かけ方・受け方・折り返し… 面接にまつわる電話トーク例

面接の前後で、電話を使うシチュエーションは少なくありません。この記事では、面接にまつわる電話のかけ方・受け方・折り返し方を、具体的なトーク例を交えて解説します。

電話の基本的な流れ

面接前後に自分から電話をかける場合、流れはある程度決まっています。まずは基本的な会話の流れを知っておきましょう。

  1. 名乗る
    「お世話になっております。○○○○(フルネーム)と申します」
  2. 担当者に取り次いでもらう
    「○○部の○○様をお願いいたします」
    ※「どのようなご用件でしょうか?」と尋ねられたら「×月×日の面接の件でお電話いたしました」と簡潔に答えましょう。
  3. 挨拶をして本題を伝える
    「お世話になっております。○○○○(フルネーム)です。ただ今お時間よろしいでしょうか?」
    →相手の許可が得られたら、本題を切り出す。
  4. お礼を伝えて切る
    「(本日は)お忙しいところありがとうございました。失礼いたします」

電話を「かける」ときのトーク例

面接前後に自分から電話をかけるシチュエーションとして、よくある3つのトーク例をご紹介します。

  • 面接の日程調整をする
  • 面接を辞退する
  • 遅刻の連絡をする

面接の日程調整をする

面接の日程調整は、基本的には面接の2日前までにメールで行います。メール例文は下記の記事からご確認ください。

電話をかけるのは、体調不良や、やむを得ない事情によって、面接前日~当日に日程調整が必要になった場合のみです

電話をかける際には、下記のトーク例のように4つのポイントに沿って話すと印象が良くなります。

【日程変更を依頼する電話例】応募者:お世話になっております。×月××日に、面接のお時間をいただいております〇〇〇〇です。※Point1/面接官:かしこまりました。いつの日程がよろしいでしょうか。/応募者:明後日以降で、木曜日を除く平日18時以降であればいつでも問題ありません。※Point2/面接官:それでは来週△△日△曜日△△時はいかがでしょうか?/応募者:はい。来週△△日△曜日△△時ですね。かしこまりました。そちらの日程でよろしくお願いいたします。※Point3/面接官:わかりました。/応募者:ご迷惑をおかけすることになり、大変申し訳ありませんでした。何卒よろしくお願いいたします。※Point4
  • Point1…印象が悪くならないよう理由を伝えましょう。やむを得ない理由であることがざっくりと伝わるのがベストです。詳細を聞かれることは多くありません。
  • Point2…日程変更の候補日は、必ず複数(3日以上)伝えましょう。
  • Point3…日時は必ず復唱して確認してください。電話の内容は記録が残らないため、認識違いが起きないよう念押しすることが大切です。
  • Point4…最後に必ず謝罪の気持ちを伝えましょう

面接を辞退する

面接を辞退する場合、前日の午前中までならメールで連絡すればOKです。メール例文は下記の記事からご確認ください。

辞退理由については基本的に、メールでも電話でも「一身上の都合により、面接を辞退させていただきます」といった形式的な言い方で問題ありません。

【面接を辞退する電話例】応募者:お世話になっております。×月××日に、面接のお時間をいただいております○○○○です。先日は面接のご連絡をいただきまして、誠にありがとうございました。大変申し訳ございませんが、一身上の都合により、面接を辞退させていただきたく、ご連絡を差し上げました。※Point1/面接官:ご連絡をいただきましてありがとうございます。差し支えなければ、辞退の理由をお話しいただけますか?/応募者:他社から内定をいただき、転職活動を終了することが理由です。お忙しい中、貴重なお時間をいただいていたのにも関わらず、大変申し訳ございません。※Point2/面接官:そうですか。面接ご辞退の件、承りました。/応募者:ご迷惑をおかけしまして、大変申し訳ございません。何卒よろしくお願いいたします。

  • Point1…「一身上の都合により、面接を辞退させていただきます」という内容を、形式的に伝えればOK。
  • Point2…念のため辞退の理由を言えるよう、整理しておきましょう。

〈よくある辞退の理由〉

  • 他社から内定をもらって、転職活動を終了するから
  • 企業理解を深めるなかで方向性の違いに気づいたから
  • 家庭の事情で転職できなくなったから
  • 現職を退職できなくなった

遅刻の連絡をする

電車の遅延や体調不良などで面接に遅刻しそうな場合は、先方に電話で連絡するのがマナーです。

面接の5分前に会場に着くかどうかを目安に判断し、無理そうなら早いタイミングでお詫びの連絡をしましょう。

【遅刻の連絡を入れる電話例】応募者:お世話になっております。本日13時から面接予定の○○と申します。※Point1大変申し訳ないのですが、現在××線の電車が遅延しており、御社への到着が13時30分頃になってしまいそうです。※Point2ご迷惑をおかけしてしまい、誠に申し訳ございません。※Point3このまま面接に伺っても問題ないでしょうか?※Point4

  • Point1…面接の予定時間氏名を伝えます。
  • Point2…遅刻理由と、到着予定時刻を伝えます。
  • Point3…謝罪の言葉を伝えます。
  • Point4…このまま向かって面接可能かどうかを尋ねます。

遅刻の理由別のトーク例は、下記の記事で解説しています。

電話を「折り返し」するときのトーク例

企業からの電話に出られなかった場合、できるだけ早く折り返してください。電話が繋がったら、まずは折り返しとなったことへの、お詫びの言葉を添えましょう。

【「折り返し」の電話例(当日かける場合)】応募者:××時ごろにお電話をいただいた◯◯です。先ほどは電話に出ることが出来ず大変失礼しました。

もし着信の確認が遅くなり、先方の終業時刻を過ぎてしまった場合は、翌営業日に電話をかけます。その際も、下記のようにお詫びの言葉を添えてください。

【「折り返し」の電話例(翌日かける場合)】応募者:昨日、お電話をいただいた◯◯です。せっかくお電話いただいたのに電話に出ることが出来ず大変失礼しました。

電話を「受ける」ときのトーク例

面接前後で企業から電話を受けるシチュエーションとして、よくある3つのトーク例をご紹介します。

  • 選考通過の連絡を受ける
  • 内定の連絡を受ける
  • 不採用の連絡を受ける

選考通過の連絡を受ける

面接後、選考に通過した場合の連絡が電話でくる場合があります。連絡を受けたら、まずは合格に対する感謝を伝え、続けて次回の面接の日程調整を行いましょう。

【選考通過の電話例】面接官:先日は面接にお越しいただきありがとうございました。社内で検討した結果、○○様には、二次面接に進んでいただくことになりました。/応募者:面接通過のご連絡、誠にありがとうございます。※Point1/面接官:二次面接の日程ですが、来週××日×曜日の××時はいかがでしょうか?/応募者(日程が問題ないとき): 来週××日××曜日××時ですね。そちらの日程でよろしくお願いいたします。/応募者(都合が悪く、他の日程にしてもらいたいとき):大変申し訳ないのですが、××日は都合が悪く伺えません。ほかの日程にご調整いただけないでしょうか?※Point2

  • Point1…まずは合格に対する感謝を伝えましょう。
  • Point2…提示された日程の都合が悪い場合は、他の日程にしてもらえるか、交渉しましょう。

内定の連絡を受ける

内定の連絡も電話で受ける場合があります。連絡を受けた際は、感謝の気持ちを述べてから、内定承諾/内定保留の意思を伝えましょう

内定承諾する場合

内定承諾する場合、感謝の気持ちを述べた後で入社する意思を伝えてください。その後、相手から今後の手続きに関する説明や指示があるので、それに従って入社手続きを進めましょう。

【選考結果が電話で通知され、承諾する場合の会話例】面接官:お世話になっております。株式会社〇〇○ 人事部の△△です。○月○日に実施した面接についてお伝えしたいことがありお電話を差し上げたのですが、ただいまお時間よろしいでしょうか?/応募者:お世話になっております。〇〇〇〇です。ご連絡いただきありがとうございます。はい、大丈夫です。/面接官:ありがとうございます。社内で検討した結果、ぜひ、□□様には弊社にご入社いただきたいと考えております。つきましては、内定承諾の可否をご検討いただきたいのですが、いかがでしょうか。/応募者:ありがとうございます。ぜひ、弊社で働かせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。/面接官:ご快諾いただき、ありがとうございます。では、この後の手続きなどについて詳細をメールいたしますので、ご確認お願いいたします。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。/応募者:承知いたしました。こちらこそ、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。それでは、メールをお待ちしております。失礼いたします。

内定保留する場合

内定保留する場合も、まずは連絡をいただいたことへの感謝を伝えましょう。その後、下記の3つの情報を伝えてください。

  1. 入社意思
  2. 保留理由
  3. いつまでに返事ができるか(1週間以内がベター)

ここでは、家族との相談を理由に内定保留させてもらうパターンを紹介します。

【選考結果が電話で通知され、保留する場合の会話例~家族への相談を理由にする場合~】面接官:お世話になっております。株式会社〇〇○ 人事部の△△です。○月○日に実施した面接についてお伝えしたいことがありお電話を差し上げたのですが、ただいまお時間よろしいでしょうか?/応募者:お世話になっております。〇〇〇〇です。ご連絡いただきありがとうございます。はい、大丈夫です。/面接官:ありがとうございます。社内で検討した結果、ぜひ、□□様には弊社にご入社いただきたいと考えております。つきましては、内定承諾の可否をご検討いただきたいのですが、いかがでしょうか。/応募者:ありがとうございます。ぜひ弊社で働かせていただきたいのですが、できれば家族と相談した上で最終的な判断をしたいと考えております。内定をいただいたにもかかわらず、誠に勝手なことで恐縮なのですが、○月○日まで返事を待っていただくことは可能でしょうか?/面接官:わかりました。では、○月○日までご連絡をお待ちしております。/応募者:ご了承いただきありがとうございます。改めてご連絡をいたしますので、よろしくお願いいたします。それでは失礼いたします。

なお、内定保留の伝え方は、下記の記事でくわしくまとめています。

不採用の連絡を受ける

面接で不採用になった場合も、電話連絡がくるケースがあります。

この場合は、電話で通知してくれたことへの感謝を伝えてください。気が重いかもしれませんが、後に取引先として関わる可能性もあるため、印象を損ねないようにしましょう。

【不採用の連絡の電話例】面接官:先日は一次面接にお越しいただきありがとうございました。社内で検討した結果、○○様につきましては残念ながら不採用とさせていただくことになりました。/応募者:かしこまりました。それは残念です。お忙しいところご連絡いただき、ありがとうございました。※Point1また機会がありましたら、よろしくお願いいたします。※Point2

  • Point1…電話で通知してくれたことへの感謝を伝えます。
  • Point2…今後、どこかで取引する可能性もあるため、心証を損ねないような一言を添えましょう。

電話のマナー・用意するもの

面接前後、自分から電話をかける際には、最低限守っておきたいマナーがあります。

  • 静かで、電波状況が良い場所を選ぶ
  • 相手の声が聞き取れなければ、丁寧に聞き返す
  • メモの用意を必ずしておく

静かで、電波状況が良い場所を選ぶ

電話をかける場所は、静かで電波状況が良いところを選びましょう。条件が悪い場所では、騒音や電波障害でお互いの声が聞こえにくくなり、大切な情報が伝わらなかったり、心証を損ねたりする可能性があります。

基本的には、自宅からかけるのがベターです。家族にも協力してもらって、静かな状態で電話しましょう。

相手の声が聞き取れなければ、丁寧に聞き返す

相手の声が小さかったり、ノイズが混じっていたりして聞き取りにくい場合は、その旨を伝えて構いません

その際は「申し訳ございません。お電話が遠いようなのですが…」と添えて、丁寧に聞き返すのが一般的です。相手ではなく、あくまで環境や電話機に原因があると伝え、角を立てないようにしましょう。

メモの用意を必ずしておく

電話をかける際は、メモをとる準備をしておくのがマスト。スマホのメモ機能は操作音が入る可能性があるので、手帳などにメモするのがおすすめです。

面接日程など、重要な情報を確実にメモできるように、下記の4点を揃えてから電話に臨みましょう。

  1. メモ帳
  2. スケジュール帳
  3. 筆記用具
  4. 電話の要件に関係する資料(求人票やメール、企業のサイトなど)

面接の電話に関するQ&A

ここでは、面接の電話に関するよくある疑問にお答えします。

Q.電話がつながらなかったときは、どうする?

電話がつながらないときは、相手が電話に出れなかった場合と、代理の人が出た場合で対応が異なります。

相手が電話に出れなかった場合

すぐに電話を切ってしまわずに、留守番電話にメッセージを残しましょう。通常の電話と同じく名乗った上で「あらためて、○○時頃にお電話させていただきます。よろしくお願いいたします」と伝えて、その時間にかけ直すのがおすすめです。

代理の人が出た場合

代理の人が出て担当者が不在だった場合、いつ頃戻ってくるかを聞きましょう。そして「戻り時間に合わせてこちらから折り返し電話します」と伝えてください。

なお、先方に折り返しをお願いするのはNG。先方から指示が無い限りは、自分から折り返すのがマナーです。

Q. 先方から電話が来ないときは、どうする?

選考通過・内定通知の電話がかかってこないケースと、折り返しの電話がかかってこないケースで、対応方法が異なります。

選考通過・内定の電話がかかってこないケース

面接後、1週間を過ぎても何の連絡も無いときは、まずメールで問い合わせてください。メールの文面は、下記の記事の「問い合わせメールの例文」を参考にしましょう。

メールを送っても返信がない場合は、電話で直接問い合わせましょう。電話の際は、催促する形になる点を謝罪する一言を添えると好印象です。

【採用・内定の状況を尋ねる電話例】応募者:お世話になっております。××月××日に面接させていただいた○○です。お忙しい中催促するようで恐縮なのですが、その後の選考状況はいかがでしょうか。

先方から、折り返し電話が来ないケース

翌日まで待って、それでも連絡が無ければこちらから再度電話をかけましょう。緊急を要する場合は、初回の連絡から1~2時間後に再度電話しても構いません。連絡の際は、忙しい相手を気遣う一言を添えるのがおすすめです。

もし相手が不在であれば、電話に対応してくれた人に伝言をお願いすることもできます。「恐れ入りますが、伝言をお願いしてもよろしいでしょうか?」といった形で、丁寧に依頼しましょう。

【先方から折り返しがない場合の電話例】応募者:お世話になっております。○○○○です。お忙しい中何度も申し訳ありません。××時ごろに折り返しの電話をいただくことになっていたのですが、ご連絡がなかったため、こちらからお電話させていただきました。(担当者不在で、伝言を依頼する場合は)恐れ入りますが、伝言をお願いしてもよろしいでしょうか?

Q. 電話をかけていい時間帯は?

基本的には、先方の業務時間内に電話しましょう。標準的な業務時間(9時~18時勤務)の会社なら、下記の時間帯に電話をかけるといいでしょう。

始業後すぐや昼食時の時間帯は対応できない可能性もあるので、避けるのが無難です。

  • 午前:10時~12時
  • 午後:14時~16時半

※緊急の場合や企業から時間を指定された場合は、上記以外でも連絡してOK。

Q. 電車・バスでの移動中にかかってきたら?

電車・バス内での通話はマナー違反。車内では電話に出ずに、降車後に折り返してください。

ただし、緊急の連絡待ちだった場合は電話に出てもOK。「ただ今、移動中の車内におりまして」と正直に話し「○○分後に、こちらから折り返しお電話させていただきます」と伝えて一度切りましょう。

Q. 連絡はメールと電話、どちらがいい?

企業との連絡は基本的にはメール、緊急の用件や文章で伝えづらい用件は電話にするのが無難です。

判断に困ったときは、下記のようなメリット・デメリットを踏まえて、どちらを使うか考えましょう。

〇電話のメリット

  • 緊急性の高い用件に、素早く対応できる。
  • 文章で伝えづらい内容も伝えられる。
  • 細かい調整をその場でやりやすい。

×電話のデメリット

  • こちらの都合で相手の時間を奪うことになる。
  • 会話の記録が残らない。

〇メールのメリット

  • 送った内容が記録できるため、重要な連絡に適している。
  • 相手の時間を拘束しにくい。

×メールのデメリット

  • 回答を受け取るまでのタイムラグがある。
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