保証人は誰に頼む?書き方は? 入社時に提出する身元保証書とは
入社時に提出を求められる身元保証書とは、どういった書類なのでしょうか?
この記事では、身元保証書の概要と書き方、身元保証人の選び方など「これだけ読めば提出できる」情報をご紹介します。
身元保証書とは?
身元保証書とは、入社時に提出する一般的な書類の一つ。両親や親族といった身元保証人に署名してもらい、下記の2つのことを保証してもらうための書類です。
- 入社する本人が、社会人としてふさわしい人物であること
- 会社に損失を与えた場合、損害賠償を本人とともに負うこと
損害賠償を負う、と聞くと身構えてしまいますが、実際に本人や保証人が損害賠償を請求されることはほぼありません。単なる人物保証のための書類として提出が求められるケースが大半です。
身元保証人は、誰に頼めばいい?
身元保証書に署名してもらう身元保証人は、一般的に下記の4つの条件に当てはまる人とされています。条件に合致する人に、直筆で署名してもらうようにしましょう。
- 仕事をしている
- 収入がある
- 成人している
- 犯罪者ではない
※法的な基準がないため、企業によって条件が異なります。
両親・配偶者が一般的
身元保証人として最も一般的なのは、両親・配偶者です。
ただし、年金受給者や専業主婦・主夫など、仕事をしていない人は身元保証人になれません。また配偶者は、働いていて収入があっても、企業から「本人とは生計が異なる」ことが条件にされている場合、身元保証人になれないため注意してください。
その他、身元保証人になれる人
両親・配偶者以外でも、4つの条件を満たしていれば身元保証人になることができます。
兄弟・姉妹、祖父母をはじめとした親族や友人など、身元保証人になれる人と記載する続柄は、下記の通りです。
頼める人がいない場合は、どうする?
両親が亡くなっている場合や、連絡を取れる親族がいない場合など、身元保証人を頼める人がいないときは早めに会社に相談しましょう。
「身元保証会社を利用すればOK」「友人1人に署名してもらえばいい」など、会社側が柔軟に対応してくれる可能性があります。
【注意】代筆NGなので、郵送にかかる時間も計算しておく
身元保証書の保証人欄は、保証人に直筆で記入してもらう必要があります。そのため、保証人が遠方に住んでいる場合、書類の郵送にかかる時間も計算しておく必要があります。
もし提出期限に間に合いそうにない場合は、必ず提出先の会社に連絡しましょう。提出予定日がいつ頃になりそうか伝え、提出が遅れても大丈夫かどうか指示を仰いてください。
身元保証書の書き方
身元保証書の書き方を、本人が記入する欄・身元保証人が記入する欄に分けて紹介します。
保証書のフォーマットはあくまで一例なので、実際の書類も確認しながら記入していきましょう。
本人が記入する欄
本人が記入する欄は、4箇所です。日付の年号は西暦・和暦どちらでも構いませんが、身元保証書内やほかの提出書類と統一しましょう。
1)日付 | 身元保証書を提出する日付、または入社日を記入。 |
2)本人の現住所 | 履歴書などで書いた現住所を記入。 |
3)本人の氏名・印鑑 | 印鑑は認印でOK(実印じゃなくてOK)。
※ただし、シャチハタなどのネーム印(朱肉を使わない印鑑)や、家族と同じ印鑑はNG。 |
4)生年月日 | 西暦・和暦は、ほかの日付と統一する。 |
身元保証人が記入する欄
身元保証人が記入する欄は、3箇所です。2人分の記入スペースが用意されていることが多いので、上の方から1人ずつ情報を記入します。
1)現住所 | 現在住んでいる住所を記入。 |
2)身元保証人の氏名・印鑑 | 印鑑は認印でOK(実印じゃなくてOK)。
※ただし、シャチハタなどのネーム印(朱肉を使わない印鑑)や、家族で同じ印鑑を使いまわすのはNG。 |
3)本人との続柄 | 身元保証書を提出する「本人」から見た続柄を記入(※)。 |
※続柄の書き方は「保証人は、誰に頼めばいい?」の表を参照してください。
コラム:職業欄がある場合の書き方
身元保証人の記入欄のひとつに、職業欄があるケースもあります。この場合は、保証人となる人が何で生計を立てているかを記入しましょう。
基本的には、下記のうち当てはまるものを記入するのが一般的です。
〈一般的な職業欄の記入例〉
会社員、会社役員、自営業、パート
身元保証書に関する、よくある疑問
ここでは、身元保証書に関するよくある疑問にお答えします。
Q. 提出を拒否すると、どうなる?
A. 採用が取り消しになる可能性がある
就業規則に「身元保証書を提出しない場合、採用を認めない」といった記載がある場合、提出を拒否することで採用が取り消される可能性があります。
過去には身元保証書の提出を拒否した労働者が、そのことを理由に解雇された事例がありました(平成11年 シティズ事件)。
身元保証書は一般的な書類のひとつなので、どうしても提出できない事情がある場合を除き提出するようにしましょう。
Q. アルバイトやパートでも、提出するのは普通?
A. 求められた場合は、提出するのがベター
アルバイト・パートとして採用される場合でも、会社から求められたら身元保証書は提出するのがベター。前述の通り、身元保証書の提出が採用条件になっている場合、提出を拒否すると採用取り消しになる可能性があります。
近年、アルバイト・パート従業員による勤務中の不適切な行動がSNSで炎上する事態も増えており、リスク回避のために身元保証書の提出を義務付けるケースもあるようです。
Q. 保証人の印鑑証明書を求められたのですが…
A. 求められた場合は、提出しましょう
身元保証書とあわせて印鑑証明書を求められた場合は、身元保証書に実印を押してもらった上で、印鑑証明書も添付してもらうよう保証人に頼みましょう。印鑑証明書は役所で発行してもらう必要があるので、スケジュールには余裕を持たせてください。
なお、印鑑証明書は「保証人が架空の人物ではないか(提出者が偽造したものではないか)を確認するため」に提出を求められるようです。
悪用を心配されることがあるかもしれませんが、印鑑証明書だけでは本人証明などの効力がないため、悪用は難しいと言えます。提出に難色を示された場合は、こうした事情も説明するといいでしょう。
その他の入社書類の概要・書き方は?
身元保証書と同じタイミングで提出することが多い書類について、下記の記事で解説しています。
各書類で何をすべきか、チェックリスト形式でまとめてありますので、参考にしてみてください。