過去10年間の推移も解説 就職内定率とは?2020年卒の最新状況

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就職活動中の学生にとって、就職内定率は気になる指標の一つ。周りはどれくらい内定をもらっているのかが判断できます。ここ数年は就職内定率が高く、売り手市場といわれています。

2019年に卒業した学生の就職内定率の傾向と過去10年間の推移、学歴や地域による違いを解説します。

最新!2019年卒・2020年卒大学生の就職内定率

大学新卒者の就職内定率はどのように推移しているのでしょうか。2019年卒・2020年卒の就職活動状況をご紹介します。

面接解禁日の6月1日時点で約7割が内定

就職みらい研究所の「就職プロセス調査」によると、2019年卒・2020年卒ともに面接解禁日の6月1日時点で約7割の学生が内々定や内定をもらっていることがわかります。

日本経済団体連合会(経団連)が定めた「採用選考に関する指針」では「企業の採用選考活動は卒業年度の6月1日以降」とされていますが、実際には6月1日以前に選考をすすめ、6月1日に最終面接をして内定を出す企業が多いのが実態でしょう。

2019年・2020年卒就職内定率の月別推移を表したグラフ。2020卒:2月1日時点5.8%、3月1日時点8.7%、4月1日時点21.5%、5月1日時点51.4%、6月1日時点70.3%、7月1日時点85.1%、8月1日時点91.5%。2019卒:2月1日時点4.5%、3月1日時点9.8%、4月1日時点20.5%、5月1日時点42.7%、6月1日時点68.1%、7月1日時点81.8%、8月1日時点88.0%、9月1日時点91.6%、10月1日時点94.0%、11月1日時点95.4%、12月1日時点95.9%。

※参考→就職プロセス調査|就職みらい研究所

選考はどんどん早まっている?

2020年卒・2019年卒の内定率の推移を比較すると、選考活動は年々早まっているといえるでしょう。

2020年卒は5月1日時点の内定率が2019年卒と比べて8.7ポイント高く、内定を獲得する時期が早まっており、選考活動自体が早まったという見方ができます。

前月比では29.9ポイント上昇しており、4月の間に多くの学生が内々定や内定をもらったことがグラフから読み取れます。

21卒以降、就活ルール廃止でどうなる?

2021年卒以降は経団連による就活ルールが廃止されますが、スケジュールが大きく変わることはないと予想されます。

政府から各経済団体へこれまでのスケジュールを維持するように要請があったため、一定数の企業はこれまでの通りのスケジュールで採用活動を行う見込みです。

※詳しくは→就活ルール廃止で就活は結局どうなるのか?

過去10年間の就職内定率は上昇傾向

就職内定率の推移を過去10年間で比較すると、2011年卒が最も低く、その後は上昇傾向にあることがわかります。

4月1日現時点では、2010年卒:91.8%、2011年卒:91.0%、2012年卒:93.6%、2013年卒:93.9%、2014年卒:94.4%、2015年卒:96.7%、2016年卒:97.3%、2017年卒:97.6%、2018年卒:98.0%、2019年卒:97.6%。10月1日現時点では、2010年卒:62.5%、2011年卒:57.6%、2012年卒:59.9%、2013年卒:63.1%、2014年卒:64.3%、2015年卒:68.4%、2016年卒:66.5%、2017年卒:71.2%、2018年卒:75.2%、2019年卒:77.0%。

※参考→大学・短期大学・高等専門学校及び専修学校卒業予定者の就職内定状況等調査|文部科学省・厚生労働省

2008年9月にアメリカで起こったリーマンショックによる不況の影響で、2011年卒が就職活動をしていた2009年から2010年にかけては日本でも景気が低迷し、企業の採用活動も鈍っていました。

しかし、2012年卒以降就職内定率は上昇に転じ、近年では売り手市場といわれるまでに回復しました。2019年卒の就職内定率は2019年4月1日時点で97.6%と高い数値を記録しています。

 就職内定率とは?嘘と言われるワケ

そもそも就職内定率とはどういった指標なのでしょうか。就職内定率の意味、嘘と言われるワケを解説します。

就職希望者に対する就職内定者の割合

就職内定率とは一般的に、就職希望者数に対する内定者数の割合を指します。計算式は、以下の通りです。

就職内定率=内定者数÷就職希望者数×100

就職内定率は政府の雇用対策事業の指標として調査されていますが、学生・企業の双方にとっても就職活動の状況を把握するための重要な指標となっており、新聞やテレビのニュースでもたびたび取り上げられます。

文部科学省と厚生労働省が共同で行っている「大学等卒業予定者の就職内定状況調査」のほか、民間の人材サービス会社や大学でも独自に就職内定率の調査が行われています。

就職内定率の数字は嘘?

就職内定率は嘘の数字とは言い切れませんが、実態よりも高い数値が出る傾向があります。その理由については、就職内定率の算出方法を知れば見えてきます。

例えば、文部科学省と厚生労働省の調査によると、2019年卒の就職内定率は4月1日現在で97.6%ですが、これは「就職を希望するほぼすべての学生が、卒業時点で最低1社からは内定をもらえている」ということを意味するわけではありません。

なぜなら、就職内定率の分母はあくまで「就職希望者」になっているため、途中で進路を変えて進学した人、その年度での就職は諦め就職浪人した人は分母から外されてしまうのです。

よって、卒業が近づくにつれて分母である就職希望者数は減っていくので、たとえ内定者数が1人も増えなかったとしても、内定率は自然と上がっていくことになります。

また、就職内定率は新卒者を調査対象としているので、既卒者や転職を考えている人にはあまり参考になりません。

就職内定率だけをうのみにせず、求職者1人あたりに何件の求人があるかを示す有効求人倍率などもあわせて確認しましょう。

学歴や都道府県別で就職内定率は違う?

学歴や地域別に見た就職内定率の違いを解説します。

【学歴別】2019年3月卒業者の就職内定率

2019年3月に卒業した学生の就職内定率を学歴別に比較すると、高卒以上では96~99%で大きな違いはありません。専門性の高い高等専門学校卒の就職内定率が最も高く、99.6%でした。

学歴別2019年卒の就職内定率。大学:97.6%、短期大学:98.6%、高等専門学校:99.6%、専修学校:96.6%、高等学校:99.4%、中学校:81.2%。

※参考
大学・短期大学・高等専門学校及び専修学校卒業予定者の就職内定状況等調査|文部科学省・厚生労働省

高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況|厚生労働省

一方で中卒の就職内定率は81.2%と、高卒に比べて18%も低いことがわかります。

ただし、中卒のハローワーク求人数は全国で1116件、求職者数は817人と、もともとの人数が少ないため、単純に大卒や短大卒と比較して低い数値と判断することはできません

【地域別】2019年3月卒業者の就職内定率

大卒の場合、どの地域に住んでいるかによる就職内定率の違いはほとんどありません。最も高い関東・中部・近畿は98%、最も低い九州は95%で、その差は3%でした。

地域別2019年卒の就職内定率。北海道・東北:97.2%、関東:98.1%、中部:97.9%、近畿:98.0%、中国・四国:97.1%、九州:95.2%

※参考→大学・短期大学・高等専門学校及び専修学校卒業予定者の就職内定状況等調査|文部科学省・厚生労働省

ただし、求人倍率は地域によって違いがあり、希望する地域によっては就活の難易度も変わってきます。

まとめ

就職内定率はここ数年高い数値を保っており、これから就職活動を始める学生にとってはうれしい状況です。

ただし、就職希望者数に対する内定者数の割合で算出されていることには注意が必要です。算出の仕組みを理解して就職活動の参考にしてみてください。

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