求人の実態・向いている人 オープンポジションとは?
転職先を探していて、募集職種欄にオープンポジションと書いてあった経験はありませんか?
オープンポジションとは、「企業内の空いているポジション」という意味のほかに、求人の種類としても用いられています。
今回はこのオープンポジションについて、どんな求人があるのか、どういう人が応募すべきかなどを解説します。
オープンポジションとは?
応募の段階で配属先を選ばない採用選考
オープンポジションとは、応募する際に営業やデザイナーなど特定の部署・職種を選ぶ必要のない選考のことです。中途採用や障害者採用の求人によく使われています。
オープンポジションの選考では決まった分野のビジネス経験を問われることは少なく、代わりに個人のスキルや適性などが採用の基準となります。
オープンポジションの求人は多種多様です。職種がまったく絞られていない場合もあれば、「オープンポジション(事務職)」など、ある程度は仕事内容のくくりが設けられている場合もあります。
オープンポジションにさまざまなタイプが存在するのは、求人を出す企業の事情が異なるためです。
「将来の経営層に、職種・部署を問わずいろいろな業務を経験させたい」と考えて募集する企業もあれば、若手が不足していて第二新卒や未経験者を広く採用するためにオープンポジションの求人を出す企業もあります。
応募資格に必須条件がある求人もある
オープンポジションは通常の選考に比べて特定のスキルや知識を求められることは少ないですが、求人の中には応募条件が設けられているものもあります。
たとえば、「実務経験3~10年程度」「読み書きに困らない程度の英語力」などを必須条件として挙げている会社もあります。必須条件がない求人でも、歓迎する条件や求める人物像などが書かれていることもあります。
オープンポジションの求人に応募する場合は、求人情報をよく確認しましょう。
コラム:障害者採用におけるオープンポジション
個人のスキルや適性だけでなく、障害に配慮して具体的な仕事内容を決めるために、障害者採用においてオープンポジションが設けられていることもあります。
会社の設備などの面から、配属が支社・支店ではなく機能が充実している本社や都市部の拠点になる可能性があります。
どのような障害を抱えているかは個人によって異なるため、求人情報に本人の希望に合わせて職務内容を提案する旨が書かれていたり、雇用形態や想定される業務の一例も記載されていたりすることが多いようです。
どんな企業が求人を出している?
オープンポジションの求人を出している会社はIT系やクリエイティブ系の企業が多いようです。
特にクリエイティブ系の企業の場合、企業側も求める人物像などを言葉にしづらいためオープンポジションにしているといった事情があると考えられます。
また、一風変わった求人自体を売りにしている企業がオープンポジションで募集していることもあります。
ここでは具体例として、実際にオープンポジションの求人を出している企業の一部を紹介します。
リクルート
株式会社リクルートは中途採用にオープンポジション枠があり、「これまでのビジネス経験において、圧倒的な成果を残された方」などハイレベルな応募条件を設けている点が特徴です。
※参考→募集中のポジション一覧 | リクルート中途採用サイト
カヤック
面白法人カヤックの特徴は、サイト上に載っている求人はあくまで想像できる範囲のものと考えてオープンポジションの枠を設けている点です。
自分に合うポジションが募集職種の一覧にないと感じた場合でもオープンポジションで応募してくださいと呼びかけています。
※参考→中途採用 | 面白法人カヤック
ヤフー
ヤフー株式会社の場合は求人を受け取る仕組みが特徴的です。オープンポジションでエントリーすると、個人に適した職種・ポジションが出た
タイミングで選考情報が届くようになっています。
以上の3社のほかにも、株式会社サイバーエージェント、株式会社ディー・エヌ・エー、株式会社カプコンなどさまざまな企業がオープンポジションの求人を出しています。
コラム:社内オープンポジション制度とは
社内オープンポジション制度とは、社員が社内の空いているポストに応募できる制度のことです。
社内公募制度と呼ばれることもあり、楽天株式会社やパソナグループなどが導入しています。また、社内オープンポジション制度の存在が公開されていない会社でも、空いたポストに立候補することが可能な場合もあります。
社内オープンポジション制度を活用すると、転職せずにキャリアチェンジができます。
また、社内オープンポジション制度で就いた仕事は自分で選んだという意識が持てるため、通常の人事異動よりも仕事へのモチベーションが上がりやすいというメリットもあります。
同じ職場で長く働きつつ、キャリアを磨きたいと考えている方にはピッタリの制度です。
オープンポジションの求人に応募するべき?
ここではオープンポジションに応募するかどうか考える手がかりとして、オープンポジションに向いている人、向いていない人を紹介します。
オープンポジションが向いている人とは
以下2つのいずれかに当てはまる場合は、オープンポジションでの応募が向いています。
新しい職種・業界に挑戦したい人
これまでの仕事とは違う分野に進みたいと考えている方はオープンポジションに向いています。
会社によっては、第二新卒や未経験者を採用する目的でオープンポジションの枠を設けているため、未経験でも挑戦しやすいと言えるでしょう。
どの職種に応募すべきかわからない人
ある企業の求人で応募する職種に迷う場合は、まずオープンポジションの選考枠がないか確認してみましょう。
面白法人カヤックのように、職種がわからない人向けにオープンポジションで応募できる仕組みを用意している会社もあります。
また、オープンポジションでは特定のポストに対して適性があるか判断されるのではなく、自分の適性に合わせて業務を提案してもらえます。そのため、自分の適性に合った仕事がしたいと考えている人もオープンポジションが向いているといえます。
オープンポジションに向かない人とは
反対に、以下の2つに当てはまる場合は、職種や業務内容が決まっている求人を検討する方が無難でしょう。
やりたいことがはっきりしている人
自分の中で仕事内容の条件が固まっているなら、オープンポジションではなく該当する職種に応募しましょう。
オープンポジションは適性や会社の欠員状況に合わせて選考するため、提案されたポジション(職種)がやりたい仕事ではない場合も十分考えられます。
短期間でスムーズに転職活動を終えたい人
今の会社からなるべく早く次の会社に移りたいと考えている場合、オープンポジションはおすすめできません。
個人の適性に合うポジションを用意するのに時間がかかったり、欠員状況が確定するまで選考が進まなかったりなど、通常より選考期間が長期化することがあるためです。
またオープンポジションは、選考を受ける際に仕事内容が想定できないため、志望動機や面接の準備を万全に行うことができません。事前にしっかり対策をしたいならば、特定の職種に決めて応募したほうが良いでしょう。
コラム:志望動機はどう書くべき?
オープンポジションは選考の段階で仕事内容がわからないという特徴があるため、志望動機を考えるのは簡単ではありません。
オープンポジションで未経験の業種・職種に応募する場合は、以下の3つを意識して志望動機を考えましょう。
- 行動力や忍耐力など、どんな仕事でも求められる能力をアピールする
- 前向きに学ぶ姿勢を見せる
- 志望したきっかけや理由として、会社の事業や理念、製品などに感じた魅力を伝える
※志望動機の書き方について詳しくは→履歴書の志望動機を書く方法と内定テク
まとめ
オープンポジションは新しいキャリアを築くチャンスです。
これまでの経験やスキルを生かしつつ全く違う分野で活躍してみたい方はぜひ挑戦してみましょう。