成功のコツ&志望動機の例文 キャリアチェンジは失敗しやすい?
転職には、これまでの経験を生かして同業種で働くケースと、心機一転キャリアチェンジして異業種で働くケースがあります。
ここでは、キャリアチェンジを成功させるためのコツや職種別の志望動機を紹介します。
キャリアチェンジとは?
そもそもキャリアチェンジとはどういった意味なのでしょうか?
キャリアチェンジの傾向についても説明していきます。
未経験の業種や職種に転職すること
キャリアチェンジとは、未経験の業種や職種へ転職することです。
具体的には「不動産会社の営業から建築会社の総務」、「派遣会社の人事からアパレルメーカーの人事」、「広告会社のデザイナーから広告会社の営業」などに転職したケースを指します。
キャリアチェンジでは、未経験者として扱われることがほとんどなので、現職よりも給料が減ったり、待遇が悪くなったりすることも珍しくありません。
キャリアチェンジを検討する際には、新しいことにチャレンジするというポジティブな面のみならず、こうしたマイナス面に目を向けることも重要です。
キャリアチェンジに興味がある人は約4割
エンジニア人材サービス・VSNの調査によると、男女20〜50代のビジネスパーソンでキャリアチェンジしたいと考えている人は約4割。
理由としては「給料を上げたい」(約3割)が一番多く、次に多いのは「ワークライフバランスがとりづらいから」(約2割)という理由になっています。
また、エン・ジャパン株式会社の調査によると、20代転職希望者の9割がキャリアチェンジに興味があるという結果になっています。若い世代ほどキャリアチェンジに関心があるといえるでしょう。
※参考
→キャリアチェンジに関する意識調査|VSN
→20代転職希望者の9割は、未経験職種への興味あり。 8800人に聞いた「未経験職種へのチャレンジ」。|エン・ジャパン
年代別・キャリアチェンジの傾向
キャリアチェンジは年代によって挑戦しやすさが変わります。20代と30代・40代に分けてみていきましょう。
20代(第二新卒)はキャリアチェンジしやすい
20代や第二新卒の転職では、未経験の業種や職種にキャリアチェンジしやすい傾向があります。20代や第二新卒の場合、企業は長期的な育成を行う前提で採用するケースが多く、スキルやキャリアはさほど重要視されないためです。
よって、社会人としての一般常識がしっかり身についていれば、未経験でも採用される可能性があるのです。
キャリアチェンジを考えている場合は、できるだけ20代のうちにチャレンジするのがおすすめです。
30代・40代のキャリアチェンジは慎重に
30代・40代の転職でキャリアチェンジをする場合は、20代よりも難しくなる、待遇が下がる傾向にあるため、慎重に考えましょう。
企業は30代・40代の転職者に対してスキルや経験、即戦力になってくれるかどうかを重視しており、20代に比べて採用の基準が高くなることが多いためです。
また、30代・40代の場合は、それまで積み上げてきたキャリアがあるため、若手の頃より給料が上がっていることがほとんどです。
そこからキャリアチェンジで未経験の職種に挑戦する場合は、給料が大幅に下がる可能性もあります。
キャリアチェンジを成功させるポイント
キャリアチェンジを成功させるポイントは以下の通りです。
職種が変わっても生かせるポータブルスキルを取得する
業種や職種が変わっても生かせるポータブルスキルを取得しておくと、キャリアチェンジに有利に働くことがあります。
ポータブルスキルとは、以下のような業界や職種が変わっても生かせるスキルのことです
- 課題分析力
- 企画力
- プレゼンテーション力
- 語学力
- 社内外への対応力
- マネジメント能力 など
こうしたポータブルスキルがあると、キャリアチェンジの選考で、書類選考や面接などの自己PRに使えます。
例えば、ポータブルスキルとして語学力をつけたいのであれば、独学での勉強や、語学スクールに通うなどの方法があります。
もしマネジメント能力をつけたいのであれば、「ビジネスマネージメント認定試験」などを受けてマネジメント能力に関する資格を取るという方法もあります。
下記の記事では、17個のポータブルスキルについてくわしく解説しています。今後どのスキルを鍛えていくべきかを考える際の参考にしてください。
希望の職種や業種についてしっかり調べる
希望の職種や業種がイメージしていたものと違い、キャリアチェンジを後悔するケースもあるため、実際の働き方についてしっかり調べておきましょう。
例えば、華やかなイメージに憧れて広報にキャリアチェンジにしたものの、実際には資料作成などのデスクワークが思った以上に多く、「想像していた働き方と違う」と感じる場合もあるようです。
そうならないように、企業のホームページやインターネット上の口コミをチェックする、実際にその職種に就いている人に話を聞くなどして、キャリアチェンジ後の働き方をしっかりと調べておくことが大切です。
転職理由を改めて考える
自分がなぜキャリアチェンジしたいのか、キャリアチェンジをして何をしたいのかをよく考え、転職理由をしっかりと見直すことも大切です。
転職理由が「現在の仕事に飽きたから」「新しいことに挑戦してみたい」など、ネガティブであったり漠然としていたりすると、企業に明確な転職理由がないとみなされ、転職活動がうまくいかないこともあります。
前向きな転職理由の例については後述の「キャリアチェンジの志望動機【例文付き】」で解説しています。
コラム:キャリアチェンジの成功例・失敗例を紹介
ここでは、キャリアチェンジの成功例と失敗例をそれぞれ紹介します。どんな違いがあるのかをみてみましょう。
▼成功例
学生時代からの夢であったネイリストとして働くことがどうしても諦められず、美容家電の営業職からキャリアチェンジをすることに。
営業職時代に比べて給料は下がったものの、好きなことを仕事にでき、充実した毎日を送っている。また、営業職で培った対人スキルをネイルサロンのお客様とのやり取りの中で生かすこともできているため、キャリアチェンジに満足している。
▼失敗例
数字に追われる日々に嫌気がさし、広告の営業職からIT企業の企画職にキャリアチェンジ。
しかし、結局のところ企画職でも売上を意識しなければいけないことは変わらないと実感することに。加えて、未経験とみなされ前職よりも給料が下がってしまったこともあり、キャリアチェンジを後悔している。
この場合の両者の違いは、転職後の仕事内容をしっかりと理解した上でキャリアチェンジに踏み切ったかどうかです。
「すぐにでも現在の職場から離れたい」などと考え、転職後の具体的な業務内容を把握しないままキャリアチェンジしてしまうと、「こんなはずではなかった……」と後悔することもあります。
キャリアチェンジする際には、その後の働き方をしっかりと調べ、メリットやデメリットを理解した上で決断することが大切です。
キャリアチェンジの志望動機【例文付き】
最後に、キャリアチェンジで使える志望動機を職種別に紹介します。
職種別・キャリアチェンジの志望動機
▼営業職から企画職
前職では営業を担当していました。◯◯のような商品を扱う中で「こんな商品があったらもっとお客様に喜んでもらえるはず」と感じることが多く、△△のような画期的な商品をリリースしている御社の企画職へ、キャリアチェンジを志望いたしました。
お客様と直接関わってきた経験や、営業で培ったコミュニケーション力やプレゼンテーション力は、企画職として働く上でも役立つと考えております。
御社の□□や●●のようなヒット商品を企画したく、気になる新商品のレビューをネットショップやSNSなどで日々チェックし、ユーザーニーズを分析しております。こうしたデータ収集力や顧客分析力を生かして御社に貢献したいと考えております。
▼エンジニアから営業職
エンジニアとして働く中で、形式に沿ったシステムのみならず、よりお客様のニーズに合ったシステムを作りたいと考えるようになったことから、エンジニア経験が生かせるという御社のネット広告の提案型営業職に強い興味を抱きました。
前職ではクライアントやプログラマーなどとコミュニケーションを図りながら作業を進めてきました。その経験から身についたコミュニケーション力や対人折衝力、そしてエンジニアならではの専門的なパソコンスキルを、営業としてのクライアント対応や顧客データ管理をする際に生かしていきたいと考えております。
▼看護師からコンサルタント
総合病院の内科の看護師として○年働いておりますが、同僚たちからキャリアに関する悩みを聞く機会が多く、御社の医療業界に特化した人材コンサルタントに興味を持ちました。
医療の現場を実際に経験しており、仕事内容はもちろん、看護師にありがちな悩みや不安についても理解しています。この強みを活かし、転職やキャリアチェンジを希望する看護師たちに適切なアドバイスができると考えております。
まとめ
キャリアチェンジは未経験の業種や職種に転職することです。
新しいことにチャレンジできる一方で、給与などの待遇が悪くなる可能性もあります。転職後に後悔しないよう、キャリアチェンジ後の働き方をしっかりと調べた上で臨みましょう。