転職の際にはどう答える? 年収に残業代は含む?含まない?
年収に残業代は含まれるのでしょうか?年収の計算方法や、転職時に現職の年収や希望年収を聞かれたときの答え方についても紹介します。
年収に残業代は含む?含まない?
年収には残業代は含まれる
年収とは年間の「総支給額」を指すため、残業代を含みます。
年収を計算するときには、基本的に1月から12月までに会社から受け取ったお金を全て含めてOKです。ただし、厳密には交通費や通勤手当など一部の手当は引いて計算します。
正確な年収が知りたい場合は、会社が毎年1月末までに発行する源泉徴収票の「支払金額」や、市区町村が発行する所得証明書の「給与収入」や「所得金額」などから確認することが可能です。
※残業代の計算方法についてはこちら→「正しい残業代の計算方法【すぐわかる図解つき】」
年収に含まれるもの・含まれないもの
年収に含まれるもの | 年収に含まれないもの |
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基本給 時間外手当(残業代) 深夜勤務手当 休日出勤手当 役職手当 資格手当 家族手当 子女教育手当 住宅手当 精勤・皆勤手当 など |
交通費・通勤手当(15万円以内) 出張旅費 傷病見舞金、慶弔見舞金などの見舞金 結婚祝い金、出産祝い金などの祝い金 |
年収には、基本給のほか、残業代、家族手当や役職手当などの諸手当を含みます。含まれないものとしては、交通費・通勤手当や、傷病時や結婚の際などに受け取るお見舞金、祝い金などです。
自分で年収を計算するには?
自分で年収を計算したい場合、1月から12月までの給与明細を用意し、「総支給額」欄に書いてある金額を足しましょう。その際、交通費などは含まれないため、給与明細の「交通費」欄や「通勤手当」欄にかかれている金額は引いてください。
ボーナスをもらっている場合は、ボーナスの分も加えて計算しましょう。
額面や手取り、月給や月収って何のこと?
〈額面〉
会社から支給されるお金の総額を指し、給与明細では「総支給額」にあたります。基本給のほか、家族手当や役職手当などの諸手当、残業代などが全て含まれた金額です。
〈手取り〉
自分が実際に受け取れる金額のことで、給与明細の「差引支給額」欄にかかれている額を指します。所得税や住民税などの税金や年金、社会保険料が控除として引かれた金額です。
〈月給〉
基本給に役職手当や住宅手当などの月々の固定手当を足したもの。みなし残業制度によって毎月固定の残業代がもらえる人は、その分が含まれます。毎月変動する残業代やインセンティブなどは含まれません。
〈月収〉
年収を12で割った1ヵ月あたりの平均支給額のこと。毎月変動する残業代やボーナスも合わせて計算します。
【コラム】年収のうち、残業代って平均どれくらい?
年収のうち、残業代は何割くらいの人が多いのでしょうか?年収の平均と、残業代の平均を調べてみました。
厚生労働省が行っている「毎月勤労統計調査」の2021年のデータを元に計算すると、年収は316万5,132円(ボーナス等を含まない)、残業代は年間で21万6,276円となりました。残業代の割合としては、年収の約7%にあたります。
現金給与総額:26万3,761円×12ヶ月=年収:316万5,132円
残業代:1万8,023円×12ヶ月=年間の残業代:21万6,276円
年間の残業代:21万6,276円÷年収:316万5,132円=約7%
年収は、2021年の現金給与額を元に計算。(賞与は含まず)また、固定残業代は「きまって支給する給与」に含まれるため残業代としての計算には反映されず、所定外給与(時間外手当、早朝出勤手当、休日出勤手当て、深夜手当等)を残業代として計算。
※参照:「毎月勤労統計調査令和3年分結果確報」
転職の際に年収を聞かれたらどう答える?
現職の年収を聞かれたら、残業代込みで答えよう
転職の面接などで現職の年収を質問されたら、残業代込みで答えるのが一般的です。残業代以外にも、家族手当や住宅手当などの各種手当を含んだのが年収。ただし、交通費を除いた金額を答えたほうがベターです。
残業代がいくらか把握しておこう
年収を聞かれた際、その中に含まれる残業代を聞かれることもあります。年収の総額だけでなく、年間の残業代がいくらになるのかを把握しておきましょう。ただし、残業代が高すぎて年収も高くなっている場合、「能力に見合わず年収が高い」といったマイナスの印象を与えてしまうこともあります。
また、住宅手当や資格手当など、どのような手当をどれくらい受け取っているのか聞かれる可能性もあるため、給与明細などで確認しておきましょう。
希望年収は残業代や手当も含んだ額を答えよう
希望年収を聞かれたときには、残業代や手当などをすべて含んだ額を答えましょう。その際、残業代は想定できる金額で問題ありません。ただし、希望年収を答えるときも現職の年収を聞かれたときと同様に、交通費を除いた金額を提示する方がベターです。
まとめ
年収を計算する際には、残業代も含んで計算するのが基本です。転職の際に希望年収を聞かれたときにも同様に、残業代も含んだ希望年収を答えるようにしましょう。
(文:転職Hacks編集部)
この記事の監修者
特定社会保険労務士
成澤 紀美
社会保険労務士法人スマイング
社会保険労務士法人スマイング、代表社員。IT業界に精通した社会保険労務士として、人事労務管理の支援を中心に活動。顧問先企業の約8割がIT関連企業。2018年より、クラウドサービスを活用した人事労務業務の効率化のサポートや、クラウドサービス導入時の悩み・疑問の解決を行う「教えて!クラウド先生!®(商標登録済み)」を展開。