転職で失敗したくない… 絶対に後悔しないための転職術
「前の会社に不満を感じて転職したけど、いざ入社したら想像と違った」
「むしろ前の会社のほうがよかったかも」
転職は希望を叶えたりキャリアの幅を広げたりするのに有効な手段ですが、一方で転職して後悔する人も少なくありません。
この記事では、転職で後悔してしまうのはなぜか、後悔しないために何をすべきかを紹介します。
安易な転職は後悔のもと
転職して後悔する人の多くは「入ってみたら思っていたのと違った」と言います。入社前の説明と実態が全然違った場合は話が別ですが、多くの場合、事前確認が甘いことが原因です。
例えば次のポイントに心当たりはありませんか。
一つでも当てはまるものがある人は要注意。ついつい事前確認を疎かにしたまま、入社を決めてしまうリスクがあります。
もちろん、当てはまらない人も油断は禁物です。
転職して後悔する代表的な理由
転職して後悔する理由は人によりさまざまですが、いくつか代表例を紹介します。
仕事内容がイメージと違う
- 外資系企業だから、英語を使った仕事もできると思っていた
- 係長なのに、こんな仕事までやるとは思っていなかった
- 知人から薦められて未経験の仕事に挑戦したが、聞いた話と違った
- マネジメントに携われると聞いていたが、早くて1年後と言われた
- 求人票になかった仕事もやるように言われた
思い込みが原因で、イメージと実態との違いに悩む人はたくさんいます。
同じように見える仕事でも、企業によって業務内容が異なることはしばしば。また適性や状況などにより、業務内容が若干変わることも往々にしてあります。
給料が希望と違う
- 月収が下がった
- 年収アップしたと思ったが、住宅手当がなくなったので実質変わらない
- 出ると思っていたボーナスが業績悪化のせいで出ない
- 思ったより活躍できなくて、昇給しそうにない
基本給と賞与の内訳、手当の支給条件、実際に手元に入る合計金額…年収の詳しい内訳を把握しないまま入社を決め、後々ギャップに苦しむ人は多いです。
賞与や手当の制度は企業によってさまざまですが、前の会社と同じようなものと思い失敗してしまうケースなどは特によくありがちです。
残業が思ったよりも多い、休みがとれない
- 繁忙期と閑散期のギャップが想像以上に激しい
- 週2日休めると思っていたのに休めないことがある・全社の平均残業時間は月20時間でも配属部署は月60時間
残業時間の変動を想定していない、完全週休2日制(※1)と週休2日制(※2)の違いを知らないなどの理由から、転職後の働き方に不満を感じる人もたくさんいます。
特にありがちなのが「全社平均残業時間=入社後の残業時間」と思い込んでしまうケース。時期や職種によっては全社平均と実際の残業時間に差が生じてしまうため、注意が必要です。
(※1)完全週休2日制…毎週2日の休日があること
(※2)週休2日制…休みが2日ある週が月に1回以上あり、その月の他の週には1日以上の休みがあること
社風が合わない/人間関係が悪い
- 若い社員が多く、活気あふれる雰囲気に圧倒されている
- 成果を出してどんどん昇格したいが、そんな自分はなんとなく周囲から浮いている気がする
- チームで協力しながら目標を達成していきたいのに、個人プレイを好む人が多い
- 上司と反りが合わない
- しばしば口論が飛び交う環境が辛い
「条件最重視で転職したが、実は社風や人がものすごく重要だと入社後に気づいた」と頭を抱える人はたくさんいます。
意外かもしれませんが、社風のミスマッチは転職先が大きい企業であるほど起こりやすい事例。全体像を把握するのが難しく、知り得た部分的な情報からその会社のイメージを形成してしまいやすいためです。
その点、規模が小さい企業の方が実態が見えやすいといえます。
転職で後悔しないためには
前提:納得して転職することが大切
転職活動にあたって、最も大切なのは「納得」して入社すること。しっかりと情報収集し、入ろうとしている企業が今回の転職の目的に合っているか、希望を満たす企業なのかを吟味しましょう。
とにかく今の環境から脱したいからといって、勢いで転職先を決めてしまうのはNGです。
また過度な期待も後悔のもとです。希望が全部叶うと思って転職すると、ちょっとしたことで幻滅してしまうリスクが。どんな会社にも妥協すべき部分はあると割り切ったほうが、転職後にギャップに苦しまずに済みます。
転職で叶えたい希望に優先順位づけ
納得感をもって転職をするために、まずは転職で叶えたい希望に優先順位をつけましょう。絶対に叶えたい希望はどのラインまでかを考えておくと、迷った時に判断がしやすくなります。
希望を整理する際には、転職後をなるべく具体的にイメージすることが大切です。また時が経てば仕事の環境はもちろん、仕事以外の生活も変わります。優先順位をつけるにあたっては、数年後まで見通した上で希望を書き出してみるのがオススメです。
例: 32歳男性(既婚) 営業職の場合
一緒に暮らす家族がいる人は、家族の意見も確認しましょう。「残業時間は月10時間以下だけど、定期的に転勤が発生する働き方になったらどうか?」などと、具体的に話してみるとよいかもしれません。
今の会社を客観的に見直す
「転職すること」そのものに納得感をもつのも大切です。ある程度希望が整理できたら、今の会社を改めて見直してみましょう。
今の会社で希望を叶えるのは本当に難しいのか、叶えるためには何が必要なのか…
これらを考えることで「実は時間をかければ今の会社でも希望が叶う可能性がある」など新たな気付きが得られるかもしれません。
転職後に前の会社の良さに気づくケースは意外と多いもの。今いる会社を見直すことなく転職してしまうと、転職先で「前の会社のほうがよかった」と後悔するリスクがぐんと高まります。
実際、2015年頃には、元日立社員による「日立の方が遥かに良かった。なぜ辞めたんだろうか。(中略)つらい。」というツイートがネットで話題になりました。
転職先と今いる会社を同じ基準で比較すれば、より納得度の高い会社選びができるはずです。仮に今の会社が転職先候補のひとつだった場合、100点満点中何点くらいか、なぜその点数をつけたのかを考えてみるのもオススメです。
応募先の情報は見えにくい部分までリサーチ
求人に応募する際には、年収や仕事内容、労働条件など見てわかりやすいものだけでなく、その企業の社風やビジョン、どんな人が活躍しているのかなど見えにくい部分にも注目しましょう。
双方の観点から総合的に考えることで、転職後のミスマッチは防ぎやすくなります。
複数の企業を比較
複数の企業を比較すれば、より納得感が得られやすくなります。どんなに希望が明確であっても、他と比較することで新たに見えてくるものは多いです。それまで自覚していなかったこだわりに気づいたり、その企業に決めてよいのか客観的に判断する材料になったりします。
第三者に意見をもらう
より納得度を高めるためには、第三者に意見をもらうのが有効です。相談相手に次の3点を伝えた上で、どのように感じたか意見を聞いてみましょう。
聞いてもらった後に質問してもらうのも効果的です。
誰かに説明することで改めて整理ができますし、意見をもらうことでより客観的に考えやすくなります。
とはいえ、もちろん他者の意見はあくまで参考情報。最後は自分の意思で納得感のある決断をするのが大切です。
コラム:転職で後悔してしまった場合は
転職で後悔してしまった場合、転職先の関係者に相談して状況を改善してもらう、再度転職する、前職に戻るなどの方法があります。
もちろん、ベストは転職先の状況を改善することです。短期間での再転職や前職への出戻りにはリスクが伴います。
ただし、なかなか改善が見込めない場合は、どうするのが最適かを検討しましょう。具体的な検討方法や動き方はこちらで紹介しています。
まとめ
転職活動にあたって最も大切なのは「納得」して入社すること。転職は希望を叶えたりキャリアの幅を広げたりするのに有効ですが、一方で生活に大きくインパクトを与えます。
その場の感情や周囲に流されて安易に転職すると後悔するリスクがあるので、くれぐれも慎重に判断しましょう。
迷ったら、3年はそこで働く覚悟ができているのか自問自答してみることをオススメします。