後悔をなくす4つのステップも紹介 退職を後悔するのはどんなとき?

退職してから納得できる次の仕事が見つからずに「やっぱり辞めなければ良かった…」と後悔してしまう人も多いのではないでしょうか?

この記事では、退職を後悔してしまった具体的なケースやその後悔を無くすためにできる4つのステップついて紹介します。

「辞めるんじゃなかった…」退職を後悔した4つのケース

 会社に対して不満があって退職したものの、なかなか次の仕事が見つからずに、後悔してしまう人も多いようです。退職を後悔してしまった4つのケースについて紹介します。

【ケース1】年収を理由に退職

■低いと思っていた年収が、実は同業の中ではかなり高い方だった

Aさん(29歳男性)のケース

自動車整備士学校を卒業後、約9年間カーディーラーに勤務。現在の年収は約400万円と特に不満を感じたことはありませんでした。しかしメーカーで営業をしている地元の友人と話をしたとき、友人は自分の年収よりも100万円程度多くもらっていることを知り驚愕。このまま整備士として働き続けたとしても、大幅な年収アップは見込めないと感じて退職しました。

年収アップが見込める仕事を探しましたが、自動車整備士学校を卒業していることもあり、経験を活かせる仕事はやはり整備士の仕事ばかり。

整備士業界の中で前職の400万円という年収を上回る求人はなかなかなく、実は前職の年収が同業の中ではかなり高かったことに気付きました。友人の話を聞いて、よく調べもせずに退職してしまったことを後悔しています。

【ケース2】休日日数を理由に退職

■休みが少ないと思っていたが、他社と比べると多い方だった

Bさん(22歳女性)のケース

高校を卒業してから4年間アパレルショップの販売員として働いていました。お客様の希望を聞きながら商品を提案する仕事は自分に合っており、やりがいを感じていました。しかしセールを実施する年末年始などの忙しい時期には、特に人手が足りずに休日出勤が当たり前に。休みが少なく体への負担が大きいため、退職しました。

接客が好きで続けたかったので、きちんと休みを取りながら販売員として働ける環境を探しましたが、人手が足りていないのはどこも同じ。

むしろ前職の方が閑散期にはある程度休みが取れており休日日数は多いようでした。あっさり退職してしまったことを今になって後悔しています。

【ケース3】人間関係を理由に退職

■厳しい上司を理不尽に感じていたが、叱るのは自分のためだった

Cさん(27歳女性)のケース

2年前に大手広告代理店に営業として中途入社しました。厳しい上司の元で働いており、顧客に対する営業方法はもちろん資料のコピーの仕方までとても細かく注意されていました。一度、書類の対応で理不尽とも思える注意を受け、これ以上我慢することはできないと思い、勢いで退職してしまいました。

その後すぐに転職した別の広告代理店は前職とは真逆の自由な社風で、毎日の業務も個人の裁量に任されている放任ぶり。悪く言えば緩い職場に満足できず、結局ここも長続きしませんでした。

改めて状況を比べてみたとき、新卒で入社した会社を3年で辞めて社会人としての基礎もできていなかった私を、前職の上司はあえて厳しく指導してくれていたのだと感じるようになりました。あの時勢いで退職したことを後悔しています。

【ケース4】仕事内容を理由に退職

■担当できる業務の幅が狭いと感じていたが、専門的なスキルを身に着けやすい環境だった

Dさん(33歳男性)のケース

都内に本社を構える大手電機メーカーにエンジニアとして勤めていました。誰もが知っている大企業に入って満足していましたが、縦割り業務のせいで製品が完成するまでの流れをイメージしづらく、物足りなさを感じて退職しました。

新たな環境を探すために面接を受けたある企業で、業務が縦割りになっている方が一つの業務に集中して取り組むことができ、エンジニアとして専門的な知識やスキルを身に着けやすいと教えてもらいました。

今までとは違った視点で仕事内容を見てみると、今後のキャリアのためには前職に残って高度なスキルを身に着けた方が良かったのではないかと悩み始めています。

後悔を無くすためにできる4つのステップ

すぐに転職先が決まらずブランクができると、今後のキャリアで不利になる可能性が高いため、できるだけ転職先が決まってから退職するのがベター。とはいえ勢いで先に退職してしまい、後悔している人も少なくありません。

この章では、退職した後悔をできるだけなくす4つのステップを、Aさんのケースを交えて紹介します。

ステップ(1)次の職場で叶えたい希望を改めて考えてみる

退職した後悔をなくすために、まずは次の職場で叶えたい希望を改めて考えてみましょう。「なんで自分は500万円以上の年収が必要なんだろう?」「どうして休みがたくさん取れると嬉しいんだろう?」など自分なりの理由を深掘りしてみると今後叶えていきたい働き方や生き方が見えてくるでしょう。

そのうえで「自分はやはり年収を第一条件にしたい」「別に休みは少なくても良いな」など、譲れないことと妥協できることを分けてみましょう。

Aさん(29歳男性)のケース

地元の友人と話をしたとき、友人の年収が自分よりも100万円も多いことを知り、自分も年収を上げたいと思い退職をしました。

しかし改めて考えてみると、友人と大きく差がついている悔しさから年収を気にしているだけでは…と我に返りました。3年前に結婚して以来、夫婦共働きの我が家は生活していくにあたってお金には困っていない状況。

むしろ2歳になる娘の子育てを考えると、両親の近くに住めることの方が重要だと感じました。年収アップよりも職場のエリアを重視して仕事を探そうと考え直しています。

ステップ(2)整理できた考えを人に相談してみる

自分の考えが整理できたら、「こういう方向で転職を考えているんだけど…」と誰かに相談してみましょう。人に話すことで、自分にはない視点からの意見をもらえるでしょう。

相談する相手は家族や学生時代の友人、前職の同僚、転職エージェントのキャリアアドバイザーなどがおすすめです。家族や学生時代の友人、前職の同僚などはこれまで何を大事にして働いてきたかを自分以上に知っているかもしれません。また転職エージェントのキャリアアドバイザーは、今の転職市場を踏まえた上で、あなたの希望をどの程度叶えることができるのか客観的なアドバイスをくれるでしょう。

Aさん(29歳男性)のケース

妻には、次の仕事をどのような軸で決めていけば良いのか悩んでいることを正直に話しました。そうすると妻は、私が昔から機械いじりが好きだったことを振り返り、「整備士が向いているよ」と言ってくれました。また、今後の子育てを考えて両親の近くに住むことにも賛成してくれました。

妻に相談してみて、改めて自分は両親や妻、娘を大切にしながら、整備士として働いていきたいと感じています。

ステップ(3)整理した希望を叶えられる仕事を探してみる

人に相談してみると、自分が本当に叶えたい希望がさらにクリアになるはず。その希望を叶えられる仕事がないか探してみましょう。仕事を探す方法として求人サイト、転職エージェント、知り合いのツテなどいろんな方法があります。

例えば求人サイトを使うと、多くの求人のなかから希望の条件に合うものを探すことが可能です。転職エージェントに相談すると、経験や希望、志向性まで踏まえた上で厳選した求人を紹介してもらえるでしょう。また、知り合いのツテを使うと実際にその会社で働いているリアルな声を聞くことできるはずです。

Aさん(29歳男性)のケース

転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談してみると、両親の近くに住むことができるエリアを最優先として求人をいくつか選んでくれました。それらの企業の平均年収もまとめて教えてくれたので、入社後の年収の上がり幅をイメージすることができました。

年収を上げることは優先条件ではなかったものの、増えるに越したことはありません。おかげで年収の伸びしろがある成長企業を選んで選考に進むことができ、満足いく転職ができました。

ステップ(4)前の会社に戻れるようにお願いする

自分の希望を改めて整理してみて、やはり前職が一番だと感じるのであれば、前職に戻れるようにお願いするのも1つの手です。気持ちが固まっているのであれば、まず前職の上司や同僚に素直に伝えてみましょう。とても良い環境で働けていたことに感謝していること、自分が一番力を発揮できるのは前職だと感じたことなど誠心誠意伝えれば、戻れるチャンスはあるかもしれません。

いきなり前職に戻るのは難しくても、別の会社で数年働いた後であれば可能性はあります。とはいえ、基本的には一度退職した会社に戻るのは難しいことが多いので、退職した時の状況や理由を踏まえてじっくり考えてみましょう。

※詳しくは→出戻り転職は失敗する?

まとめ

退職してから前職の良いところに気が付き、後悔してしまう人は多いですが、理由は人それぞれです。退職を後悔している人は、じっくり考えて次の仕事を選ぶことで、少しでも後悔を少なくしてください。

また退職を考えている人は、その時の勢いで退職して後悔してしまわないように、事前にゆっくり考えたり、人に相談したりしてから決断するようにしましょう。

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