正社員との4つの違いを解説 契約社員の働き方とは?

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「転職活動をしていて契約社員としての雇用をオファーされたが、正社員との違いがわからない」
「勤めている企業で、正社員から契約社員への転換を打診されたけれど受けてもいいの?」
というとき。

両者の違いを正しく知った上で判断することが重要です。

契約社員と正社員の最大の違いは、「雇用期間が限定されるか、されないか」。
でもそれだけで安易にどちらかを選択するのはキケンです。雇用期間が限定されることによる働き方や条件の違いもありますし、雇用期間以外にも様々な違いが両者にはあります。
あなたにとってより良い働き方を選択するために、まずはこの記事で、契約社員と正社員との違いと、契約時に確認しておくべきポイントを知っておきましょう。

契約社員ってどんな働き方?

そもそも契約社員とは

「契約社員」とは、一般的に「雇用期間に定めがある」従業員のこと。

正社員の場合は、雇用時の契約時点では雇用期間を定めていません。つまり、解雇されたり自ら退職したりしない限りはずっと働くことができます。
対して契約社員の場合は、雇用契約で定めた期間だけ働き、契約期間が終了した時点で更新しなければ別の職場に移ることができます。この契約の形態を「有期雇用契約」といいます。
労働契約法では、契約社員の契約期間は最長で3年間と定められています。ただし、高度な専門的知識を持つスペシャリストと60歳以上の場合の契約期間は最長5年間までです。

また、多くの場合、業務内容も限定されます。
つまり契約社員は、一時的に特定のスキルを活かす働き方といえるでしょう。

知ってた?準社員・嘱託・非常勤・臨時社員も「契約社員」

企業によりますが、別の呼称の就業形態も「契約社員」に含まれていることがあります。
「準社員」・「嘱託」・「非常勤」・「臨時社員」は、多くが有期雇用契約を結ぶ「契約社員」であるケースが多いようです。
求人情報や雇用契約条件で示された就業形態の呼称がどんな働き方を指すのか、必ず確認する必要があります。

これだけは必ずおさえよう!契約社員・正社員の違い

契約社員の働き方や条件を、正社員と比較して確認してみましょう。
具体的にどんな面が正社員と違うのかを比較することで、あなたにとってのメリット・デメリットがわかるはずです。
ただし、企業によって変わる部分も多いので、ここでは「これだけはおさえておくべき」という基本の項目をまとめます。

 働き方の違い

まず基本的な働き方の違いについては、前項で書いた基本的な2つの違いに加えて、特徴的な違いが2つあります。あわせて確認しましょう。

契約社員と正社員の主な違い

(1)雇用期間

正社員:雇用契約で雇用期間を定めません。基本的には定年までの長期契約です。

契約社員:雇用契約で雇用期間を定めます。
期間は原則として最長3年。高度な専門的知識を持つスペシャリストと60歳以上の場合は最長5年です。
一つの職場に縛られ続けることがない反面、契約更新がされなければ働き続けたくても働けなくなります。

(2)業務時間

正社員:業務時間は全員一律に定められており、原則的にはそれに従って勤務します。

契約社員:雇用契約ごとに勤務時間が定められているので、自分のライフスタイルに合った業務時間を選ぶことができます。企業によっては個別に相談の上で個人に合った時間帯を設定の上契約することも可能です。

(3)二重契約が可能か

正社員:一般的には複数の企業で雇用契約を結ぶ(二重契約)ことはできません。つまり、基本的には同時に一つの企業にしか所属できません。

契約社員:その企業で週の何日働くかを契約に明記することによって、他の企業で働くことも可能です。

(4)転勤 ※企業による

正社員:企業によりますが、勤務地を限定しないで働くことが多いので、転勤の可能性も。

契約社員:雇用契約で勤務地を明記している場合は、勤務地が変わることはありません。
企業によっては、これを明確にして『地域限定職』と打ち出すところもあります。

「5年働いたら契約社員も正社員になれる」ってホント?!

「正社員になれる」のではなく、無期限の契約に転換できます。
契約社員にとって、働き続けたいのに契約更新ができないことが一番の不安ではないでしょうか。
企業が契約満了時に更新を行わず、契約を終了させることを「雇止め」といいますが、この雇止めに対する不安を解消し、働く方が安心して働き続けることができるようにするため2013年に労働契約法が改正され、契約社員でも契約を更新して5年以上働いた場合、希望すれば雇用期間を定めない労働契約(無期労働契約)に切り替えられるというルールが施行されました。

1年や半年単位で契約する有期雇用で、働いた期間が通算5年を超えた場合、労働者が希望すれば、正社員やパート、派遣、嘱託、契約社員など雇用形態にかかわらず、期限を定めない無期契約に転換できる

ということです。

(参考リンク:厚生労働省「労働契約法の改正について」

なお施行されたのが2013年4月1日なので、実際に適用されるのはその5年後、2018年4月以降です。

条件面の違い

条件については、労働基準法で定められた内容等、契約社員と正社員で変わらない部分もあります。もちろん、企業によってまちまちなことも多いので契約時に確認は必須です。ここでは、主要な条件を見ていきましょう。

契約社員と正社員で同じ条件・違う条件

【契約社員・正社員で同じ条件】

(1)直接雇用

契約社員・正社員どちらも勤務先の企業に直接雇用されます。給与は雇用主である勤務先企業から支払われます。
派遣社員と比較するとわかりやすいですね。派遣社員の場合は、派遣会社に雇用されて各企業に派遣される形態です。

(2)社会保険

社会保険とは、厚生年金、健康保険のこと。これは正社員にも契約社員にも完備されています。

(3)休日、有給休暇

労働基準法で定められている休日、有給休暇は契約社員でも適用されます。
所定労働日の一定数以上勤務していれば、正社員でも契約社員でも同じ日数の有給が支給されます。

(4)解雇予告

「契約社員は、企業の都合でいつでも解雇されてしまうリスクがあるのでは?」という不安の声をよく聞きますが、これは間違いです。

契約期間が20日以上であれば、労働基準法で定められた「解雇の30日前にはこれを予告しなければならない」という解雇予告の義務が適用されます。

【契約社員と正社員で違う条件】

(1)給与・業績賞与

給与体系やボーナスの制度は、正社員でも企業によってまちまち。契約社員の場合、「約束年収額」として1年分まとめて提示する場合が多いようです。
大きな違いは企業の業績によって発生する賞与です。業績がよかった場合にもらえる決算賞与や業績賞与は、契約社員はもらえないケースが多いようです。

(2)昇進・昇給

正社員の場合、給与査定の機会が定期的に設定されており、そのときに仕事内容、役割、成果等に基づいて昇給があります。
契約社員の場合は、契約満了までは昇進・昇給はありません。契約を更新する場合は、その際に同じような給与査定が行われます。

(3)退職金

退職金制度は、法律で定められた義務ではありません。そのため、制度は企業によって異なっています。
契約社員の場合は、短期間で離職する契約のため、退職金が出ないことがほとんどです。
正社員でも退職金制度が確立していないケースはありますので、よく確認が必要です。

(4)福利厚生、各種手当

これも企業の制度によりますが、契約社員が利用できる福利厚生の範囲は正社員よりも狭いことが多いようです。また、交通費、住宅手当などの各種手当も支給されないことがあります。

意外な注意点—住宅購入時のローンに影響あり!

契約社員と正社員とで違いが出る点で意外と見落としがちなのが、プライベートへの影響です。
それは、住宅購入時のローンを組むとき。
住宅を購入する際に銀行でローンを組む場合の審査は、正社員よりも契約社員雇用の方が不利になることが多いと言われています。
すぐに住宅購入の予定や希望があるなら、銀行の条件を確かめてみるとよいでしょう。
また、すぐにその予定がない場合でも、働き方を選択する前にライフプランも合わせて考えてみてください。

契約社員に向いているのはこんな人

ここまで、契約社員としての働き方・条件と、正社員と違う点を具体的に見てきました。
では具体的にはどんな志向の人が、契約社員として働くことに向いているのでしょうか?

(1)極めたいスキルや得意分野があり、様々な職場で経験を積みたい人

業務内容が限定されるということは、逆に言えばそれだけを突き詰めてスキルアップできるということです。また、雇用期間が最長3年と短期間なので、一つの企業に縛られることがありません。自分のキャリアを積んでいくことを目的として、自由に職場の選択ができます。

(2)育児や趣味など、プライベートな活動と仕事を両立したい人

後述しますが、契約社員の場合は正社員と違って、勤務時間の定めは雇用契約ごとです。企業と協議のうえ、自分の都合にあわせて働く時間を決めることができる場合もあります。
そのため、例えば育児中の方や仕事以外の活動に時間を割きたい場合等には融通をきかせられる働き方です。

(3)ある程度決まった範囲の中で、確実に責務を全うしたい人

契約社員は原則的に昇進することはないので、正社員のように職位が変わったり、職責が変わることはありません。
正社員の場合は昇進があり、責任を負う度合いが変わったり、仕事内容が変わったりする場合がありますが、契約社員の場合はそれがないので、「どんどん任せられる範囲がふえて責任が重くなっていく・・・」ということは基本的にはありません。
もちろんその分、契約時に期待されて任された仕事の範囲できちんと責務を果たすことはシビアに求められます。その結果によって契約更新ができるかどうかが決められることもあります。

契約社員を打診されたら確認すべきこと

これまで見てきたように、契約社員の働き方は正社員と違う部分が意外とたくさんあります。
また、企業によって様々な条件の働き方を提示しているため、違いがわかりにくいのも事実。
働き方、条件面で納得して契約社員として働くことを決めたはずなのに、働き始めたあとに「言ってたことと違う」という問題はたくさん起こっています。
そうならないためには、就職を決める前にきちんと確認し、口頭だけではなく契約書の文面に残しておくことが重要です。

最低限確認すべきことは以下2点です。

正社員への登用については具体的に確認!

「契約社員から正社員に登用されることもあります」と謳っている企業もよくありますが、契約社員から正社員への登用を目指す場合、必ず確認しておきたいのが以下の2点です。

  •  実際にはどういう制度があるのか
  •  これまで実績はあるのか

「正社員登用制度がある」ということ自体は事実でも、そのハードルが極端に高くて実際には超えられなかったり、登用される人数が少なかったりすることは多々あります。
制度や実績の「ある・なし」だけではなく、具体的な状況をきちんと聞いておくことが重要です。

雇用契約書で必ず確認すべきは「更新の有無」と条件

雇用契約を結ぶ際、その契約書をしっかり確認するのは基本ですが、その中でも特に注意したいのが更新の有無とその条件です。口頭では「必ず契約更新する」と言っていても、その内容が契約書に記載されていなければ契約満了時に必ず更新される保証はありません。

また、見落としがちなのが更新されない場合があるのかどうかと、その条件です。
例えば「業績が良好な場合にのみ契約を更新する」といった条件がつけられている場合があります。
記載があったとしても紙面の都合等により曖昧な表現になっている場合も多々あるので、担当者に確認しておきましょう。

まとめ

以上、契約社員と正社員との違いをまとめました。
もちろん、企業や契約条件によって変わる部分は多々ありますが、上記でまとめた内容を基礎知識として持っておくだけでも、自分の描く働き方を選択する上で有利になります。
重要なのは、自分のキャリアプランやライフスタイルをよく検討し、それに合った働き方をきちんと描くこと。その上で、企業から言われたことを鵜呑みにせず、契約書に記載されている内容を確認することです。

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