用紙の選び方から書き方まで紹介 手書きで職務経歴書を作成するには?

職務経歴書は手書き・パソコンどちらで制作するのがいいのでしょうか?

この記事では、手書き・パソコン作成どちらがいいか、メリット・デメリットを踏まえてお伝えしつつ、手書きで作成する場合用紙・テンプレートの選び方や、書き方を紹介します。

職務経歴書は手書き・パソコン作成どちらがいい?

職務経歴書は、特に指定がない限り手書き・PC作成どちらでも問題ありません。「家にパソコンが無い」といった事情がある場合は、市販の職務経歴書用紙を購入して作成しましょう。

なお、手書きにはメリット・デメリットどちらもあるので、迷っている人は【職務経歴書を手書きするメリット・デメリット】を見たうえで判断するといいでしょう。

手書きの用紙・筆記用具の選び方

用紙の選び方

職務経歴書の用紙は、市販の用紙を購入するか、パソコンでテンプレートを印刷するのが一般的です。購入する場合は、通販サイトや文具店、100円均一ショップで探すといいでしょう。

〈職務経歴書が購入できる店舗〉

  • 通販サイト
  • 文具店
  • 100円均一ショップ(100均)

※職務経歴書は販売しているメーカーが少なく、店頭に置いていない場合もあるため、「通販サイト」で探すのがおすすめ。

なお、市販の用紙は記入項目が少なく、アピールしたい内容を書ききれない場合もあるので、手書き用のテンプレートを印刷するのもおすすめです。

下記のボタンからダウンロードして、A4サイズのコピー用紙片面印刷して使用しましょう。

筆記用具の選び方

手書きで職務経歴書を作成する際は、黒のボールペン(ゲルインクボールペンがおすすめ)を使用しましょう。文字の太さは、細すぎても弱々しい印象になってしまうため、0.5mm0.7mmがおすすめです。

なお、万年筆や水性のペン、文字が消せるフリクションのボールペンなどは、文字が消える・にじむリスクがあるため、使用しないでください。

〈筆記用具の選び方〉

  • 黒のボールペン(ゲルインクボールペン)が一般的

    ※水性のペンや、文字が消せるボールペン、万年筆はNG

  • 文字の太さは、0.5mm0.7mmがおすすめ

【見本つき】手書きの職務経歴書の書き方

市販の職務経歴書の場合、項目がシンプルになっていることが多いことが特徴です。

ここでは、最もメジャーな「職務経歴」「保有資格・免許・スキル」「自己PR」の3項目を記入するタイプの職務経歴書の書き方を紹介します。

【職務経歴書の記入例】 <勤務先・職務内容・実績・その他欄> (1)入社年月:2016年4月/株式会社ABC 入社 (2)事業内容:[事業内容]化学原料の製造・販売 (3)資本金・売上高・従業員数:[売上高]154億円(2020年3月期実績)[従業員数]800名[資本金]20億円 (4)担当業務:[担当業務]各種メーカーへの、化学原料の提案営業 (5)担当業務の詳細:■主に既存顧客への化学薬品・合成ゴム原料の提案を実施。■自動車メーカー、電機メーカーなど、30社ほど担当。■2020年4月からは、リーダーとして6名のマネジメントを担当。新人の育成やノウハウ共有、売上管理等を行いました。 (6)退職、または退職予定の年月:2021年1月/一身上の都合により退職 <保有資格・免許・スキル等欄> ■資格/普通自動車第一種運転免許(2017年12月取得) ■PCスキル/Word、PowerPoint、Excel(基本的な操作、資料作成が可能) <自己PR> 4年以上にわたり、様々なメーカーへの化学原料の提案営業を担当して参りました。得意としてきたのが、顧客の製品ラインナップと原料の相性を把握した上での最適な商品の提案です。1万点に及ぶ自社製品の箔に加え、自動差hメーカーから食品メーカーまで幅広い分野の取引先の知識を専門誌等で養う努力をしております。その結果、知識量を評価されて成約に繋がり、4期連続で予算達成率100%以上を実現しています。貴社においても、一日も早く顧客と自社製品の特徴を把握し、実績を挙げられるよう努めてまいります。

職務経歴

職務経歴では「勤めていた企業の情報」と「担当した業務の内容」を、シンプルに記入するのがポイントです。下記の流れで、あなたの経歴をまとめましょう。

〈職務経歴欄の流れ〉

  1. 最初の行に、「入社した年月」と「会社名+入社」を記入する
  2. 事業内容を1行で記入(企業のHPを見て記入)する
  3. 会社規模を伝えるために「資本金・売上高・従業員数」を記入する(企業のHPを見て記入)
  4. 担当業務を一言で書く
  5. 担当業務の詳細を、箇条書きで書く
  6. 最後に退職した年月、または退職予定の年月を書く

※複数社経験している場合は、会社ごとに1~6を記入します。
※書ききれない場合は、改行を減らしたり、内容をシンプルにしたりしましょう。

保有資格・免許・スキル

「保有資格・免許・スキル等」の欄には、応募先に関係する資格などを、正式名称で記入します。求人票の応募要件で特定の資格などが指定されている場合は、該当するものを必ず記載しましょう。

また、混乱を避けるため、履歴書と職務経歴書の資格欄の記入内容は統一するようにしてください。

〈保有資格・免許・スキルのポイント〉

  • 応募先に関係する資格などをピックアップして書く
  • 特に、求人票の応募要件で指定されているものは、必ず書く
  • 資格などの名称は、省略せずに正式名称で書く
  • 履歴書と職務経歴書の内容は、統一する

▼資格欄の書き方について、くわしく知りたい場合は…

自己PR

自己PR欄は、職務経歴で記載したこれまでの経験を踏まえて、「自分の強み」や「アピールポイント」を伝える欄です。

結論アピール内容を裏付けるエピソード入社後の抱負の3段構成に沿ってまとめると、要点が整理され納得感のある自己PRに仕上がります。文字数の目安は、200~300字ほどです。

〈自己PRのポイント〉

  • 結論アピール内容を裏付けるエピソード入社後の抱負の3段構成に沿ってまとめる
  • 文字数の目安は、200~300字

▼自己PRの書き方について、くわしくは……

【職種別】職務経歴書の記入のポイントは?

自己PRなどを書く際には、職種ごとに「盛り込んでおきたい情報」があります。

下記の職種別の職務経歴書の紹介記事では、冒頭で「盛り込みたい内容(記入のポイント)」を紹介しているので、そちらを意識して記入内容を考えるのがおすすめです。

パソコンで作成する想定の記事のため、書類の見た目は違いますが、考え方は共通なので、「何をアピールするべきか」を考える参考にしてください。

〈職種別|職務経歴書の見本・書き方リンク集〉

営業系
事務系
販売・接客系
製造・技術系
化学系
製薬系
化粧品系
建設・土木・不動産系
IT系
クリエイター系
医療系
教育系

職務経歴書を手書きするメリット・デメリット

ここまで手書きの場合の書き方を紹介しましたが、より効果的な職務経歴書を書くために、手書きのメリット・デメリットも知っておくのがおすすめです。場合によっては、パソコン作成も視野に入れて検討しましょう。

手書きのメリット

  • 人柄や応募意欲を伝えられる
  • 丁寧な字で書くことで、仕事の丁寧さを伝えられる
  • 字の上手さをアピールできる
  • 歴史のある企業や、保守的な企業、手書きで書類を作成する機会が多い企業で好まれる

一般的に、手書きは時間がかかることから、「わざわざ手書きするだけの意欲や、熱意がある」という印象をあたえやすいとされています。特に、歴史のある企業や、保守的な社風の企業では好印象になりやすいので、手書きを検討してもいいでしょう。

また、契約書類などを日常的に手書きする業務がある企業では「字の上手さ」がアピールポイントになるため、職務経歴書を手書きで作成するメリットが大きいといえます。

手書きのデメリット

  • 丁寧な字で書かれていないと、意欲が無いと思われる
  • 「未だに手書きなのか…」といったネガティブな印象につながることがある
  • 誤字・脱字などのミスを修正できず、書き直しになる
  • 応募する企業ごとに、一から作成しなければならない

手書きの場合、字の上手さや丁寧さは目に付くポイントとなります。それだけで合否が決まるわけではありませんが、字が丁寧に書かれていないと「仕事も雑なのでは?」という印象になり、印象を悪くするので注意しましょう。

また、企業によっては「未だに手書きなのか…」「パソコン操作が苦手なのでは?」といったネガティブな印象につながることもある点は注意してください。

加えて、作成する手間がかかる点もデメリットです。応募するたびに一から作成する必要があるのはもちろん、誤字・脱字などのミスがあった場合、修正液などは使えないため書き直すことになります。作業時間の確保には十分注意しましょう。

手書きの注意点

手書きで職務経歴書を作成する場合、マナーとして下記の4つの注意点を守って作成するようにしましょう。

(1)読みやすい字で、丁寧に書く

字が丁寧に書かれているかどうかで、採用担当者は「仕事にも丁寧に向き合えそうか」「応募意欲が高そうか」といった姿勢を読み取ろうとしています。

綺麗な字である必要はありませんが、時間をかけて書いたり鉛筆などで下書きしてからボールペンで清書するなどして、丁寧な書類づくりを心がけましょう。

(2)簡潔に読みやすく書く

だらだらと長い文章になっていると、読みにくいだけでなく、簡潔にまとめるスキルがないという印象をあたえるリスクがあります。パソコンで作成する場合も注意すべきですが、手書きだと情報を整理しづらく、長い文章になってしまいがちなので、特に注意が必要です。

同じ内容の繰り返しがないか見直したり、箇条書きや改行なども活用したりして、簡潔にまとめることを心がけましょう。

(3)誤字脱字に注意する

いくら注意していても、誤字・脱字はうっかり発生してしまうものです。清書が終わったタイミングで見返したり、声に出して読んだりすることで、入念に確認を行いましょう。

可能なら鉛筆などで下書きをして、修正できるうちに間違いを見つけるようにするのがおすすめです。

(4)省略はしない

記入欄が限られていることから、「株式会社」を(株)と省略したり、資格名を省略したくなりがちですが、公式な書類では省略しないのがマナーです。

習慣でつい省略してしまう場合もあるので、誤字脱字を確認する際に、あわせてチェックしておきましょう。

よくある疑問、Q&A

ここからは、手書きで職務経歴書を作成する際の「よくある疑問」についてお答えします。

Q.修正液・修正テープは使ってもいい?

A.NG。間違った場合は書き直しましょう。

職務経歴書は、書類選考の合否に関わる重要な書類です。書き損じ・修正の跡は印象を悪くする恐れがあるため、新しい職務経歴書に書き直しましょう

Q.履歴書を手書きした場合、職務経歴書も手書きに統一すべき?

A.統一しなくてもOK。

履歴書を手書きにしたからといって、必ずしも職務経歴書も手書きにする必要はありません。手書き用の職務経歴書は記入項目が少ないことが多いので、職歴や実績などアピールしたい内容が多いなら、記入項目の多いフォーマットを使って、パソコンで作成する方がいいでしょう。

なお、書類の見た目を揃えた方が読みやすいというメリットもあります。読みやすさを考慮する場合は、手書き・パソコン作成いずれかに統一した方がいいでしょう。

Q.手書きしたものをコピーして使っていい?

A.基本は「原本」を提出。使いまわしを疑われることも。

職務経歴書は、書類選考の合否に関わる重要書類であり、基本的には「原本」を提出します。そのため、コピーを使うのはNGです。

コピーを使ってしまった場合、「ほかの企業向けのものを使いまわしている」と誤解され、評価が下がる恐れがあります。仮に内容が同じでも、応募先に合わせて新しいものを用意しましょう。

Q.送付状(添え状)も手書きにすべき?

A.手書きじゃなくてOK。

職務経歴書を手書きにした場合でも、送付状(添え状)まで手書きに統一する必要はありません。書類の見た目の統一感を出したい場合は、手書き・PC作成のいずれかに揃えてもいいでしょう。

なお、送付状(添え状)の内容や構成は、手書きでもパソコン作成でも変わりません。下記の記事で紹介する書き方テンプレートを参考に作成しましょう。

Q.日付やページ番号は、手書きの方がいい?

A.日付やページ番号だけ手書きにすると、流用を疑われるのでNG。

職務経歴書をパソコンで作成し、日付やページ番号だけ手書きにする」という作り方はNGです。一部分だけ手書きをしたからといって、手書きのメリットに挙げたような丁寧な印象にはならず、逆に日付だけ書き換えて、流用しているのでは?」というネガティブな印象をあたえるリスクがあります。

また、一部分だけ手書きだと不自然な印象も与えるため、パソコン作成・手書きいずれかに統一しましょう。

Q.手書きの職務経歴書を、pdfなどデータ化するには?

A.コンビニのコピー機でスキャンするのがおすすめ。

職務経歴書をメールで提出する場合など、手書きの書類をデータ化する場合は、コンビニのコピー機でスキャンするのがおすすめです。

主要コンビニ(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ)のコピー機の「スキャン」機能では、持ち込んだ書類をPDFデータとして保存できます。

なお、保存にはUSBメモリーか、専用のアプリをインストールしたスマートフォンが必要です。持参してコンビニに行き、操作画面の指示に従ってスキャンしましょう。

▼コンビニ各社のコピー機の紹介ページ

職務経歴書の、もっとくわしい書き方は…

職務経歴書の各項目の書き方ポイント履歴書との違いなどをくわしく知りたい場合は、下記のまとめ記事を読むのがおすすめです。

実際の記入見本や例文も使ってわかりやすく解説しているので、ぜひ参考にしてください。


この記事の執筆者

ライター・編集者

久保田 敦大

株式会社クイック

転職Hacks編集部のライター・編集者。

大手求人メディアにて求人票や転職ノウハウ記事の制作を手掛けたのち、転職Hacks編集部に参画。自身の転職経験を活かした「実践的なノウハウ記事」が強みで、企業研究から入社の手続きまで、転職活動の全体をフォローしている。

転職時に自身も感じていた「わかりにくい!」というモヤモヤを解消すべく、どこよりも分かりやすい記事づくりに日々邁進中。

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