未加入で退職した場合も解説 試用期間でも社会保険に加入できる!

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就職・転職先が決まったものの、試用期間中に社会保険に入れないと言われたら、「保険証がないために病院での治療費が全額負担になってしまう」「年金の未納期間が発生してしまう」などのトラブルにつながってしまうかもしれません。

ここでは、試用期間の社会保険加入にまつわる疑問や不安を解消するべく、実情を詳しく解説します。

試用期間中は社会保険はなし?

社会保険とは、健康保険、厚生年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険の総称で、場合によっては健康保険と厚生年金保険のみを指すこともあります。

求人情報に「社保完備」と記載されている場合はこれらに加入できるということですが、試用期間中はどうなるのでしょうか?

※社保完備について詳しくは→メリットも解説|「社保完備」ってどういう意味?

※試用期間について詳しくは→解雇や退職、給料についても解説|試用期間とは?

試用期間でも社会保険に加入できる

社会保険は、試用期間であっても原則入社1日目から加入します

試用期間中は本採用を前提として雇用しているとみなされるためです。

もし、それまで家族の扶養に入っていた場合、社会保険に加入すると、試用期間であっても扶養から外れる点に、気をつけましょう。

健康保険・厚生年金保険への加入条件

健康保険・厚生年金保険は、試用期間や本採用期間、正社員やパート、アルバイトといった雇用形態に関係なく、以下に該当する場合に加入が義務付けられています。

1週間の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が、同じ事業所で同様の業務に従事している正社員の4分の3以上

また、労働時間が正社員の4分の3未満であっても、以下の全ての条件を満たす場合は健康保険と厚生年金保険に加入しなければなりません。

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 勤務期間が1年以上見込まれている
  • 月額賃金が8.8万円以上
  • 学生ではない(夜間・通信制除く)
  • 従業員501人以上の企業で働いている(500人以下でも労使の合意があれば可)

ただし、有期雇用のアルバイトなど、以下に当てはまる場合は健康保険と厚生年金保険には加入できません。

  • 2ヶ月以内の契約期間を定めた有期雇用契約である場合、かつ、有期雇用契約の更新を前提としない
  • 正社員の4分の3未満の労働日数・労働時間で雇用契約を締結している

雇用保険と労災保険の加入条件

雇用保険と労災保険の加入が適用される条件は以下の通りです。

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上
  • 1ヶ月以上雇用される見込みがある

短期アルバイトのような働き方の場合、雇用保険と労災保険には加入できるものの、健康保険と厚生年金保険には加入できない場合があるので、条件をよく確認しましょう。

試用期間中の社会保険未加入は違法

健康保険法第208条によって、企業は試用期間であっても従業員を社会保険に加入させるよう義務付けられているため、未加入は違法になります

社会保険未加入の企業には6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金が課せられます。

ただ、健康保険や厚生年金の保険料納付は企業にとっても大きな出費となるため、経営が厳しい中小企業などでは「試用期間中は社会保険に入らなくて大丈夫」などと説明をするケースもあるようです。

社会保険の加入条件を満たしているにもかかわらず未加入の場合は、加入してもらうよう会社に申し出てください。

それでも加入の手続きをしてもらえない場合は、企業の所在地を管轄する年金事務所(日本年金機構)に相談してみましょう。

社会保険に未加入のまま退職すると?

万が一、社会保険に未加入のまま、試用期間中に退社してしまった場合はどうなるのでしょうか?

将来への影響や保険料など、気になる疑問について解説します。

社会保険に未加入だと将来の年金が減る?

社会保険に未加入の時期があっても、将来もらえる年金が必ず減るとは限りません

なぜなら、社会保険は2年間までさかのぼって保険料を支払うことができるためです。では、未加入期間の社会保険料をどのように支払えばよいのでしょうか。

未加入分の社会保険料を支払うには?

未加入時期の保険料をさかのぼって支払う場合、その期間の保険料を企業と労働者が折半で一括払いすることになります。分割はできません

詳しくはお住まいの地域の年金事務所に問い合わせてみてください。

社会保険が未納になっていないかと不安な場合は、日本年金機構の「ねんきんネット」でパソコン・スマートフォンから確認できるので、チェックしてみるとよいでしょう。

※参考→ねんきんネット|日本年金機構

コラム:「試用期間=短期の有期雇用契約」と扱い社会保険に加入しないケースも

企業が労働者に対して、試用期間の契約を2ヶ月以内の「短期の有期雇用」扱いにした場合、社会保険の加入と解雇予告が不要になります。

このため、企業側が意図的に社会保険未加入でも問題ない短期の有期雇用契約を結んで、試用期間後に本契約を結ぼうとするケースもあるようです。

企業に「試用期間だから社会保険には入れない」と言われた場合、このような契約になっている可能性もあるため、事前に労働条件や労働契約書を確認することが大切です。

まとめ

一定の条件を満たしていれば、試用期間中であっても雇用形態にかかわらず社会保険に入ることができます。

将来の年金受給額や医療機関の受診においてトラブルが起こることがないよう、就職や転職の際は社会保険の加入時期についてきちんと確認しておきましょう。

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