状況別の例文集も コンサルに聞いた、面接の自己PRの答え方

転職の面接では多くの場合、自己PRを求められます。実際どう答えればいいのか、転職活動に詳しい株式会社クイックのキャリアアドバイザー、竹園翔一氏に聞きました。

Q.自己PRとは?面接で聞かれる意図は?

編集部:面接ではよく「自己PRをしてください」という質問をされますが、面接官は何のためにこの質問をするのでしょうか?

竹園翔一氏(以下、竹園):面接官は自己PRの内容から「これまでの経験・スキルを自社でどの程度活かすことができるか」を確認しています。

ですので、自分の経験・スキルのうち、志望先の企業・職種にリンクするものをアピールしましょう。

そのためには、志望先の企業・職種のことをよく理解している必要があります。すなわち、言い換えれば、自己PRでは「自社をよく理解できているか」もチェックされているとも言えます。

Q.面接での自己PRの答え方・長さは?

編集部:ズバリ、話の構成や長さなど、自己PRの正しい答え方を教えてください。

竹園:面接での自己PRは

  1. アピールポイント(結論)
  2. 根拠となるエピソード
  3. 志望先の企業でどう活かせるのか

という3段構成で答えましょう。

時間は1分、文字数にすると300字が基本です。長くても3分以内にはおさめた方が良いですね。

2.根拠となるエピソード」は「売り上げを◯%改善した」など、数字を交えて伝えるとイメージを持ってもらいやすいでしょう。

営業職でなくても、関わったプロジェクトの規模や人数、予算などで「◯◯万円の予算を△△万円までコストカットした」などとアピールすることができます。

どんな職種であれ、定量的な説明があると説得力が格段に上がります。

例文|面接での自己PR

1.アピールポイント(結論)
現職の大豆製品メーカーでは、提案力を強みに営業職を6年間務めてきました。

2.根拠となるエピソード
私はこれまで、取引先である小売店や飲食店のお客様とやり取りする中で、密度の濃い情報共有を徹底してまいりました。

具体的には、昨今の消費者の食に関するニーズの動向や、他店舗での販売実績などの根拠を提示することはもちろん、実生活での利用シーンや美味しいレシピの提案などを行いました。

こうした独自情報を提供して実際に「売れる」イメージを持ってもらうことで、信頼関係を構築してまいりました。

そのような丁寧な提案を重ねた結果、これまで平均して月間2~3件の新規契約を獲得し、直近の3年間は連続して年間目標に対する150%以上の業績をあげることができました。

3.志望先の企業でどう活かせるのか
このように、お客様と信頼関係を築くためにさまざまな提案を行ってきた経験は、御社でも活かすことができるものと考えております。(369文字)

第二新卒や未経験、3分バージョンなど、その他の例文はこちら

Q.自己PRの内容はどうやって決める?

編集部:面接で自己PRを伝えるとき、どんなアピールポイント(結論)やエピソードを選べばいいのでしょうか?

竹園:自己PRの内容は、志望先の仕事内容と募集背景を正しく理解した上で、企業が求める人物像にマッチするものを選ぶ必要があります。

求人票や公式サイトから得られる情報をもとに「◯◯の能力が求められる会社なら、自分の△△のスキルを活かせる」などと、自分なりに仮説を立てて言えれば、志望度の高さが伝わります。

ただ、正直なところ求人票やインターネット上の情報には限りがあり、特に募集背景などは公表されていないケースが大半でしょう。転職エージェントを利用いただくと、しっかりと説明できるんですけどね。

編集部:とは言っても、企業に直接応募する人も多いかと思います。その場合、他にできる対策はないのでしょうか…?

竹園:その場合、下記の3つの要素を満遍なく伝えられる内容・構成になっていれば、大きく外すことはないでしょう。
多くの面接官はこれらの要素を判断基準に「自社とマッチしているかどうか」を確かめています。

  1. 具体的な技術・スキル
  2. 仕事に対するスタンス・考え方
    ※アピール例:良い製品を開発するために上司への要望を積極的に行う
  3. 業務の進め方・経験の幅
    ※アピール例:上流~下流まで一連の業務プロセスの経験から、関係各所との調整力がある

企業研究によって得た情報をもとに、3つの要素それぞれにつき、応募先の企業・職種でも活かせる内容を自己PRに盛り込みましょう。

ただ、特に「3.職務の担当領域と進め方」については、やはり一般には公表されていないケースが多く、志望先で求められる内容を導き出すのは簡単ではありません。

Q.自己PRの内容は履歴書と同じでOK?

編集部:面接での自己PRの内容は、履歴書や職務経歴書に書いた内容と同じでも問題ないのでしょうか?それとも、違うエピソードなどを用意しなくてはいけないのでしょうか?

竹園:面接で話す自己PRの内容は、基本的には履歴書や職務経歴書と同じ内容で問題ありません。

ただし、エピソードを話すときに「当時どのような思いで仕事をしていたのか」といったスタンス、意気込みなどのマインド面での内容を肉付けすると、説得力が増すでしょう。

履歴書や職務経歴書にはあくまで経験やスキルといった事実しか書かれていないので、それをそのまま列挙して口頭で伝えるだけでは、ぶっきらぼうな印象になってしまいます。面接では内容だけではなく話し方まで意識して、気持ちを込めて伝えることが大切です。

逆に、そうした主観的な内容を事細かに応募書類を書くことは「わかりづらい」とマイナスイメージにつながるので避けましょう。

履歴書の自己PRの書き方・例文集
職務経歴書の自己PRの書き方・例文集

Q.自己PRと長所の違いは何?

編集部:面接では長所を聞かれることがあります。長所と自己PRの違いって何でしょうか?

竹園:長所を聞かれた場合、単に人となりを知りたいというケースもありますが、基本的には自己PR同様に「自社とマッチするか」を見られています。

自分を偽る必要はありませんが、自分の長所を洗い出した上で、志望先の企業、職種に合うものを選ぶと良いでしょう。

また、長所と一緒に短所を聞かれた場合、課題意識を持って改善に取り組んでいることをあわせて伝えるのが鉄則です。

面接での長所・短所の答え方・例文集

例文集|状況別!面接での自己PR

下記の4つの状況別に、自己PRの例文をポイントとともに解説します。 

第二新卒・未経験の場合

1.アピールポイント(結論)
私は現職の営業経験で培った行動力を強みとしております。

2.根拠となるエピソード
経験が浅いこともあり、お客様とお話しているその場で判断できないことも多々ありましたが、すぐに自分で調べたり上司に確認したりと、問題解決のためにできることはスピード感を持って取り組んでまいりました。

その結果、社内だけではなく、実際に担当したお客様からも「レスポンスが早くて助かる」などと、お褒めの言葉を数多くいただけるようになりました。

3.志望先の企業でどう活かせるのか
今回志望したマーケティング職は未経験ではありますが、少しでも早く即戦力になれるよう、より一層スピード感をもって体当たりで努力していく所存です。(265文字)

竹園:第二新卒や未経験を採用するとき、面接官が見ているのは「素地・素養があるか」です。専門的なスキルや経験でアピールすることは難しいため、

  • どの業界でも活かせるようなポータブルスキル
  • 自発性や行動力など、仕事に対する熱意や前向きな姿勢

を伝えましょう。

2.根拠となるエピソード」について、特に第二新卒の場合、数字で見えるようなこれといった実績がないことも多いので、周囲から評価されていた事実などを伝えるのも、一つの手。

また、志望先で求めるスキルを自己学習などで学んでいる場合、それをアピールすることも効果的です。

事務職の場合

1.アピールポイント(結論)
私は現職で総務担当として4年間、主に機器・備品および施設の管理を行ってまいりました。

2.根拠となるエピソード
備品の残数や購入時期などはミスがないよう、エクセルで徹底管理しておりましたので、関数など一通りの機能はマスターし、マイクロソフトオフィススペシャリストの資格も取得しております。

また、私が席を外していたり他の業務に手を取られていたりといったときのために、誰が見ても理解できるわかりやすいマニュアルを作成した経験もあります。

そうした仕事を評価していただいた結果、直近では社内行事の運営などの業務も任せていただき、業務の幅を広げることができました。

3.志望先の企業でどう活かせるのか
Excelを使用した各書類の作成や、より快適なオフィス環境にするために創意工夫してきた経験は、御社でも活かせるものと考えております。(329文字)

竹園:総務や経理、営業アシスタントなどの事務職の場合、経験やスキルがそのままアピールポイントになります。よって、どんな経験をしてどんなスキルや強みを得たのか、具体的な説明を心がけましょう。

そうした説明の中で、作業の正確さやスピード感、周囲のメンバーと連携する調整力やコミュニケーション能力をアピールできると効果的です。

「3分で」と言われた場合

1.アピールポイント(結論)
現職の大豆製品メーカーでは、提案力を強みに営業職を6年間務めてきました。

2.根拠となるエピソード
私はこれまで、自社の商品を取り扱っていただけるよう、お客様に対するこまめで丁寧な情報共有を徹底してまいりました。

例えば「地元の小中学校で給食に湯葉やおからが使われ始めたことを受け、スーパーなどでも大豆製品の売り上げが◯%伸びている」といった、昨今の消費者の食に関するニーズの動向や、他店舗での販売実績などの根拠を提示するといった具合です。

社内で共有されたデータだけではなく、テレビや新聞などで目にしたニュースについて自ら調べた内容をわかりやすく説明することで、他社製品との違いや実際に売れるかどうかなど、お客様にしっかり納得していただいた上で購入をご検討いただけます。

加えて、実生活での利用シーンや美味しいレシピの提案なども、独自の資料をつくってご理解いただけるよう努めてまいりました。

たしかに、大豆製品は若い世代の方々にとって地味で購入する機会が少ないという課題がありました。

ただ、納豆や冷奴などそのままで食べることはもちろん、様々な料理の素材として幅広くお使いいただけることを知っていただければ、そうしたイメージも払拭できると考え、そのような施策に至りました。

まさにこうした取り組みも、実際に商品が売れるイメージを持っていただくのに役立つと考えております。

このように「◯◯さんがそう言うなら買ってみようかな」と、私だからこそできる介在価値の高い提案ができるよう、常に意識してまいりました。

そうした丁寧な提案によってお客様との信頼関係を築いた結果、これまで平均して月間2~3件の新規契約を達成し、直近の3年間は連続して年間目標に対する150%以上の業績をあげることができました。

また、お客様の方から「この商品はどのように売り出せば効果的か」「もう少し販売数を増やすのはどうか」など、こまめにご相談をいただけるようにもなり、長期的な関係を築けております。

3.志望先の企業でどう活かせるのか
このように、お客様と信頼関係を築くためにさまざまな提案を行ってきた経験は、御社でも活かすことができるものと考えております。(874文字)

竹園:「3分で」など、長めの自己PRを求められた場合、根拠となるエピソードの内容を膨らませると良いでしょう。

特に、履歴書や職務経歴書には書けなかった当時の仕事に対するスタンス、価値観などマインド面の内容を盛り込みながら話すと、熱意や積極性が伝わり好印象です。

アピール内容の数を増やしても問題ありませんが、あくまで志望先の企業や職種に求められるものだけに絞るよう注意しましょう。

3分は文字数にすると900字程度。当日慌てないよう、長めの自己PRも事前に準備しておくことをおすすめします。

「30秒で」と言われた場合

1.アピールポイント(結論)
現職の大豆製品メーカーでは、提案力を強みに営業職を6年間務めてきました。

2.根拠となるエピソード
私はこれまで、消費者のニーズの動向や、他店舗での販売実績などの根拠を提示するなど、丁寧な情報共有による信頼関係の構築に努めてまいりました。

その結果、これまで平均して月間2~3件の新規契約を達成し、直近の3年間は年間目標に対する150%以上の業績をあげることができました。

3.志望先の企業でどう活かせるのか
このようにさまざまな提案によって信頼関係を築いてきた経験は、御社でも活かせるものと考えております。(220文字)

竹園:「30秒で」など、短めの自己PRを求められた場合、根拠となるエピソードの内容を簡略化すると良いでしょう。

「目標に対して◯%を達成した」など、数字で見える成果は説得力があるので削らずに、業務やプロジェクトの概要説明などを最小限に留めると、まとまりやすくなります。

30秒は文字数にすると150字程度。当日慌てないよう、短めの自己PRも事前に準備しておくことをおすすめします。

この記事の監修者

キャリアアドバイザー

竹園 翔一

株式会社クイック

転職支援を行うキャリアアドバイザー。主に建設・不動産・プラント領域を担当、多くの支援実績を持つ。求職者の可能性を広げる求人・企業の提案や、「現在」だけではなく、5年後・10年後を見据えたキャリア提案を心がけている。面接時の対策等、選考通過のための具体的なノウハウ提供も好評。

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