返信すべき?辞退するときは? 採用通知書とはどんな書類?

企業が採用を決定した人に送る採用通知書(オファーレター/内定通知書)。企業によって内容や届く時期が異なります。

そこで、ここでは採用通知書の内容や返信方法、届かない場合の対処法などについてご説明します。

採用通知書とは

採用通知書(オファーレター)とは、内定が決まった人に送られる書類のこと。

ここでは、採用通知書の意味や届くタイミング、労働条件通知書との違いについて解説します。

採用通知書とは内定を知らせる書類

採用通知書とは、企業が正式に内定を知らせる書類のことです。

就職活動の場合は「内定通知書」、中途採用の場合は「オファーレター」と呼ばれる場合もあります。

封書が一般的ですが、PDFデータとしてメール添付で届くこともあるようです。

採用通知書には決まった形式がないため企業ごとに内容は異なりますが、書かれている内容はおおむね以下の通りです。

  1. 採用応募へのお礼
  2. 採用内定のお知らせ
  3. 同封書類の案内
  4. 同封書類の提出期限
  5. 人事担当者の連絡先

採用通知書(見本)

採用通知書の見本

先に電話・メールで内定が知らされる

内定が知らされる方法やタイミングは企業によってまちまちですが、一般的には先に電話やメールで採用の連絡が行われ、その後1週間ほどで採用通知書が届くケースが多いようです。

新卒の場合は、採用通知書は10月の内定式で渡されることもあります。

もちろん採用通知書が届けられることによって採用を知らされるパターンもあります。

面接から入社までの流れと通知のタイミング

面接から入社までの流れと通知のタイミングを表したフローチャート。採用の場合は、最終面接から3日前後で「電話またはメール」があり、さらに1週間前後で「採用通知書」が送付される。不採用の場合は、最終面接から1週間~1ヶ月後に「メールまたは不採用通知書」が来る(企業によっては連絡なし)。

採用通知書が届いたら、まずは届いたことのお礼を述べた上で、内定の意志あるいは返事を待ってほしい旨を伝えましょう。

ポイントは下の「採用通知書への返信方法」をご覧ください。

入社承諾書・入社誓約書が同封されることも

採用通知書と一緒に入社承諾書や入社誓約書が送付されることもあります。同封書類があった際は、当日か翌日までにポストに投函して速やかに返送するのがマナーです。

承諾書や誓約書に署名・捺印して返送すると、正式に企業との雇用関係が成立するため、送付前には労働条件などをよく確認しましょう。

また、必須ではありませんが同封書類と一緒にお礼状もつけるとより丁寧な印象を与えられます。

詳しい書き方は、下の「採用通知書へのお礼状の書き方」で説明します。

労働条件が書かれているケースも

企業によっては採用通知書やオファーレターに労働条件が明記されているケースもあります(労働条件は「労働条件通知書」や「雇用契約書」など別の書類として分けて通知されることが一般的です)。

労働条件が書いてある場合に特にチェックしておきたいポイント5つをご紹介します。選考の過程でいわれたことと違っていないか、よく確認しましょう。

  1. 給料・ボーナス
    給与・ボーナスの金額や内訳、締め日など。
  2. 入社日
    転職者は退職日の調整を滞りなく進めるためにも要確認。
  3. 休日
    休日・祝日や有給休暇、夏季休暇、年末年始休暇など。
  4. 残業時間
    残業の有無、みなし残業制(残業代があらかじめ給与に組み込まれている)なのかなど。
  5. 転勤
    転勤の有無や頻度、勤務期間など。

コラム:採用通知書と労働条件通知書、雇用契約書の違い

「採用通知書」「労働条件通知書」「雇用契約書」という3つの書類は、それぞれ以下の役割があります。

  • 採用通知書…採用を知らせる手紙。
  • 労働条件通知書…労働条件を提示する書類。
  • 雇用契約書…雇用契約を結ぶための書類。署名・捺印欄がある。契約内容として、雇用条件も書かれている。

労働基準法では、企業には雇用契約を結ぶ際に労働条件を通知する義務があると定めているため、「労働条件通知書」が必要になります。

企業によっては書類作成の手間を省くために「雇用契約書 兼 労働条件通知書」として1つの書類にまとめたり、「雇用契約書」のみ送付したりする場合もあります。

※参考→労働条件通知書の例|厚生労働省

採用通知書への返信方法

採用通知書が届いたら、どのように返事をすればよいのかを解説します。

採用通知書が届いたら

一般に、採用通知書が届くより前に電話やメールで内定を知らされていることが多いため、内定への返事が済んでいる場合は採用通知書へお礼の連絡だけすればOKです。

電話で伝えられた内定の返事を待ってもらっていたり、採用通知書ではじめて内定を知らされた場合は、まずは当日か翌日までに電話やメールで返事をしましょう。

  • 承諾する場合
    →お礼+入社の意思
  • 判断に迷う場合
    →お礼+「返事を待ってほしい」という旨
  • 断る場合
    →お礼+お詫び

とくに断る場合は、辞退の意思が固まり次第できるだけ早めに連絡しましょう。

また、「◯日までお待ちいただけないでしょうか」などと具体的な期日を決めておくとベターです。

※辞退全般について詳しくは→就職・転職 波風を立てずに内定を辞退する方法

採用通知書へのお礼メールの書き方

採用通知書へお礼メールを書く場合の例文を紹介します。

お礼メールの文面例

  1. 件名は簡潔に(就活生は大学名と名前も入れる)。
  2. 宛名を書く。
  3. あいさつと自己紹介をした後に、面接と採用通知のお礼を述べる。
  4. 今後の抱負を入れる。
  5. 結びの文を書く。
  6. 署名も忘れずに。

採用通知書へのお礼状の書き方

より丁寧な印象を与えるために、採用通知書へ書面で返事をしたい場合のお礼状・封筒の準備の書き方をご紹介します。

お礼状・封筒を書くときの注意点

  • 白無地の便箋と封筒を用意する。
  • 黒い万年筆、もしくは黒のボールペンで書く。
  • 修正液・修正テープを使うのは×。
    (間違えたときは新しい便箋や封筒に書き直す)
  • 誤字脱字がないか見直す

例文(内定を承諾し、添付書類を返送する場合)

お礼状の書面イメージ

  1. 頭語と結語(「拝啓・敬具」、「謹啓・謹白」など)を入れる。
  2. 時候のあいさつを書く。
  3. 採用へのお礼と今後の抱負を記す。
  4. 同封書類がある場合はこのように書く。
  5. 結びのあいさつを入れる。
  6. 日付を書く。
  7. 名前をフルネームで書く(就活生は大学名も入れる)。
  8. 宛名を記す。

封筒

封筒のサイズは、以下のとおり。

    • お礼状を送る場合:長形4号(手紙は3つ折り)
  • 内定承諾書など同封書類がある場合:角型A4か角2号(手紙は折らない)

封筒の書き方見本

  1. 「〆」と書く。
  2. 左下に自分の郵便番号、住所、氏名を明記する。
  3. 送付先企業の郵便番号、住所、氏名を明記する。担当者名がわかる場合は「◯◯様」、わからない場合は企業や部署宛にして「◯◯御中」とする。
  4. 内定承諾書を同封する場合は、赤字で「内定承諾書在中」と記載し、四角く囲む。

採用通知書が届かないときは

口頭で採用連絡があっても、「担当者が多忙で送る余裕がない」「郵送中にトラブルが発生した」などの理由で採用通知書の送付が遅れる場合があります。

そんなときの対応を解説します。

メールか電話で問い合わせを

内定連絡があってから1週間以上たっても採用通知書が届かない場合は、メールや電話で問い合わせてみましょう。

電話で確認する場合は、始業時間やお昼時、定時前後にかけるのは避けましょう。

メール文面例

問い合わせメールの文面例

  1. 件名は簡潔に。
  2. 就活生の場合は大学名と学部名も述べる。
  3. 急かさないよう相手を気づかいながら、予定を尋ねる形で問い合わせる。

コラム:採用通知書をもらった後は最後の交渉チャンス

採用通知書をもらった後、まだ内定承諾の返事をしていなければ、それが最後の年収交渉のチャンスです。

リクナビNEXTが人事100人に行った調査によると「応募者側から給与の話を切り出すならいつがベスト?」という質問に対して「内定後」と回答した人事担当者は6.9%いました。

内定後でも給与交渉は不可能ではありませんが、雇用契約が一度結ばれてしまうと、その後は労働条件を変更するのは困難です。内定承諾の返事をする前に、しっかりと雇用条件を確認し、気になる点は企業に相談しておきましょう。

※参考→転職の「年収交渉」いつ・どんなふうに切り出せばいい?失敗しないポイントとは|リクナビNEXT

まとめ

  • 採用通知書は、企業から内定が出たことを知らせる書類
  • 採用通知書が届いても、雇用契約を結ばなければ雇われたことにならない
  • 採用通知書への返信はできるだけ早めに
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