身につけるべき理由も解説 【一覧】ポータブルスキル17選
「ポータブルスキルを身につけておくと転職後も活躍できる」と耳にしたことはあっても、「実際にどんなスキルを指しているのかよくわからない…」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ポータブルスキルとは具体的にどのようなスキルで、身につけておくとどのようなメリットがあるかを解説します。
ポータブルスキルとは?
まず、ポータブルスキルがどのようなスキルなのかを理解していきましょう。
ポータブルスキルとは「どこでも通用するスキル」
ポータブルスキルとは、職種や業界を問わずに活かすことができる、いわば「どこでも通用するスキル」のことです。直訳して、持ち運び可能なスキルとも呼ばれます。
代表的なポータブルスキルとしては、コミュニケーションスキルや課題解決スキル、論理的思考力などが挙げられます。
転職が一般的になりつつある近年、どの企業でも活かせるポータブルスキルの有無が重視されるようになりました。
ポータブルスキルをなるべく若いうちから意識的に身につける努力をしておくことで、未経験の職種や業界への転職も可能となり、将来的なキャリアの選択肢を増やすことができます。
ポータブルスキルの対義語は?
ポータブルスキルの対義語に「アンポータブルスキル」という表現があります。
アンポータブルスキルとは「特定の分野でのみ活かせるスキル」のことで、直訳して「持ち運びできないスキル」とも呼ばれます。専門的な知識や技術という意味で「テクニカルスキル」と表現をすることもあります。
アンポータブルスキルの具体例として挙げられるのは、社内の独自システムへの高い理解度や、その企業で販売している商品やサービスに特化した知識・専門性などの、業界や職種が変わると活かすことができないスキルです。
【図解】ポータブルスキルの構成要素と具体例
厚生労働省では、ポータブルスキルを「仕事のし方」と「人との関わり方」の2つの観点に分け、それぞれ3つずつの構成要素を挙げています。
ポータブルスキルの構成要素とそれぞれの具体例を確認してみましょう。
▼「仕事のし方」のポータブルスキル例
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▼「人との関わり方」のポータブルスキル例
仕事のし方
まずは2つの観点のうち、「仕事のし方」に関するポータブルスキルについて見ていきましょう。
厚生労働省では、仕事のし方を「課題を明らかにする」→「計画を立てる」→「実行する」という3つの要素に分類しています。
それぞれの手順において、どのようなポータブルスキルが必要とされるかを解説していきます。
課題を明らかにする
仕事に取り掛かる際には、まず現状を的確に把握し、課題を明らかにする必要があります。
そのために必要なポータブルスキルとして、例えば下記のようなものが挙げられます。
業務で商品やサービスを考案するとき、ただ思いつきのアイデアで進めるわけにはいきません。
まずはクライアントやユーザーがどのような課題を抱えているのか、ヒアリングや市場調査を通じて把握する必要があります。
業界や職種に関わらず、ビジネスは課題を明らかにするところから始まるので、的確な現状分析から課題を発見するスキルを身につけましょう。
計画を立てる
課題を明らかにした後に必要な行動は、その課題を解決するための具体的な計画を立てることです。
具体的な計画を立てるために必要なポータブルスキルとして、例えば下記のようなものが挙げられます。
実際の業務では、これらのスキルをもとに、課題解決のために必要な業務を細かく洗い出し、誰がどの業務を担当するかを決めて、納期に間に合わせるためのスケジュールを立てることが必要です。
また、各担当者が業務を進めるにあたって、障害になりそうなことやトラブル発生リスクを事前に回避するための策を講じておくことも求められます。
計画がなければ課題解決のために効率よく動くことができません。現実的な計画を立案するスキルを磨きましょう。
実行する
計画を立てた後は、その計画に基づき実際に業務を進めていくことが必要です。
着実に計画を実行するために必要なポータブルスキルとして、例えば下記のようなものが挙げられます。
これらのスキルをもとに、業務が計画通りに進められているかを常に確認し、遅延やトラブルなどが発生していれば臨機応変に対応しなければなりません。また、その際はほかのメンバーに的確な指示を出すことも求められます。
良い計画を立てても、予定通り進まなければ商品やサービスの質を担保することが難しくなります。着実な業務遂行のために、進捗管理能力や対応力を鍛えていきましょう。
人との関わり方
では次に、「人との関わり方」に関するポータブルスキルについて見ていきましょう。
厚生労働省では、人との関わり方を「社内対応」「社外対応」「部下マネジメント」の3つの要素に分類しています。
関わる相手別に、どのようなポータブルスキルが必要とされるかを解説していきます。
社内対応
ここでいう「社内対応」とは、上司や経営陣からの承認や指示を得るための対応を指します。
そのために必要なポータブルスキルとして、例えば下記のようなものが挙げられます。
会社員として企業に勤めている以上、目標としている売上や利益などの目標を達成するために、上司や経営陣に自ら立案した計画をプレゼンし、支持や承認を得なければなりません。
納得感の高い承認や指示を得るためにも、報連相スキルやプレゼンスキルを身につけることを意識しましょう。
社外対応
ここでいう社外対応とは、ユーザーやクライアントへのメリットの提示や、合意形成を図るための対応を指します。社外のパートナーと一緒に仕事を進める場合は、パートナー対応も社外対応に含まれます。
社外対応をスムーズに進めるために必要なポータブルスキルとして、例えば下記のようなものが挙げられます。
ユーザーやクライアント、パートナーに納得してもらうために、相手の立場に立ったヒアリングや提案を通して、円滑なコミュニケーション能力を習得しましょう。
部下マネジメント
組織のリーダーや管理職として働いている場合は、的確な部下のマネジメントや育成も欠かせません。
部下のマネジメントに必要なポータブルスキルとして、例えば下記のようなものが挙げられます。
チームとして求められた成果を出すために、適切なコミュニケーションを通して、部下のモチベーションアップを図ったり、個々の強みを活かした人員配置を行ったりする必要があります。
※参考:「”ポータブルスキル”活用研修」一般社団法人 人材サービス産業協議会
コラム:あなたのポータブルスキルを見える化してみよう
厚生労働省では、15分程度のアンケート回答によってポータブルスキルを見える化できるツールを公開しています。
ツールを使って普段の仕事の取り組み方や意識していることを点数化することで、あなたの強みや持ち味を活かせる職種や職位を確認できます。
ポータブルスキルの観点で自分の強みや弱みを知りたい、今後のキャリア形成のためにポータブルスキルを鍛えたいという方はぜひ使ってみてください。
ポータブルスキルがある必要性とメリット
なぜポータブルスキルを身につけることが大事なのか、身につけておくメリットについて解説します。
転職市場での価値が上がる
転職市場では、ポータブルスキルのある人材は高く評価されます。なぜなら、ポータブルスキルはどんな業界や職種でも通用するため、転職しても成果を出し続けられる可能性が高いからです。
企業の人事担当者は、書類選考や面接を通して「この人は自社でも前職と同様に(またはそれ以上に)活躍できるのか?」という点を見ています。
いわば「転職による変化にうまく適応できるかどうか」ということを、ポータブルスキルの有無によって判断しているのです。
転職による変化とは、例えば以下のようなものです。
- 扱う商品やサービスの変化
- 社風や評価制度の変化>
- 仕事の進め方の変化
- 上司や取引先の変化 など
業界や職種、働く職場、環境が変わっても継続的に成果を出し続けることができる人材は、当然ながら転職市場で高く評価されます。
仮に転職をしない場合でも、ポータブルスキルを身につけられるように日々の業務で努力すれば、いま勤めている企業で高く評価されます。これまでよりも裁量の大きい仕事を任されたり、希望する部署に異動できたりなど、社内でのキャリアアップも可能です。
若手のうちから意識してポータブルスキルを磨こう
ポータブルスキルは、日々の業務でいくつものトライ&エラーを繰り返すことで身につけられるものです。
若いうちからチャレンジ精神を持って、たくさんの成功・失敗体験を積み上げ、適切な振り返りをすることが欠かせません。成功したときはなぜ上手くいったのか、失敗したときはどうすれば次は上手くいきそうかを振り返る癖をつけ、少しずつ課題解決スキルや実行スキルを磨いていきましょう。
以下の記事でも、若手のうちに身につけておきたいスキルや、明日からの仕事で活かせる仕事の取り組み方・向き合い方を紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
この記事の執筆者
「転職Hacks」編集部
株式会社クイック
株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。