「僕」はNG? 面接での正しい一人称
面接で使うべき一人称やNG表現について詳しく解説します。
面接にふさわしい一人称は?
男女とも面接の一人称は「私」を使う
面接での正しい一人称は、男女ともに「私(わたし)」もしくは「私(わたくし)」です。「わたくし」の方がよりフォーマルな印象を与えます。
就職や転職の面接だけでなく、大学入試などの面接でも同じです。
普段の癖でつい「僕」や「自分」という一人称を使ってしまうこともありますが、面接の場で使うのは不適切なので、避けましょう。
コラム:正しい一人称が使えるかが一次面接に影響?
面接の中でもとりわけ一次面接では、正しい一人称が使えているかなどの基本的なビジネスマナーも選考基準の一つとされます。
職種・業種を問わず、身だしなみをはじめ、挨拶や話し方、敬語の使い方など「社会人としての基本的な立ち振る舞いやマナーが守れていない」という理由で不採用になるケースも少なくありません。面接では一人称をはじめとした言葉遣いにはくれぐれも注意しましょう。
面接での一人称のNG例
面接で使うのは避けたいNG一人称を4つ紹介します。
一人称のNG例1:「僕」
男性が日常生活でよく使う「僕」という一人称は、本来は自分と同等か目下の人に対して使われる言葉であるため、面接で使うのは不適切です。
気心の知れた上司や仲の良いお客様と話すときなど、話す相手との親密度や状況によっては使用しても問題ありませんが、面接ではNGと覚えておきましょう。
一人称のNG例2:「自分」
「自分」は特に、体育会系の部活などに所属していた男性がよく使う表現ですが、面接ではNGです。
また、関西地方などでは、「自分」という一人称が「あなた」や「おまえ」を意味することもあるので、なおさら面接やビジネスシーンでは使わないようにしましょう。
一人称のNG例3:「あたし」
女性の場合、日常生活で「あたし」という表現を使うこともありますが、面接ではNG。「あたし」は砕けた印象を与えるため、はっきりと「わたし」と発音するように心がけましょう。
一人称のNG例4:「自分の名前」
女性の中には、自分の名前を一人称に使う人もいますが、もちろん面接では不適切です。
自分のことを名前で呼ぶと、幼稚で常識に欠けている印象を持たれやすく、マイナスな評価になります。面接で自分の名前を一人称として使う人は少ないかもしれませんが、緊張すると普段の癖が出ることもあるため、要注意です。
コラム:尊敬語と謙譲語も要確認
面接で一人称以外に気を付けたい言葉遣いに「尊敬語と謙譲語」があります。
尊敬語は相手を敬う表現、謙譲語は自分がへりくだる表現です。ここでは、面接の最中や面接の前後でやり取りするメールでよく使われる尊敬語・謙譲語を紹介します。
▼【尊敬語】の一例
例:○○さんも○○部長にお会いになったのですね。
例:会社説明会で役員の方がおっしゃっていた◯◯に興味があります。
例:全体研修では◯◯のホテルで合宿なさるそうですね。
例:営業部の方は出張に行かれるそうですが、月何回程度でしょうか?
例:私のポートフォリオをご覧いただきありがとうございます。
例:成長できる社員とはどんな特徴があると思われますか?
例:◯◯のお話はお聞きになりましたか?
▼【謙譲語】の一例
例:◯◯様にお目にかかることができ、大変うれしく思います。
例:申し上げた通り、私は◯◯分野に興味があります。
例:(面接会場への入退室の際に)失礼いたします。
例:約束の◯時に参ります。
例:説明会で頂いた書類を拝見しました。
例:私は◯◯だと存じます。
例:明日の面接では◯時にロビーに集合だと伺いました。
謙譲語と尊敬語の間違った使い方として多いのが、双方を混同して逆の使い方をしてしまうケース。
例えば、面接で「社内見学の際、社員の方が◯◯と申し上げたことに感銘を受けて……」と謙譲語を使ってしまうのはNG。正しくは「社内見学の際、社員の方が◯◯とおっしゃったことに感銘を受けて……」です。
他にありがちな間違いとして、「おっしゃる」を「おっしゃ『られる』」などと敬語表現を重ねてしまう二重敬語が挙げられます。敬語と尊敬語の違いをしっかり覚えて、正しい言葉遣いをマスターしましょう。
まとめ
面接では、男女ともに「私」という一人称を使うのが適切です。面接の時にうっかり普段の一人称が出ないように注意しましょう。
また、面接では一人称の使い方を含む、社会人にふさわしいマナーができているかどうかを見られています。しっかりと正しいマナーを覚えておきましょう。