おすすめの使い道・デメリット カフェテリアプランとは

カフェテリアプランとは、社員満足度を上げるために、さまざまな企業が導入している福利厚生サービスの1つです。カフェテリアプランの使い方やメリット、デメリットを解説します。

カフェテリアプランとは?仕組み・メニュー例

まずは、カフェテリアプランの概要について紹介します。

社員自身が福利厚生を自由に選べるサービス

カフェテリアプランとは、いくつかの選択肢の中から「人間ドック費用の補助」「資格取得費用の補助」といった福利厚生を自由に選べるサービスです。

内容が社員一律で固定されている従来の制度とは違い、カフェテリア形式のレストランのように「たくさんのメニューの中から自分の好きなものを選ぶ」ことができるため、カフェテリアプランと呼ばれています。

未婚・既婚、子どもの有無などライフスタイルや価値観が多様化しつつある今、社員全員が同じように満足できる福利厚生を整えるのが難しくなっています。

カフェテリアプランはそうした時代の変化に対応し、すべての社員が満足できる福利厚生サービスとして、1970年頃にアメリカで誕生しました。

※福利厚生について詳しくは→「福利厚生とは?」知っておいてソンはない最新事情を大公開!

カフェテリアプランの仕組み

カフェテリアプランは、与えられたポイントの範囲内でさまざまな福利厚生サービスを選ぶことができます

年間で数千~数万円相当のポイントが付与されますが、そのポイント数はカフェテリアプランを導入している企業によって差があります。一般的には1ポイント100円として換算するようです。

カフェテリアプランのポイントメニュー例

社員1名あたり、年間1,000ポイント(10万円相当)が付与される会社のカフェテリアプランのメニュー例です。

  • 人間ドック費用補助…150P
  • 育児サポート…800P
  • 資格取得補助…100P
  • 旅行費用補助…100P
  • メンタルヘルスケア補助…100P
  • 通信教育費用補助…400P

カフェテリアプランで選べる福利厚生のメニューは、会社によって異なります。

利用する際は専用サイトやカスタマーセンターに申請

【カフェテリアプラン利用の流れ】 (1)自社のカフェテリアプランの専用サイトにログイン (2)ポイント残高を確認し、利用したいメニューを選んで申請 (3)カフェテリアプランの運営会社が申請内容を確認 (4)承認されたらサービスを利用、ポイントが消化される

カフェテリアプランを利用するには、まず自社のカフェテリアプランの運営会社のサイトにログインし、その後利用したいメニューを選択、申請するという流れがほとんどです。

また、カスタマーセンターに電話をして申請することも可能です。

例えばホテルの割引サービスを利用したい場合、事前にサイトで該当のメニューを申請し、差額を現地で支払う形になります。

また、領収書が必要なプランについては利用後に領収書をもらい、別途総務部などに提出する場合もあります。

運営は外部委託されることが多い

カフェテリアプランの運営は外部企業に委託されることが多いようです。

カフェテリアプランを運営している代表企業は以下の通りです。それぞれの会社でプランや価格に違いがあります。

株式会社ベネフィット・ワン

海外に拠点を持ち140万件以上の優待サービスを取りそろえています。

株式会社リロクラブ

日本初の福利厚生アウトソーシング会社で中小企業に適したプランが豊富。

JTBベネフィット

JTBの子会社で旅行関連のプランがそろっています。

コラム:カフェテリアプランの導入企業は約1%

カフェテリアプランを導入している企業は、無作為に選ばれた全国の民間企業2809社中、たったの37社(1.3%)。

企業の規模が大きくなるにつれて、導入割合が高くなる傾向にあります。

※参考:企業における福利厚生施策の実態に関する調査|独立行政法人 労働政策研究・研修機構

以下の企業はカフェテリアプランを導入しています。

トヨタ自動車株式会社

トヨタ自動車は「WellChoice(ウェルチョイス)」という独自のカフェテリアプランを導入しています。

従来型の福利厚生メニューが中心のコアメニューが14ジャンル、社員の趣味嗜好に応じたメニューが豊富なセレクトメニューとして10ジャンルと、幅広いメニューから好きなサービスを選ぶことができます。

パナソニックシステムソリューションズ ジャパン株式会社

パナソニックシステムソリューションズ ジャパンのカフェテリアプランでは、毎年8万ポイント(=8万円)が付与されます。

貯蓄といった将来に備えた使い方や、英会話教室やスポーツジム、宿泊施設といったプライベートを充実させるための使い方があり、生活スタイルに合わせて利用することができます。

NTTグループ

NTTグループでは、健康増進、財産形成、住宅関係の3ジャンルのカフェメニュー、育児や生活援護などをはじめとした7ジャンルのコアメニューが用意されています。

コアメニューの中には「NTTベネフィット・パッケージ」として健康や育児、介護、余暇を支援するプレミアムサービスもあります。

カフェテリアプランは実は使いにくい?

カフェテリアプランのメリットは、自分の好きなメニューを自由に選べること。とても使い勝手がいいように感じますが、実は使いにくい一面もあります。

カフェテリアプランのデメリット4つ

では、カフェテリアプランのデメリットについて見てみましょう。

【カフェテリアプラン4つのデメリット】 (1)ポイント不足で利用できないことも (2)計画的に利用しないとポイントが無駄に (3)課税対象サービスを利用スつと手取りが減る (4)勤続年数や役職によるポイントさがあることも

ポイント不足で利用できないことも

カフェテリアプランでは毎年決まったポイントが付与されますが、早い段階でポイントを使いすぎてしまうと、本当に必要な場面でポイント不足になってしまうケースもあります。

例えば「健康診断で医師から体質改善の指導を受けたので、カフェテリアプランで割引サービスが使える健康施設に行きたいが、すでにポイントを使い切ってしまったので自己負担で利用するしかない」といった事態が考えられます。

計画的に利用しないとポイントが無駄に

カフェテリアプランのポイントは、次年度に繰り越しできない場合があるため、使う機会を逃してしまうとポイントが無駄になることもあります。

定期的にカフェテリアプランのメニューをリサーチしたり、ポイントを使うタイミングを決めたりしておくなど、有効的なポイントの使い方を検討する必要があります。

課税対象のサービスを利用すると手取りが減る

カフェテリアプランのメニューには、非課税のものと課税対象になるものがあり、例えば商品券などの課税対象のサービスを利用すると、その分給与からいつもより多く税金が引かれます

3万円の商品券に交換した場合

給与額面が25万円で3万円分の商品券に交換した場合、25万円+商品券の3万円=28万円に税金が課せられる。

よって、給与額面は変わらず25万円でも、商品券の3万円分を足した28万円の税金が引かれる。

  • 月給25万円の場合…住民税、所得税、社会保険料を合わせて約5.6万円
  • 月給28万円の場合…住民税、所得税、社会保険料を合わせて約6.5万円

そのため、通常の手取り月収よりも約9千円マイナスになる。

一方で、人間ドック費用の補助などは社員の健康管理の一環となるため、非課税です。

利用する前に、使うメニューが課税対象か非課税対象かをよく理解し、自己責任で申請する必要があります。

もしわからなければ、自社が利用しているカフェテリアプランの注意事項を確認するか、社内の担当者に問い合わせてみましょう。

課税対象 映画やホテルなどの割引サービス、商品券などへのポイント交換、自社製品購入時の割引サービス

(趣味や娯楽など個人が費用負担すべきものを補てんするサービス全般)

非課税対象 人間ドックなどの医療サービスの利用補助、自社の契約施設利用時の割引サービス

(全社員が一律に供与を受けるサービス全般)

※参考:カフェテリアプランによる旅行費用等の補助を受けた場合|国税庁

勤続年数や役職によるポイント差があることも

基本的には平等に利用できるカフェテリアプランですが、企業によっては勤続年数や役職の有無によってポイント数に差がある場合もあります。

中には管理職だと一般社員の半分しかポイントがもらえないというケースも。

ただし、国税庁は「役職や報酬額に応じてポイントが決められる場合には、その会社のカフェテリアプランのメニュー全てが課税対象になる」と見解を示しており、それを避けるために、付与されるポイントは役職や勤務年数に関わらず同額にしている企業が多いようです。

※参考:カフェテリアプランによるポイントの付与を受けた場合|国税庁

コラム:今後は若年層に向けたサービスが拡充される?

企業の人材不足が社会問題になっている昨今では、カフェテリアプランを導入する際に、20~30代の社員の離職率を減らす目的で若年層向けのメニューを充実させる企業も多いようです。具体的には、家族旅行の割引や保育園・託児所の補助などです。

こうした動きから、カフェテリアプラン導入に伴って、年配社員にとってメリットが大きい「勤続10年表彰」や「家族手当」などの福利厚生が廃止されるケースもあるようです。

カフェテリアプランのおすすめの使い道

目的に合わせたカフェテリアプランのおすすめの使い道を紹介します。

あくまでも一例なので、実際に導入されているかは自社のカフェテリアプランのサービス内容を確認しましょう。

育児や介護のサポートが欲しい

カフェテリアプランには、子育てや介護を補助するメニューが多数あります。育児・介護と仕事の両立をスムーズに進めていくためにも、ぜひ活用しましょう。

  • 育児費用補助
  • 育児用品補助
  • 介護施設利用補助
  • 介護サービス利用補助
  • 介護用品補助 など

旅行や娯楽を楽しみたい

プライベートの充実を図ることは、仕事とのメリハリをつけてワークライフバランスを整えることにもつながります。

旅行やアミューズメント施設の利用補助を活用し、休日を楽しみましょう。

ただし、こちらのプランは課税対象になるので、利用後に手取りがいつもより少なくなる場合があります。

  • 旅行費用補助
  • 宿泊費用補助
  • レジャー施設利用補助
  • ゴルフ施設利用補助
  • 映画鑑賞補助 など

健康管理をしたい

人間ドックや予防接種は費用を気にしてつい足が遠ざかる傾向がありますが、カフェテリアプランで負担が減れば、受診のハードルが下がるでしょう。

また、フィットネス施設の利用料金補助を利用して運動習慣を作り、日々の健康維持に役立てるのもおすすめです。

  • 人間ドック費用補助
  • 予防接種補助
  • メンタルヘルス利用補助
  • 歯科治療費用補助
  • フィットネス施設利用補助 など

ランチの出費を抑えたい

一回の金額はそう高くないランチ代も、毎日のこととなると大きな出費になるため、補助が出るのはうれしいものです。

「旅行などの趣味もないし、カフェテリアプランをどう使えば良いのかわからない」という場合でも利用しやすいメニューでしょう。

ただし、こちらも勤務先によっては課税対象になる場合があります。

  • 昼食補助
  • 食券購入補助
  • 自社商品購入補助 など

部活動を充実させたい

企業によっては社内で部活動に取り組んでいる場合もあるでしょう。

より部活動を充実させるためにも、カフェテリアプランで補助が出る場合はぜひ活用してみてください。

  • 社内クラブ活動支援
  • ボランティア活動補助 など

まとめ

カフェテリアプランとは、社員が自分で好きなメニューを選べる選択型の福利厚生サービスです。

メニュー内容やポイント数は企業によって異なります。自社にカフェテリアプランがある場合は、積極的に活用しましょう。

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