新卒との違い・重要ポイントは? 中途採用とは?
転職者を採用することを中途採用と呼びますが、そもそも中途採用の定義とは何なのでしょうか。この記事では、新卒採用との違いや重視されるポイントについて解説します。
中途採用と新卒との違いとは?
まずは、中途採用とは何かについて新卒採用との違いを比較しつつ解説いたします。
中途採用とは新卒者以外を採用すること
中途採用とは、新卒者以外の採用のことです。主に就業経験がある人が対象ですが、未経験者向けの中途採用では、職歴がない人でも採用されることも。
正社員として採用されるケースが多く、年齢制限はあまり設けられていない傾向にあります。
中途採用と新卒採用の違いは対象者
中途採用と新卒採用は、採用する対象が違います。
新卒採用は、学校を卒業する予定の学生を対象としています。そのため、卒業後の4月から入社させることを前提として、主に卒業前年の春~秋の間に行われます。
一方、中途採用は、学生以外のすべての人を対象としています。そのため、採用時期は通年かつ不定期で、採用の必要が生じるごとに行われます。
中途採用が必要になる背景として、退職者や長期休業による欠員、既存事業のテコ入れや新規事業の立ち上げのための知識や技術の導入など、さまざまなものが挙げられます。
中途採用には3つの種類がある
中途採用は「若手・第二新卒」「即戦力」「管理職」の3つのパターンに大別することができます。それぞれの定義は、以下の通りです。
若手・第二新卒採用
若手・第二新卒採用とは、社会人経験3~5年程度、または第二新卒と呼ばれる大学卒業後3年以内の人材を応募対象とした中途採用です。
新卒と同様、特別な経験や能力は必要とされない傾向が強いものの、基本的なモラルやビジネスマナーが一通り身に付いていることが期待されます。
即戦力人材採用
即戦力人材採用とは、社会人経験3~5年以上で実践的なスキルを持った人材を応募対象とした中途採用です。
必要な経験やスキルが明確で、入社後すぐに期待された役割をこなすことが求められます。中途採用の多くは、即戦力人材=キャリアのある人材を求めているため、中途採用をキャリア採用と呼んでいる企業もあります。
管理職人材採用
管理職人材採用とは、およそ社会人経験15年以上の管理職を応募対象とした中途採用です。
必要な経験やスキルを持った即戦力であることはもちろん、チームのトップとしてメンバーをまとめるマネジメントスキルやリーダー適性を持った人材が求められます。人材獲得をヘッドハンティングで行う企業も多いです。
コラム:社会人経験が同じでも中途と新卒で給与の違いはある?
中途と新卒には給与の違いが存在します。中途採用1年目の場合、新卒から転職せずに働いている労働者よりも賃金が少ない傾向にあります。
独立行政法人労働政策研究・研修機構が2016年に行った調査によると、中途採用者の賃金水準は、新卒以来ずっと同じ会社で働いている労働者の70%程度です。(※25歳以上・フルタイムで働く男性を想定)
産業ごとに賃金格差を見てみると、不動産業・物品賃貸業、生活関連サービス業・娯楽業で賃金格差が大きく、新卒採用者の60%程度の賃金となっています。
一方、情報通信業、学術研究・専門・技術サービス業、教育・学習支援業、医療・福祉では賃金格差が小さく、標準的労働者の90%程度の賃金です。
このような賃金格差が出てくる原因としては、昇給前に転職してしまうこと、中途採用者の初任給が安く押さえられる傾向にあることなどが挙げられます。
なお、この統計の指標は、中途採用初年度(勤続0年)の賃金のため、その後の昇給でどうなるかはわかりません。
中途採用で意識すべきポイント
中途採用の応募時や採用後に意識すべきポイントについて解説します。
中途採用では即戦力であることが重視される
中途採用では、募集時あるいは採用時に配属先が決まっており、求められる経験やスキルも明確なため、自分で考え仕事を進められる即戦力であることが求められます。
実際、新卒時のような研修はないか、あっても短期間で終わります。
履歴書や面接では、経験やスキルを生かしてすぐに貢献できることを面接官にアピールしましょう。
また、入社してすぐに力を発揮できるよう、職務内容や求められる役割について事前に理解しておくことが大切です。
中途採用は短期決戦が多い
中途採用は募集人数が少なく、優秀な人材の採用が決まったタイミングで募集が打ち切られます。応募は早い者勝ちの短期決戦なので、興味のある求人は見逃さず、すぐに応募しましょう。
また、入社の準備ができる期間は、内定後の数週間から3ヶ月程度だけ。引っ越しや各種書類の準備など、入社に必要な手続きはスムーズに進められるよう、在職中から準備を進めることが重要です。
※入社準備について詳しくは→転職活動の準備期間はどのくらい?
フリーターは中途採用に応募できる?
特に細かい規定がなければ、フリーターでも中途採用に応募できます。「経験不問・未経験歓迎」といった求人をしているならば、採用される可能性は大いにあるでしょう。
ただし中途採用では、たとえ未経験であってもできる限り短期間で即戦力に成長することが求められます。そのため、採用されるには経験者以上のやる気やポテンシャルを示す必要があります。
入社後はそれまでの経歴は問われないため、期待された役割をこなして評価が得られれば、昇給・昇格することも十分にあり得ます。
まとめ
中途採用では即戦力が求められます。新卒にはない知識やスキルを示すことで、転職活動をスムーズに進めましょう。