夏・冬それぞれ紹介 新入社員のボーナス平均は?いつからもらえる?

会社員にとって、夏と冬のボーナスは大きな楽しみ。新入社員の場合は平均でどれくらいもらえるのでしょうか。

新入社員のボーナスについて、さまざまな疑問にお答えします。

新入社員のボーナスは夏と冬で平均いくら?

ボーナスの有無や支給額は法律による定めがなく、企業ごとに決められています

ある程度の在籍期間や一定の条件を満たす必要があったり、業績に応じて変動したりするのが一般的です。

夏は7~9万円程度か「なし」

新入社員の夏のボーナスの平均は大卒でで9万6,732円、高卒で7万9,909円産労総合研究所「2023年度決定初任給調査」)。

また、新入社員に対して「何らかの夏季賞与を支給する」と答えた企業は86.1%で、「多少なりとも、もらえるのが一般的」のようです。

ボーナスは基本的に半年間などの査定期間をもとに支給額が決まります。

そのため、多くの企業で夏のボーナスが支給される6月時点で、まだ入社して2カ月程度の新入社員は、査定期間が足らず支給基準を満たしていません。

よって、夏のボーナスは「寸志」という形で数万円程度とする企業が多いのです。

また、夏のボーナスは「なし」で、冬が初回のボーナスとなる場合も。入社して最初の3~6カ月は試用期間であることが多いため、査定に関わる評価は本採用となってからスタートとなります。

冬は多くて月給2カ月分程度

ボーナスが年2回、月給4カ月分の企業であれば、新入社員の冬のボーナスは月給2カ月分程度

例えば月給が20万円だとすると、ボーナスは額面40万円程度、手取りは32万円程度。経営が安定しており、業績も順調であれば、最大でそのくらいになるとイメージしても良いでしょう。

新入社員が本採用となり、社内規定の定める通り問題なく勤務していれば、冬のボーナスは夏より多い、または満額支給になる可能性があります。

新入社員のボーナスの平均とは

新入社員のボーナスは、年間平均でどのくらいなのでしょうか?

新入社員のボーナスの平均額は2万6,700円

大学卒の新入社員(正社員)のボーナスは年間で平均2万6,700円

この数字はボーナスなしの企業も含まれているため、ボーナスをもらっている人のみを平均した場合はもっと高い額になるでしょう。

入社2年目以降(勤続1年以上)になると62万円台となっており、数カ月分のボーナスをもらっている人が増えていることがわかります。

※参考→令和5年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

ボーナスの手取りは約8割

ボーナスも通常の給与と同様、社会保険料や税金が控除されるため、手取りはおおむね2割程度減額されます

例えば、新卒1年目でボーナスの総支給額(額面)が40万円の場合、手取りは約32万円。詳しい計算式は以下の通りです。

<ボーナスの手取り金額計算式:40万円の場合>

  • ボーナス額面=40万円(月給20万円×2カ月)
  • 東京都在住、扶養家族なし(一人暮らし)
  • 協会けんぽに加入 【令和5年 夏季賞与支給状況ランキング"ボーナスが多い業界<1位/2位/3位/4位/5位>電気・ガス業/74万5,209円|情報通信業/70万8,645円|学術研究等/69万847円|金融業,保険業/66万7,956円|不動産・物品賃貸業/65万6,400円

※参考→ボーナスにも税金ってかかるの?手取り金額の計算方法も紹介

新入社員の夏のボーナスは「寸志」で数万円程度。手取り額はかなり少ないため、高額なカード支払いなどのあてにしてしまうのは少々危険かもしれません。

新卒公務員のボーナスは年間約54.9万円

公務員のボーナスは法律で決められており、年間で月額給与の4.5カ分(令和6年)。

この数字から、新卒地方公務員では約54.9万円と推測されます。詳しい計算式を見てみましょう。

〈新卒公務員の年間ボーナス計算式〉

新卒地方公務員(一般行政職)の年間ボーナスを単純計算すると、以下のような計算式になります。

新卒公務員の平均月額給与×月額給与の◯カ月分

=18万7,686円×4.5カ月分

=84万4,587円(夏冬それぞれ約42万円ずつ)

ただし新卒公務員の場合、夏のボーナスは4月からの在籍期間が3カ月未満となるため、3割しか支給されません(人事院による定め)。

よって計算式は以下の通りです。

夏のボーナスの3割+冬のボーナス

=(84万4,587円÷2)×0.3+(84万4,587円÷2)

=42万2,293円×0.3+42万2,293円

=12万6,688円+42万2,293円

54万8,981

以上のことから、新卒公務員のボーナス平均は年間で約54.9万円と推測できます。

公務員のボーナスは民間企業とかい離しないように人事院が勧告し、給与法の改定を促します。

民間企業とは違って業績に左右されないため、毎回安定した金額が期待できる一方、年功序列の傾向が強いため、成果を上げてもボーナスが増えることはないようです。

コラム:ボーナスが多い業界・少ない業界

ボーナスが多い業界・少ない業界それぞれ5つと、その平均額は以下の通り。

業界によってボーナスの金額に大きな違いがあることがわかります。

【計算例/ボーナス40万円のときの手取り金額は?/】ボーナス額面/400,000円|ボーナス源泉徴収税/13,928円|社会保険合計/58,960円|▶健康保険料/19,960円|▶厚生年金保険料/36,600円|▶雇用保険料/2,400円|/⇓/ボーナスー(社会保険料+ボーナスの源泉徴収税)=|ボーナスの手取り額/327,112円

※参考→毎月勤労統計調査_令和5年夏季賞与の支給状況(事業所規模5人以上の会社を対象)|厚生労働省

インフラ・通信関連は比較的ボーナスが多く、飲食や小売業などは少ないという結果になりました。

医療・福祉については専門職が多いため、ボーナスよりも通常の給与や手当が高いと考えられます。

新入社員のボーナスQ&A

新入社員のボーナスに関するQ&Aを2つ、紹介します。

ボーナスは支給されないこともある?

あります。

会社の業績が悪化した場合、ボーナスの支給額が減額されたり、全く支給されなかったりというケースも少なくありません。

民間企業のボーナスの有無は、法律で定められているものではなく、あくまでも企業が自由に決定できます。

また、そもそもボーナスの制度がない企業も存在し、その場合は同業他社に比べて基本給が高く設定されていることが多いようです。

Z世代のボーナスの使い道は?

ボーナスの使い道に関する調査では、全世代での1位は「貯蓄・資産形成」で、74.9%が貯蓄・資産形成に回すと回答。次いで、「生活費の補てん」「国内旅行(宿泊あり」「買い物」と続きます。2023年の夏は物価上昇の影響を受け、新型コロナウイルス感染の影響を受けた前年に続き、ボーナスを「生活費の補てん」に回すと回答した人も多いようです。子育て世代では3位に「教育費の補てん」がランクインしています。

20代で「貯蓄・資産形成」と答えた割合は79.1%と全体より高い結果となっています。これは経済状況が不安定な中で育ったためか、堅実な消費スタイル・貯蓄志向を持った人が多いとも考えられます。

20世代のボーナスの使い道に関する複数の調査では、圧倒的に多いのが「貯蓄・資産形成」で8割近くを占めます。次いで全世代で国内旅行や買い物など、ちょっとしたご褒美としての使い方も目立ちますが、物価上昇の影響を受け、2023年夏は前年に引き続き、ボーナスを「生活費の補てん」に回すと回答した人が多いというデータも。

子供の教育費や住宅ローンの返済などは30~40代で本格化するため、20代の割合は多くはありません。

参考→ニッセイ インターネットアンケート『「夏のボーナス」について日本生命保険相互会社』
消費者庁 『平成29年版消費者白書目次【特集】若者の消費』
SMBCコンシューマーファイナンス株式会社 『20代の金銭感覚についての意識調査2024』

まとめ

新入社員がまとまった金額のボーナスを期待できるのは、冬のボーナスや入社2年目から。夏はもらえても数万円程度です。

とはいえ、ボーナスの有無や支給額は企業によってまちまち。

いつどのくらいの金額がもらえるのか、一度就業規則の賞与規定をチェックしてみましょう。

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