層別平均支給額)』
※計算方法:「きまって支給する給与」×12ヶ月分

白衣の貸与など細かな福利厚生も年収に影響する

年収に影響するものはほかにもあります。転職の際は年収だけではなく各種の社会保険の整備や福利厚生の内容もチェックしましょう。

細かいことですが、衛生面や利用者へのイメージを考えると、白衣や靴は清潔なものを用意しなくてはいけません。クリーニングなどは長い目で見れば負担となるため、金銭の補助を確認をしておくのがベターです。

また、理学療法士にとって新しい技術や知識の学習や研修は不可欠です。事業主が講習会や研修への参加を公費出張として支援してくれることも、優れた待遇といえるでしょう。

施設別に見る年収の特徴

転職を考える際、どんな施設が有利なのでしょうか? 施設ごとの年収を比較して考えていきます。

理学療法士の年収の特徴「初任給が高いのは:私立。昇給率が高いのは:国公立」「学歴による待遇差はほぼナシ」「能力給に要注意」

国公立の施設は初任給が低いが、昇給率が高い。私立の施設は逆

理学療法士の就職先は、大半が医療施設です。

国・公立施設の初任給は私立の施設に比べて低く設定されていますが、のちの昇給率は高い傾向にあります。

これに対して私立の施設では、初任給は高めに設定されていますが、国・公立施設に比べて昇給率は低い傾向にあります。

個人経営の整形外科医院などは、年収が低めの傾向に。このことを考慮し長期的な視点で転職先を選ぶとよいでしょう。

また、理学療法士は平均年齢が32.9歳と若いことから、先輩が年下となりやすい40代以降の転職は、精神面でも負担が多くなるかもしれません。リハビリの仕事は体力面での負担が多いので、高年齢になると体力的に厳しくなるのも事実です。

とはいえ、どちらも本人のやる気とガッツ次第で乗り越えられるポイントでしょう。

学歴によって待遇面の差はほぼないが就職先の幅は広がる

理学療法士の国家試験を受験するためには、養成校で3年以上学ぶことが必要です。養成校には4年生大学、短期大学、専門学校などがあります。現状では、就職や転職の際に大卒、専門学校卒など学歴で区別されることは少ないようです。

ただし大卒の場合、大学病院や厚生年金病院、労災病院、市民病院など、公立の大きな病院への就職がやや有利になるケースが増えるようです。

採用時に年収が高くても能力給なら要注意

民間施設のなかには個人のキャリアに応じた能力給を導入するところも出てきています。この場合、採用時に高い年収が示されていても、毎年安定して昇給するとはかぎりません。基本給のほか、事業主の経営方針や過去の昇給例を確認しておけば安心です。

理学療法士の収入アップの道は?

基本的には、病院以外で働く選択肢はないと思われがちな理学療法士。年収アップさせるためにどんな方法があるのでしょうか? 具体例を探っていきます。

理学療法士の収入UPへの道「高い専門性を持つ」「海外で独立開業する」

高い専門性を持つことで有利な転職先につながる可能性が

医療現場の高度化、専門分化に伴い、理学療法士は深い知識が求められています。資格を取って終わりではなく、常に研究・勉強していく姿勢が必要です。

高齢化にともなう老人福祉施設や介護施設での求人のほか、教育機関やスポーツ・フィットネスなどの保健関係など、理学療法士への幅広いニーズに応じて働く場も増えています。

医療現場で働く場合は専門・認定理学療法士制度、介護施設で働く場合、介護支援専門員(通称、ケアマネージャー)、スポーツ分野であればスポーツ医学など働く分野に応じた専門資格が有利となる可能性があります。

また、体力負担を求められる理学療法士を一生続ける方法として、施設のマネジメント業務に関わる道もあります。その場合、リハビリ現場から離れることが多くなり、経理や経営など異なる分野の勉強が求められます。

アメリカでは能力次第で独立開業も可能

海外には、医師の指示や処方がなくても理学療法士が患者の診察を行える国があります。なかでも、アメリカは理学療法士の開業が法的に認められており、能力しだいでは独立開業も可能です。

ただし、その国に応じた資格取得、雇用形態や待遇は大きく異なりますので、事前に十分な情報取集が必要です。

コラム:将来的には理学療法士が飽和状態になるかも

理学療法士の有資格者数は年々増え続けています。
1965年に理学療法士の国家資格が制定されたものの、社会的な認知度や有資格者の数は極端に低い状況が続いていました。(有資格者総数:1968年721人、1978年2301人、1988年7987人)。

ところが、1999年の規制緩和により養成校が急増。ここ数年では年間1万人単位で有資格者が増加し、2019年3月末時点の有資格者の累計は17万人近くに。

その結果、2015年時点で理学療法士の年齢層は26~30 歳が最も多く、40 歳以下が約80%を占めるという状況にあります。

高齢化社会にともない理学療法士の活躍の場は広がっているといえますが、今のペースで有資格者が増えてくると、将来的には飽和状態になる可能性もあるでしょう。

※出典
理学療法士を取り巻く状況について
日本理学療法士協会(理学療法士国家試験合格者の推移)

まとめ

理学療法士の年収は、平均年齢33歳、平均408.5万円です。他の医療系資格職と比較すると必ずしも高収入とはいえないかもしれませんが、仕事へのやりがいを感じられる仕事です。

超高齢化社会の到来によって、医療だけではなく福祉の現場でも理学療法士が求められています。

一方、資格取得者が増えている状況から考えると、今後も一生続けるためには常に最新の医療情報の勉強など、スペシャリストとしての知識と経験が求められます。

リハビリの現場は体力面も求められることから、年齢を重ねた後は、管理職やマネジメント業務も視野に入れておくのもいいでしょう。

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