業界・職種と攻略方法を紹介 顔採用って本当にあるの?
説明会でかっこいい先輩社員を見た時や面接で可愛い子ばかりが質問を受けていた時、「この企業は顔採用をしているのではないか?」とつい気になってしまうものです。
果たして顔採用は実際に行われているのでしょうか? 顔採用が行われているとされる職種と攻略するポイントもあわせて紹介します。
顔採用って実際行われているの?
顔採用は実際に行われているのでしょうか?
顔採用は「ない」とは言えない
顔採用を行っている企業は「ない」とは言えません。
なぜなら、職種・業界によっては容姿を採用の判断材料のひとつにすることがあるからです。
しかし、企業は能力やスキルなどを全く考慮せず顔だけで採用を決めることはなく、「見た目の良さ」以上に髪型や服装の清潔感、笑顔や姿勢など、採用担当者に与える印象が大切でしょう。
詳しくは「顔採用の選考を攻略するには?」で解説します。
そもそも顔採用とは?
顔採用という言葉は、一般的に以下の2つの意味で捉えられています。
- 内面や能力を見ずに容姿だけで採用を決定すること
- 容姿を採用の判断材料の1つにすること
(1)のような顔採用を行っている企業はないでしょう。もし能力やスキルを見ずに容姿だけで採用した場合、適性の不一致などから業務に支障が出てしまいかねません。
一方、(2)のように、能力に加えて容姿の良さも選考の判断材料となっている業界・職種はあります。例えば、美容業界で働く美容部員やアパレル業界で働くショップ店員の場合は、容姿が商品のイメージに直結します。
こうした職種では、学歴や能力が同じくらいの候補者がいた場合、容姿の良い方を採用するということもあるかもしれません。こうした意味で、顔採用は全く行われていないとは言い切れないのです。
面接で顔採用が行われやすい業界・職種は?
選考基準に容姿の良さが含まれると考えられる業界には以下のようなものがあります。
- 美容業界
- ファッション/アパレル業界
- 航空業界
- ブライダル業界
- マスコミ/テレビ業界
- 広告業界
美容業界
美容業界の中でも、例えば化粧品を販売する美容部員は、実際に商品を使用しているので存在自体が化粧品メーカーの広告塔の役割を果たします。
コミュニケーション力やメイクアップの技術も必要ですが、消費者に「この商品を使えばこんなに綺麗になれるんだ!」と思ってもらうためにも、美容業界の企業の就活では、顔のパーツや肌の綺麗さなどの容姿の良さも重要になってくるでしょう。
ファッション/アパレル業界
アパレル業界において、例えばアパレルショップ店員は、ひと目見ただけで真似したいと思えるようなファッションセンスを持っているかはもちろん、あこがれの対象となるような顔立ちをしているかも重要です。
また、そのブランドのイメージに沿うヘアスタイルや体型であることも求められるでしょう。
航空業界
航空業界の客室乗務員は旅行客をもてなす仕事のため、美しい容姿が求められます。
現在の募集要項には明記されていませんが、頭上の棚に荷物を出し入れするために身長は160cm前後必要とされており、狭い機内を動き回らなければならないのでスリムな体型でないと業務が難しいと判断されるでしょう。
また、地上でカウンター業務を行う空港グランドスタッフは、空港に来た旅行客を最初に迎える存在で、航空会社のイメージを左右します。旅行という非日常で特別な雰囲気を演出するという意味でも、応募者には容姿の良さが求められます。
ブライダル業界
結婚式という人生の一大イベントを担うブライダル業界。中でも結婚式を取り仕切るウエディングプランナーは、新郎新婦が「この人になら任せられる」と思えるような信頼感があるかに加え、結婚式の雰囲気に合った華やかさを持っているかも重視されます。
式場のイメージにもつながるので、容姿の良さも採用の判断基準のひとつとなります。
マスコミ/テレビ業界
人前に出る職種も多いマスコミ/テレビ業界。中でもテレビ局の顔となるアナウンサーは、時事問題に詳しいことや原稿を正確に読む力に加え、多くの視聴者に親しみを持ってもらうためにも容姿が良いことが選考の基準のひとつになっています。
特に女子アナウンサーは、大学のミスコン出身者が多いことでも有名です。
広告業界
広告業界は、もともと華やかなイメージを持つ業界であることに加え、いかに大口の広告を獲得できるかが、売上に大きく影響します。
例えば営業職では、顔立ちの良さが顧客の好印象につながり、結果として営業成績にも影響があるという考えから、選考で容姿を重視する企業もあるようです。そのため、容姿も判断基準の一つとしている可能性があります。
全業界共通…受付担当
企業の受付担当は、社外の人を最初に迎える立場にあり、会社の印象を左右します。
そのため、特定の業界にかかわらず全業界に共通して、美しい立ち居振る舞いや正しい言葉遣いができるかはもちろん、容姿の良さもポイントになります。
中には化粧直しを一日に何度もする人もいるほど、見た目には気を使わなければならないようです。
これらの業界や職種では、容姿の良さが商品やブランド、サービスのイメージに影響するため、容姿も採用の判断材料のひとつとされています。
コラム:顔採用を公言している企業がある!?
主に化粧品などを取り扱う伊勢半グループが「顔採用」を行うとして、話題になりました。
顔採用と言っても、もちろん、ただ顔(容姿)の良し悪しで採用を判断するのではありません。「就活メイクにしばられない、自分らしいメイクで面接に来てもらう」というユニークな採用キャンペーンです。
「新しいものを作る」などクリエイティブな人材を求める企業では、伊勢半のように、これまでの型にはまった就活スタイルではなく、自分らしさや個性を重視する採用も増えているようです。
これって顔採用?実は思い過ごしかも
容姿の良さが選考基準に含まれている可能性を考えると、就活中に「この企業は顔採用をしているのではないか?」と感じる場面があるかもしれません。しかし、それは考え過ぎや被害妄想であることも少なくありません。
ケース1:先輩社員が美男美女ばかり
- 説明会に登壇している先輩がかっこいい
- 新卒採用ページに掲載されている社員が美男美女
企業説明会は、企業にとって就活生に自社をアピールする大事な場面です。会社のイメージアップのため、容姿の良い社員を選んで登壇させていることがあります。説明会に出てくる先輩社員が美男美女ばかりだからといって、顔採用をしているかどうかとは関係ありません。
また、就活生からすると生き生きと働く社会人は輝いて見えるものです。スーツを着て堂々と話をしている姿がかっこいいと感じているだけかもしれません。
ケース2:企業名で検索すると社員が美人ばかりという記事が出てくる
- 企業名で検索すると、「〇〇株式会社の社員は美女だと話題!」という記事が出てくる
- 自分の志望企業が「イケメンが多いと噂」とテレビで取り上げられていた
美男美女の社員がテレビ番組などで取り上げられ、それがネットで話題になっているだけかもしれません。
実際、ルックスの良い社員がいる会社としてテレビ番組で取り上げられた結果、顔採用をしているとネット上で噂されている企業もあります。しかし、社内に美男美女が多い=顔採用をしていると結びつけ、選考を受けるかどうかを決めるのは少々危険です。不確かな情報に振り回されないようにしましょう。
ケース3:説明会や面接で容姿の良い学生ばかり注目される
- 説明会の質問で手を上げたが、容姿の良い学生ばかり当てられる
- グループ面接でほかの学生ばかり質問される
偶然当たった学生の容姿が良かっただけかもしれません。例えば、人事担当者が事前に「あの座席に座る学生に当てよう」などと決めていた可能性もあるので気にしすぎないようにしましょう。
面接時に自分にだけ質問をされなかったのは、他の学生を気に入って質問をしているわけではなく、回答が十分でなかったため面接官がさらに質問を重ねている可能性もあります。時間内に言いたいことが言えたと自信を持ちましょう。
ケース4:面接時に深く語れる質問をしてこない
- 面接で深く語れる質問をしてこない
- 簡単な質問ばかりで外見だけしかみていないような気がする
1次面接など選考の早い段階では、社会人としてふさわしい立ち居振る舞いや言葉遣いができているかを中心にチェックしている可能性があります。企業側は限られた時間で多くの学生を評価しなければならないからです。通り一遍の質問しかされないからといって、顔立ちなど表面的な部分だけを見られているわけではありません。
顔採用の選考を攻略するには?
容姿が判断材料になる可能性がある業界や職種でもあきらめる必要はありません。ここでは、容姿重視の選考の対策として、顔立ち以外の部分に気を配ることで採用の可能性を上げる方法を紹介します。
まず意識すべきなのは「社会人としてふさわしい清潔感」
容姿重視の採用の対策として、まず社会人としてふさわしい清潔感を意識しましょう。
容姿重視といっても、顔のパーツが整っていることやスタイルがいいことだけではなく、面接で実際に会った際、会社の顔にふさわしい清潔感があるか、良い印象を与えられるかも採用の決め手になります。
最低限の心がけとして、必ずワイシャツにはアイロンをかけ、靴はきれいに磨きましょう。面接の際、この2つを面倒がらずにきちんとできているかで印象が変わります。
社会人としてふさわしい清潔感を意識しつつ、より良い第一印象を与えるためには大きく分けて以下の4つに気を配るといいでしょう。
顔と髪型
顔や髪型はまず注目されるポイントですが、少しの工夫で印象をアップすることができます。
男性はひげの剃り残しに注意し髪型は爽やかさを意識
ひげは剃り残しの無いようにし、眉毛を整えるとより一層すっきりとした印象になるでしょう。髪型は、前髪で眉毛が隠れない長さにし、もみあげや襟足は短く切りそろえましょう。もみあげと襟足を刈り上げたツーブロックは、爽やかでこなれた印象を与えます。
女性は顔の輪郭がわかる髪型とパーツの印象を強めるメイクがおすすめ
前髪は眉毛が見えるように横に流すのが一般的ですが、おでこが見えるように前髪まですべて後ろでまとめると、顔の輪郭が出てすっきりとした印象を与えます。
就活メイクはパーツの印象を強めることを意識しましょう。眉毛は、眉マスカラなどを使って髪色より1トーン明るい色で整えるのがオススメです。
また、アイライナーで上瞼を目のキワまで埋めるようなメイクは目元の印象を強めます。リップは落ち着いたベージュやオレンジ系よりもピンク・レッド系のほうが華やかな印象になり、グロスより口紅のようなマットなものが落ちにくくていいでしょう。
スーツとアクセサリー
スーツとアクセサリーでも採用担当者の記憶に残りやすい華やかな印象を与えることができます。
人と違ったスーツやメガネで個性的な印象を与える
男性のスーツは黒や濃紺が無難ですが、華やかさを出したいときは、色の濃いグレーがおすすめです。ネクタイはネイビー系とボルドー系のどちらもよく合います。
普段メガネをかけている人は、丸みのあるオーバル型やボストン型といった普段と異なるおしゃれなものに変えると、個性的なイメージを与えることもできます。
スーツは垢抜けた着こなしでアクセサリーは業界のイメージに合うものを身につける
女性のスーツのスカート丈は、長すぎると野暮ったい印象になるので気をつけましょう。ワイシャツは首元が開いた開襟タイプのほうが、すっきりとした印象になります。
アクセサリーは一般的には着けないのがベターですが、業種によってはピアスやイヤリング、ネックレスをワンポイントとして身に着けてもいいでしょう。アクセサリーを着ける場合は、企業のイメージに合っているかも見られる可能性があるので、ホームページなどで企業の雰囲気をチェックしましょう。
目線と笑顔
目線を上げて採用担当者の目をしっかりと見ること、どんなときも笑顔でいることの2点を意識しましょう。
自信がないと伏し目がちになり暗い印象を与えてしまいます。相手の目を見て笑顔で受け答えすることを心がけるだけで、印象はアップします。
姿勢
顔立ちに自信がないと猫背になってしまいがちですが、採用担当者に堂々として信頼感のある印象を与えるためにも、背筋を伸ばして良い姿勢をキープしましょう。
立っているときは、頭のてっぺんを紐で吊るされているようなイメージを意識するといいでしょう。座っているときは紐で吊るされているようなイメージに加えて、腰骨を立てることを意識するとよい姿勢を保つことができます。
まとめ
職種や業界によっては、能力に加えて容姿も判断材料とされる意味での顔採用はあると言えます。就職活動をしていると、さまざま場面で「この企業は顔採用をしているのではないか?」と感じることもあるかもしれませんが、気にしすぎないようにしましょう。
気をつけるべきことは、社会人としてふさわしい清潔感と身だしなみ、表情や姿勢です。これらを意識するだけでも印象は良くなり、容姿を重視する選考でも採用の可能性を高めることができます。