正社員との違い・デメリットも 派遣社員とは?わかりやすく解説

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正社員に比べて勤務時間の縛りがなく、自由に働けるイメージのある派遣社員。実際はどのような働き方なのでしょうか。

派遣社員として働くメリット・デメリットや、正社員との違いなど、表を用いながらわかりやすく解説します。

そもそも派遣社員とは?

そもそも派遣社員とはどんな働き方を指すのでしょうか。まずはその概要や平均年収をご紹介します。

派遣社員とは派遣会社に雇われて働く人のこと

派遣社員とは、派遣会社に雇われながら、派遣先となる別の会社で働く人のこと。派遣社員は派遣会社と労働契約を結び、給与も派遣会社から支給されます。

ただ、働く先は派遣会社ではなく、派遣先の企業。具体的な業務の指示は派遣先の企業から受け、契約の範囲内で業務を請け負います。

一方、会社に直接雇用されている人は、その会社と契約関係を結び、その会社から給与をもらいます。

派遣社員は「雇用関係を結ぶ企業と、労働力を提供する企業が違う」という点が、大きな特徴と言えます。

直接雇用と派遣社員の雇用関係を表した図

派遣社員の契約期間は最長3年

派遣社員の契約期間は最短1ヶ月・最長3年(労働者派遣法)。一般的には「3ヶ月ごと」「6ヶ月ごと」などで契約を結び、更新を繰り返すパターンが多いようです。

改正・労働派遣法のポイント3つ

2015年には労働者派遣法が改正され、以下の3つの内容が変更されました。

  • 専門28(26)業務の撤廃
  • 派遣期間の制限緩和
  • 雇用安定措置の義務化

詳しく見ていきましょう。

1専門28業務の撤廃

専門(政令)28業務が撤廃され、派遣期間は全ての業務において原則3年までとなりました。

専門28業務とは、専門的な知識や技術が必要とされるために雇用管理が難しく、派遣期間を3年までと制限しない28の業務のこと。

しかし、派遣期間が無制限であっても無期雇用ではないため、いつ来るのかわからない「派遣切り」におびえたり、一般的な業務を専門28業務として申告し、不当に派遣期間を延ばす企業が出てきたりと、派遣社員にとって不安定な状況が続いていました。

2015年の労働派遣法改正では、こうした状況は派遣社員の雇用機会やキャリアを奪っているとして、専門28業務は撤廃されたのです。

2派遣期間の制限緩和

派遣期間の制限に関して、新たに以下の2つのルールが加えられました。

  • 事業所単位の期間制限

派遣期間は原則3年までだが、過半数労働組合等に意見聴取を行えば、さらに最長3年まで勤務可能。

  • 個人単位の期間制限

同じ課で3年を超えて働くことはできないが、意見聴取をした上で、「人事課→経理課」など課を変えれば3年を超えて勤務可能。

3雇用安定措置の義務化

派遣期間が満了した社員に対して、派遣会社は「雇用安定措置」として以下のいずれかを行うことが義務付けられました。

  1. 派遣会社に直接雇用を促す
  2. 新しい派遣先を紹介する
  3. 派遣元で無期雇用にする
  4. その他雇用の安定を図るための措置を取る

2015年の労働派遣法の改正は賛否両論です。

「期限満了を理由に雇い止めが起きるのでは」と法改正に対して不安の声も聞かれている一方、直接雇用が促進されれば派遣労働者の雇用の不安定さも改善されるとの考えも。

3年後に直接雇用となるか、別の新しい会社で働くかは、個人のライフスタイルやキャリアプランにより異なります。

自分の希望の働き方を日頃から考えたり、派遣会社の担当者と相談したりしておくと良いでしょう。

※派遣切りについては→もし派遣切りにあったら?
※派遣社員から正社員を目指す方法については→派遣から正社員になれるのか?

派遣社員の平均年収は300万円弱

派遣労働者の賃金は、1日8時間勤務で約1万2,600円です(厚生労働省「平成28年度 労働者派遣事業報告書」 )。

仮に月20日働いた場合、月給は約25万円・年収は約300万円となります。

一方、正社員の平均年収はボーナス込で約490万円(厚生労働省「平成29年賃金構造基本統計調査」)。

実際の年収は企業規模や労働日数、スキルなどにより異なりますが、正社員と派遣社員の年収は200万円程度の差があることがわかります。

また、派遣社員の賃金は業界・業種によってもばらつきがあります。

例えば、「医師、歯科医師、獣医師、薬剤師」の平均賃金は約2万2,000円ですが、「農業従事者」の平均賃金は約8,000円となっています。

派遣社員として働くメリット・デメリット

派遣という働き方を考えている方に向けて、派遣社員のメリット・デメリットをご説明します。

派遣社員として働くメリット4つ

派遣社員として働くメリットは以下の通りです。

  • 融通の利く働き方がしやすい
  • 時給が高い
  • 就業前から就業後までサポートを受けられる
  • 大企業で働くチャンスがある

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1融通の利く働き方がしやすい

派遣社員は勤務地・曜日・時間帯など、自身のライフスタイルに合う働き方を選びやすいでしょう。

育児や家事、介護との両立をしなければならない方や、仕事だけでなくプライベートの時間も充実させたい方には向いているでしょう。

2時給が高い

派遣社員は時給が高く設定されることが多いです。例えば、パート・アルバイトは時給900~1,000円なのに対し、派遣社員は時給1,500円など。

SEや機械・電子設計、通訳・翻訳、看護師など専門知識を求められる職種では時給がさらに高く設定される傾向にあります。

3就業前から就業後までサポートを受けられる

派遣社員は仕事探し、面接のアドバイス、キャリアプランの相談や時給アップ交渉など、派遣会社の担当者による手厚いフォローがあります。一方、正社員の場合は1人でこれらを行わなければなりません。

4大企業で働くチャンスがある

大企業で働くチャンスがあることも、派遣社員ならではの特徴です。

正社員採用は狭き門でも、派遣社員としてなら応募を受け付けている場合もあり、学歴や年齢を理由に諦めていた方も、派遣社員としてなら憧れの大企業で働くことができるかもしれません。

派遣社員として働くデメリット4つ

派遣社員として働くデメリットは以下の通りです。

  • 賞与や退職金が出ない場合が多い
  • 交通費が時給に含まれてしまうことも
  • 雇用が不安定
  • 業務内容が限られている

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1賞与や退職金が出ない場合が多い

派遣社員は、賞与や退職金が支給されないケースが多いです。派遣社員は実働時間に応じて賃金が支払われることから、そもそも派遣会社が派遣先に賞与や退職金を要求することがないためです。

ただし、正社員だとしても賞与や退職金をもらえるとは限りません。賞与や退職金の法的な支払い義務はないため、大企業や安定した企業でない場合、もらえないか、もらえても少ないのが実情です。

2交通費が時給に含まれてしまうことも

通常、正社員やアルバイトの交通費は別途支給されますが、派遣社員は交通費が時給に含まれるケースが多いです。

アルバイトやパートより時給は高いものの、職場が自宅から遠い場合、交通費の負担が増して損に感じてしまうかもしれません。

ただし、最近では交通費支給制度を導入する会社も出てきています。

3雇用が不安定

会社に縛られず自由に働きやすい派遣社員ですが、業績悪化の際などには人員削減の対象となりやすいです。

また、契約期間が終了した時点で次の仕事が見つからない場合はブランクが生じ、一時的に無収入になる恐れもあります。

4業務内容が限られている

派遣社員は基本的に契約で決められた業務しか行えないため、与えられた範囲以上の仕事をさせてもらえないケースがあります。

「マネジメントも覚えたい」「スキルを生かして応用的なことがしたい」など、積極的なキャリアアップを考えている方にとっては、どこか物足りなく感じるかもしれません。

派遣社員と正社員・契約社員・アルバイトとの違い

正社員・契約社員・アルバイトとの違いを様々な視点から解説します。

派遣、正社、契約、バイトの働き方の違い

派遣社員と正社員・契約社員・アルバイトの働き方の違いを以下の表でご紹介します。

派遣、正社、契約、バイトの働き方の違いを比較した表。以下、項目:正社員:契約社員:派遣社員:アルバイト。雇用主:企業:企業:派遣会社:企業。契約期間:定めなし:数ヶ月~1年など:3・6・12ヶ月など:3・6ヶ月など。正社員の見込み:―:△(スキルや会社の過去の実績次第):△(スキルや会社の過去の実績次第):△(スキルや会社の過去の実績次第)。勤務時間:×(就業規則通り+残業がある会社も):×(契約した時間通り):△(比較的選びやすい):◯(自由に選びやすい)

派遣社員は、派遣会社の派遣スタッフに雇用条件の交渉を代理で行ってもらえるため、ある程度会社からの縛りがある正社員や契約社員と比べると、仕事を探す際に雇用条件の融通を利かせやすいといえそうです。

派遣、正社、契約、バイトの給与・福利厚生の違い

次は、派遣社員と正社員・契約社員・アルバイトの給与や福利厚生の違いをご紹介します。

派遣、正社、契約、バイトの給与・福利厚生の違いを表した表。以下、項目:正社員:契約社員:派遣社員:アルバイト。時給:◯:◯:◯(アルバイトより高い):△。賞与・諸手当:◯:△(契約による):×(ないことが多い):×(ないことが多い)。社会保険:◯:◯(正社員と同様の場合が多い):△(条件に満たない場合は対象外):△(条件に満たない場合は対象外)。有給休暇:◯(企業による):◯(企業による):◎(取りやすい):×(取りづらい)

正社員は賞与や諸手当が充実していますが、派遣社員やアルバイトは賞与や諸手当がないケースが多く、金銭面や社会保険では派遣社員はやや劣るようです。

派遣は「自由な働き方」を重視する人におすすめ

4つの雇用形態を比べると、勤務時間を選びやすく、有給休暇も取得しやすい派遣社員は「自由な働き方」を重視する人におすすめの雇用形態だといえるでしょう。

反対に、働く時間帯や場所が制限されたとしても、福利厚生の手厚さや安定性をより重視する人には正社員が向いているといえるかもしれません。

派遣社員と契約社員はそれぞれ一長一短ですが、派遣の場合は派遣会社が間に入って労働条件の交渉やトラブル対応を行ってくれるため、企業と距離をおいて割り切った関係で働きたい方には派遣会社が向いているかもしれません。

また、安定性や給与より気軽に働けることを何よりも重視している方にはアルバイトが最適でしょう。

まとめ

派遣社員は自分のライフスタイルに合わせて働きやすい一方、賞与も含めたトータルの年収や福利厚生の手厚さでは正社員に劣る点も。また雇用期間に定めがあるため、突然仕事を失う恐れもなくはありません。

派遣社員か正社員か、はたまた契約社員なのか、各雇用形態のメリット・デメリットを十分に考慮した上で、自分に合った働き方を選びましょう。

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