違法性や対策まで解説 追い出し部屋の実態とは?

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退職をさせるための部署、いわゆる「追い出し部屋」。

追い出し部屋がつくられる目的やそこでの仕事内容、違法性、追い出し部屋行きになったときの対策まで紹介していきます。

追い出し部屋とは

まずは追い出し部屋とは何なのか、どのようなところなのかについて説明します。

追い出し部屋とは社員を自主退職させるための場

追い出し部屋とは、企業が辞めさせたい社員を退職に追い込むためにつくる部署や部屋の通称です。

対象となった社員を一箇所に集め、周囲とのコミュニケーションを取りにくくさせたり、極端に難易度の高い/低い仕事をさせたりすることで社員のモチベーションを削ぎ、自ら退職するよう促す場となっているようです。

「サポートセンター」など当たり障りのない名称をつけられていることが多く、社員数が多い大企業にあるといわれています。

どうして追い出し部屋がつくられるの?

会社が追い出し部屋がつくる目的は、一方的な解雇は法律上難しいから

労働者の権利を守るために、企業からの一方的な解雇は法律で厳しく制限されています。単に「能力が低いから」「業績が伸びていないのでとりあえず人員削減したい」といった理由では解雇できません。

そのため、企業は辞めさせたい社員を追い出し部屋に集め、働きがいのない状況に追い込むことで、自主退職するよう促すのです。

何をされる?追い出し部屋の実態

追い出し部屋では具体的にどのようなことをさせられるのか、その実態は企業によって異なります。

典型的な例として以下の3つのパターンが挙げられますが、いずれもモチベーションの上がらない仕事を課されたり、精神的負担を強いられたりする場合が多いようです。

単純作業をさせられる

誰でもできるような単純作業をさせ、社員の意欲を削ぐパターンです。

社員が一日中時間やスキルを持て余す状態にすることで、そのやりがいのなさにより自主退職するよう導きます。それまで専門的な仕事をしていたり、多くの部下を率いる管理職の立場にいたりした人にとってはつらい環境です。

達成できないノルマを与えられる

到底達成できないような厳しいノルマを設定し、プレッシャーをかけるパターンです。

ノルマ未達成であれば上司に過剰に怒られたり、長時間の残業を強いられたりするなど、パワハラのような圧力をかけられることも。

かつて大和証券のグループ会社に出向となった男性社員が、いわゆる「追い出し部屋」に配属され、「会議に参加できない」「1日100件という過酷な飛び込み営業ノルマを課せられる」といった嫌がらせを受けたとして、訴訟に発展したケースがありました。

コンプライアンス意識が高まっている昨今、企業側もこのようなリスクを犯す可能性は低いと考えられますが、追い出し部屋の環境はやはり穏やかではないようです。

※参考:大和証券への賠償命令確定 「追い出し部屋」訴訟 「退職に追い込むための嫌がらせ」と判断|産経ニュース

遠回しに自主退職するよう求められる

面談や普段の声かけ、出向先などとの協力を通じて自主退職をすすめてくるパターンです。

退職するかどうかの判断が社員に委ねられる「退職勧奨」自体は問題ではないものの、面接で頻繁に退職をすすめられたり、脅しのような威圧的な態度で言われたりする場合、「退職強要」として違法となることもあります。

※詳しくは→退職勧奨とは?受けたときの対処法を解説

追い出し部屋は違法行為の可能性が高い

企業が追い出し部屋をつくること、特定の社員を追い出し部屋に配属することは、違法行為の可能性が高いといえます。

「退職強要」パワハラにあたると認められる場合や、正当な理由なく社員のスキルとかけ離れた仕事を与えるケースは、会社側の権限の濫用として無効になった判決もあります。

※参考:フジシール(配転・降格)事件|明るい職場応援団

追い出し部屋行きになってしまったら?対策を解説

まじめに仕事に取り組んでいるのにもかかわらず、実際に追い出し部屋に配属されてしまうことも。

退職を決断する前に、以下のような行動ができないか考えてみましょう。

追い出し部屋への異動に抗議する

追い出し部屋への異動が明らかに不当だと感じたら、企業に不服を訴えるのも一つの手。

とはいえたった1人で企業を相手取るのは難しいので、地域の労働局労働相談を扱うNPO法人(NPO法人POSSE 解雇・リストラ相談センターなどに相談したり、弁護士などの専門家に頼ったりしましょう。

実際に相談する前に、追い出し部屋行きに至った経緯や日時、上司から言われたことを記録しておくと、話がスムーズにすすむでしょう。

転職を検討する

追い出し部屋に異動になったら、その企業で働き続けることは諦め、転職するのもひとつの方法です。

仮に、追い出し部屋への異動やそこでの仕事内容が不当であると認められても、自分を退職させようとした会社でその後もこれまで通りに働き続けられるとは限りません。

また、追い出し部屋そのものもグレーまたは違法行為。追い出し部屋が常態化しているような危ない企業に勤務し続けることで、予期せぬトラブルに巻き込まれる心配もないとはいえません。

まとめ

追い出し部屋とは、企業が辞めさせたい社員に自主退職を促すための部署。

もしも追い出し部屋行きになってしまった場合、退職強要やパワハラに該当するとして違法である可能性も高いので、一人で悩まず専門家に相談してみましょう。

また、追い出し部屋がある企業からは早いうちに身を引くのも一つの手。違法とも言える行為をしている企業は辞め、転職することも考えてみましょう。

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