定義・年収・職業は? パワーカップルの実態【家計の収支表】

最近テレビなどでよく耳にする「パワーカップル」という言葉。その定義や年収・生活スタイルなどの実態に迫ります。

パワーカップルの定義とは?

パワーカップルとは、どのような意味なのでしょうか。まずはその定義について説明します。

夫婦ともに高収入なカップルのこと

パワーカップルとは、夫婦ともに高収入である男女を指します。

パワーカップルの明確な基準や定義はありませんが、よく言われている指標として、以下の3つが挙げられます。

【パワーカップ3つの指標】 <指標1>世帯年収が1,000万以上、かつ正社員 <指標2>夫婦ともに年収700万円以上 <指標3>夫の年収が600万円以上、かつ妻が400万円以上

また、パワーカップルの特徴として、テレビなどのメディアでは、夫婦ともに管理職などの責任のある仕事についていて経済的に余裕があり、消費活動に強い関心を持つ夫婦を指す傾向があります。

年齢としては20代後半~40代前半頃の働き盛りといわれる年齢層の夫婦を指すことが多いようです。

※参考→「パワーカップル」世帯の動向(1)|ニッセイ基礎研究所

パワーカップル世帯の割合は1%!?

パワーカップルの条件を「夫婦ともに年収700円以上」とした場合、その条件にあてはまる世帯の割合は1%程度と考えられます。

ニッセイ基礎研究所の調査によると、下記のようなデータが出ています。

  • 年収700万円~999万円の男性のうち、妻の年収が700万円以上の割合は5.4%
  • 年収1,000万円以上の男性のうち、妻の年収が700万円以上の割合は13.3%

さらに、国税庁の調査ではそもそも700万円以上稼ぐ男性は全体の21.3%、1,000万円以上だと7.7%。2つの調査結果を掛け合わせるとたったの1%程度と、夫婦ともに700万円以上稼ぐパワーカップルがいかに少数派であるかがわかります。

※参考
共働き世帯の妻の働き方|ニッセイ基礎研究所
平成30年民間給与実態統計調査|国税庁

※世帯年収の平均については→世帯年収の平均は?家計内訳モデルも公開

パワーカップルに多い職業

パワーカップルに多い職業には、どのようなものがあるのでしょうか。主な職種を紹介します。

医師やパイロットなどの士師業

パワーカップルに多い職業のひとつとして、医師や弁護士などの士師業が挙げられます。

厚生労働省「平成30年 賃金構造基本統計調査」によると、医師の平均年収は約1,161万円、航空機操縦士は約2,048万円、弁護士は約765万円(※)となっています。夫婦ともに士師業についていれば、世帯年収2,000万円も実現可能なパワーカップルといえるでしょう。

※平均年収は残業代を含む毎月の給与の12ヶ月分に、年間の賞与を加えて試算

※参考→平成30年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

大手企業の正社員

大手企業の中には社員の平均年収が1,000万円を超える企業も多く、パワーカップルの夫婦またはどちらかが働いていることも珍しくありません。

夫婦ともに大企業に勤める正社員であれば、こちらも世帯年収2,000万円が実現可能なパワーカップルといえます。部長クラスであればもっと年収が高くなります。

公務員

人事院の調査によると、公務員の平均年収は約500万円。夫婦ともに公務員であれば合わせて約1,000万円となるため、パワーカップルに当てはまります。

もし初任給の年収が300万円程度であっても、公務員の年収は勤続年数に応じて上がっていく傾向が強いので、将来的にはパワーカップルになれる可能性が高いといえるでしょう。

また公務員の場合、育児休業を取得した場合であってもキャリアが中断されず、休業明けに昇給したり、ほかの同僚と同じように管理職になれたりすることも珍しくありません。そのため、女性でも昇給ペースが落ちにくいと言えそうです。

※参考
平成30年国家公務員給与等実態調査報告書|人事院
女性地方公務員のワークスタイル 事例集|総務省

パワーカップルの生活スタイル

憧れの対象とされるパワーカップルですが、一体どのような生活を送っているのでしょうか。その実態について説明します。

パワーカップルの家計の実態

夫婦ともに年収が700万円で世帯年収が1,400万円のパワーカップルの場合、およその手取り額は約1,070万円、月収(手取り)約90万円です。

毎月どのような収支になっているのか、一例として紹介します。

【パワーカップルの家計簿】(夫・妻・保育園に通う子どもが一人の場合)(項目/金額/備考):月収(手取り)/89万円/夫婦ともに手取り約40万円|支出合計/81万円/|家賃/20万円/2LDKの賃貸マンション(都内・築浅)|食費/7万円/デリバリーサービスも活用|外食費/8万円/共働きなので外食が多め。週末は外で食べることが多い|水道光熱費/3万円/―|通信費/3万円/スマートフォン2台、自宅用ネット回線|消耗品費/5万円/日用品や衣類など。週末に買いだめすることが多い|医療費/1万円/|保険料/3万円/生命保険、収入保障保険|趣味・娯楽/5万円/週末は家族で出かけることが多い。SNSで話題のイベントやお店に行く|家具・家電/2万円/便利な時短家電をよく購入する|車/6万円/ローン3万円、駐車場代3万円(ホンダ・フィット)|教育費/6万円/子どもの保育園代や習い事の月謝|お小遣い/12万円/夫婦ともに6万円ずつ。仕事関係者や友達との交際費、美容院代や、化粧品代|貯蓄額/8万円/月によって増減あり

マンションや一戸建てを購入しやすい

パワーカップルであれば、貯蓄がそれほど多くなくともマンションなどの高額なローン審査が通りやすく、マンションや一戸建てを購入しやすいという特徴があります。

夫婦で住宅ローンを組む場合は、夫婦の収入を合算して審査する「収入合算」や、それぞれの収入で審査される「ペアローン」という方法が選択できるためです。

ただし高額なローンは、女性が出産や子育てなどで仕事を一時的に休んだ場合、一気に負担が大きくなってしまうことがあります。それを避けるためには、余裕のあるローン返済の計画を立てることが重要です。

コラム:パワーカップルは意外と貯蓄が難しい?

パワーカップルのような高収入世帯は、意外にも貯蓄が難しいと言われています。

なぜなら、年収が高い分、生活水準や購買意欲が高くなり、貯金よりも消費が多い生活になってしまうためです。

さらに、パワーカップルは夫婦ともに責任のある仕事についている場合も多く、その場合仕事が忙しく、家事や子育ての時間が足りなくなります

そのため、ベビーシッターやデリバリーサービスを頻繁に利用したり、お掃除ロボットや食器洗い機などの時短家電を購入したりするなど、時間を捻出するためにお金を積極的に使わざるを得ないのです。

まとめ

パワーカップルとは、夫婦ともに高収入であることで、世帯年収は1,000万円以上とされています。夫婦ともに、またはいずれかが公務員や士師業、大手企業の社員であるケースが多いようです。

経済的に余裕があるため、生活水準が高い傾向にありますが、その分消費意欲も高いという特徴があります。

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