シチュエーション別に紹介 「大丈夫です」は敬語でなんという?

「大丈夫です」という言葉は、状況によって肯定とも否定とも取れる曖昧な言葉です。また、敬語ではないため、ビジネスの場面で使うのはふさわしくないとされています。

この記事では、「大丈夫です」の敬語表現を、具体的な例文をもとに紹介していきます。

「大丈夫です」を敬語で表現すると?

「大丈夫です」という言葉は、敬語ではなく、状況によっては肯定とも否定とも取れる曖昧な言葉なので、ビジネスの場にはふさわしくありません

ここでは、「大丈夫です」を肯定の意味として伝えたいときと、否定の意味で伝えたいときに、それぞれ敬語でどのように表現するのが良いのかを解説します。

肯定の意味での大丈夫ですは「問題ありません」

上司や取引先との会話の中で、「仕事の手伝いを頼みたいができるか?」「来週に食事会を行う予定だが来られるか?」などと尋ねられ、肯定の意味として「大丈夫です」を敬語で伝えたいときは、「問題ありません」と答えるといいでしょう。

相手や状況に合わせて、より丁寧な表現の「問題ございません」や、少し砕けた印象を与える「問題ないです」という言い方も使えます。

否定の意味での大丈夫ですは「結構です」「必要ありません」

「こちらのお茶はいかがですか?」など、なにかを提案されたり勧められたりした際に、否定の意味として「大丈夫です」と伝えたいときは、「結構です」「必要ありません」「いりません」と答えましょう。

相手からの質問に、はっきりと断ると失礼に当たるのではないかと思うかもしれませんが、曖昧な返答をすると相手との間に齟齬が生じたり、本心が伝わらなくなったりする可能性があります。

「結構です」を商談の場では使うのはNG

提案を断る際によく使われる「結構です」という表現ですが、これも「大丈夫です」と同様に肯定とも否定とも取れる曖昧な言葉。

そのため、商談など金銭の取り引きを行う場や、話の食い違いによって大きなリスクを被る可能性があるビジネスシーンでは、使用しないようにしましょう。

ただし、「〇〇していただいて結構です」、「〇〇していただかなくて結構です」など前後の会話の文脈から意図することが分かったり、会話の流れや身振り手振りから判断できたりするので、会話の相手や状況によっては使っても問題ありません。

状況別「大丈夫です」を意味する敬語は?

ここでは、相手の言葉に対して「大丈夫です」と伝えたいときの敬語表現を、上のよくある4つのシチュエーション別に紹介します。

会話での表現する場合と、メールの本文中での使う場合のそれぞれについて、お教えします。

日程や都合を聞かれ、「OKだ」と伝えたいとき

○月△日□時からは、ご都合いかがでしょうか?

回答<会話の場合>

ありがとうございます。そちらで問題ありませんので、よろしくお願いいたします。

回答<メールの場合>

ありがとうございます。○月△日□時から、お伺いいたします。

質問文の内容でOKだという意味で「大丈夫です」と伝えたいときは、「問題ありません」を使います。

メールなどでは、「下記の内容で問題ありません」など、何に対しての返答であるのか分かるようにするとベター。相手の文面を、確認の意味で再度書くのも有効です。

可能かどうかを聞かれ、「可能だ」と伝えたいとき

〇〇にご参加いただくとのことでよろしいでしょうか。

回答<会話の場合>

はい。参加可能です。

はい。参加いたしますので、よろしくお願いいたします。

はい。そちらで問題ありません。

回答<メールの場合>

〇〇に参加可能ですので、よろしくお願いいたします。
下記の内容で問題ありません。当日はよろしくお願いいたします。

可能かどうかを問われる質問に「大丈夫です」と答えたいときは、そのまま「〇〇可能です」「〇〇いたします」と答えると良いでしょう。

内容の詳細も含めて確認された場合は、「そちらで、問題ありません」と答えることもできます。

なにかを勧められたり提案されたりして、断るとき

〇〇はいかがでしょうか?

回答<会話の場合>

結構です。

お気持ちは嬉しいですが、遠慮しておきます。

回答<メールの場合>

あいにくではありますが、必要ございません。

相手に何かを勧められ、「大丈夫です」と答えたいときは、「結構です」「必要ありません」と伝えましょう。

相手の心遣いから行われた行為には、「お気持ちは嬉しいですが、遠慮しておきます」と、心遣いを汲んだ一言を添えて断ると丁寧な印象を与えます。

謝罪され、「気にしないで」と伝えたいとき

この度は、誠に申し訳ありませんでした。

回答<会話の場合>

お気になさらないでください。

回答<メールの場合>

ご丁寧にありがとうございます。どうぞお気遣いなさらないよう、お願い申し上げます。

謝罪をされ、気にしないでという意味合いで「大丈夫です」と伝えたい場面では、「お気にならさないで下さい」と伝えましょう。メールでは、相手の謝罪に対して、「こちらも確認不足で申し訳ありません」など、互いに問題があったとして事態を収めることもあります。

会話では、「とんでもございません」などと返してもよいでしょう。日本語として間違っており使うべきではないという人もいますが、現在では一般化しています。

※参考→敬語の指針|文化庁

コラム:英語で「大丈夫です」はどう伝えるのが正解?

日本語では「大丈夫です」と伝えたい場面で、英語で表現したいときは、質問に対して「Yes」か「No」で答えます。

英語での場合も、会話の状況から伝えたいことが、肯定の意味合いの「大丈夫です」なのか、否定の意味合いの「大丈夫です」なのかで異なります。

問題ないなど肯定の意味合いで「大丈夫です」と伝えたいとき

  • I’m fine.
  • It’s not a problem at all.
  • OK.

必要ないなど否定の意味合いで「大丈夫です」と伝えたいとき

  • No, I’m fine. Thanks.
  • No, that’s fine.
  • Don’t worry about that.

他にも知っておきたい「間違いやすい敬語」

「大丈夫です」の他にも、「よろしかったでしょうか」「お休みをいただいております」など、誰もが間違いやすい敬語表現はいろいろあります。

下の記事では、これだけは知っておきたい「間違った敬語」を集めました。いくつの間違いを指摘できるか、ぜひ挑戦してみてください。

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